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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『オペラハット』
『スミス都へ行く』
同じ監督作品が同じ日に送られてきました。結果連続で鑑賞したんですが、まあ根本的なテーマとか展開は全く同じですね。
田舎で暮らしていた純朴青年が、都会にやってきてもその誠実さを失わず、変人と扱われても他の善良な人々によって救われる、っていう実にわかりやすいいい人たちの映画です。その分出てくる悪役が非常に生臭いんですが。


オペラハットの方は、田舎で絵葉書に詩を書いて、吹奏楽団でチューバを吹いていたゲイリー・クーパーが主役です。こんなイケメンな田舎青年がいてたまるかというくらいイケメンですが。
細かい笑いも満載で、遠い親戚の遺産をもらって億万長者になってしまったクーパーが、田舎町から去っていくという一大イベントの際に、演奏している吹奏楽団に自分も混じってチューバ吹いちゃってるとか、凄く面白かったです。結局列車乗ってからもチューバ吹いてますし。
爆笑と言うのではなく、ウィットに富んだ会話の積み重ねが面白いというのは、この時代の映画の特徴ですね。
好きな女ができて、食事のシュミレーションをするにしても、じじいの執事を向かいに座らせて、
「彼女はもうちょっと背が低いから」
とか言ってずりずりと背の高さの調整をさせたりとか。ちなみにこの映画執事三人出てくるんですが、揃いも揃ってじじいです。 とても素晴らしいです。背の高いのからちょっと太ったのまで、じじいのラインナップ完璧です。

クーパー演じるディーズ氏は馬鹿ではありませんが、完璧に善人かというとちょっと違います。酒にも酔うし、他人をすぐ殴るし、消防車が通れば興奮して乗り込んでしまう。
そんな破天荒さを純粋さと見てしまった、ゴシップ記者のベネットは運のつきだったのでしょうなあ(笑)。
始めはプライベートを暴いて記事にするために、ディーズに近づくんですが、その人柄を知って自分が彼を裏切っているのが辛くなる、っていうベッタベタな展開が楽しめますが、むしろそれがいいんですよ。

最終的にはディーズ氏は親族に訴えられて、裁判に持ち込まれるのですが、その前にベネットに裏切られている(正体がバレた)ので茫然自失の体っていうのがまった男の情けなさ面目躍如ってとこで。

アメリカ映画は如何にもタフガイ的な演出をしてくる男も凄く多いですが、こう、女に振られたくらいで人生丸投げにするくらいどん底まで平気で落ち込んじゃう男も出てきちゃうあたりが、個性のゆれ幅も極端に大胆すぎんだろ、といつも思います。
愛は至上であって、裏切られたらそれこそ生きていけないを地で表すヒーロー。これも今の風潮とはちょっと違うので面白いですね。
結局立ち直るのも女の激励によってであり、その後は唐突にハッピーエンドで終わります。
昔の映画の唐突に終わる感はいつもハンパないですが、この映画もドカンと唐突に終わりますのでそれだけは残念。
私だったら絶対に、最後は女を連れて故郷にチューバ吹きながら凱旋するシーンで終わらせるのになあ。


スミス都へ行く、は主演男優さんが何処かで見たことがあるなあ、と思ったらジェームズ・スチュワートではないですか。あの『ハーヴェイ』の主役の人でしたか。その人に比べて随分男前に見えるのは、前髪が発生していたからなのでしょう。

スミス氏も田舎で青少年相手に活動してきた人なのですが、思惑があって議員に引っ張り出されてしまうわけです。でも所詮右も左もわからない純朴青年であってお飾りなのですが、それが当人にはわからない。
秘書のサンダース(オペラハットのヒロインと同じ女優さん)も、推薦してきた上司の思惑丸わかりなので、呆れるやらなのですがその情熱にほだされる形で、草案作りのお手伝いを始めます。
その秘書に対して、
「こんな聡明で素晴らしい女性は初めてだ」
と言えちゃう朴念仁もどうかと思います(笑)が、このへんがアメリカイズムですね。
どれだけ純朴であっても女性に対する賛辞を惜しまないっていうのは、オギャーと生まれてきてから染み付いているのだろうし。
その後も、「さん付けではなく、呼び捨てでいい? ファーストネームは?」と聞いてきて、無事に教えてもらったのに、結局は「よし、やろうサンダース」と名前を呼べないスミスとか、お前もう可愛すぎるだろう。

これ、二つの映画が二つとも、テーマも同じだし結果も同じだし、正しい物が勝利するっていうわかりやすいくらいに清々しい映画なのですが、もう一つ共通している点が、男の相手が完全完璧に自立した女性であるってことですね。
サンダースは頭も切れて、スミス氏よりも法律に勿論詳しいし、スミス氏の純朴さ加減にイライラしているふしがある。
そして結局草案作りを手伝うも、スミス氏の法案は馬鹿にされ、自分の故郷のダム工事の片棒を担がされていただけだということがわかる。
信じていた人に裏切られ、立ち直れずにいるスミス氏に、喝を入れるのがサンダースなのです。
優しく慰めるんじゃなくて、「貴方が立ち直りたいのであれば、手助けする」というスタンスで、サンダースはしゃがみこむスミス氏を引き起こす。
そして議会での対決にも助言をし、見守る。
そんな女性をスミス氏は好ましく思い、頼りにする。
このあたりの男が守ってやりたいではなく、自分が頼りにできる人が特別な存在っていう価値観の表し方も、実に古きよきアメリカ映画の特徴だなと思いました。

ちなみに女優さんはジーン・アーサーさんという方で、超きれいです。金髪に真っ赤な口紅(モノクロ映画ですが、唇は常に赤いに決まっている。いい女だもの)。タイトなスカートに肩パットの入ったスーツを身にまとい、想像するキャリアウーマンはこういう格好をしているのだろうなあという美しい姿そのままです。肩パットっていうのかな、なんていうかこう肩口の盛り上がっている部分が強調されているというか、昔の映画でよく見るレディーススーツのデザインですが、それがとても素敵でした。
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この前長野県に行ったときに、善光寺というお寺にお参りしてきました。
その際弟のために腰・足お守り(何故かピンポイント)を購入したのですが、その柄がなんつうかとてもアバンギャルドでした。
紫地に金色で何故か足の裏が描いてある図だったので、正直「センスの問題から言えば捨てられてもおかしくないレベル。ただしお守りとしては大いにアリ」と思いながら弟に渡したところ、顔色一つ変えずに「かばんに着けて来よう」と部屋を出て行った姿を見て、色々難アリだが可愛い奴だなお前………と30過ぎのオッサンを見て思いました。
これで少しでも体調がよくなってくれればいいのですが。

