『薄桜鬼 随想録』
うちのパソコンだと、「録」の字が変換されません。どうなっとるのだ。
やってきましたファンディスクです。個人的にFDに求めるものは、甘さ楽しさ愉快さなので、せめて胸苦しさが勝たないように祈ります。正直、本編やり直すの精神的にきっつい。
共通ルートその1(猫事件)で、永倉のさわやか鬼畜さが突然出てきて、おののいてしまいました。
あ、あれっ? 確かに本編でもこういう位置づけだったけどこんなに、初っ端から魅力炸裂させていいわけ?(貴方はこれを魅力と称するのですか)
ここから色々個別ルートに分岐するんですが、山南さんに猫騒動から助け出されたときの、
「優しい彼に戻ってくれるといいな」
には、真剣にイラっときました(苦笑)。
彼! 時間軸では三ヶ月経過しているかもしれないけれど、お前のようなひよっ子が、山南さんを彼呼ばわりたあ百万年早えよ! 身分も年齢も全部向こうが上だろうが! 何所有物みたい台詞はいてんだこら!
失礼、錯乱しました。
近藤さんが本当に人のいいおっちゃん(笑)になっていたりして、共通ルートも楽しめますね。本編だと結構近藤さんただのヌケ作だったりするからなあ。
特に猫事件で、昼飯を作りに勝手場に行ったら、既にそこにいた源さんが掃除を始めてくれていたので、時間かからずに片付けられたとか、この一文だけで萌えに萌えました。
原田と永倉を「何処に行っていた!」と怒鳴りつけつつ、一人で掃除を始めてくれていたなんて…源さん…!(感涙)
山崎とか、島田さんのエピソードもちゃんとあって満足。アルデバラン好きな私が島田嫌いなわけがない。
猫がいなくなることを悲しむ子供がいるならば、その悲しみがなくなるくらい楽しく一緒に遊んでやればいい、なんて、なんて、なんて貴方出来た大人なの…!! 本気で感動しました。ある意味性格破綻者ばかりの集団の中で、島田と源さんは輝きがまぶしすぎて見えない。
山崎は土方さん大好きっ子というだけでなく、研究肌の坊ちゃん気質が垣間見えて、まず資料作りに走るあたり、ちょっと山南さんと同じような匂いを感じました。汚いことしているわりにピュアっ子という点では、沖田とも似ているのかもしれん。
共通ルート2の島原イベントは全員面白かったです。
本編でも惜しい扱いだった天霧さんも、
「二人の姫君に出会えて光栄でした」
とか微笑みながら去ってくし! 姫君! 姫君は俺!
このルートは主人公が芸者の格好して褒めちぎられる、っていうのが基本コンセプト(笑)なんですが、やっぱり誉められてお約束の反応されると嬉しいですね。
藤堂君が「凄いきれいだけど、芸者の真似とかさせたくないし、誰にも見せたくない」とか言って不機嫌になるとか超可愛いし。
斉藤が「いや、言う機会を逃してはしまいだ。だがこれは任務であって彼女が望んだことではない。一般的な…」とか主人公を誉めるのに四苦八苦する様とか、全員可愛かったです。
山崎も、忍者山崎ってなんだよそれ。チッ。(つまりは萌えた)意外にノリノリで忍者活劇をやらかす男山崎。
なんだよ…この微妙なお育ちのよさは…。
勿論屯所に残っても、山南さんとか源さんから「待っていてくれる人がいて、ただいまと言ってくれるだけで、男は嬉しいんだよ」とか超男前なことを言われて何故か涙目になったり。生き様これオカンみたいな源さんに言われると本当にたまりません。
個人的には、山南さんに芸者姿見てもらって感想聞きたかったなあ。
「よく似合いますよ、七五三のように」
って皮肉言われるか、
「よく似合いますよ。次に女物の格好をするときは、白無垢で私の隣にいてくださいね」
っていきなり過程ぶっ飛ばして迫ってくるか、二択だと思います。
それぞれの個別ルート感想。
・藤堂
一事が万事全部可愛いです。雪合戦一つにせよ、主人公守って立ちふさがり、自分も雪玉に当たっても大丈夫だという主張に、
「オレの心情的に駄目なんだよ!」
と怒鳴り返してみたり。すんげえ可愛いなお前!
雪合戦イベントも、原田と永倉が雪玉を岩のようにしてぶん投げてきたりとか、野郎どものじゃれあいが見ていて微笑ましかったです。
・原田
どれだけ一人でCERO上げれば気が済むのだ。
言っていることがいちいち男前なので、素直に見られました。
・斉藤
おまけシナリオは、ツンはおろか、デレすら通り越していた。
本編ではさほど萌えなかったのですが、名前呼び強調されたときは、「この生き物なんなのだ」と思いました。
島原イベントを見る限り、そんな前から主人公に関心を持っていたのか、と、ムッツリの名は伊達じゃないなとも思いました。
・沖田
コンプリートした後の手紙が卑怯すぎました。死後あんなの見つけた日には泣いて暮らすしかないだろう…!
たまたま沖田は音声OFFにしていたので、感動二倍。
個人的に手紙イベントは、声なしのほうが絶対に感情移入できると思うんだ。もう、あの人はいない。だからこその手紙だというか。
・土方
酔っ払いイベントが一番楽しかったです。悪酔いして絡んだあげく、個室に連れて行かれ、
「何でオレだけ個室なんだよ! 副長は嫌われてるのか!?」
と駄々をこねるとかどんだけお前中間管理職なんだよ(笑)
・風間
馬鹿炸裂。
ド派手な私服に仰天。お前はやることなすことはた迷惑すぎるだろう。
クリア後の、SSL、薄桜鬼学園は最高に面白かったです。
FDそのものには文句はないのですが、物語の合間を埋めるならともかく、なんだろう語られなかった何かを見ても、自分の中では本編だけである程度物語や心の動きは完結しちゃっているので、全く関係ないにぎやかしな話の方が、個人的には好みです。
もっとやればいい。
どの話もとても面白かったのですが、永倉体育教師に超萌えた。
いえ、緑ジャージに科学とか数学とかそれこそ、政治経済の教師でも全く構わないのですが。
首に巻いた「井上住建」の文字に涙目。きっと井上さんは教頭先生とか、教育委員の人とかなんだよ…。
山南さんの保健医にもうっとり。あああの人には白衣がよく似合う…。山崎との微妙な関係も大好きです。近藤さんに幸あれ。
内容はどれもとても面白かったのですが、システム面が面倒です。
いちいちエピソードクリアするたびにシステムデータのセーブが求められるわ、なんやで。
選択肢の結果で好感度が変化するのではなく、選択肢が=分岐である場合は、セーブロード場面(タイトルとか)に戻ってくれたほうがありがたいかな。
ファンディスクとしてはかなりのボリュームがありますし、十分楽しめるのではないでしょうか。
うちのパソコンだと、「録」の字が変換されません。どうなっとるのだ。
やってきましたファンディスクです。個人的にFDに求めるものは、甘さ楽しさ愉快さなので、せめて胸苦しさが勝たないように祈ります。正直、本編やり直すの精神的にきっつい。
共通ルートその1(猫事件)で、永倉のさわやか鬼畜さが突然出てきて、おののいてしまいました。
あ、あれっ? 確かに本編でもこういう位置づけだったけどこんなに、初っ端から魅力炸裂させていいわけ?(貴方はこれを魅力と称するのですか)
ここから色々個別ルートに分岐するんですが、山南さんに猫騒動から助け出されたときの、
「優しい彼に戻ってくれるといいな」
には、真剣にイラっときました(苦笑)。
彼! 時間軸では三ヶ月経過しているかもしれないけれど、お前のようなひよっ子が、山南さんを彼呼ばわりたあ百万年早えよ! 身分も年齢も全部向こうが上だろうが! 何所有物みたい台詞はいてんだこら!
