『温泉パン』という食べ物をご存知でしょうか。
伯母が好きらしく、何故か唐突に箱で送られてきます。
一人暮らしをしていたときは勿論知らなかったのですが、実家に戻ってからご相伴に預かるようになりまして、よく食べてます。
このパン、信じられないくらいみっちり詰まっているのが特徴で、さっくりふわふわ軽~い食感、とは無縁です。 あるのは、噛み応えと、妙なパサつき感くらいです(誉め言葉)。
こう、ギュッと小麦粉を閉じ込めました、みたいなボリューム感がたまらなく好みで、この一個でかなり腹持ちがします。
通販でも取り扱っているので、興味のある方は是非。お値段もこの手の通販パンの中ではかなりのお手ごろ価格なのではないかと。
レンジで暖めるとか、トーストするとか、色々美味しい食べ方があるらしいのですが、個人的にはコーヒー片手にかぶりつくのが一番美味い。
特に、プレーン(元祖)や、ゴマや、くるみに、魚肉ソーセージとスモークチーズを挟んでサンドイッチにしたものが絶品で、よく作ってます。
そして太りました。
いや、パンの中ではカロリーもそんなにない方だとは思うけど、パンだから………! 炭水化物と砂糖とバターの塊だから………!
お勧めです。是非。
………とまあ、明るく楽しい日常の美味しい話題はともかくとしてですね、『アンジェリーク ~魔恋の六騎士~』が2011年に発売になるそうです。
さて、既にご存じない皆様の方が多いでしょうから、ざっとこの作品に至るまでの過程をご説明いたしますと、これは要するに、KOEIという会社が出した、ネオロマンスゲームの中の一つ、「アンジェリーク」というシリーズの中の一作品「天空の鎮魂歌」(てんくうのれくいえむ、略して天レク)のスピンオフ作品、ということになります。
この天レクという作品自体が正直、アンジェリークというゲームシリーズの中では結構異端であり、スピンオフとしても差し支えないような位置づけにある作品なのです。
その要因の一つとして、基本的にアンジェリークと言うゲームが、基本的なシミュレーションタイプの乙女ゲームであった中にあり、唯一の「RPG」だった、というのが挙げられます。
これ、発売されたときは結構な衝撃だったのです。
それまでにも、KOEIを筆頭に、乙女ゲームというものがちらほら出だした中、それでも数少ない中で、純粋なゲームファン(乙女ゲーム初期は、当然「ゲーム好きな乙女」が購入する場合が多かった)としては、「まさかRPGで乙女ゲームができるなんて!」と、発売前はかなり盛り上がったものでした。
で、蓋を開けてみれば、二世紀ばかり遅かったのではと思えんばかりのグラフィックに、内容、システムと、「嘘だろ………これがPSなんて嘘だと言ってくれ………これはFCなんだと………!」と、数多くのごく普通のゲーマーたちを驚嘆させたものでしたが、ここで、乙女ゲームとして本懐を遂げたであろう、プレイヤーの満足を満たす結果が現れます。
アリオスという、アンジェリークシリーズで、一、二位を争う人気キャラクターの登場です。
元々、ゲームジャンル以外にも、天レクというソフトが異端と呼ばれるのは、他のシリーズと違い、アリオスと主人公であるコレットが固定カップルだったということがあげられます。
つまり、他のシリーズではどのキャラクターを、主人公が落としてもそれはすべて正史ですが、このソフトにおいては、アリオス×コレットという図式が初めから出来上がっていた、ということなのです。
他の登場人物と、初めから全く違う物語展開に、設定。
そして、コレットでなければ救えない(カップルになれない)という初期設定。
それまでのアンジェリークは、一応、リモージュ、コレットという主人公キャラがいましたが、それ以外にもライバルキャラの、ロザリア、レイチェルという二人もちゃんと登場しており、実際後にライバルキャラであるロザリアは、彼女を動かせるゲーム(『アンジェリークSpecial デュエット』)も発売され、実際ゲームプレイヤーとして選ぶことはできなくても、別に想像の中でレイチェルやロザリアが登場している男性キャラクターとカップリングになっても別におかしくはない設定になっていたのです。
現実的に、二次創作世界では、ロザリアやレイチェル主体のものもちゃんとありましたし、それに対して別に矛盾は発生してはいませんでした。
ですが、天レクにおいて、アリオスという登場人物は、コレット以外の人間に「落とされる」ことはありえないという、れっきとした理由が存在してしまい、ある意味このゲームは、アリコレというカップリング成立のために存在しているようなRPGだったのでした。
これは、かなりの冒険でした。