善光寺で私も後厄のお守りを購入したんですが、それまでのお守りを奉納する場所を見つけられなかったんですよね。
境内をぐるぐる見回るにも、友人と寒さに打ち震えていたので、そんな気力もなく。
その前になんだかよくわからないけれど、本堂の地下(?)らしき場所で真っ暗の中同じく震えて歩いた身分とあっては、探す気力もうせまして、結局三個のお守りが現在手元にあります。
一つは去年の本厄のもので、もう一つはよく覚えていません。なんだろこれ。

個人的な思いとしては別に可燃ごみで捨ててもいいんですけど、儀礼的なものからいえばそんなことしちゃいけないのもわかるので、どうしようかなあ、と。
うち近所に神社仏閣ないんですよね。
いつか大きな神社に行ったときまでとっておこうかなあ。

年明けと共に33になる自分ですが、去年を振り返ってみるに…というかこういうことは去年のうちにやっとけという話なんですが、まあ振り返ってみると胃潰瘍に人事異動にと、仕事面では色々ありました。

ツイッターを始めたから、というわけでもなくブログの更新頻度が劇的に落ちましたが、これはツイッターのせいと言うよりは趣味活動全般にそれほどはまるものがなかったから、ということなんだと思います。
元々出だしが日々の暮らしを書くものではなく、私が感じた面白いものを書く場でもなく、面白い文章を書こうという主張の元に書かれているものなので、この辺難しいところです。
面白いと感じた事を書く場ではないとしても、面白いと感じた文章は面白いと表現するのがストレートにきまる(笑)ので、やっぱり某かにはまっている時のほうが、文章を書くのが「楽」なので更新頻度も活発になりますが、やはり昨年もその前から続いていた乙女ゲームへの関心の低さが際立ってしまい、それに伴ってゲームという一大勢力を誇っていた趣味活動が下火になったことが、面白さを感じる事が少なくなったのではないかと。

別にかといって脱オタクを目指すわけでもなく、現実的にフィギュアスケートという今までになく出かけなければ味わえない趣味というものに新しく目覚めた一年でありました。

ただこれ、あまり叫べない(あれだけ叫べば充分なのでは)のは、結局まだまだ詳しくないからなんでしょうな。
純粋に、すげえ! きれい! と人名を並べるだけしかできないとなると、こちらのボキャブラリーも知識も少ないものですから、自分で書いていて面白いのかどうかよくわからなくなってしまうんですよね。
やっぱり根底に、書いた文章の内容が負の感情の主張であっても「面白いもの」でありたいという希望のようなものが常にあるので。


そして、暇つぶしのはずの携帯ゲームの台頭が恐ろしいですね。
何個か掛け持ちでやっていると、二時間とか三時間とかあっという間なんですよ。自分でもびっくりです。
これ長丁場ではなく、一分やったらケリがつくっていうメリハリが利いているので、ちょっとしたときにも手を出しやすいし、ちょっとした時でなくともその一分を繰り返せば一時間にもなっちゃうわけで。
その一分はそれなりに面白いのですが、どうしてもアイテム集めたり作ったり、体力回復する60分の待ち時間だったりするんで、それこそ面白い文章を書くのは大変なのです。なので、それに比重を置けばおくほど読み物として面白いものを書く時間がなくなっちゃう、というある意味悪循環なのでしょうが、物書いてないだけで別に不充実した生活を送っているわけではないというのがまた(苦笑)。


一月からは、少しずつでも創作活動に勤しむのが今年の目標です。
若い頃は「無理してやらないでも」とか「その気になればやれるさ」とか思えたもんですが、年取ってからはたとえ鞭打つくらいでも自分で発奮させないと駄目っていうのがわかってきたので、一月からは! 一月からはも少しアクティブに!(…と一月からはといっている時点で挫折の予感)
更新一杯しますよ、というのではなく、年越しをしてしまったやらなきゃいけないことが一つあるので、それだけは何とかケリつけたいなと思っております。
今年の抱負は「成すべきことを成す」という毎年同じ言葉になりそうです。これが中々難しい。

新年早々、なんでこんな明るくもない話題とも思ったのですが、ここ数ヶ月ほどのブログの閑散っぷりを自分でも見直したかったので、新年一発目にぶちこんでみました。

改めまして、皆様昨年もお世話になりました。
本年もよろしくお願いいたします。
寒い日が続きますが体調など崩さずに、よい新年をお過ごしください。

年末ジャンボ宝くじは当たりませんでした一億円! さよなら去年の私。そしてこんにちは春目指す私。
『メダリストオンアイス』
当日会場で見ましたのでその箇条書き感想。

まず、会場ビッグハット自体は大変小さい会場でした。私は二階席だったのですが、二階席というよりは一階席の傾斜の続きというか、非常に近く見えましたし。会場では当日券を求める方の列が。どれだけ余っていたのかはわかりませんが、この会場の小ささを考えると三階席でも充分見られたのではないかと思います。これが横浜アリーナだったら死んでますが。
17時に開演。最初にちびっ子としか形容できないちびっ子が出てきたときは何事かと思いましたが、あれもジュニアの選手だったんですねえ。クリスタル・ケイさんの歌声に合わせて全員集合。その後、年少者から演技開始。

以降はテレビと照らし合わせての感想ですが、ノービスからの開始。
ツイッターでも書きましたが、プロのショースケーターがいるのですから転んでも、お姉さまがたが「可愛い~」で許される年齢の子を、 ショーで使うのはいかがなものか、と思います。もう少し金の価値観わかってからでいいんじゃないかなというか。
競技会なら、見ている側が選手の競技を見させてもらっている側になりますが、ショーの場合は向こうがこちらのために演技をする場なわけでして。

女子ジュニアはどれも正統派でよかったですが、男子が総ネタプロ化してました。笑えるくらいに…。宇宙戦艦ヤマトに太陽にほえろってどういうことなの…。日野選手が太陽にほえてたんですが、この人ナンバーがお笑いなわりには、顔面これ緊張かといわんばかりに、ガッチガチでした。この辺のこなれてなさが初々しいったらそうなのかもしれません。
大学生の中村選手が一番ノリとしては吹っ切れてました。半ズボンでしたしね。この選手非常にジャンプが高かったです。

ちなみに鈴木選手の放送の時、演技終了後に笑いが入っていたのは、投げ捨てたショールの場所を見失ったからです。
今回若手も帽子とか、布とか、サングラスとか、やたらに脱ぎっぱが流行っていたんですが、明確に見失って挙動不審になったのは鈴木選手だけでした(笑)

時折ドラマティックな演出が挟まれますが、まあテレビだからある程度は致し方ないとしても、「第三の男」とかそういう失礼な枕詞みたいなもの何とかならんのですか。順位は明確につくとしても、それぞれフィギュアスケーターであって、そうなればすべてが同じラインに立つ選手なのに、第三も第二もないでしょうが。