失礼、錯乱しました。
近藤さんが本当に人のいいおっちゃん(笑)になっていたりして、共通ルートも楽しめますね。本編だと結構近藤さんただのヌケ作だったりするからなあ。
特に猫事件で、昼飯を作りに勝手場に行ったら、既にそこにいた源さんが掃除を始めてくれていたので、時間かからずに片付けられたとか、この一文だけで萌えに萌えました。
原田と永倉を「何処に行っていた!」と怒鳴りつけつつ、一人で掃除を始めてくれていたなんて…源さん…!(感涙)
山崎とか、島田さんのエピソードもちゃんとあって満足。アルデバラン好きな私が島田嫌いなわけがない。
猫がいなくなることを悲しむ子供がいるならば、その悲しみがなくなるくらい楽しく一緒に遊んでやればいい、なんて、なんて、なんて貴方出来た大人なの…!! 本気で感動しました。ある意味性格破綻者ばかりの集団の中で、島田と源さんは輝きがまぶしすぎて見えない。
山崎は土方さん大好きっ子というだけでなく、研究肌の坊ちゃん気質が垣間見えて、まず資料作りに走るあたり、ちょっと山南さんと同じような匂いを感じました。汚いことしているわりにピュアっ子という点では、沖田とも似ているのかもしれん。
共通ルート2の島原イベントは全員面白かったです。
本編でも惜しい扱いだった天霧さんも、
「二人の姫君に出会えて光栄でした」
とか微笑みながら去ってくし! 姫君! 姫君は俺!
このルートは主人公が芸者の格好して褒めちぎられる、っていうのが基本コンセプト(笑)なんですが、やっぱり誉められてお約束の反応されると嬉しいですね。
藤堂君が「凄いきれいだけど、芸者の真似とかさせたくないし、誰にも見せたくない」とか言って不機嫌になるとか超可愛いし。
斉藤が「いや、言う機会を逃してはしまいだ。だがこれは任務であって彼女が望んだことではない。一般的な…」とか主人公を誉めるのに四苦八苦する様とか、全員可愛かったです。
山崎も、忍者山崎ってなんだよそれ。チッ。(つまりは萌えた)意外にノリノリで忍者活劇をやらかす男山崎。
なんだよ…この微妙なお育ちのよさは…。
勿論屯所に残っても、山南さんとか源さんから「待っていてくれる人がいて、ただいまと言ってくれるだけで、男は嬉しいんだよ」とか超男前なことを言われて何故か涙目になったり。生き様これオカンみたいな源さんに言われると本当にたまりません。
個人的には、山南さんに芸者姿見てもらって感想聞きたかったなあ。
「よく似合いますよ、七五三のように」
って皮肉言われるか、
「よく似合いますよ。次に女物の格好をするときは、白無垢で私の隣にいてくださいね」
っていきなり過程ぶっ飛ばして迫ってくるか、二択だと思います。
それぞれの個別ルート感想。
・藤堂
一事が万事全部可愛いです。雪合戦一つにせよ、主人公守って立ちふさがり、自分も雪玉に当たっても大丈夫だという主張に、
「オレの心情的に駄目なんだよ!」
と怒鳴り返してみたり。すんげえ可愛いなお前!
雪合戦イベントも、原田と永倉が雪玉を岩のようにしてぶん投げてきたりとか、野郎どものじゃれあいが見ていて微笑ましかったです。
・原田
どれだけ一人でCERO上げれば気が済むのだ。
言っていることがいちいち男前なので、素直に見られました。
・斉藤
おまけシナリオは、ツンはおろか、デレすら通り越していた。
本編ではさほど萌えなかったのですが、名前呼び強調されたときは、「この生き物なんなのだ」と思いました。
島原イベントを見る限り、そんな前から主人公に関心を持っていたのか、と、ムッツリの名は伊達じゃないなとも思いました。
・沖田
コンプリートした後の手紙が卑怯すぎました。死後あんなの見つけた日には泣いて暮らすしかないだろう…!
たまたま沖田は音声OFFにしていたので、感動二倍。
個人的に手紙イベントは、声なしのほうが絶対に感情移入できると思うんだ。もう、あの人はいない。だからこその手紙だというか。
・土方
酔っ払いイベントが一番楽しかったです。悪酔いして絡んだあげく、個室に連れて行かれ、
「何でオレだけ個室なんだよ! 副長は嫌われてるのか!?」
と駄々をこねるとかどんだけお前中間管理職なんだよ(笑)
・風間
馬鹿炸裂。
ド派手な私服に仰天。お前はやることなすことはた迷惑すぎるだろう。
クリア後の、SSL、薄桜鬼学園は最高に面白かったです。
FDそのものには文句はないのですが、物語の合間を埋めるならともかく、なんだろう語られなかった何かを見ても、自分の中では本編だけである程度物語や心の動きは完結しちゃっているので、全く関係ないにぎやかしな話の方が、個人的には好みです。
もっとやればいい。
どの話もとても面白かったのですが、永倉体育教師に超萌えた。
いえ、緑ジャージに科学とか数学とかそれこそ、政治経済の教師でも全く構わないのですが。
首に巻いた「井上住建」の文字に涙目。きっと井上さんは教頭先生とか、教育委員の人とかなんだよ…。
山南さんの保健医にもうっとり。あああの人には白衣がよく似合う…。山崎との微妙な関係も大好きです。近藤さんに幸あれ。
内容はどれもとても面白かったのですが、システム面が面倒です。
いちいちエピソードクリアするたびにシステムデータのセーブが求められるわ、なんやで。
選択肢の結果で好感度が変化するのではなく、選択肢が=分岐である場合は、セーブロード場面(タイトルとか)に戻ってくれたほうがありがたいかな。
ファンディスクとしてはかなりのボリュームがありますし、十分楽しめるのではないでしょうか。
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『薄桜鬼』
落とした順番の感想その2
・沖田
勝手に納得したところで、沖田です。私は昔っから、天才肌とか享楽的な人間に毛ほどの興味もないので、落とす順番色々考えたんですが、まあ新選組で有名な人を後に残すという順序でいったらこうなりました。
わりと普通な乙女ゲームっぽかったです。侍としての主義主張とかそういうの一切取っ払って、サナトリウム的な労咳ノリが表に出ているせいでしょうか。対になる鬼の薫も、限りなく私怨バリバリだったので、色々捕らわれないもの同士ちょうど良かったのではないかと(苦笑)。
この場合、相手が乙女っぽいと主人公もより乙女っぽくなるので、
「私が思ったりしたから沖田さんが狙われた」
と主人公が唐突にのたまったときには、「おい」とちょっと思いました。
というかこの薫、一体どこをどうみて、主人公の本命が沖田だと知ったのだろう…。
他の連中が、わりと一緒に暮らしていて恩義を感じて恋愛、という流れが明確なのに対し、沖田相手の主人公って、同情が横滑りして愛情とか、「この人には私がついていなくちゃ駄目なの」「この人の秘密を知っているのは私だけなの」的な、如何にも女性面が現れるので、わりと他のルートと印象が違います。
まあ、他のルートでもぶっ飛んだ個性は今のところ主人公には現れない(強いて言うなら、原田ルートは何もかも自分ひとりで抱えて突っ走る系のイベントが多かった)ので、生易しい個性といったらそうなんですが。
私的には、沖田ルートは馬鹿ップルの悲喜こもごもという感じで中々面白かったです。
一緒に行くと、照れる主人公に「風邪でもひいたの? 顔が真っ赤だ。熱でもあるなら連れていけないなあ」とか、わかった上でからかってる様がにやにやできます。
時代的な思想云々で深められない以上、
「僕はこの子と生きなくちゃいけない。だから絶対に負けられない。それだけだ」
と、明確に化け物であることを自覚して生きる、っていうのは浮世離れした沖田が言うと、より信憑性がありますし。
このルートでは、やっと主人公の鬼たる所以の話し運びがあるんですが…あるんですが…元々鬼の人間が羅刹になることがどういうことなのか、いまいちピンとこなかったので残念。
狂いそうになる相手を主人公が救済する(血を与える)っていうのは、どのルートでも鉄板であるんですが、主人公も血の衝動におびえてでも、貴方がそばにいてくれるならって、こう精神論で我慢で来ちゃうと、他の連中の面目丸つぶれのような気が。
その耐性そのものが、鬼の特権って言われりゃそうなんでしょうけど、うーん、どうもこの「主人公が鬼である必然性」みたいなものが、どのルートをやっても伝わってきませんでした。
少なくとも、主人公が鬼であるが故に、「精神的」に物語に起伏が生まれたってことはなさそうですし。
沖田ルートは特にEDが良かったなあ。こう、前向きに生きていこう感ではなく、刹那的な幸せが前面に出ていて、BADEDもHAPPYENDも中々良かったです。個人的には乙女ゲームとしては満足できたルートでした。斉藤の次にやったからか?