ゲームによっては、数多くの男性が落とせるけどデフォルトヒーローは「彼」ですよ、というような扱いをされているキャラが登場するものもありますが、天レクはそれがより顕著でした。
まだこれが、多くの人物の中からアリオスだけをよりぬいたファンディスクですよ、というものならわかりますが、これはそうでなく、純粋にアンジェリークシリーズにおける「正史」なのです。
そうでなければ、これから後にリリースされた、『アンジェリークトロワ』『アンジェリークエトワール』(ネオアンは設定として今だ不明瞭な部分があるので今回は除外します)という二作品の符号がつかなくなってしまうからです。
つまりそれだけ、アンジェリークシリーズにおいて、アリオスというキャラクターが特別な位置にいるのですが、今回発表になった『アンジェリーク ~魔恋の六騎士~』はその天レクのスピンオフではなく、天レクをスピンオフした小説のスピンオフという設定になっているのです。
ここまでくるともうわけわからんというのが正直なところなのでしょうが、まずそのスピンオフされた小説についてですが、これは『小説 アンジェリーク 天空の鎮魂歌~黒き翼のもとに~』という題名で発売されたもので、アリオスの過去編になります。
当然、コレットと絡んではいませんし、舞台も違いますし、過去話ですから、アリオスはアリオスではありません(ネタバレも正直今更感がありますが、一応)。
そして、恋愛要素もありません。私は購入して読みましたが、わりとハードな内容でした。
一人の男が反旗を翻し、それに従う六人の男たちの内情を描いたような話で、あくまで本気のスピンオフでした。なんちゃって恋愛要素がカケラもないような。
ただし、それなりに人気はありました。
天レクというゲームに、実際この六騎士は出てくるのですが、あくまで敵であり、グラフィックも別に書き下ろされていなかった(ゲーム設定で書き下ろす必要はなかったのですが、まあめんどくさかったんだろという邪推)くらいでして、主であるアリオスのあくまで付属品、という立ち位置のキャラクターたちでした。
私自身も「いましたね」くらいのレベルでしたが、別段嫌う要素もないですし、大体が落とせないモブキャラなわけですから、いくら勝手な妄想をしたとしても、彼らがピックアップされる要素は何処にもなかったのです。
エルンストの同僚である、石になってたロキシーと同じレベルです。ゲームにおける立ち位置なんてものは。
ですが当時やはり、アリオスの人気(天レクの人気とも呼べるが、ほぼキャラクター一人歩きの懸念あり)というのはハンパではなく、天レクの関連商品が山ほど発売され、その中でわざわざこの魔恋六騎士を扱ったものが他にもあったくらいなのです。
当然そこに配置されていたのは、美形の六騎士だったわけで、ショタから年長者までなんでもござれの、如何にも狙った感アリアリの人物たちばかりだったのですが、それはそれで拒否反応を示すような内容ではなかったのです。
ただ、ゲームには一切登場してはいないし、知らない人は知らないままで当然の彼らですから、いくらスピンオフ作品が出ていたところで、所詮は、「その程度」の位置づけの人物たちだったのでした。
それが、何の因果か『アンジェリーク ~魔恋の六騎士~』です。
ちなみに、元になっている小説が発売されたのは、2000年です。
つまり、十年前です。
その当時だって、別にゲーム化されたとか、爆発的な人気があったというわけではない、小説です。
天レクそのものは発売されたのは1999年です。PC-FXだったら1998年です。
その十年前に出た小説が、何故かこの時期にタイアップです。
わけがわかりません。
これが、「満を持しての発売」というのならまだわかります。
「絶版になってから十年待ってた、ゴーストハント!」というのならわかります。絶版になった小説が再販になった、というのであればわかります。
ですが、今回何故だかゲームです。
しかも、情報が少ないのでよくわかりませんが、公式サイトを見る限り乙女ゲームではなさそうです。
それこそ小説を基にしているのであれば、恋愛要素微塵もありませんし、この頃は、別のヒロインが鬼籍であっても存在していますので、現実問題乙女ゲームとして作るのは厳しいでしょう。
そうなると、普通に魔恋連中の生き様を見るゲームということになるのでしょうか。
それならそれで、何故それを十年前に作らなかったのか甚だ疑問です。
というか、なんで今。本当になんで今? 当時だってさして人気があったわけでもないスピンオフを何で今? ティーンの子たちなんてまだ年齢一桁の時代に出た乙女ゲームのスピンオフのスピンオフを誰が買うの?
