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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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この前職場の人と、しまむらツアーに出かけたのですが、購入した衣服に腕が通らない…もとい、通るんですが二の腕パッツンパッツンだったので、カッとなって通販でカットソー買いあさってしまいました(何の解決にもなっていない)。
ズボンとか靴とかははかないと買えないですが、上着ならまあなんとか、という意識でいると大体サイズでひっかかるんですよね。
以前から何度も申し上げて折るのですが、バストサイズ70センチ台の服って誰が着るんですか? 幼児用?
これ別に、胸のでかさの問題ではなく、バストサイズが小さいって事は結局、背中周りとか、胴回りのサイズも小さいってことになるわけじゃないですか。だからもう、そういう服って論外なんですよね。胸がきついだけならともかく、もう脇、腕、肩あたりがパンパンで、拘束着みたいになってしまいます。
まあ職業柄肩や腕の筋肉は致し方ないとしても、どうしてここまでユーザーフレンドリーじゃないんでしょうか。通販利用して買う人の年齢層が、そんなに痩せてる人々なのか(どんな人たち?)
結局、およそ一割がサイズが全く合わず、そのまま母に横流しの憂き目にあいました。
こりゃもう、メーカーによってはバストサイズ84とかでも駄目だな、こりゃ。
腹回りとか、自分が太ったせいで着られなくなるならともかく、どれだけ体重落としても肩なんて減りゃしないわけですから(しかも私はなで肩です)、もう少しこう三十台に優しいデザインであって欲しい…。だからヨーカドーに走りたくなる気持ちもわかる…。
ユニクロ? あれ最近若者ぶっててサイズ合わないこともあるから駄目だ。あいつ気取りやがって。
ちなみに、最近ブラジャーはワイヤー、寄せてあげて機能一切なしの、スポーツ系だけになりました。色気もないもあったもんじゃないですけど、長時間着けていること(夜勤だと17時間)カップの痕が内出血みたいに、色素沈着して残っちゃうんですよね。本当に若い頃は考えもしない問題ばかりが新しく生まれるようになりましたよ…。




新しい部署に異動して、一ヶ月ほどが過ぎました。シフトで働いているので、別に10日がっつり働いていたわけではないのですが、夜勤も含めて一通りの業務をなぞってみた感じです。
結果、なんつうか、まあ異動して一ヶ月も経たない私が言うのもなんですが、すげえ楽。
別に左遷ポジションだから暇とか、そういうわけではなく(まあ人生における区分けでもすれば、介護をやってる時点で人生左遷ポジションだと言えなくもない)純粋に、患者の絶対数が少ない、っていう話なのです。二十人からして違うからな。
それを、ほぼ同じ数の人員で仕事しているわけですから、そりゃ前いた部署が忙しいはずだよ。
私は勤め始めてから始めての異動だったので、他の部署の現状知らなかったのですが、これは…同じ給料もらってるのかと問い詰めたくなるレベルで仕事量が違います。
逆に早く日常的な業務が片付くのであれば、プラスアルファの仕事を考えたい(というか実行せねばならんと思う。給料分は働かないと)のですが、それはまあ入って一ヶ月やそこらの人間が、率先してでしゃばるわけにもいきませんしね。
大体、大まかな流れは掴んだというだけで、患者さんそのものの状態や、細部などは把握しきれていないわけで、まずその辺の土台をしっかり固めねば。
まあ、個人的には、仕事場において誰かがやらなきゃならんことを、他人にやってもらおうとは思わない(ま、自分がやれば間違いないし、間違ったとしても誰かに責任の所在が自分ってはっきりしているからやりやすいし)ので、もう少し慣れてきたら、自分なりにできるプラスアルファを考えたいと思います。

まあ…正直、働きやすいったらやすいわな…。
希望休ちゃんと通るし、有休使ってくれるし、患者さんの個性も穏やか(以前は急性期や、重症の方が多かったので、個性が炸裂していた人が多かった)だしな…。
別に不満はないんだ、全く…。そりゃ私だって己の人生楽なほうがいいし…。