ちなみに選手インタビューは、メダリストだけが滑り終わった直後に会場脇で進行を止めて行ってました。
これ、放映では明らかにLIVEではないんですから、進行止めてまでやる必要性ないと思うんですけどね…。
他の選手のインタビューはテレビ放映ではされていたので、奥でやってたんでしょうね。
実際の進行中には、このメダリストの三組しかテレビで止まるっていうことはなかったので、他のは全部事前か事後に録画していたものと思われます。

羽生選手は、凄く…ジョニー・ウィアーでした…。
衣装はまあデザインしてもらったわけですから当然としても、ノリとか、ふりとかが凄くジョニーでした…(笑)
でもエキシとしては非常に見ごたえあってよかったですよ! 本人も楽しそうでしたし、見ている側も楽しいっていういい演技でした。
羽入君は順番としては第一部の最後だったような気がします。鈴木選手は二部の最初。演技の順番も色々放映時には変わってるみたいですね。

高橋選手と、トラン選手のペアの二人は最初立ち位置が決まらなくて、ちょっと「えへっ」みたいな可愛いことしてました。可愛いな特にでっけえ男の方が。
この二人の演技はメリハリがあって非常に可愛かったですよ。動きも合っていて。高橋選手がまあちっこいのに全身筋肉で凄くて。

アイスダンスのリード兄弟は、ペアの二人よりも実際演技は先でした。
私アイスダンス詳しくないですし、過去の選手の演技を動画で見たことがあるくらいなのですが、うーん、なんかこう、アイスダンスが重要視しなければならないのってリフトじゃなくてステップなのでは…。
ステップっていうか、なんていうんでしょうねあれ。二人で全く同じ動きをしたりとか、まるで一人の人間しか踊っていないかのように密着して滑るとか、その辺のなめらかな動作が持ち味なんじゃないかな、というか。リード兄弟の演技云々じゃなくて、こうアクロバティックな演技をどうしても期待してしまう風な演出は勿体無いっていうか。それだったら、アイスダンスじゃなくてペアのほうが、ぶんぶんぶん回せるわけですし。
アイスダンスならではの「ダンス」の部分にもうちょっと比重を置くような、採点方法だといいのになあと見ながら思いました。
リード兄弟の演技も、キャシーがどうしてもそれこそ、高橋選手と比べて体が大きいですし、(クリスもかなり大きいのですが)リフトがこれ生で見ると、かなりの「どっこいしょぉ!」感があるんですよね。スローなナンバーで優雅に踊っているだけに、リフトが入るとその「よっこらしょぉ!」感が結構興ざめしてしまう感じでした。演技そのものはムードたっぷりで非常に良かったのですが。

アイスダンスはジュニアの二人も踊ってくれたのですが、その二人はふりが非常にあっていて良かったです。今後に期待。

高橋選手は流石のエキシでした。ムードたっぷりで。(しかし放送でもちゃんと「あのステファン・ランビエールの振り付けです」って言ってるのね…)歓声に、バナーも人一倍でした。アンコールのステップはもうねえ、圧巻。ただし疲労感もたっぷりでしたが…。私はちゃんとエキシとして演技を一つしてもらえれば、アンコールとかいらねえよといつも思います…。こう、見られてラッキーくらいに思ってないと。アンコールあって当然みたいなおねだりは結局疲れている様子を見るだけという気もしますし…。
高橋選手はエンターテイナーとしても魅了してくれますねえ。確かな技術の裏づけがちゃんと見せられている感じです。

織田選手は革パン! 筋肉! とそればかりが気になってしまいました(苦笑)が、完成度が非常に高くてよかったです。ただ、色気はないよ八木沼さん! アンコールの「storm」は密かに好きなSPなので嬉しかったですし、こっちのほうがやっぱりエキシよりも男くさくてカッコイイです。 スピンやジャンプの個別の技術は、織田選手が何気に一番好みです。
いつも一礼してリンクを去っていくのが大人でかっこいいです(がば、っと凄い勢いでバックに滑りながら、頭を下げて退出します)


そしてED。テレビでいうと、ペアたちが固まっている人たちの左側にランビが一人で立っていて、集団でぐるぐる回っているときは、一番ちっこい女の子の選手の横にいたのがランビです。衣装がとてもランビなので遠目でもなんとかわかるかも。
これ、集団演舞勿論そろっちゃいませんが、非常に良かったのでちゃんと全部流してくれたらよかったのになあ。踊りにも個性が出て面白いので、是非引きの絵でお願いします。アップとかいらね。


・ランビエールあれこれ。
さてランビですが、織田選手と浅田選手がインタビュー受けている最中、ずっと手持ち無沙汰でぴょんぴょん飛んだり、ストレッチしてました。
私ちょうど、選手たちが入退場する場所の向かい側の席だったんで、よく見えたんですよね。ランビが落ち着きないの(笑)
というか浅田選手のスケートをしている間に、次の選手として控えていたのに、テレビのインタビューが始まっちゃったんで、ランビ待ちぼうけを食らわされてしまったんですね。この前に、高橋選手と村上選手のインタビューもあったわけですから、何であんなにランビを早く連れてきちゃったのか甚だ疑問ですが、まあこっちは落ち着きのない(笑)ランビをずっとガン見できたので満足です。
演技順としては、ランビの次に小塚、安藤という順番でした。

で、いつもの衣装でランビ登場。会場に響き渡る黄色い悲鳴。声援だけなら高橋選手とランビがダントツ(多分ランビのほうがデカイ)でした。
「椿姫」を演じてくれたのですが、ジャンプに一瞬抜けがあった程度でそのほかはノーミス。いやあ~キレイでした~。
その後、お約束アンコールで、
アナウンス「皆様、ウィリアム・テル、見たくないですか?」
会場「きゃあああああああああああああああああああ!」
で、ウィリアム・テルのステップをやってくれました! もう、最高に最高でした。さすがのステップ、さすがのレベル4スピンですよ! あのくねくねした手つきのスピンを間近で見られて満足でした。

演技後は、一体何処に隠されていたんだというレベルで、スイスの旗とバナーが大盤振る舞い。スタンディングオベーションに黄色い悲鳴。正直、全日本のメダリストオンアイスなのでランビってどうなんだろうなあ(他の閲覧している皆さんは)と思っていたんですが、日本の選手もランビも皆声援を送ってくれていたのでほっとしました。というか、ランビ一番人気でした。