コレこそまさに、見える地雷という奴でしょうか。
作り手側が一体何を期待してこのゲームを作っているのか、理解に苦しみます。このゲームを作る事によってのメリットって、何処にあるんでしょうか。 天レクがアーカイブスにでもなるんでしょうか。それともPS3で焼き直しにでもなるんでしょうか。遥か5発売前に湿った商戦に弾みをつけたいんでしょうか。ネオアン再始動の動きでもあるんでしょうか。
他に山ほどセールスだけ見れば最良の選択があるでしょうに、今更本気でどうしちゃったのKOEI?
KOEI(というかネオロマ業界というか)の迷走は今に始まった話ではありませんが、なんか、「過去の遺産を食い潰すったって、もっと上手い方法いくらでもあんだろうに…」と肩を落とす以外のリアクションが取れない有様です。
こう、守銭奴的な姿勢はKOEIは外さない奴だと思っていたのですが、その商人としての気概もどこかに行ってしまったのか…。
会社関連のつながりはよくわかりませんが、オトメイトとの提携(?)っていうのも正直よくわかりません。
この場合、原案KOEI、製作オトメイトってことになるんでしょうか。
これは、KOEIがここまで堕ちたかと判断するか、オトメイトがここまで頑張ったのかと判断したらいいのか、どちらにせよこれも微妙です。現実的には、オトメイトはゲームのできの良し悪しはともかくとして、商戦に関してはそれなりの利益を上げているからこそのソフト乱発なのでしょうから、どうしてKOEIのこの売れない商品(言っちゃった)に手を出そうと思ったのかも謎です。
逆にこれからの業務提携の必須条件として、この作品を一つ仕上げてそれから主導権を握るとか、そういう裏の話でもあるんでしょうか。
乙女ゲームファンは、別に一つの会社だけ狙って遊ぶ、ということはまずない(遊んでみてつまらなかったから、あのメーカーは買わないということはあっても)と思うので、今更KOEIとオトメイトがタッグを組んだところで、購買者にとってそれは劇的なニュースにならないとも思うのですが。
それとも、KOEIのオンライン的な部門にオトメイト参入したいんでしょうか。つい先日もソーシャルゲームでのアンジェリークが発表されたばかりですが、そちらも相まってオトメイトも頑張りたいってことなんでしょうか。
ともかく、右を向いても左を向いても売れる要素が微塵もないこの企画。
色々な意味でとても不安です。KOEIからネオロマの乙女ゲー部門が消えるんじゃないかと。
金を稼ぐならイベントだけやってりゃいいんだと、暗に示されているようで非常に危険です。
私のようにいい年齢になったアンジェリークシリーズファンの方が購入するのか否かですが、逆にこれだけ年月が経ってしまうと、過去の自分を懐かしむ目的かなにかで、購入してしまいそうですね。この場合、お布施はほぼ自分に払っているのと同じことで。
かなり、感情を抑えた文章にしたつもりなんですが、総括としては今更の一言につきます。
私はサイト立ち上げ時に、アリコレのコンテンツをメインとしていてので、天レクにはかなり個人的な思い入れがありますし、六騎士を自分のSSに登場させていたこともあったので、正直感情が噴出すと止めようがないために、あえて絶叫系の感想は入れませんでした。
本当に、『戦国アンジェリーク』で「織田・アンジェリーク・信長だって!」とか『ラブラブ天使様~アンジェリーク~』で「ロックギタリストのアリオスだって!」とか笑えていた、ほんのちょっと前の自分が懐かしいです。
伯母が好きらしく、何故か唐突に箱で送られてきます。
一人暮らしをしていたときは勿論知らなかったのですが、実家に戻ってからご相伴に預かるようになりまして、よく食べてます。
このパン、信じられないくらいみっちり詰まっているのが特徴で、さっくりふわふわ軽~い食感、とは無縁です。 あるのは、噛み応えと、妙なパサつき感くらいです(誉め言葉)。
こう、ギュッと小麦粉を閉じ込めました、みたいなボリューム感がたまらなく好みで、この一個でかなり腹持ちがします。
通販でも取り扱っているので、興味のある方は是非。お値段もこの手の通販パンの中ではかなりのお手ごろ価格なのではないかと。
レンジで暖めるとか、トーストするとか、色々美味しい食べ方があるらしいのですが、個人的にはコーヒー片手にかぶりつくのが一番美味い。
特に、プレーン(元祖)や、ゴマや、くるみに、魚肉ソーセージとスモークチーズを挟んでサンドイッチにしたものが絶品で、よく作ってます。
そして太りました。
いや、パンの中ではカロリーもそんなにない方だとは思うけど、パンだから………! 炭水化物と砂糖とバターの塊だから………!