もうしばらくしたら師長と面談があるらしいんですが、何言えばいいんだよ…。変なこと話して、同僚に恨まれるのも嫌だしなあ。
今からそれが一番気が重いです。
でも、当たり障りなくすべてが素晴らしく上手くいってます、っていうのも他の部署の現状を知っているに、なんつうか、そこで終わっちゃ…というかさ…。

妙に職員間に漂うオトモダチ雰囲気があまり好きではないのですが、その辺は自分が距離を置けばいいだけの話なので、もっと建設的に業務についての改善点や、今以上の向上を求めたいと思います。どんなに今の職場が働きやすいとしても、一生そこにいるわけではないし、状況は変わるものだから、このぬるま湯生活に馴染んじゃ駄目だと思うのよね。
年取れば取るほど、体力も記憶力も減少して、でも結果求められるものは同じか、それ以上になるわけだから、自分が低下するようなことを自分で招くわけにはいかんし。まあ、それは体調も含めて(というかそれが一番)なので、体調面では今の部署であることは素直に感謝したいと思います。おかげ様で、足のむくみも、背中の痛みも大分軽減しました。体重は減ってないけど。
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先日、振込みの用事があったので、郵便局窓口に行きました。
16720円とか、半端な数字だったんですが、そこで私は二万円を出しました。

「二十円ありません?」
「は?」

あったので、出しました。

「七百円ありません?」
「はあ?」

あったので、出しました。
だしましたけど、振り込み窓口でこんなこと言われたの初めてだぜ! だってコンビニのレジとかじゃないんだぜ! 郵便局なんだよ!?
いや、別に「ありません」って言えばよかったんでしょうけど、支払いにはなるべくクレジットカードを使うようにしている身になってからは、財布の中身の小銭って使う機会本当にないんですよね。だからまあ、窓口のお姉さんおばさん(微妙な年齢)が不愉快だったとか、そんなことは一切なかったんですが………。
私が窓口横の電光掲示板(金利が出てる)を見ながら待っていると、お姉さんが帰ってきました。
「子供手当てもらったんですか?」
掲示板の横が、子供手当てのポスターでした。
「いいですよねーもらえるものはもらってしまえば」
「………あの、子供、いないんで」

なんていうか、凄く、グイグイくるお姉さんでした。
帰宅してからその話をすると、どうやら母親もその人に遭遇したことがあるらしく、エラーが出たATMに「さあ! 一緒に行ってやってみましょう!」とこれまたグイグイ連れていかれたそうです。間違いない、その人だ。






『魍魎の匣 5巻』
いよいよ完結。志水さんの描くおっさんとか、おっさんとか、年長者とか、おじいさんとかは、本当に素晴らしいですね!
超美形じゃなくても、そりゃ美馬坂によろめくのもわかるよ!
ただし、肉親の情を越えた愛憎に対してのドロドロがない(どちらも達観してるから)ので、その手のことが苦手な人でも、さっくり見られるのではないかと。陽子さんの「愛してる」と、もう一人の「愛している」では、明らかに次元が違うものなあ。
全く余談ですが、私はこの作品に出てくる弁護士の増岡さんのルックスが超好みです。(ええ!?)
ああいう、顔も長くて手足も長くて作りが縦に細長い外見が、すんげえ好みで、最終巻は常識人の砦として、弁護士さんがいっぱい突っ込みをしてくれたので、満足でした。いいよね、増岡さん! 絶対雨宮のようにはならないあの小者さがたまらく好きです(笑)