「君に寂しい思いをさせたくない。だから信じて。僕の心はずっと変わらない」
って、その先がない男に言われるとさすがになあ…(泣笑)
・土方
今のところどのルートを見ても、オカマに見えてしまうのは私の目が腐っているからなのでしょうか。いえ、言葉遣いじゃなくって、純粋に外見がオネエっぽいんですがこちらの方…。お、女の子みたいなのは貴方なのでは。
このルートでは、源さんの最期にひたすら泣いた。
土方ルートだけに、きっと源さんとか新選組初期組が関わってくれるとは思っていましたが、ちょっ、源さん貴方いい人すぎる…!
井上さんは史実だと当たり前に剣術も出来るのですが、このルートだと主人公と同じような剣は扱えないけれどポジションになっているのが、ちょっと悲しくもあり。でもそれでも「自分に出来ることがある」と自分と相手を信じている発言が泣ける。
「親が子よりも先に死ぬのは当たり前だろう」とかどんだけ貴方いい人…!
源さんを侮辱した風間に対して、主人公が憤りをあらわにするのが、地味に嬉しくて、主人公の好感度うなぎのぼりしました(笑)
でも、恋愛対象じゃないそれでも大切だった人のために、真剣に怒れるのって凄く人間味が出てていいですね。
源さんは共通ルートで寺を追い出されるときの「ほう、それは凄い。よほど我々に出て行ってもらいたいとみえる」という、人を食ったようなキレモノ発言とか、要所要所で惚れ直す要素満載でした。
わかっちゃいるのですが、土方ルートはわりと五臓六腑に堪える(苦笑)ものが多く、山崎さんも悲しいし、奔走する姿も悲しいし、でも丁寧にそれぞれが描かれていて、さすが王道ルートと思わずに入られません。
尺取りすぎだもんなあ、一人で。
話運びは大体斉藤と同じなんだけど、思っていたよりは政治よりではなく、仲間とかあくまで新選組っていう組織に基づく感性が前面に出ていたので、嫌味なく読めた感じです。
主人公との恋愛の持って生き方も、新選組ありき、というスタンスが徹底的に貫かれていたのでこれも好感触。
原田と違って、どちらかを天秤にかけて女を取るんじゃなく、新選組っていう土方の一部ごと、まるごと主人公が愛して、土方もそうだったっていう、めぞん一刻スタイルだったのが、感動より二倍。
こう書くと、原田が悪いみたいですが、そんなことは全くなく、私は人格も生き方も圧倒的に原田の方が好きですが、土方の生き方や通ってきた道を考えると、あれが一番いい形に落ち着いたんだろうなあと思います。女子供にうつつを抜かすんじゃなくて、自分の大切なものがいっぱいあってその中にはたまたま主人公がいた、くらいな。
同時進行できない人っていうか。「よし、こっちで燃え尽きた! じゃ、次!」っていうか(苦笑)。大切のベクトルは一緒なので、責めるに責められないというか。
大体、主人公も「幸せがなくても構わない」とか言っちゃいますしねえ。愛されるんじゃなく役に立ちたいっていう図式は、個人的には凄く共感できるのですが、乙女ゲームだからなあ、これ。
ここだと山南さんの扱いも凄く良くて(私は「どっち」の山南さんでも凄く萌えます。笑)そういう意味でもとても泣けました。
ああ、別ルートだと最期までガッツガツに生きようとしていた山南さんが…(でもどっちでも萌えます。笑)。
山南さん、洋装も凄く…色っぽいです…。土方が同じようなデザインでもストイック(永倉はどうなんだ。笑)なのに、山南さんが着ると…途端に…ジェントルエロいです…。
ここでも、藤堂君が割り食っていたというか、忠実に男前でした。えらいよ本当に。
土方のあのべらんめえ口調に最初はどうも違和感があったのですが、途中からあれは世話焼きオカン口調なんだと自然にスライドできるようになりました。まあ乱暴ったって、ここまでわかりやすい人はツンデレの部類に入らないよね。私的にはツンツンしている要素もそんなになかったんですけど。
髪型もばっさり短くなってからは凄く好みだったのですが、スチルが全員別人なのはどうにかならないのか。
土方は完全完璧にデフォルトヒーローなわりに、スチルのデキにばらつきが多かったような気がしたので、それは残念でした。
しかし、最終的にやってみてこれって別に野郎どもとの恋愛を楽しむんじゃなく、野郎どもの生き様を垣間見るっていうゲームだなと実感しました。
別に主人公いてもいなくても、彼らのやることは変わらないし、だからこそ主人公はついていったのだというか。
ノーマルEDのスチルを見ると、しみじみそう思いました。あのスチル本当に良かったですね。衣装一つとっても後姿でちゃんと個性が現れてたし、あの場面では近藤さん超カッコよく見えた(笑)。
最終的な好み
山南(別格)>藤堂>原田>永倉>土方>沖田>斉藤>風間
ってところでしょうか。
山南はなんていうか、人としてのモロさが露見しすぎてほっとけない感がありありで参ります。
藤堂は、他の連中のように羅刹になる選択肢すら自分で選べなかった(勝ち負け関係なく生命の危機に瀕して飲んだ)、というところから始まっているのに、あの真の強さに惚れました。実際、羅刹になってからマトモに新選組として戦えているのって、藤堂だけなんだよなあ。あと、個人的に洋装が一番カッコよかったし(結局外見)。
原田は純粋に男前なのと、生活能力がありそうなので。
永倉はいや、もはや何も言うまい。共通ルートでカマをかける一連の行動を見ると、その知将っぷりをもっと見たかったと思わずにはいられません。さらっと拷問シーンとか引き受けてたしな…。
沖田はキャラクターとしてではなく、EDが良かったのと、乙女ゲームとしてのメリハリが一番あったので。
土方はあまりに優遇されすぎてちょっと普通に物語に感動してしまったので、萌えにまでたどり着けなかったのが逆に痛い。
斉藤はなんだかよくわかんなかったです。
風間はもっとよくわかんなかったです。
硬派な乙女ゲームで面白かったです。乙女ゲームとしては糖度は薄い(遅い? 低いっつうか)ですが、キャラクターとしてはそれぞれ魅力的なので、あとは二次妄想で、といったところでしょうか。
逆にあそこまで、がっつり史実的な要素が強いと、同人界とかどうなってるんだろう。
一番最後まで謎だったのが、例の吸血行動とかそのへん。
なんでこの設定が羅刹になっちゃった連中に必要だったかと言うと、エロっぽいシーンのためだけに存在しているに決まっていて、それはそれで、とても良いこと(なきゃ困る)なんですが、それによる主人公の弊害が一つもないのが、凄く意外でした。
私このゲーム始める前、ベストEDに行くのは、「吸血行動を我慢させる」のが正しいのかと思ってたんですよね。「化け物にはさせないわ」的な。
でも結果として、吸血行動すらも受け入れて、死人になった相手を愛するっていう表現の仕方だったので、それはそれでよかったんですが、そうなるとやっぱり、ただ鬼で傷も治りゃ血も無尽蔵みたいな主人公設定が、なんかこう、勿体無いっつうか。
愛する相手が化け物になった。血を与えてでも助けたい。だけど主人公は血を与えるたびに疲弊する、とかそういう流れなしに、主人公に「肉体的」ハンデがないと、何度も吸血シーンが出てきても盛り上がらないというか。
異常な行動は、お互いの立場がそれぞれにリスクを負うほうが、盛り上がるんじゃないかというか。
一つのルートで何回も吸血シーンが出てくるのは、それだけ「化け物になってしまったアピール」なんでしょうが、彼らが非情なまでに血を求める欲求に対し、主人公が血を差し出す行動の重さが不釣合いだというか。
ともかく、やっぱりこの主人公鬼設定っていうのが、一番物語としてしっくり来ないかなあ、という気はしました。
てっきり、風間ルートで凄くエロいことになるとか、鬼同士の争いがもっと激化するとかあるのかと思いきや、そんな気配ミジンコもなかったしなあ。