その後、EDの群舞で待機中のランビは、マーヴィン・トランとずっと話してました。というか、ふざけてました(笑)英語圏の人間があと、リード兄弟しかいませんしねえ。………プルシェンコがいたら、プルシェンコとずっとべったりしていたんでしょうけど………。
とにかく待ち時間も落ち着きのないランビ。わざと音楽に合わせて立てノリしてみたり、拍手は必ずするし、手拍子もするし。
いざ群舞が始まれば、他の人たちのちぐはぐさ(笑)に比べて、浮いてノリノリのランビ。若手男子四人が滑った後に、ランビのスポット演技があったんですが、ちゃんとスピンもやってくれて満足です。四人の若手男子は、ランビガン見でした。そりゃあ参考になるいい機会だもんね。

集団の中では、またセクハランビが見られる(やたらに女性との密着率が高い)のかと思いきや、なんと隣がノービスの宮原選手と、トランという幼女と男子というまさかの組み合わせでした。私的に大笑い。

テレビでは全カットという憂き目にあったらしいのですが、テレビ局がアレなのか、BSまでひっぱりたいのか、逆にランビ側との放映権の問題(ランビはもうプロですしね)なのかはちょっとわからないですね。でも楽屋裏(あれは多分他の選手の演技を見ていたものと思われる) 一瞬映ったところを見ると、放映権の問題ではなさそうなんですが…。さすがにフィギュアの契約まで話が進むとよくわかりません。

ともかく、ランビはいつもどおりランビでした。
椿姫は色っぽく優雅に、ウィリアム・テルは情熱的に。
私がランビと日本の男子選手と明らかに違うな、というか是非勉強してもらいたいなあと思うのは、スピンやジャンプ、ステップなどの評価される演技部分以外での、「普通に滑っている部分」での優雅さです。
普通に滑っている部分は「ただの助走」かもしれませんが、そこにこそ芸術的な優雅さとか、力強さとか、「個性」を演出できる場だと思うので、それが突出して上手い選手は、私は「上質な演技をする選手」だと考えます。ランビや、プルシェンコなどの一流スケーターはそれが非常に上手い。
浅田選手も私から見ると、ジャンプも勿論素晴らしいんですが、それ以外のバレエ的な所作や、柔軟性やたたずまいが、他の選手と違って優美なんですね。
ただ名前を呼ばれて出てきただけでも、浅田選手は空気が違います。
そのあたりの、加点がされる部分だけではなく、それ以外の「ただのつなぎ」である部分こそ、日本男子選手もうちょっと頑張ってもらいたいなあと思うのですが…。小塚選手なんかはその印象が特に強くて、技術的な面は凄いんでしょうが、それ以外がどうしても体操っぽく見えちゃうんですよね。生で見てもそう思いました。
注目する動作以外に目をひきつけられれば、それだけ観客も演技にのめりこめます。距離感が縮まるというか、故に身近に演技が感じられるわけですから。
『温泉パン』という食べ物をご存知でしょうか。
伯母が好きらしく、何故か唐突に箱で送られてきます。
一人暮らしをしていたときは勿論知らなかったのですが、実家に戻ってからご相伴に預かるようになりまして、よく食べてます。
このパン、信じられないくらいみっちり詰まっているのが特徴で、さっくりふわふわ軽~い食感、とは無縁です。 あるのは、噛み応えと、妙なパサつき感くらいです(誉め言葉)。
こう、ギュッと小麦粉を閉じ込めました、みたいなボリューム感がたまらなく好みで、この一個でかなり腹持ちがします。
通販でも取り扱っているので、興味のある方は是非。お値段もこの手の通販パンの中ではかなりのお手ごろ価格なのではないかと。
レンジで暖めるとか、トーストするとか、色々美味しい食べ方があるらしいのですが、個人的にはコーヒー片手にかぶりつくのが一番美味い。
特に、プレーン(元祖)や、ゴマや、くるみに、魚肉ソーセージとスモークチーズを挟んでサンドイッチにしたものが絶品で、よく作ってます。
そして太りました。
いや、パンの中ではカロリーもそんなにない方だとは思うけど、パンだから………! 炭水化物と砂糖とバターの塊だから………!
お勧めです。是非。





………とまあ、明るく楽しい日常の美味しい話題はともかくとしてですね、『アンジェリーク ~魔恋の六騎士~』が2011年に発売になるそうです。
さて、既にご存じない皆様の方が多いでしょうから、ざっとこの作品に至るまでの過程をご説明いたしますと、これは要するに、KOEIという会社が出した、ネオロマンスゲームの中の一つ、「アンジェリーク」というシリーズの中の一作品「天空の鎮魂歌」(てんくうのれくいえむ、略して天レク)のスピンオフ作品、ということになります。

この天レクという作品自体が正直、アンジェリークというゲームシリーズの中では結構異端であり、スピンオフとしても差し支えないような位置づけにある作品なのです。
その要因の一つとして、基本的にアンジェリークと言うゲームが、基本的なシミュレーションタイプの乙女ゲームであった中にあり、唯一の「RPG」だった、というのが挙げられます。
これ、発売されたときは結構な衝撃だったのです。
それまでにも、KOEIを筆頭に、乙女ゲームというものがちらほら出だした中、それでも数少ない中で、純粋なゲームファン(乙女ゲーム初期は、当然「ゲーム好きな乙女」が購入する場合が多かった)としては、「まさかRPGで乙女ゲームができるなんて!」と、発売前はかなり盛り上がったものでした。

で、蓋を開けてみれば、二世紀ばかり遅かったのではと思えんばかりのグラフィックに、内容、システムと、「嘘だろ………これがPSなんて嘘だと言ってくれ………これはFCなんだと………!」と、数多くのごく普通のゲーマーたちを驚嘆させたものでしたが、ここで、乙女ゲームとして本懐を遂げたであろう、プレイヤーの満足を満たす結果が現れます。

アリオスという、アンジェリークシリーズで、一、二位を争う人気キャラクターの登場です。

元々、ゲームジャンル以外にも、天レクというソフトが異端と呼ばれるのは、他のシリーズと違い、アリオスと主人公であるコレットが固定カップルだったということがあげられます。
つまり、他のシリーズではどのキャラクターを、主人公が落としてもそれはすべて正史ですが、このソフトにおいては、アリオス×コレットという図式が初めから出来上がっていた、ということなのです。
他の登場人物と、初めから全く違う物語展開に、設定。
そして、コレットでなければ救えない(カップルになれない)という初期設定。
それまでのアンジェリークは、一応、リモージュ、コレットという主人公キャラがいましたが、それ以外にもライバルキャラの、ロザリア、レイチェルという二人もちゃんと登場しており、実際後にライバルキャラであるロザリアは、彼女を動かせるゲーム(『アンジェリークSpecial デュエット』)も発売され、実際ゲームプレイヤーとして選ぶことはできなくても、別に想像の中でレイチェルやロザリアが登場している男性キャラクターとカップリングになっても別におかしくはない設定になっていたのです。
現実的に、二次創作世界では、ロザリアやレイチェル主体のものもちゃんとありましたし、それに対して別に矛盾は発生してはいませんでした。