『魔装機神』公式サイト
ゲームは休止とか言っておきながら、ちょぼちょぼ進めてます。
細かな分岐を網羅しても、一週間くらいあればクリアできるんじゃないかなあ。
中身が薄い(むしろスパロボの中では濃い)のではなく、一つの面にかかる時間が少ないので、さっさと進む印象が強い感じです。
ただ、システムが夏バテしてる。
何をやるにももっさり。変なタイムラグがどんな行動を選んでも「よ! 元気?」的な割合で顔を出してくるので、イライラすることこの上ないです。本当にイライラしますよ。マジで。
正直、これやる前にやったゲームの順番がまずかたなあ。
『ゴーストトリック』で、ぬるぬる動くセンスのいい絵を見て。
『真・紋章の謎』で、問答無用にスムーズなシステムで遊んで。
その後がこれだもん。そりゃ、評価も辛くなるよ。
思い出補正とはいいますが、その思い出がいい思い出だったってことは、システム含めていい思い出なわけで、それを加味したってイライラするってことは、やっぱりシステムのできは悪いんじゃないかな。大体、一番見る必要があるステータス画面の見づらさったら、他の追随を許さない勢いですよ。
戦闘シーンも期待していたほどの美麗さはありません。むしろ、レベルは低い。
まあ、この手のシミュレーションは基本的に戦闘OFFにしている分には問題ないんでしょうが、やはり、DSレベルならではのドット妙技を見てみたかったところです。
キャラクターのルックスも微妙に改変されていて、好みの差はあれど、私はSFC時代の少し大人っぽい印象の方が好きでした。まあ、なんだ、あのキャラデザそのものは正直あんまり好みじゃないからな………。
SFC時代にやって、お布施覚悟で遊ぶ人なら、まあまあ楽しめるのではないかと。
それ以外の、普通にスパロボを遊んでいる人には、システム面でお勧めできないし、全く遊んだことがない人には、キャラクターや物語そのものは楽しめるかもしれませんが、やっぱりシステム周りでお勧めできない、そんなゲームです。
攻略本も買っちゃったので、一応全部のルートは潰すつもりではおりますが………弟がクリアしたら売ろう。


そういえば、『スパロボOG』アニメ第二段決まったみたいですね。
私は、イルムが出るか出ないかだけ興味があるので、後は本当に好きにしてくれレベルなんですが。
一期は黒歴史呼ばわりされているみたいですけど、イルムのふさふさした長髪(本当にふさふさしてた)と、グルンガストの出番が以外に多かったので、私は非常に満足しております。
作画? まあ、ロボットに力を入れるかキャラに力を入れるかは、好みが分かれるから。

ゲームとしてのOGも、PS3で出るんじゃないかと噂されておりますが、そうなったら弟と折半で本体購入する予定です。
個人的には、PS3でスパロボシリーズ本編を出すのはいいけど、OGはこう、DSとかPSPで、地味にコンスタントに出続けてくれたほうが嬉しい。三年越しに待つとかそういうのはもう、ソフトの売り方として時流に合わないと思うのよね。特にこういう局地的なジャンルでは、発売まで延びれば延びるほど、狂信的な人しか購入しなくなっちゃうから。
『陸路の果て』の『創作』ページに、『Seven Days War』の小説「真夏の夜」をアップしました。
今回は、オリジナル要素が強い(変な表現)というか、騎士たちのお話じゃないので、いちゃいちゃを期待していらした方には申し訳ないです。主人公はクリスですけど。
一度、この手の話を書いてみたかったので、すっきりしました。