落とした順番の感想その2
・沖田
勝手に納得したところで、沖田です。私は昔っから、天才肌とか享楽的な人間に毛ほどの興味もないので、落とす順番色々考えたんですが、まあ新選組で有名な人を後に残すという順序でいったらこうなりました。
わりと普通な乙女ゲームっぽかったです。侍としての主義主張とかそういうの一切取っ払って、サナトリウム的な労咳ノリが表に出ているせいでしょうか。対になる鬼の薫も、限りなく私怨バリバリだったので、色々捕らわれないもの同士ちょうど良かったのではないかと(苦笑)。
この場合、相手が乙女っぽいと主人公もより乙女っぽくなるので、
「私が思ったりしたから沖田さんが狙われた」
と主人公が唐突にのたまったときには、「おい」とちょっと思いました。
というかこの薫、一体どこをどうみて、主人公の本命が沖田だと知ったのだろう…。
他の連中が、わりと一緒に暮らしていて恩義を感じて恋愛、という流れが明確なのに対し、沖田相手の主人公って、同情が横滑りして愛情とか、「この人には私がついていなくちゃ駄目なの」「この人の秘密を知っているのは私だけなの」的な、如何にも女性面が現れるので、わりと他のルートと印象が違います。
まあ、他のルートでもぶっ飛んだ個性は今のところ主人公には現れない(強いて言うなら、原田ルートは何もかも自分ひとりで抱えて突っ走る系のイベントが多かった)ので、生易しい個性といったらそうなんですが。
私的には、沖田ルートは馬鹿ップルの悲喜こもごもという感じで中々面白かったです。
一緒に行くと、照れる主人公に「風邪でもひいたの? 顔が真っ赤だ。熱でもあるなら連れていけないなあ」とか、わかった上でからかってる様がにやにやできます。
時代的な思想云々で深められない以上、
「僕はこの子と生きなくちゃいけない。だから絶対に負けられない。それだけだ」
と、明確に化け物であることを自覚して生きる、っていうのは浮世離れした沖田が言うと、より信憑性がありますし。
このルートでは、やっと主人公の鬼たる所以の話し運びがあるんですが…あるんですが…元々鬼の人間が羅刹になることがどういうことなのか、いまいちピンとこなかったので残念。
狂いそうになる相手を主人公が救済する(血を与える)っていうのは、どのルートでも鉄板であるんですが、主人公も血の衝動におびえてでも、貴方がそばにいてくれるならって、こう精神論で我慢で来ちゃうと、他の連中の面目丸つぶれのような気が。
その耐性そのものが、鬼の特権って言われりゃそうなんでしょうけど、うーん、どうもこの「主人公が鬼である必然性」みたいなものが、どのルートをやっても伝わってきませんでした。
少なくとも、主人公が鬼であるが故に、「精神的」に物語に起伏が生まれたってことはなさそうですし。
沖田ルートは特にEDが良かったなあ。こう、前向きに生きていこう感ではなく、刹那的な幸せが前面に出ていて、BADEDもHAPPYENDも中々良かったです。個人的には乙女ゲームとしては満足できたルートでした。斉藤の次にやったからか?
「君に寂しい思いをさせたくない。だから信じて。僕の心はずっと変わらない」
って、その先がない男に言われるとさすがになあ…(泣笑)
・土方
今のところどのルートを見ても、オカマに見えてしまうのは私の目が腐っているからなのでしょうか。いえ、言葉遣いじゃなくって、純粋に外見がオネエっぽいんですがこちらの方…。お、女の子みたいなのは貴方なのでは。
このルートでは、源さんの最期にひたすら泣いた。
土方ルートだけに、きっと源さんとか新選組初期組が関わってくれるとは思っていましたが、ちょっ、源さん貴方いい人すぎる…!
井上さんは史実だと当たり前に剣術も出来るのですが、このルートだと主人公と同じような剣は扱えないけれどポジションになっているのが、ちょっと悲しくもあり。でもそれでも「自分に出来ることがある」と自分と相手を信じている発言が泣ける。
「親が子よりも先に死ぬのは当たり前だろう」とかどんだけ貴方いい人…!
源さんを侮辱した風間に対して、主人公が憤りをあらわにするのが、地味に嬉しくて、主人公の好感度うなぎのぼりしました(笑)
でも、恋愛対象じゃないそれでも大切だった人のために、真剣に怒れるのって凄く人間味が出てていいですね。
源さんは共通ルートで寺を追い出されるときの「ほう、それは凄い。よほど我々に出て行ってもらいたいとみえる」という、人を食ったようなキレモノ発言とか、要所要所で惚れ直す要素満載でした。
わかっちゃいるのですが、土方ルートはわりと五臓六腑に堪える(苦笑)ものが多く、山崎さんも悲しいし、奔走する姿も悲しいし、でも丁寧にそれぞれが描かれていて、さすが王道ルートと思わずに入られません。
尺取りすぎだもんなあ、一人で。
話運びは大体斉藤と同じなんだけど、思っていたよりは政治よりではなく、仲間とかあくまで新選組っていう組織に基づく感性が前面に出ていたので、嫌味なく読めた感じです。
主人公との恋愛の持って生き方も、新選組ありき、というスタンスが徹底的に貫かれていたのでこれも好感触。
原田と違って、どちらかを天秤にかけて女を取るんじゃなく、新選組っていう土方の一部ごと、まるごと主人公が愛して、土方もそうだったっていう、めぞん一刻スタイルだったのが、感動より二倍。
こう書くと、原田が悪いみたいですが、そんなことは全くなく、私は人格も生き方も圧倒的に原田の方が好きですが、土方の生き方や通ってきた道を考えると、あれが一番いい形に落ち着いたんだろうなあと思います。女子供にうつつを抜かすんじゃなくて、自分の大切なものがいっぱいあってその中にはたまたま主人公がいた、くらいな。
同時進行できない人っていうか。「よし、こっちで燃え尽きた! じゃ、次!」っていうか(苦笑)。大切のベクトルは一緒なので、責めるに責められないというか。
大体、主人公も「幸せがなくても構わない」とか言っちゃいますしねえ。愛されるんじゃなく役に立ちたいっていう図式は、個人的には凄く共感できるのですが、乙女ゲームだからなあ、これ。
ここだと山南さんの扱いも凄く良くて(私は「どっち」の山南さんでも凄く萌えます。笑)そういう意味でもとても泣けました。
ああ、別ルートだと最期までガッツガツに生きようとしていた山南さんが…(でもどっちでも萌えます。笑)。
山南さん、洋装も凄く…色っぽいです…。土方が同じようなデザインでもストイック(永倉はどうなんだ。笑)なのに、山南さんが着ると…途端に…ジェントルエロいです…。
ここでも、藤堂君が割り食っていたというか、忠実に男前でした。えらいよ本当に。
土方のあのべらんめえ口調に最初はどうも違和感があったのですが、途中からあれは世話焼きオカン口調なんだと自然にスライドできるようになりました。まあ乱暴ったって、ここまでわかりやすい人はツンデレの部類に入らないよね。私的にはツンツンしている要素もそんなになかったんですけど。
髪型もばっさり短くなってからは凄く好みだったのですが、スチルが全員別人なのはどうにかならないのか。
土方は完全完璧にデフォルトヒーローなわりに、スチルのデキにばらつきが多かったような気がしたので、それは残念でした。
しかし、最終的にやってみてこれって別に野郎どもとの恋愛を楽しむんじゃなく、野郎どもの生き様を垣間見るっていうゲームだなと実感しました。
別に主人公いてもいなくても、彼らのやることは変わらないし、だからこそ主人公はついていったのだというか。
ノーマルEDのスチルを見ると、しみじみそう思いました。あのスチル本当に良かったですね。衣装一つとっても後姿でちゃんと個性が現れてたし、あの場面では近藤さん超カッコよく見えた(笑)。
最終的な好み
山南(別格)>藤堂>原田>永倉>土方>沖田>斉藤>風間