お勧めです。是非。
………とまあ、明るく楽しい日常の美味しい話題はともかくとしてですね、『アンジェリーク ~魔恋の六騎士~』が2011年に発売になるそうです。
さて、既にご存じない皆様の方が多いでしょうから、ざっとこの作品に至るまでの過程をご説明いたしますと、これは要するに、KOEIという会社が出した、ネオロマンスゲームの中の一つ、「アンジェリーク」というシリーズの中の一作品「天空の鎮魂歌」(てんくうのれくいえむ、略して天レク)のスピンオフ作品、ということになります。
この天レクという作品自体が正直、アンジェリークというゲームシリーズの中では結構異端であり、スピンオフとしても差し支えないような位置づけにある作品なのです。
その要因の一つとして、基本的にアンジェリークと言うゲームが、基本的なシミュレーションタイプの乙女ゲームであった中にあり、唯一の「RPG」だった、というのが挙げられます。
これ、発売されたときは結構な衝撃だったのです。
それまでにも、KOEIを筆頭に、乙女ゲームというものがちらほら出だした中、それでも数少ない中で、純粋なゲームファン(乙女ゲーム初期は、当然「ゲーム好きな乙女」が購入する場合が多かった)としては、「まさかRPGで乙女ゲームができるなんて!」と、発売前はかなり盛り上がったものでした。
で、蓋を開けてみれば、二世紀ばかり遅かったのではと思えんばかりのグラフィックに、内容、システムと、「嘘だろ………これがPSなんて嘘だと言ってくれ………これはFCなんだと………!」と、数多くのごく普通のゲーマーたちを驚嘆させたものでしたが、ここで、乙女ゲームとして本懐を遂げたであろう、プレイヤーの満足を満たす結果が現れます。
アリオスという、アンジェリークシリーズで、一、二位を争う人気キャラクターの登場です。
元々、ゲームジャンル以外にも、天レクというソフトが異端と呼ばれるのは、他のシリーズと違い、アリオスと主人公であるコレットが固定カップルだったということがあげられます。
つまり、他のシリーズではどのキャラクターを、主人公が落としてもそれはすべて正史ですが、このソフトにおいては、アリオス×コレットという図式が初めから出来上がっていた、ということなのです。
他の登場人物と、初めから全く違う物語展開に、設定。
そして、コレットでなければ救えない(カップルになれない)という初期設定。
それまでのアンジェリークは、一応、リモージュ、コレットという主人公キャラがいましたが、それ以外にもライバルキャラの、ロザリア、レイチェルという二人もちゃんと登場しており、実際後にライバルキャラであるロザリアは、彼女を動かせるゲーム(『アンジェリークSpecial デュエット』)も発売され、実際ゲームプレイヤーとして選ぶことはできなくても、別に想像の中でレイチェルやロザリアが登場している男性キャラクターとカップリングになっても別におかしくはない設定になっていたのです。
現実的に、二次創作世界では、ロザリアやレイチェル主体のものもちゃんとありましたし、それに対して別に矛盾は発生してはいませんでした。
ですが、天レクにおいて、アリオスという登場人物は、コレット以外の人間に「落とされる」ことはありえないという、れっきとした理由が存在してしまい、ある意味このゲームは、アリコレというカップリング成立のために存在しているようなRPGだったのでした。
これは、かなりの冒険でした。
ゲームによっては、数多くの男性が落とせるけどデフォルトヒーローは「彼」ですよ、というような扱いをされているキャラが登場するものもありますが、天レクはそれがより顕著でした。
まだこれが、多くの人物の中からアリオスだけをよりぬいたファンディスクですよ、というものならわかりますが、これはそうでなく、純粋にアンジェリークシリーズにおける「正史」なのです。
そうでなければ、これから後にリリースされた、『アンジェリークトロワ』『アンジェリークエトワール』(ネオアンは設定として今だ不明瞭な部分があるので今回は除外します)という二作品の符号がつかなくなってしまうからです。