ですが、天レクにおいて、アリオスという登場人物は、コレット以外の人間に「落とされる」ことはありえないという、れっきとした理由が存在してしまい、ある意味このゲームは、アリコレというカップリング成立のために存在しているようなRPGだったのでした。

これは、かなりの冒険でした。

ゲームによっては、数多くの男性が落とせるけどデフォルトヒーローは「彼」ですよ、というような扱いをされているキャラが登場するものもありますが、天レクはそれがより顕著でした。
まだこれが、多くの人物の中からアリオスだけをよりぬいたファンディスクですよ、というものならわかりますが、これはそうでなく、純粋にアンジェリークシリーズにおける「正史」なのです。
そうでなければ、これから後にリリースされた、『アンジェリークトロワ』『アンジェリークエトワール』(ネオアンは設定として今だ不明瞭な部分があるので今回は除外します)という二作品の符号がつかなくなってしまうからです。

つまりそれだけ、アンジェリークシリーズにおいて、アリオスというキャラクターが特別な位置にいるのですが、今回発表になった『アンジェリーク ~魔恋の六騎士~』はその天レクのスピンオフではなく、天レクをスピンオフした小説のスピンオフという設定になっているのです。

ここまでくるともうわけわからんというのが正直なところなのでしょうが、まずそのスピンオフされた小説についてですが、これは『小説 アンジェリーク 天空の鎮魂歌~黒き翼のもとに~』という題名で発売されたもので、アリオスの過去編になります。
当然、コレットと絡んではいませんし、舞台も違いますし、過去話ですから、アリオスはアリオスではありません(ネタバレも正直今更感がありますが、一応)。
そして、恋愛要素もありません。私は購入して読みましたが、わりとハードな内容でした。
一人の男が反旗を翻し、それに従う六人の男たちの内情を描いたような話で、あくまで本気のスピンオフでした。なんちゃって恋愛要素がカケラもないような。
ただし、それなりに人気はありました。
天レクというゲームに、実際この六騎士は出てくるのですが、あくまで敵であり、グラフィックも別に書き下ろされていなかった(ゲーム設定で書き下ろす必要はなかったのですが、まあめんどくさかったんだろという邪推)くらいでして、主であるアリオスのあくまで付属品、という立ち位置のキャラクターたちでした。

私自身も「いましたね」くらいのレベルでしたが、別段嫌う要素もないですし、大体が落とせないモブキャラなわけですから、いくら勝手な妄想をしたとしても、彼らがピックアップされる要素は何処にもなかったのです。
エルンストの同僚である、石になってたロキシーと同じレベルです。ゲームにおける立ち位置なんてものは。

ですが当時やはり、アリオスの人気(天レクの人気とも呼べるが、ほぼキャラクター一人歩きの懸念あり)というのはハンパではなく、天レクの関連商品が山ほど発売され、その中でわざわざこの魔恋六騎士を扱ったものが他にもあったくらいなのです。
当然そこに配置されていたのは、美形の六騎士だったわけで、ショタから年長者までなんでもござれの、如何にも狙った感アリアリの人物たちばかりだったのですが、それはそれで拒否反応を示すような内容ではなかったのです。
ただ、ゲームには一切登場してはいないし、知らない人は知らないままで当然の彼らですから、いくらスピンオフ作品が出ていたところで、所詮は、「その程度」の位置づけの人物たちだったのでした。


それが、何の因果か『アンジェリーク ~魔恋の六騎士~』です。
ちなみに、元になっている小説が発売されたのは、2000年です。
つまり、十年前です。
その当時だって、別にゲーム化されたとか、爆発的な人気があったというわけではない、小説です。
天レクそのものは発売されたのは1999年です。PC-FXだったら1998年です。

その十年前に出た小説が、何故かこの時期にタイアップです。

わけがわかりません。

これが、「満を持しての発売」というのならまだわかります。
「絶版になってから十年待ってた、ゴーストハント!」というのならわかります。絶版になった小説が再販になった、というのであればわかります。
ですが、今回何故だかゲームです。
しかも、情報が少ないのでよくわかりませんが、公式サイトを見る限り乙女ゲームではなさそうです。
それこそ小説を基にしているのであれば、恋愛要素微塵もありませんし、この頃は、別のヒロインが鬼籍であっても存在していますので、現実問題乙女ゲームとして作るのは厳しいでしょう。
そうなると、普通に魔恋連中の生き様を見るゲームということになるのでしょうか。

それならそれで、何故それを十年前に作らなかったのか甚だ疑問です。
というか、なんで今。本当になんで今? 当時だってさして人気があったわけでもないスピンオフを何で今? ティーンの子たちなんてまだ年齢一桁の時代に出た乙女ゲームのスピンオフのスピンオフを誰が買うの?

コレこそまさに、見える地雷という奴でしょうか。

作り手側が一体何を期待してこのゲームを作っているのか、理解に苦しみます。このゲームを作る事によってのメリットって、何処にあるんでしょうか。 天レクがアーカイブスにでもなるんでしょうか。それともPS3で焼き直しにでもなるんでしょうか。遥か5発売前に湿った商戦に弾みをつけたいんでしょうか。ネオアン再始動の動きでもあるんでしょうか。

他に山ほどセールスだけ見れば最良の選択があるでしょうに、今更本気でどうしちゃったのKOEI?

KOEI(というかネオロマ業界というか)の迷走は今に始まった話ではありませんが、なんか、「過去の遺産を食い潰すったって、もっと上手い方法いくらでもあんだろうに…」と肩を落とす以外のリアクションが取れない有様です。
こう、守銭奴的な姿勢はKOEIは外さない奴だと思っていたのですが、その商人としての気概もどこかに行ってしまったのか…。


会社関連のつながりはよくわかりませんが、オトメイトとの提携(?)っていうのも正直よくわかりません。
この場合、原案KOEI、製作オトメイトってことになるんでしょうか。
これは、KOEIがここまで堕ちたかと判断するか、オトメイトがここまで頑張ったのかと判断したらいいのか、どちらにせよこれも微妙です。現実的には、オトメイトはゲームのできの良し悪しはともかくとして、商戦に関してはそれなりの利益を上げているからこそのソフト乱発なのでしょうから、どうしてKOEIのこの売れない商品(言っちゃった)に手を出そうと思ったのかも謎です。
逆にこれからの業務提携の必須条件として、この作品を一つ仕上げてそれから主導権を握るとか、そういう裏の話でもあるんでしょうか。
乙女ゲームファンは、別に一つの会社だけ狙って遊ぶ、ということはまずない(遊んでみてつまらなかったから、あのメーカーは買わないということはあっても)と思うので、今更KOEIとオトメイトがタッグを組んだところで、購買者にとってそれは劇的なニュースにならないとも思うのですが。