ってところでしょうか。
山南はなんていうか、人としてのモロさが露見しすぎてほっとけない感がありありで参ります。
藤堂は、他の連中のように羅刹になる選択肢すら自分で選べなかった(勝ち負け関係なく生命の危機に瀕して飲んだ)、というところから始まっているのに、あの真の強さに惚れました。実際、羅刹になってからマトモに新選組として戦えているのって、藤堂だけなんだよなあ。あと、個人的に洋装が一番カッコよかったし(結局外見)。
原田は純粋に男前なのと、生活能力がありそうなので。
永倉はいや、もはや何も言うまい。共通ルートでカマをかける一連の行動を見ると、その知将っぷりをもっと見たかったと思わずにはいられません。さらっと拷問シーンとか引き受けてたしな…。
沖田はキャラクターとしてではなく、EDが良かったのと、乙女ゲームとしてのメリハリが一番あったので。
土方はあまりに優遇されすぎてちょっと普通に物語に感動してしまったので、萌えにまでたどり着けなかったのが逆に痛い。
斉藤はなんだかよくわかんなかったです。
風間はもっとよくわかんなかったです。
硬派な乙女ゲームで面白かったです。乙女ゲームとしては糖度は薄い(遅い? 低いっつうか)ですが、キャラクターとしてはそれぞれ魅力的なので、あとは二次妄想で、といったところでしょうか。
逆にあそこまで、がっつり史実的な要素が強いと、同人界とかどうなってるんだろう。
一番最後まで謎だったのが、例の吸血行動とかそのへん。
なんでこの設定が羅刹になっちゃった連中に必要だったかと言うと、エロっぽいシーンのためだけに存在しているに決まっていて、それはそれで、とても良いこと(なきゃ困る)なんですが、それによる主人公の弊害が一つもないのが、凄く意外でした。
私このゲーム始める前、ベストEDに行くのは、「吸血行動を我慢させる」のが正しいのかと思ってたんですよね。「化け物にはさせないわ」的な。
でも結果として、吸血行動すらも受け入れて、死人になった相手を愛するっていう表現の仕方だったので、それはそれでよかったんですが、そうなるとやっぱり、ただ鬼で傷も治りゃ血も無尽蔵みたいな主人公設定が、なんかこう、勿体無いっつうか。
愛する相手が化け物になった。血を与えてでも助けたい。だけど主人公は血を与えるたびに疲弊する、とかそういう流れなしに、主人公に「肉体的」ハンデがないと、何度も吸血シーンが出てきても盛り上がらないというか。
異常な行動は、お互いの立場がそれぞれにリスクを負うほうが、盛り上がるんじゃないかというか。
一つのルートで何回も吸血シーンが出てくるのは、それだけ「化け物になってしまったアピール」なんでしょうが、彼らが非情なまでに血を求める欲求に対し、主人公が血を差し出す行動の重さが不釣合いだというか。
ともかく、やっぱりこの主人公鬼設定っていうのが、一番物語としてしっくり来ないかなあ、という気はしました。
てっきり、風間ルートで凄くエロいことになるとか、鬼同士の争いがもっと激化するとかあるのかと思いきや、そんな気配ミジンコもなかったしなあ。
先日、祖父の納骨がありました。
午前中に四十九日を行うとのことで、準備していたら表が騒がしい。
何だと思い、居間にいた親に聞いてみると、「うちの前にパトカーが二台も止まっている」とのこと。
私「なんで? 泥棒とか放火でもあったの?」
親「いや、ゴミ出しにいったら出くわして驚いたんだけど、どうやら向かいのほにゃららさん家が呼んだらしい」
私「なんで」
親「どうやら、娘さんの元彼氏がよりを戻そうと思って押しかけて警察を呼ばれたらしい」
何だそれ。
詳しいことは勿論わからないのですが、確かに覗いてみると、家の前に母親と娘さんらしき人の姿が。
少し離れたところで、若い金髪の男性が警察官四人に囲まれてなにやら取り込み中。
どうでもいいったらどうでもいいので、その場から離れようとした私の耳に、若い男性の声が。
「………だから、そういったことで警察を呼ばれるのは心外だ」
何が心外だ。
警察を呼ばれている時点で、お前の恋はとっくに滅亡したと気づけ。いや、気づかないからこういうキモいことが言えるのか。
これ、当事者の娘さんは本当に恐ろしいですし、嫌でしょうねえ。
警察官の人たちも、どうやって収拾つけたんでしょう。
で、そんなこんなで寺へ。
初っ端から、住職さんが時間を一時間間違えていたというハプニングで始まり、納骨へ。
前回(おい)の祖母の時も、すったもんだありましたが、今回なんと、お墓の蓋を中に落とすという凄いことも。
たまたま、墓の中が空いていた(苦笑)からよかったようなものの、詰まってたら木っ端微塵だったよ。
石屋のこのアルバイトのじいさん、以前もすったもんだ起こした奴だった気がする…。
で、お坊さんがお経を上げて閃光を備えている最中、
「さーいーたーさーいーたーちゅーりっぷのはーなーがー」
鳴り響く石屋アルバイトの携帯。
切っとけよ! 携帯!
ここで苦笑失笑で済ませる我が一族はえらいと思います。
度重なる失態に、暴動が起きてもいいくらいだろうなあ。
まあ、墓の前だから事を荒立てたくなかったっていうのもあるでしょうが。
これで後は、夏に祖母の三回忌を済ませれば、葬儀ラッシュもひと段落でしょうか。
父方の祖母はまだ存命中ですが、正直あんまりもうあっちとは付き合いたくない…。坊主も無礼千万だし、場所も遠いし、それこそ祖母が亡くなれば、あっちの一族と付き合う理由もないし。
墓場に集合するのに時間差があったため、その辺を散歩していたんですが、お墓の墓碑銘に「当歳」という文字が。
亡くなられた歳を書くのはわかりますが、「当歳」とは一体どういう意味なのだろうと思い、帰ってから調べてみたところ、
当歳とは、数え年の1歳である
ことがわかりました。
…ということは、一歳に満たない…。
調べるんじゃなかった、と本気で思いました。いえ、知っておくべき知識なのでしょうが…。
午前中に四十九日を行うとのことで、準備していたら表が騒がしい。
何だと思い、居間にいた親に聞いてみると、「うちの前にパトカーが二台も止まっている」とのこと。
私「なんで? 泥棒とか放火でもあったの?」
親「いや、ゴミ出しにいったら出くわして驚いたんだけど、どうやら向かいのほにゃららさん家が呼んだらしい」
私「なんで」
親「どうやら、娘さんの元彼氏がよりを戻そうと思って押しかけて警察を呼ばれたらしい」
何だそれ。
詳しいことは勿論わからないのですが、確かに覗いてみると、家の前に母親と娘さんらしき人の姿が。
少し離れたところで、若い金髪の男性が警察官四人に囲まれてなにやら取り込み中。
どうでもいいったらどうでもいいので、その場から離れようとした私の耳に、若い男性の声が。
「………だから、そういったことで警察を呼ばれるのは心外だ」
何が心外だ。
警察を呼ばれている時点で、お前の恋はとっくに滅亡したと気づけ。いや、気づかないからこういうキモいことが言えるのか。
これ、当事者の娘さんは本当に恐ろしいですし、嫌でしょうねえ。
警察官の人たちも、どうやって収拾つけたんでしょう。
で、そんなこんなで寺へ。
初っ端から、住職さんが時間を一時間間違えていたというハプニングで始まり、納骨へ。
前回(おい)の祖母の時も、すったもんだありましたが、今回なんと、お墓の蓋を中に落とすという凄いことも。
たまたま、墓の中が空いていた(苦笑)からよかったようなものの、詰まってたら木っ端微塵だったよ。
石屋のこのアルバイトのじいさん、以前もすったもんだ起こした奴だった気がする…。
で、お坊さんがお経を上げて閃光を備えている最中、
「さーいーたーさーいーたーちゅーりっぷのはーなーがー」
鳴り響く石屋アルバイトの携帯。
切っとけよ! 携帯!