いやあ、しかし久しぶりにこの世界で文章を書こうとしたら、キャラ性格を忘れていて困りました。(酷い)
クリスがゲーム中に話す相手は、基本的に目上、年上の人間なので、なんちゃって敬語がデフォルトだったのですが、今回はそういう相手じゃない人と話すことが多かったので、言葉遣いが初体験で苦労しました。
敬語使ってない上に、親しくもない相手と話していると、クリスが別人みたいに見える。
看護師「今日、朝の四時出発で小田原から出社してきたから眠くてさあ」
私「なんでまた小田原から!?」
看護師「実家が小田原なのよ」
私「あ、帰省されてたんですか」
看護師「ううん、旦那と喧嘩して頭来て家出たの」
私「ああ~」
看護師「男としては当たり前のことかもしれないけど、されたら腹立つじゃん!」
「浮気ですか」
看護師「違う、エロ画像見てたの」
私「ああ~」(び、微妙だ)
看護師「それがさあ、こう一枚の裸の姉ちゃんが分割されてて、金払うとその画像がめくれていく、みたいな仕組みなんだけど」
私「ああ~」(有料のエロサイトなんか見ちゃってるのか。今タダだっていくらでもエロ動画なんてあるだろうに)
看護師「私が気づいた時点で、あと顔だけって状態になってて、しかもだよ! 金額三万越えしてたんだよ!」
「三万!?」
看護師「私もう絶対許さない! でも子供連れて小田原は辛いし、ああ~誰か泊めてくれないかなあ」

実家に戻る前の住まいなら、二間あったんで泊まってもらっても良かったんですが、今は実家なので苦笑いするしかありませんでした。
私が職場の同僚から聞いた夫婦喧嘩で一番ツボだったのは、奥さんが喧嘩の果てに、振り下ろしたおたまが、旦那のスネに突き刺さったという話でした。凄すぎる。




『キャデラックレコード』
最近、『パイレーツロック』といい、音楽に詳しくなくとも楽しめる音楽映画に非常に当たりが多かったので、借りてみました。
結論から言うと、これは音楽映画じゃないですね。
阿呆な連中が、自分で身を持ち崩していく映画でした。それなのに脚本がイマイチで、変な恋愛模様とか出てきちゃったのでおかしくなっちゃった感じです。
音楽に詳しくない私は、トップチャートに上り詰めていても知らない音楽の方が多いわけです。
この映画に使われている曲は、舞台上での演出などがない、黒人音楽なのでそれを聞く分には劇的な演出がないわけです。
故に、それを奏でる人物の個性を掘り下げる必要があるのはわかるんですが、それにしても、出てくる人物全員破滅的すぎます。
稼いだ金は一切身につかないし、高い高級車にスーツを無法に乗り回し、片手に酒瓶、片手にドラッグ。
無理して家を買い、一度無理して上げた水準を下げることが出来ず、ローンの返済に追われて、子供の教育費も友人の葬式代も出せない。
これが、自分の努力でどうにもできない理由でどんどん追い詰められていくのなら、こちらもそこからのハングリー精神に敬意を表する(その結果生み出される音楽は素晴らしい)んですが、ただ自分がバカなだけなんだもん。
そりゃ、車の横側全部ない(本当にない)キャデラックで走っていれば、おまわりさんも見咎めるっちゅーねん。その結果、ボッコボコになって音楽を生み出せなくなっても、それは自業自得というか。
そんな、互いに墜ちていくばかりの連中に、オーナーの白人男性と、黒人と白人の間に生まれた女性とのラブロマンスまで挟んじゃって、こっちはもう、安っぽい昼ドラ見ている気分でした。
様々な環境から生み出された音楽は素晴らしい。この音楽をもっと聴いていたい。この音楽を生み出した人物をもっと見ていたい。
これが、音楽映画の醍醐味だと思うんですが(例えその過程が辛いものだとしても)、この作品にはそれがありませんでした。


『グッド・バッド・ウィアード』
何処を切り取ってもエロい男たちの競演。
なんああなんなななななななな!(錯乱)
「バッド」ポジションの、イ・ビョンホンの凄い腹筋。この人、あんな悪な演技できるんですね。私韓国の俳優さんとか、韓流ドラマとか本当に一切知らない(ひとつも見たことがない)んで、イメージとして柔らかな二枚目っていうものしか持っていなかったんですが、ブラックジャックみたいな髪形をして、平気で人を撃ち殺し、ナイフで指を切り落とそうとする、真っ黒なスーツに白シャツを着た都会派マフィアにゾッコンでした。なんだよあのウェスト! 細すぎんだろ!
冷静に考えると、あれだけ筋肉ついてて(割れに割れまくった腹筋)細いわけがないんですが、出るとこは出て、ひっこむべきところはひっこんでいる、均整の取れた体つきだと、細く見えるんですよね。超不思議。