つまりそれだけ、アンジェリークシリーズにおいて、アリオスというキャラクターが特別な位置にいるのですが、今回発表になった『アンジェリーク ~魔恋の六騎士~』はその天レクのスピンオフではなく、天レクをスピンオフした小説のスピンオフという設定になっているのです。
ここまでくるともうわけわからんというのが正直なところなのでしょうが、まずそのスピンオフされた小説についてですが、これは『小説 アンジェリーク 天空の鎮魂歌~黒き翼のもとに~』という題名で発売されたもので、アリオスの過去編になります。
当然、コレットと絡んではいませんし、舞台も違いますし、過去話ですから、アリオスはアリオスではありません(ネタバレも正直今更感がありますが、一応)。
そして、恋愛要素もありません。私は購入して読みましたが、わりとハードな内容でした。
一人の男が反旗を翻し、それに従う六人の男たちの内情を描いたような話で、あくまで本気のスピンオフでした。なんちゃって恋愛要素がカケラもないような。
ただし、それなりに人気はありました。
天レクというゲームに、実際この六騎士は出てくるのですが、あくまで敵であり、グラフィックも別に書き下ろされていなかった(ゲーム設定で書き下ろす必要はなかったのですが、まあめんどくさかったんだろという邪推)くらいでして、主であるアリオスのあくまで付属品、という立ち位置のキャラクターたちでした。
私自身も「いましたね」くらいのレベルでしたが、別段嫌う要素もないですし、大体が落とせないモブキャラなわけですから、いくら勝手な妄想をしたとしても、彼らがピックアップされる要素は何処にもなかったのです。
エルンストの同僚である、石になってたロキシーと同じレベルです。ゲームにおける立ち位置なんてものは。
ですが当時やはり、アリオスの人気(天レクの人気とも呼べるが、ほぼキャラクター一人歩きの懸念あり)というのはハンパではなく、天レクの関連商品が山ほど発売され、その中でわざわざこの魔恋六騎士を扱ったものが他にもあったくらいなのです。
当然そこに配置されていたのは、美形の六騎士だったわけで、ショタから年長者までなんでもござれの、如何にも狙った感アリアリの人物たちばかりだったのですが、それはそれで拒否反応を示すような内容ではなかったのです。
ただ、ゲームには一切登場してはいないし、知らない人は知らないままで当然の彼らですから、いくらスピンオフ作品が出ていたところで、所詮は、「その程度」の位置づけの人物たちだったのでした。
それが、何の因果か『アンジェリーク ~魔恋の六騎士~』です。
ちなみに、元になっている小説が発売されたのは、2000年です。
つまり、十年前です。
その当時だって、別にゲーム化されたとか、爆発的な人気があったというわけではない、小説です。
天レクそのものは発売されたのは1999年です。PC-FXだったら1998年です。
その十年前に出た小説が、何故かこの時期にタイアップです。
わけがわかりません。
これが、「満を持しての発売」というのならまだわかります。
「絶版になってから十年待ってた、ゴーストハント!」というのならわかります。絶版になった小説が再販になった、というのであればわかります。
ですが、今回何故だかゲームです。
しかも、情報が少ないのでよくわかりませんが、公式サイトを見る限り乙女ゲームではなさそうです。
それこそ小説を基にしているのであれば、恋愛要素微塵もありませんし、この頃は、別のヒロインが鬼籍であっても存在していますので、現実問題乙女ゲームとして作るのは厳しいでしょう。
そうなると、普通に魔恋連中の生き様を見るゲームということになるのでしょうか。
それならそれで、何故それを十年前に作らなかったのか甚だ疑問です。
というか、なんで今。本当になんで今? 当時だってさして人気があったわけでもないスピンオフを何で今? ティーンの子たちなんてまだ年齢一桁の時代に出た乙女ゲームのスピンオフのスピンオフを誰が買うの?