それとも、KOEIのオンライン的な部門にオトメイト参入したいんでしょうか。つい先日もソーシャルゲームでのアンジェリークが発表されたばかりですが、そちらも相まってオトメイトも頑張りたいってことなんでしょうか。

ともかく、右を向いても左を向いても売れる要素が微塵もないこの企画。
色々な意味でとても不安です。KOEIからネオロマの乙女ゲー部門が消えるんじゃないかと。
金を稼ぐならイベントだけやってりゃいいんだと、暗に示されているようで非常に危険です。

私のようにいい年齢になったアンジェリークシリーズファンの方が購入するのか否かですが、逆にこれだけ年月が経ってしまうと、過去の自分を懐かしむ目的かなにかで、購入してしまいそうですね。この場合、お布施はほぼ自分に払っているのと同じことで。


かなり、感情を抑えた文章にしたつもりなんですが、総括としては今更の一言につきます。
私はサイト立ち上げ時に、アリコレのコンテンツをメインとしていてので、天レクにはかなり個人的な思い入れがありますし、六騎士を自分のSSに登場させていたこともあったので、正直感情が噴出すと止めようがないために、あえて絶叫系の感想は入れませんでした。

本当に、『戦国アンジェリーク』で「織田・アンジェリーク・信長だって!」とか『ラブラブ天使様~アンジェリーク~』で「ロックギタリストのアリオスだって!」とか笑えていた、ほんのちょっと前の自分が懐かしいです。



『ラジアント・ヒストリア』公式サイト

久しぶりに純然たるRPGをやった、という印象でした。
システムもシナリオも音楽も非常に硬派で、そういう意味で遊びとかゆとりとかがない作品なので、逆に今の流行であるあふれる心理描写が好みの方は辛いかもしれませんが、個人的には大満足です。

・システム
基本的なRPGなので、アイテムや会話などは問題なし。DSソフトですがタッチペンは一回も使わずにクリアできましたし、我慢して使う必要もありません。
戦闘に関してですが、敵が常に横スクロールの状態で、9マスの上に点在して出現します。それを、例えば後ろに追いやるとダメージが減ったり、あらかじめ罠を仕掛けておいた場所に敵を誘導したりして、殲滅するというのがいわゆる戦略的に頭を使うところです。
ただこの設定、生きてくるのがほぼ後半になってからなんですね。
まず序盤は戦闘固定メンバーで、マスメを活用できるほど自分のスキルがない。スキルがない上にこのゲーム回復手段が殆どないアイテム食いゲーですので、正直攻撃にスキルポイント割くなら、回復に使うよという始末。

おまけに攻撃も敵に三人連続で攻撃をし、例えば二人目で死んだとしても、三人目は同じ敵に攻撃をします。その分、コンボが繋がってダメージ倍増(もらえるお金が多少増える)するんですが、これ初めて見た時は「すげー。FC時代のDQ3みたい」と本気で思いました。普通に死ねば次に勝手に三人目は攻撃してくれるのかと…。
その代わり、オート戦闘にすると二人目で倒れた次は、他の残存している敵に三人目は攻撃してくれるので、序盤はオート戦闘が楽かもしれません。
状態変化攻撃(毒とか)もかなり便利ですが、たとえ毒の自動ダメージで致死ダメージを与えたとしても、敵は死なないので、その辺の謎仕様も要注意で。誰か人物が止めを刺さないと敵は絶対に倒れません。

これがスキルがそろってくる後半になると、自軍の行動パターンを移動させて(チェンジというコマンドでパーティー内の行動順を変更できる)戦略を駆使する楽しみができあがるので、中々やりがいがあって面白いです。
1・格闘→2・魔法
みたいなキャラの順番だったのを、チェンジで逆にして、
1・魔法(罠)→2・格闘(で罠にすっ飛ばす)
とか、単純にいけばこういうことですが、これは通常に攻撃するよりもかなり大きいダメージが与えられます。
パーティーメンバーがそろったり、スキルが揃うまで戦闘は我慢の子で進みましょう。

戦闘システムとは違いますが、このRPG回復手段が非常にシビアで、強制的に連戦とかザラにあります。この場合、バトルが連続して続くのではなく、特定の目的地に向かう過程に足を踏み入れると、Uターンできない仕様だったりするんですね。そうなると結構普通に死ねます。回復アイテム、特に状態変化回復アイテムはがっつり買っておきましょう。相手にも毒のダメージはでかく効きますが、こっちも同じです。

・グラフィック
おにゃのこのキャラデザがやっためたらに可愛いです。
というか、おとこのこも可愛いです。
つうか、出てくる人物ほぼ全員可愛いです。
なんてこったい。
こにしひろしさん、という方らしいんですが私、プリメの人なのかとずっと思ってました…。
まあそんくらい出てくるキャラ全員可愛いです。
おっさんも可愛いんですが、これは外見が可愛いというよりは、おっさんたちの性格設定がむやみやたらに可愛いので、アリだと思います。いやあ、眼福。
私はロリショタ系の絵柄は正直苦手なのですが、このゲームは全くそういう印象じゃありません。どちらかといえば民族デザインぽいというか。クロノクロスを現代風にアレンジしてあるというか。クセがある感じですが実際ゲームの内容もなんちゃって中世みたいな剣と魔法と獣の世界なので、この辺の否リアルさのほうが入り込みやすいと思います。
女子は当然全員ハイレグ仕様ですが、何か? というか。

マップや戦闘時はごくごく普通なDSレベルでしょうか。ただ、このゲームマップや街中が何故か非常に広いというか、「ひらけている」ので結構迷います。こう細い道が何本にも分かれていて迷いやすい、というのではなく、ただ全面がつかめないのにだだっ広い荒野が続く、という作りが多くてこちらの方が図として迷いやすいです。


・物語
要するにタイムパラドックス物というか、時間を行き来して最良の未来のために主人公が頑張る、という話なんですが、これすんごく面白いんですが途中で完全完璧に自分がなにをしているのかわからなくなります。
例えばコレが、一本軸の時間の中で、
・親は三年前に死んだので、遺産のありかがわからない。
・親が生きている時代まで戻って遺産のありかを知る。
・現代に戻って遺産を得る。
なら自分が「どんな立場」にいて、「何をしようとしている」のか別に迷わないんですが、このゲーム完璧に違う二つの平行世界を行き来しなければならず、しかもその行き来も「強制的」なものと、そうでないものがあるので、もうこの時点で自分が「どちら側」の何をしようとしてここにいるんだっけ、そして自分を取り巻くキャラクターは、「この世界ではどういうポジションなんだっけ」というのが、本気で理解できません。
物語の概要というか、自分の足跡みたいなものはちゃんとコマンドで確認できるのですが、それはあくまであらすじ程度のものしか書いていないので、それを見たところで正直「そうだったっけか」くらいにしか思えません。