これは、「グッド」ポジションの、チョン・ウソンもそうで、完全にカウボーイスタイルを身にまとい、ロングコートをひっさげ、編み上げブーツの紐もきつく、ショットガンを構えるイケメンガンマンの体つきの細さといったら! この細い体で宙を飛びながらガンアクションですよ! 足の長さに思わず悲鳴。いわゆる二枚目ポジションの二人が、きちんとロングコートを着ているところに、わかってるこだわりを見ました。

そして、その二人と対極をなす「ウィアード」のソン・ガンホもまた素晴らしい! デブチビオヤジで薄汚いヒゲを生やし、小さな二挺拳銃でこっけいに立ち居振舞うさまは、さすが吹き替え堀内賢勇と思わずにはいられません。人情家で争いごとに渋々巻き込まれる立場なのですが、それでも彼も真っ当ではないので、降りかかる火の粉は実力で払える力があるのがたまりません。
だからこそ誰もが、「ユン・テグ(ソン・ガンホ)には関わるな。彼が最強だ」と口を揃えて言うのです。

物語が始まると同時に、大陸を横断する蒸気機関車に、疾走する馬。荒野の荒くれ者どものが銃をぶっ放し、派手なアクションに血なまぐさい拷問に、どこか抜けた親分子分。
見せ場を詰め込むだけ詰め込んだ、実に痛快な娯楽作品でした。
二枚目成分の補充はこの一策だけで十分だ、と思えるほどに、イ・ビョンホンが男前で参ります。様式美のかたまりみたいな映画だった。
最後に、堀内賢勇吹き替えには意味があったことがわかるので、それだけでも満足でした。さすがケンユウさんだぜ!
『トイストーリー3』『借りぐらしのアリエッティ』を見ました。
ネタバレ含みますので、自己責任において閲覧ください。
簡単に言うと、アリエッティはキツい。トイストーリーは最高でした。






結論から言うと、映画としての完成度や面白さは、トイストーリーの圧勝。というか、私借りぐらしは、開始十分と、最後のエンドロール以外全く面白くなかったです。あまりのつまらなさに、途中退席してしまおうかとすら思いました。
宮崎アニメって、昔はどうかわかりませんが、最近の映画は脚本破綻していて当たり前なので、結局何を目当てに行くかと言うと、絵になってしまうわけです。キャラ造形しかり、動画しかり、演出しかり。
アリエッティは小人で、人間の住まいにひっそりと隠れ住んでいるので、角砂糖一つ借りに行くのも、大変な冒険になります。開始十分は、小人から見た世界が如何に大きなものか。その大きな世界で小さな人は、どうやって工夫して暮らしているのか、が生き生きと描かれ、それはとても見ごたえがあります。
ただ、アリエッティが「よく動く」だけでは、それはいい作品ではないのです。その動きに、魅せる力がなければ、どれだけ動画の枚数が多かろうが、結局は同じ。
私は何気に『ハウルの動く城』が好きなんですが、あれは脚本はそれなりに意味不明であっても、ハウルの動きに魅力がありました。同じ開始十分でも、ハウルがソフィを抱えて空を歩き、颯爽と飛び降りて去っていく様で、もう私の心臓はわしづかみされたも同然。そんな魅力のある映像が、正直アリエッティからはあまり感じ取れなかったのです。映像的な見所が感性に合ったとしても、それは開始早々終わってしまうのも残念ですし。

そして演出のキモである、アリエッティの『借り』(狩り)が終わってしまうと、後はもう微妙な物語が続くとしか。
病弱な翔君が、妙に斜に構えてて(反転)
「人口は六十億人いる。絶滅した種族もいっぱいいる。君たちもそうなる」
とか始まったときには、「宮崎アニメにも厨二病の波が押し寄せてきたのか…」と、顔面がひきつりました。

心臓病の手術を控えているんだけど、(反転)世を儚んでいて、ついアリエッティに辛く当たってしまった、ってところなんですが、何もこんな演出しなくても…というか。だからお前、やることなすこと全部裏目に出てんだよ! 普通他人の家の天井はがして、勝手にリフォームしないだろう!?