コレこそまさに、見える地雷という奴でしょうか。
作り手側が一体何を期待してこのゲームを作っているのか、理解に苦しみます。このゲームを作る事によってのメリットって、何処にあるんでしょうか。 天レクがアーカイブスにでもなるんでしょうか。それともPS3で焼き直しにでもなるんでしょうか。遥か5発売前に湿った商戦に弾みをつけたいんでしょうか。ネオアン再始動の動きでもあるんでしょうか。
他に山ほどセールスだけ見れば最良の選択があるでしょうに、今更本気でどうしちゃったのKOEI?
KOEI(というかネオロマ業界というか)の迷走は今に始まった話ではありませんが、なんか、「過去の遺産を食い潰すったって、もっと上手い方法いくらでもあんだろうに…」と肩を落とす以外のリアクションが取れない有様です。
こう、守銭奴的な姿勢はKOEIは外さない奴だと思っていたのですが、その商人としての気概もどこかに行ってしまったのか…。
会社関連のつながりはよくわかりませんが、オトメイトとの提携(?)っていうのも正直よくわかりません。
この場合、原案KOEI、製作オトメイトってことになるんでしょうか。
これは、KOEIがここまで堕ちたかと判断するか、オトメイトがここまで頑張ったのかと判断したらいいのか、どちらにせよこれも微妙です。現実的には、オトメイトはゲームのできの良し悪しはともかくとして、商戦に関してはそれなりの利益を上げているからこそのソフト乱発なのでしょうから、どうしてKOEIのこの売れない商品(言っちゃった)に手を出そうと思ったのかも謎です。
逆にこれからの業務提携の必須条件として、この作品を一つ仕上げてそれから主導権を握るとか、そういう裏の話でもあるんでしょうか。
乙女ゲームファンは、別に一つの会社だけ狙って遊ぶ、ということはまずない(遊んでみてつまらなかったから、あのメーカーは買わないということはあっても)と思うので、今更KOEIとオトメイトがタッグを組んだところで、購買者にとってそれは劇的なニュースにならないとも思うのですが。
それとも、KOEIのオンライン的な部門にオトメイト参入したいんでしょうか。つい先日もソーシャルゲームでのアンジェリークが発表されたばかりですが、そちらも相まってオトメイトも頑張りたいってことなんでしょうか。
ともかく、右を向いても左を向いても売れる要素が微塵もないこの企画。
色々な意味でとても不安です。KOEIからネオロマの乙女ゲー部門が消えるんじゃないかと。
金を稼ぐならイベントだけやってりゃいいんだと、暗に示されているようで非常に危険です。
私のようにいい年齢になったアンジェリークシリーズファンの方が購入するのか否かですが、逆にこれだけ年月が経ってしまうと、過去の自分を懐かしむ目的かなにかで、購入してしまいそうですね。この場合、お布施はほぼ自分に払っているのと同じことで。
かなり、感情を抑えた文章にしたつもりなんですが、総括としては今更の一言につきます。
私はサイト立ち上げ時に、アリコレのコンテンツをメインとしていてので、天レクにはかなり個人的な思い入れがありますし、六騎士を自分のSSに登場させていたこともあったので、正直感情が噴出すと止めようがないために、あえて絶叫系の感想は入れませんでした。
本当に、『戦国アンジェリーク』で「織田・アンジェリーク・信長だって!」とか『ラブラブ天使様~アンジェリーク~』で「ロックギタリストのアリオスだって!」とか笑えていた、ほんのちょっと前の自分が懐かしいです。
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