この辺の自分や周囲が「今どうだったか」というのは、なにせ、世界が分かれているだけで、出てくる人物出てくる場所出てくる事柄同じなものですから、余計に混乱します。初っ端で、主人公が二つの世界を作り出す分岐があるんですが、別れても別に登場人物が劇的に変わる(例えば死ぬとか、顔かたちは同じでも違う人になって出てくる)ということはないので、私は最終的にその辺を理解するのは諦めました。

混乱に陥りがちになるのは、主人公はそのワールドスリップに慣れちゃってる(笑)ので、別に
「あっちの世界ではああだったけど、こっちの世界ではああなんだな」
みたいなリアクション、殆どしないんですよね。
すんごいたまにしてくれますが、個人的には毎回してもらってもいいくらいですよ(苦笑)

かつこのRPG、時代、世界によって移動できる場所や、戦えるメンバーが決められていますので、ほいほいワープもできないのです。
いや、したっていいんですけど、してみたら「あの場所に行けるけどあいつがいない」とか「あいつはいるし、あの場所にもいけるけど、時間がかかる」というようなワープの便利さがカケラもないので、こっちは一番いいポイントを見つけるために、時空を右往左往するはめになります。
後述になってしまいましたが、このワープも、あらかじめ指定された場所(時間)にしか飛べません。
どれだけこっちが「いや、この後二つ目のエピソードに戻りたいんだよ」と思っても、そこにポイントがなければ、二つ前の「ワープできるポイント」に飛んで、そこからそれこそ、延々ダンジョンを抜けて進まなければならないのです。

ある意味自由のきかなさがリアルともいえますが、このゲームサブクエストの数が半端じゃないので、そのために二つの世界の様々な時間にワープを繰り返していると、そりゃもう本筋なんだったかなんて忘却の彼方ですよ。

サブクエストを追いかけないとしても、結構行き来がありますし、これRPGの弊害として、物語を読むよりも戦闘や移動にかけるシーンの方がはるかに「長い」わけですから、
・物語(5分)→レベル上げなどの戦闘(5時間)→物語(五分) ☆ワープの必要アリ
・物語(5分)→レベル上げなどの戦闘(5時間)→物語(五分) ★ワーして一つ目の世界に戻る
なんて順番でストレートに進んだとしても、飛ぶきっかけになった出来事なんて、十時間前とかになっちゃうわけです。
そら覚えてませんよね。
サブキャラなんて尚更ですよ。私知らない間に死んでたとか、「あいつ出てこないけど、もう死んだんだっけ? これから出てくるんだっけ?」とか思いながらよく進んでました。

この辺、主人公が時空を正すという絶対使命の元に動いているから致し方ないんですが、せめて外見で特徴を変えてもらえるとか、そういうぱっと見でわかりやすい配慮があったら、もっと良かったのになあと思います。
同じ人が同じ格好で同じような事をしていると、せっかくの世界が二つ設定が勿体無いような気がするんですよね。


このあたりは、私の脳髄が働いていないかもしれないだけなので、根本的な物語の面白さはかなりのものです。
やはり、タイム・ワールドスリップの面白さである、「こっちの世界では駄目だったけれどあっちの世界では上手くいく」「過去に、未来に戻ってやり直す」っていうのは、やっていて楽しいですし。新たな課題のようなものが出されれば「おっけー! すぐ過去に戻ってあいつを止めるよ!」とか気づく喜びと、結果として「よし! いい方向に未来が進んだよ!」っていう二度喜びが味わえますしね。

物語も結構骨太です。というか暗い。
主人公が異端であるというのは、時空を行き来できる能力を持つというだけで「何かあるな」臭プンプンなのですが、特定のキャラクターが見せるリアクションが徹頭徹尾明るくないので、やっていて未来が想像できるのが辛くなります。

このゲーム基本的に「子供」はいません。精神的な自立を主体とした話じゃありませんし、色恋の話でも全くありません。サブキャラにあることはありますが、あくまでサブであって別にメインでもなんでもないし。

じゃあ何かっていうと、結局は国家間の争いに介入していく話なんですね。
主人公は特殊能力を使って、自国のために戦う。
勿論それは勝利を得るためであってそこには当然犠牲もある。
そして国のために戦っていても国は腐敗し主人公の本来の目的「世界を正しい歴史に導く」という主題からはずれてしまう。
そこで主人公は決断しなければならないわけです。国を捨てて世界を救うために。
その後も別に主人公がびっくり能力で直接的に世界を救うわけではなく、国という枠組みから抜け出した主人公が、世界の再生のために活動する人物と行動を共にして、やはり国同士の争いを止めるために活動していく。
終始、変な特定の超能力者が、超能力バトルを繰り広げるのではなく、あくまで主人公は「戦乱が続けば世界は滅びる」という確固たる一念で戦い続けていて、そのために行動しています。だから同行者のために新たな国へ同盟をお願いしたり、それこそ、腐敗している政府の要人を暗殺しに行ったりとか、そういう「争い」の話なのです。
主人公は時空を超えられますが、これはいってしまえば「システム的」なものであって、主人公そのものは自分の正体に思い悩む事は殆どないし、周囲に関心を向けることもあまりありません。心理描写は極力カットされていて、これはサブキャラも同じで、この辺の個人の感情の省き方が「歴史」物として非常にデキが良かったと思います。
大体において、時空を飛び越えられるのは主人公だけなので、それ以外のパーティーメンバーや首脳陣は、それぞれにそれぞれの世界で懸命に生きているだけなのです。だから主人公が異能であることは、それらにおいて全く問題にならない。なるのは、如何にして勝つか、逃げるか、っていうことだけで突破口を開くのは主人公であっても、各自それぞれやれることをちゃんとやっている、大人たちの物語という感じでした。

極力心理描写が少ないのは、多分主人公だけが無口無愛想だと差しさわりがある(苦笑)からっていうのもあるんでしょうが、それ以上に精神年齢が全員大人だから、っていうのはあるでしょうね。通常メンバーの二人も事実上傭兵から暗殺まで請け負ういわば「プロ」ですし、その後仲間になる王女様もやるべきことをやる大人だし、主人公の友人も仲間になる獣人も、それぞれ抱えるものがあるれっきとした「大人」です。遊び半分で渡り歩いているわけではないし、だからこそ、余分は感情いらねえのよね、という作りが潔いといいましょうか。
ゆえに、主人公に個人的な執着を見せる唯一のキャラクターであるアトは、メリハリがきいてていいですね。これが全部政治なれした大人だとやりきれないんですが、他の何も関係ない主人公の命が一番大事、っていうキャラクターがいると、他の人物の感情吐露もしやすいですから。