まあ、ロマンチストな青少年のやることだからなあ…と、翔君の暴走はまだ許容範囲だったんですが、おハルさんっていうお手伝いさんの性質の悪さには、胸やけがしました。何が凄いって、(反転)小人を閉じ込めて他にも捕まえたいってネズミ取りの業者を呼んじゃうような行動全部で、笑っていた他のお客さんがいたってことでしょうか。…わからない…。あの一連の行動で笑える人の感性が…。

『となりのトトロ』のように、小さな世界で起こる出来事なんですが、誰も胸糞悪い人がいなくても、トトロは物語として成立していたのに、今回は胸糞悪い人(悪役)が誰もいないって物語を作るうえでかなり辛いんだなあ、とそっちばかりが気になりました。

(反転)スピラーっていう、アリエッティの家族以外の小人が、デフォルトヒーローでよかったんじゃないかなあ、普通に、とEDロールを見ながら思う始末。

EDロールは良かったです。
(反転)おそらく自分の周りに同じ年頃の女の子がいなかったスピラーが、アリエッティに対して不器用に木の実をあげて、嬉しそうにする様とか、甘酸っぱくてたまりませんでした。さつきちゃんと、カン太君だよなーこの二人だったら。
それこそ、翔君にあたるキャラクターの性格が、スピラーだったら物語に入り込めたのになあ。

見所といえば、心臓病を患って静養に来ている翔君の美しさくらいでしょうか。逐一美少年で困ります。つかまれている襟首までもが美しい。
最近のジブリは少年の美しさに気合入ってますね。美少女はもう飽きたんでしょうか。

網戸越しの会話とか、アリエッティとの報われない関係は、いっそ「恋」にしてしまったほうが、別れの切なさに感情移入できたかもしれません。
これ、(反転)肝心の別離のシーンで、「君は僕の心臓だ。絶対に忘れない」とか始まるよりも、「君のことが好きだよ。絶対に忘れない」のほうが、あの二人の関係としては真っ当に思えました。
小人の掟に遵守するのは、アリエッティの両親がちゃんといるわけですしね(宮崎アニメにしてはまれに見る頼れるお父さんであった…)




で、『トイストーリー3』なんですが、最高でした。
アニメだと侮るなかれ。何気に、1も2もかなりの良作なんですが、一連のシリーズにちゃんと大団円な結末をもってきただけでも大したものなのに、動きから演出に至るまで見所満載です。

おもちゃたちの持ち主、アンディは大学に進学することになり、おもちゃたちは、屋根裏にしまわれるはずだったのが、悪のクマのぬいぐるみに支配されてしまった保育園においやられてしまう。果たして、彼らはそこから脱出できるのか。そして、アンディとおもちゃたちは如何なる関係になっていくのか。

テーマとしては切なさ満載です。
おもちゃたちは、自分が捨てられることに悲しみはするけども、自分が「玩具」であることを自覚している。だから、別れること事態は納得できる。ただ、自分がおもちゃとして、新しい主の下で共に遊べる存在でありたい。持ち主が自分を必要としないのであれば、自分の居場所は自分で見つけるしかない。
これがおもちゃ視点で語られるので、見ている側はもう、「おもちゃを何で捨てるんだよ!」と、アンディの行動に腹を立て、おもちゃたちの行く末や、結末に胸を痛める始末。もう、心底ドキドキします。おもちゃたちが健気に生きようとする様は、感動なしでは見られません。