ここで苦笑失笑で済ませる我が一族はえらいと思います。
度重なる失態に、暴動が起きてもいいくらいだろうなあ。
まあ、墓の前だから事を荒立てたくなかったっていうのもあるでしょうが。
これで後は、夏に祖母の三回忌を済ませれば、葬儀ラッシュもひと段落でしょうか。
父方の祖母はまだ存命中ですが、正直あんまりもうあっちとは付き合いたくない…。坊主も無礼千万だし、場所も遠いし、それこそ祖母が亡くなれば、あっちの一族と付き合う理由もないし。
墓場に集合するのに時間差があったため、その辺を散歩していたんですが、お墓の墓碑銘に「当歳」という文字が。
亡くなられた歳を書くのはわかりますが、「当歳」とは一体どういう意味なのだろうと思い、帰ってから調べてみたところ、
当歳とは、数え年の1歳である
ことがわかりました。
…ということは、一歳に満たない…。
調べるんじゃなかった、と本気で思いました。いえ、知っておくべき知識なのでしょうが…。
『薄桜鬼』
以下、落とした順の感想。
・藤堂
何故彼を最初に落としたかと言うと、ショタポジションだと思ったからです。だけど飲酒可能年齢だということを失念しておりました。こりゃしまった。
ふたを開けてみれば、非常に真っ当な青少年の恋愛模様といった感じでした。ただ、藤堂見た目反して中身が最初から最後まで凄く大人だったので、やんちゃ小僧の風間と並ぶと、ツッコミ役に特化してしまうのがおかしくてなりませんでした。
甘さそのものはよくわかりません。スチルもキレイなんですけど、殆ど主人公との絡みシーンじゃないしなあ。
やっぱり彼の立場が立場なだけに、恋愛よりも生きる優先みたいなところがあるので(それが駄目ってんじゃなく)恋愛通り越して互い命、みたいな関係性が見所でしょうか。
個人的には、「何かを決めて進んだはずなのに後悔ばかり。いつも前のことばかり、楽しかったなって思い出してしまう」では、身につまされてグっときました。藤堂君、予想以上に大人だった…。
藤堂ルートだと、山南さんまさかの大活躍で、出てくるたびに演技力と台詞に悲鳴でした。山南さんの洋装姿…最高すぎますよ…。超カッケエ…。実際このゲームの野郎どもで一番美しいのは山南さんだと思うんだ…。
伊東さんも、山南さんも十分許容範囲内ですよ私は!
人間とか、鬼とか、羅刹とか関係なく、「こいつは今も昔も俺の大切な人だ」っていう一世一代の告白はカッコよかったですね。
「あいつらと俺の違いは、お前がいるかいないかだ」とかね。
他のルートをやってみてから思うに、心底自分が羅刹になってしまった、ってことで思い悩むのって藤堂だけなんですよ(山南はそれがもうアイデンティティになってしまうので別格として)。
その辺の人間くささとか、主義主張ぶっ飛ばして「自分はどうなってしまうんだろう」という当たり前の悩みから目を背けなかった、藤堂君の株が上がりました。他の羅刹連中、基本的になっちゃったんじゃなく、好きで(というと語弊があるか)なって、その後でそれなりの羅刹設定が出てきても、命なんて別にケッ、的なある意味考えることを放棄した連中の仲で、藤堂君が至極マトモな男前に見えました。
主人公の正体も、このルートでは問題にされてんだかされてないんだか(てっきり主人公の血を吸って元に戻るオチなのかと思ってた)なので、変に猫かわいがりされていなくて良かったのではないかと。
彼のルートで一番ツボだったのは、敵から身を守ってもらうために主人公の前に飛び出して、
「俺の後ろに隠れてろ! いいか、絶対にはみだすなよ!」
でした。
無理だ。はみ出る。(あの細さじゃよしず置いていたほうがまだ隠れられると思いました)
・原田
女たらしポジション。大体長倉とつるんでいるのですが、何故永倉が落とせないのか小一時間問い詰めたいです製作者ちょっと前へ出ろ原田との差分ができなかったとかそれどのツラ下げて永倉アアア!(錯乱)
何でだろう。実際永倉があまりに他のルートでも光り輝くマッチョ頭脳派(彼は脳筋ではない)なので、山南さんはともかく、落とせないことに本当に合点がいきません。何でだよ。妻帯者持ち駄目なのかよ落とせないのかこのゲームはよ。
原田は女子に優しいというより、全般的にフォローポジションなのでやっていて楽です。いい意味でドキドキもしないし、悪い意味でもドキドキしないっつうか。こういうタラシポジションのたらし台詞を薄笑いで流せる嫌な大人になりました。かつては私も、炎の守護聖の一挙手一投足で奇声を上げていたものでしたが。
「男が女を守るってのは、間違いなく正義だ」
た、高倉ーッ!?(私の中でこの手の男云々台詞は、『幸せの黄色いハンカチ』に直結します)
原田の高倉発言(笑)に、ついグラっときたり。私はこの手の、実力のある男にのみ許される男、女発言にとても弱いです。
いやあ、しかし思っていたよりもずっと原田ルートは硬派でした。言っていることも別に歯茎がガタガタ言うような感じじゃなかったし、近藤との別離も、永倉との別れも凄く丁寧に書いていたので、乙女ゲームと関係ないところで満足。
新選組が衰退していく様もちゃんと描かれていたし、それに伴う移り変わりも、それこそ永倉視点とか、土方視点だったら、胸苦しくて仕方がなかったでしょうが、原田視点だと割合冷静に受け止められるので、緩和剤としても彼の使い方は上手い。
史実に絡んでくる動機が女、っていうのは勿論ロマンなわけですが、ただ選ぶんじゃなくって、「これから先天秤にかけなきゃいけないことは山ほど出てくる。それでも選ぶのはお前だ」っていうのが、ただの色恋に流される阿呆じゃなくて、いい男って感じがしました。
うーん、原田は普通にいい男だなあ。悩みもするし、時には大人気ない態度も取る(奴が大人気なかったら他の連中は子供にすら達していないと思いますが)けど、ちゃんと自分の道は自分で選ぶっていう、大人として当たり前のことが決断できるのがいい男らしさよ。
原田の場合、他の連中と違って、政治思想とかがそれほど絡んでこない(周囲はそれにどうしても振り回されますが、原田はわりとニュートラルな立ち位置で物事を見ていられるので)ので、ある意味自由度が高いからこその、女を選ぶ選択肢が自然なのかもしれませんが。でもその、思想的に捕らわれないっていうのも、それはそういう個性だから。
永倉と別れるシーンでのガチンコ勝負には笑えましたが、その後、永倉が「行って来い! もし泣かされたら俺のところへこい! お灸据えてやるから」と笑いながら言ってきたのには泣けました。お前…本当なら主人公疎ましく思っても当然なのに永倉…!