そのキャラクターの個性を演出するためのイベントがちゃんと各自用意されていて、それ以降は国家間の争いにシフトする、っていう流れが上手かったんだと思います。キャラクターそのものが無味乾燥になっていたらそれこそ個人が歴史のために奔走するっていう意味が薄れますし。

個人的な趣味でいえば、主人公のストックが全く恋愛要素がない(サブクエでないわけではないですがどう考えても蛇足)のが良かったです(苦笑)
以前から主張して止まないのですが、主人公の恋愛ってはまれば盛り上がるんだけど、その二人をプレイヤーが愛せないと、あんなに苦痛なものはないので、個人的にはなくていい派です。
ストックはストックとして生まれ、そして生きて、選択した。
彼が「そういう性格」になったのはちゃんとした理由がある。けれどその理由と原因は最終的に「ストック」を救う結果になった。
ストックが何を選び、どう行動するのかが、イコールプレイヤーが頑張ってきた証の結果なのがまた上手い。
そんなハードな世界に女なんていらねえよ! とばかりにストックに周りにいるのって、ごつい親友とか、鷲鼻の老人とか、おかっぱの日和見将軍とか、肉体派の荒くれ親分とかですもんね。潤い? そんなもんいらねえよ! 俺にとっては鷲鼻のハイスがむしろピュアっ子で潤いだよ!
逆にこういうハードな世界に、取ってつけたようなお涙頂戴シーンはしらける要因になるので、個人的にはこの野郎比率には満足。勿論女の子もいますが、別にストックは女の子だからどうこう、っていうのではなく「あいつだからどうだ」とか、個人対個人の物の考え方をする、わりと朴念仁(頑固だが押しは弱い)なので、女子がいることによるやわらかさっていうのは、皆無でした。
まあ、このゲームに出てくる女の子って誰一人、恋愛目的で出てくる人物いないしな…(苦笑)

ストックに女の影(笑)はありませんが、サブキャラはうなるほどいます。
仲間にもなる、ストックの親友ロッシュと、医者(技師)のソニアなんてもう出てくるたびに、甘酸っぱくってたまりませんでした。
甘酸っぱいくせに、恋愛イベント殆どないってどういうこと!? 匂わせては、はいサヨナラってお前!? と二人が出てくるたびに画面の前で一人ズッコケでした。
「絶対に無事で帰ってきてくださいね」っていう女に対し「うん…まあ…努力はするよ」って答える男って何!? この二人の関係性なに!?
ちなみにこの二人にはサブクエがちゃんとあって、「兄貴代わりなんていつまでもやってられっか!」と逆ギレする男の姿が見られます。超満足。

他にも私、おかっぱ日和見将軍政治家のラウル(線が細い、銀英伝でいうとキャゼルノみたいな顔なんですが、ドットだと何故かごっついおっさんに見える…)は絶対にエルムっていう気の強い獣人(エルフみたいなもん)戦士とくっつくもんだと疑わなかったんですが、最終的には何にもないまま、同じく突然生まれた凡庸キャラに取って代わられたので、泣きました。
普通さあ! 最初は馬鹿にしていた人間が色々抱えてるってことがわかって(ラウルを逃がすために秘書が死んでる)、それで有能さもわかってきて、ツンデレの女戦士が「見直したぞ」とか言えばもうそれがフラグだって思うじゃん!
これはラウルがフラグをバッキバキにへし折ったってことなんでしょうか…。でもラウルって、戦女神のビオラ(このビオラっていう名前の響きが凄く女性的で好きでした。いい名前だ)とも若干関係がありそうな…いや、ないんですけど、ないところがいいんですけど、ビオラにもいわゆる相手がいないっていうのもちょっと寂しいしなあ…いや、その孤高の女神っぷりがビオラの真骨頂(なんつったって女性で銀髪碧眼でごつい鎧で色白よ。超美人)なんですけど、どうもビオラが不完全燃焼というか、扱われ方がわりと勿体無い(サブクエを埋めたとしても)なので、せめて誰か相手がいればと思ったのですが…。
いやもう、この際だからバノッサでもいいよ。(注・子持ちの獣人おっさん。ゲーム中での接点はほぼ皆無)

パーティーメンバーだと、色気のないレイニー(女子)はほぼ空気ですが、人間くさくていい感じです。普通の大人って感じ。
マルコは超年齢不詳なんですが、まああんた黒目しかない可愛い男子で…。パーティーの常識人としてイベントを実にスムーズに進めてくれるので好きだったんですが、サブクエ病んでました。
エルーカは王女様で、パッケージで一番デカデカと描かれていることに、最後の方まで全く気づきませんでした。あれ、ゲーム中と顔別人ですよね? ああ、パッケージの発注が早かったのか…。エルーカは一生懸命に大人です。ドライっていうんじゃないんだけど、決して逃げないしわがまま言わない我慢の子ですね。あくまでエルーカではなく、王女エルーカとして生き様を全うするというか。
アトはお子様ポジションで、実際このキャラクター一番不完全燃焼というか、唯一キャラ造詣が曖昧な印象が強いんですが、まあこれはこれで。
ガフカはただいるだけなのでよくわかりません。別に嫌いじゃないけども。


しかし最後まで解せなかったのが、主人公が一応属している国に敵対する、帝国に女王を操っている二人の将軍がいるんですよね。ディオスとセルバンでしたっけ。二人とも美形で凄く序盤思わせぶりなんですが、そいつら、結局何がしたかったの? ということであって…。え、純粋に実権を握りたかったの? ええ?
この辺はっきりいって、どうもバッサリ切られた感満載なので、このあたりはズッコケました。
せっかく顔グラついてて(このゲーム間に合わなかったのか何なのか、どう考えても顔グラいるだろ、というキャラクターが普通に凡庸キャラだったりするので非常に勿体無い)序盤、思いっきり何か裏事情知ってる風を吹かせていたので、個人的には一番気になって進めていたんですが、最後までわけがわからんまま終わりました。サブクエで補完されるのかと思ったらんなこともなかったし…。

音楽も非常に良かったです。全編明るい感じではないですが、叙情的で。
クリア時間はおよそ40時間ほど。サブクエ全部埋めて(埋めなくても別に大丈夫っぽい)これですから、主題だけをなぞれば30時間くらいなのかな?
久しぶりにがっつりRPGやって非常に満足しました。
世界を救うために個人が動く、のではなく、世界を救うために個人が国を動かす、という国家間の争いが主題の硬派なRPGでした。
プレイヤーキャラクターだけが頑張るのではなく、頑張った事によって「ゲームの中の人物たちも頑張ってくれる」という、つながりの描き方が上手い作品で満足です。お勧め。
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