そして、寄付された保育園で、年少組に乱暴な扱いをされた彼らの前に、保育園を牛耳るクマのぬいぐるみが現れます。
ここも、「乱暴に扱う子供が悪い」のではなく、「あの子達は自分たちと遊ぶにはまだ幼すぎる」と、普段全く意識しない、おもちゃの適正年齢まで出てきて、脚本の良さにびっくりです。
あくまで、おもちゃ基準のものの見方が、こうも人間の見方と違うか、というか。

テディベアのロッツォも、自分以外のおもちゃを虐げて、己の王国を作り上げている悪者なのですが、彼にも彼なりの事情があります。
(反転)とても仲良くしていたかつての持ち主とはぐれ、そして必死な思いで戻った(もう涙なくしては見られない)ときには、もう既に彼と全く同じぬいぐるみが買い与えられていたのです。勿論持ち主の女の子に悪気はない。多分、ロッツォではないこともわかっていない。けれど、ロッツォはその姿を見て絶望します。
ここにはもう自分の居場所ではない。自分の居場所は自分で決める。

そして、作り上げた王国に、アンディに愛されたおもちゃたちがやってくる。別にロッツォは他のおもちゃを憎んでいるわけではないけれど、自分にはむかい、よりにもよって人間の下に帰ろうとするおもちゃたちは許せない。

けれどアンディのおもちゃたちは、必死に帰ろうとします。アンディが待っている。たとえ自分たちがもう必要とされなくても。行き先が屋根裏にしまわれたダンボールであっても。

そして、アンディが最後に取った行動とは。
おもちゃたちは、自分たちの生きる世界をどうやって選び、何をもってしておもちゃとして幸せになるのか。
あくまで、アンディのおもちゃとして屋根裏で過ごすのか、それとも、別の生き方を選ぶのか。

普通に映画館で泣きました。泣き所山ほどあります。
(反転)ロッツォの過去で泣き、おもちゃたちの懸命なシーンで泣き、焼却炉でつなぎ合う手に泣き、そしてラストではひたすら号泣。

山あり谷あり、笑いあり(ちゃんと随所にあります)涙ありと、見事に詰め込まれた上で破綻せずに見せきった良作です。二時間くらいあるのですが、本当にあっという間でした。静も動も、全部に見所があります。

奇しくも、人間の世界から人間ではないものが脱出する、という、アリエッティにも似た動きを見ることができるんですが、それも圧倒的にこちらの方が見ごたえありです。人間ではない、おもちゃたちが、それぞれの能力を生かして、保育園から脱走するシーンは、おもちゃたちの創意工夫があちこちに見られて、ため息物です。
今年の夏はこの一本でもいいくらいなんじゃないか、というくらいお勧め。底辺に流れるテーマは明るいものではないのですが、それでも懸命に生きようとする姿がこうも美しいか、応援したくなるか、と、見ている側が真っ当な気持ちになれる映画でした。

私これ、3Dで見た(全部そうなのかな?)んですが、ぶっちゃけ、3D勘弁して欲しいです。
もう目が疲れること疲れること。3Dって飛び出す部分というか、見せたい部分にこちらの意思お構いなく、強制的に視点合っちゃう(合わなきゃ3Dじゃない)ので、正直長時間見るのは本当に辛いです。売りである3Dも人間ってのは恐ろしいもので、二時間の間でそれに慣れちゃうんですよね。だから正直、見ていて集中しちゃうと特に、飛び出てこようがなんだろうが、そんなもん意識しなくなっちゃうわけですよ。
でも目は勝手に酷使されちゃうので、見ている途中と、終わった後がキツイことこの上ないです。
今後、3D上映ますます増えてきそうなんですが、個人的には半々くらいの上映率にしてもらいたい…。しかも、『トイストーリー3』なんて、3Dであるかどうかなんて、映画の優劣に全く関係していない良作だったのに、逆に勿体無い感じすらしました。
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