それまで永倉が原田を本当に戦友として大切に思っている描写が多かっただけに、この辺、永倉の男前度も半端なかったです。
ちなみにこのルートでは、鬼の不知火が凄くロマンティックな子(笑)だったのでびっくりです。亡き友の魂を引き継いで戦う、か。…あれ、このデジャブ、映画版銀魂でも同じようなことを感じたような…。
余談ですが、戦闘シーンでの一閃表現、どう見ても『Fate』にしか見えないのですが、これは影響されているんだろうなあ。槍だし。
そして、最後の大陸オチには若干笑いが。どっかの義経といい、いざとなったら大陸行けばなんとかなるオチは、いい加減封印すべきだと思うんだ。
・斉藤
私の中で斉藤一といえば、牙突。それ以外はない。あの線目とすだれ髪以外に興味はない。
のインパクトが強すぎたので、ビジュアル面からいきなりちょっと冷遇(私の中だけで。苦笑)されていた斉藤です。
恋愛のとっかかりも非常に遅いので、
「武士と言うものは、男と言うものは、決して女の子を悲しませたりはしないものだよ」
という、源さんにときめいたりして、日々を乗り切りました。
別に斉藤が悪いわけじゃないんだけど、斉藤の相手になる鬼の天霧さんも、凄くジェントルマン(ただし彼はとても放置プレイ魔です)なので、萌えにしろ笑いにしろ、こう物語としてのめりこむ要素が薄いというか。
斉藤自身が己の主義主張に揺らぐことがない、いわゆる人間味に欠ける系(要するにクール系)なせいもあって、藤堂、原田という人間味はちきれていた二人の後にやると、若干温度差を感じますね。
いや、別に性格に緩急がないことが顕著だから、っていうんじゃなく、彼の抱えているものとか信条って自己完結できちゃうものなんですよね。
色々な意味でも、政治的な主義主張っていうのは第三者に認められなきゃ意味がない、っていう暗然たるものが存在しちゃっているのですが、そうなるとどうしても自分の力ではどうにもならない、むしろ振り回されるだけ振り回されるのが世の常、なんですが、斉藤の場合、武士の在り様にせよ、刃の意味にせよ、振り回される必要がないところから始まっちゃってるというか。
それでも、色々思い悩むことも勿論あるんですが、なんていうかなあ、本当に半径三センチの小さな円で(器の問題ではなく守備範囲の問題というか)考えすぎちゃうっていうか。
まあそういう不器用な生き様劇場を楽しむのが斉藤ルート、っていう感じがしました。
実際甘くなったシーンなんて、八章に入ってからやっと程度だったし。
世間で話題の耳朶プレイ(笑)も、こう、にやりとはできましたが、個人的にはああいう一足飛びの繋がりは、やりそうもない人がやるとか、 やりそうな人がやるとかなら萌えるんですが、やるかどうか今んとこよくわかんねえって個性の人にやられても、いまいち乗り切れないままでした。
最後の共闘とかは凄く燃えましたが。うーん、藤堂君カッコイイなあ。他のルートに来てもわかる奴の男らしさよ。
個人的に残念だったのは、天霧さんの扱い。
あの紳士はもう少し上手く料理できたんじゃないかと思うんだ…。最初の頃はまだしも、最後の方はその傍観者ヅラにちょっとイラっときた場面もあったので。逆に徹底的に主人公に肩入れして、風間と敵対して傷を負って、それを主人公が介抱して、斉藤がやきもちやく、くらいの進行でも良かったのに。
何人かクリアしてきて意外に思ったのは、主人公の使い道が、殆ど正体と関わってこないってところですね。
人ではない鬼である、と思い悩むのは主人公くらいのもので(しかも大して長続きしない)他の連中は、主人公の正体なんてぶっちゃけ、本当にどうでもいい。そんなことより新選組とか、自分の体がどうなっちゃうのかとか、そっちのほうがはるかに大事(というか物語上でも殆ど話題にすらならない)、っていうのが凄く顕著なので、やっていて、主人公のなんちゃって人設定って、別に対男対策のために作られてるんじゃないんかなあ、としみじみ。
主人公の義理の父親とか、羅刹がらみで話の中枢にいる奴もいるんですが、でもだからって、主人公が鬼である必要性って正直、感情の動きの面でだけいえば、なさそうです。少なくとも、野郎どもはそんなこと歯牙にもかけてない。主人公が鬼である必要性、ぶっちゃけあまりない。
本当に羅刹とか、鬼とか、人ならざるものの苦悩を前面に押し出すのであれば、今頃ヒロインの座は完璧に山南さんが奪っている。
なんか、他のルートでも主人公の立ち位置あまり変わらなさそうなので、対新選組相手の「個性」じゃないとすると、あの金髪風間とかの同族相手の絡みで真価を発揮するってことなんだろうな。
あっ、でも主人公が鬼であることが理由で、山南さんがより輝いたっていうのはある。
となるとあれか…。主人公の鬼設定は、山南さんのためだけにあると…(もしもし?)。
やっぱり長くなったので続きは次回へ。
以下、落とした順の感想。
・藤堂
何故彼を最初に落としたかと言うと、ショタポジションだと思ったからです。だけど飲酒可能年齢だということを失念しておりました。こりゃしまった。
ふたを開けてみれば、非常に真っ当な青少年の恋愛模様といった感じでした。ただ、藤堂見た目反して中身が最初から最後まで凄く大人だったので、やんちゃ小僧の風間と並ぶと、ツッコミ役に特化してしまうのがおかしくてなりませんでした。
甘さそのものはよくわかりません。スチルもキレイなんですけど、殆ど主人公との絡みシーンじゃないしなあ。
やっぱり彼の立場が立場なだけに、恋愛よりも生きる優先みたいなところがあるので(それが駄目ってんじゃなく)恋愛通り越して互い命、みたいな関係性が見所でしょうか。
個人的には、「何かを決めて進んだはずなのに後悔ばかり。いつも前のことばかり、楽しかったなって思い出してしまう」では、身につまされてグっときました。藤堂君、予想以上に大人だった…。
藤堂ルートだと、山南さんまさかの大活躍で、出てくるたびに演技力と台詞に悲鳴でした。山南さんの洋装姿…最高すぎますよ…。超カッケエ…。実際このゲームの野郎どもで一番美しいのは山南さんだと思うんだ…。
伊東さんも、山南さんも十分許容範囲内ですよ私は!
人間とか、鬼とか、羅刹とか関係なく、「こいつは今も昔も俺の大切な人だ」っていう一世一代の告白はカッコよかったですね。
「あいつらと俺の違いは、お前がいるかいないかだ」とかね。
他のルートをやってみてから思うに、心底自分が羅刹になってしまった、ってことで思い悩むのって藤堂だけなんですよ(山南はそれがもうアイデンティティになってしまうので別格として)。
その辺の人間くささとか、主義主張ぶっ飛ばして「自分はどうなってしまうんだろう」という当たり前の悩みから目を背けなかった、藤堂君の株が上がりました。他の羅刹連中、基本的になっちゃったんじゃなく、好きで(というと語弊があるか)なって、その後でそれなりの羅刹設定が出てきても、命なんて別にケッ、的なある意味考えることを放棄した連中の仲で、藤堂君が至極マトモな男前に見えました。
主人公の正体も、このルートでは問題にされてんだかされてないんだか(てっきり主人公の血を吸って元に戻るオチなのかと思ってた)なので、変に猫かわいがりされていなくて良かったのではないかと。
彼のルートで一番ツボだったのは、敵から身を守ってもらうために主人公の前に飛び出して、
「俺の後ろに隠れてろ! いいか、絶対にはみだすなよ!」
でした。
無理だ。はみ出る。(あの細さじゃよしず置いていたほうがまだ隠れられると思いました)
・原田
女たらしポジション。大体長倉とつるんでいるのですが、何故永倉が落とせないのか小一時間問い詰めたいです製作者ちょっと前へ出ろ原田との差分ができなかったとかそれどのツラ下げて永倉アアア!(錯乱)
何でだろう。実際永倉があまりに他のルートでも光り輝くマッチョ頭脳派(彼は脳筋ではない)なので、山南さんはともかく、落とせないことに本当に合点がいきません。何でだよ。妻帯者持ち駄目なのかよ落とせないのかこのゲームはよ。
原田は女子に優しいというより、全般的にフォローポジションなのでやっていて楽です。いい意味でドキドキもしないし、悪い意味でもドキドキしないっつうか。こういうタラシポジションのたらし台詞を薄笑いで流せる嫌な大人になりました。かつては私も、炎の守護聖の一挙手一投足で奇声を上げていたものでしたが。
「男が女を守るってのは、間違いなく正義だ」
た、高倉ーッ!?(私の中でこの手の男云々台詞は、『幸せの黄色いハンカチ』に直結します)
原田の高倉発言(笑)に、ついグラっときたり。私はこの手の、実力のある男にのみ許される男、女発言にとても弱いです。
いやあ、しかし思っていたよりもずっと原田ルートは硬派でした。言っていることも別に歯茎がガタガタ言うような感じじゃなかったし、近藤との別離も、永倉との別れも凄く丁寧に書いていたので、乙女ゲームと関係ないところで満足。
新選組が衰退していく様もちゃんと描かれていたし、それに伴う移り変わりも、それこそ永倉視点とか、土方視点だったら、胸苦しくて仕方がなかったでしょうが、原田視点だと割合冷静に受け止められるので、緩和剤としても彼の使い方は上手い。
史実に絡んでくる動機が女、っていうのは勿論ロマンなわけですが、ただ選ぶんじゃなくって、「これから先天秤にかけなきゃいけないことは山ほど出てくる。それでも選ぶのはお前だ」っていうのが、ただの色恋に流される阿呆じゃなくて、いい男って感じがしました。
うーん、原田は普通にいい男だなあ。悩みもするし、時には大人気ない態度も取る(奴が大人気なかったら他の連中は子供にすら達していないと思いますが)けど、ちゃんと自分の道は自分で選ぶっていう、大人として当たり前のことが決断できるのがいい男らしさよ。
原田の場合、他の連中と違って、政治思想とかがそれほど絡んでこない(周囲はそれにどうしても振り回されますが、原田はわりとニュートラルな立ち位置で物事を見ていられるので)ので、ある意味自由度が高いからこその、女を選ぶ選択肢が自然なのかもしれませんが。でもその、思想的に捕らわれないっていうのも、それはそういう個性だから。
永倉と別れるシーンでのガチンコ勝負には笑えましたが、その後、永倉が「行って来い! もし泣かされたら俺のところへこい! お灸据えてやるから」と笑いながら言ってきたのには泣けました。お前…本当なら主人公疎ましく思っても当然なのに永倉…!
それまで永倉が原田を本当に戦友として大切に思っている描写が多かっただけに、この辺、永倉の男前度も半端なかったです。
ちなみにこのルートでは、鬼の不知火が凄くロマンティックな子(笑)だったのでびっくりです。亡き友の魂を引き継いで戦う、か。…あれ、このデジャブ、映画版銀魂でも同じようなことを感じたような…。
余談ですが、戦闘シーンでの一閃表現、どう見ても『Fate』にしか見えないのですが、これは影響されているんだろうなあ。槍だし。
そして、最後の大陸オチには若干笑いが。どっかの義経といい、いざとなったら大陸行けばなんとかなるオチは、いい加減封印すべきだと思うんだ。
・斉藤
私の中で斉藤一といえば、牙突。それ以外はない。あの線目とすだれ髪以外に興味はない。
のインパクトが強すぎたので、ビジュアル面からいきなりちょっと冷遇(私の中だけで。苦笑)されていた斉藤です。
恋愛のとっかかりも非常に遅いので、
「武士と言うものは、男と言うものは、決して女の子を悲しませたりはしないものだよ」
という、源さんにときめいたりして、日々を乗り切りました。
別に斉藤が悪いわけじゃないんだけど、斉藤の相手になる鬼の天霧さんも、凄くジェントルマン(ただし彼はとても放置プレイ魔です)なので、萌えにしろ笑いにしろ、こう物語としてのめりこむ要素が薄いというか。
斉藤自身が己の主義主張に揺らぐことがない、いわゆる人間味に欠ける系(要するにクール系)なせいもあって、藤堂、原田という人間味はちきれていた二人の後にやると、若干温度差を感じますね。
いや、別に性格に緩急がないことが顕著だから、っていうんじゃなく、彼の抱えているものとか信条って自己完結できちゃうものなんですよね。
色々な意味でも、政治的な主義主張っていうのは第三者に認められなきゃ意味がない、っていう暗然たるものが存在しちゃっているのですが、そうなるとどうしても自分の力ではどうにもならない、むしろ振り回されるだけ振り回されるのが世の常、なんですが、斉藤の場合、武士の在り様にせよ、刃の意味にせよ、振り回される必要がないところから始まっちゃってるというか。
それでも、色々思い悩むことも勿論あるんですが、なんていうかなあ、本当に半径三センチの小さな円で(器の問題ではなく守備範囲の問題というか)考えすぎちゃうっていうか。
まあそういう不器用な生き様劇場を楽しむのが斉藤ルート、っていう感じがしました。
実際甘くなったシーンなんて、八章に入ってからやっと程度だったし。
世間で話題の耳朶プレイ(笑)も、こう、にやりとはできましたが、個人的にはああいう一足飛びの繋がりは、やりそうもない人がやるとか、 やりそうな人がやるとかなら萌えるんですが、やるかどうか今んとこよくわかんねえって個性の人にやられても、いまいち乗り切れないままでした。
最後の共闘とかは凄く燃えましたが。うーん、藤堂君カッコイイなあ。他のルートに来てもわかる奴の男らしさよ。
個人的に残念だったのは、天霧さんの扱い。
あの紳士はもう少し上手く料理できたんじゃないかと思うんだ…。最初の頃はまだしも、最後の方はその傍観者ヅラにちょっとイラっときた場面もあったので。逆に徹底的に主人公に肩入れして、風間と敵対して傷を負って、それを主人公が介抱して、斉藤がやきもちやく、くらいの進行でも良かったのに。
何人かクリアしてきて意外に思ったのは、主人公の使い道が、殆ど正体と関わってこないってところですね。
人ではない鬼である、と思い悩むのは主人公くらいのもので(しかも大して長続きしない)他の連中は、主人公の正体なんてぶっちゃけ、本当にどうでもいい。そんなことより新選組とか、自分の体がどうなっちゃうのかとか、そっちのほうがはるかに大事(というか物語上でも殆ど話題にすらならない)、っていうのが凄く顕著なので、やっていて、主人公のなんちゃって人設定って、別に対男対策のために作られてるんじゃないんかなあ、としみじみ。
主人公の義理の父親とか、羅刹がらみで話の中枢にいる奴もいるんですが、でもだからって、主人公が鬼である必要性って正直、感情の動きの面でだけいえば、なさそうです。少なくとも、野郎どもはそんなこと歯牙にもかけてない。主人公が鬼である必要性、ぶっちゃけあまりない。
本当に羅刹とか、鬼とか、人ならざるものの苦悩を前面に押し出すのであれば、今頃ヒロインの座は完璧に山南さんが奪っている。
なんか、他のルートでも主人公の立ち位置あまり変わらなさそうなので、対新選組相手の「個性」じゃないとすると、あの金髪風間とかの同族相手の絡みで真価を発揮するってことなんだろうな。
あっ、でも主人公が鬼であることが理由で、山南さんがより輝いたっていうのはある。
となるとあれか…。主人公の鬼設定は、山南さんのためだけにあると…(もしもし?)。
やっぱり長くなったので続きは次回へ。
『薄桜鬼』
お借りしてなんとか遊ぶことが出来ました。一躍時の人となったと言っても過言ではない、カズキヨネさんイラストの乙女ゲーム。
ちなみに私、このゲームのエンドロールを見るまで、カズ キヨネさんだと思ってました。そうか、ヨネさんなのか。
さて、元々時代劇、時代小説は好きですが歴史には疎い私としては、新選組そのものにあまりいい印象がありません。わりと二次元題材でもよく取り上げられる媒体ですが、「内ゲバで仲間殺すような連中の正義などちゃんちゃらおかしいわ」という思いが強くて、さてフィクションといえども、その辺どうなっているのかと思いきや、事の外さらっと消化されていて、その手腕にはなかなか驚きました。
まずこれは乙女ゲームであって、別にドロドロした人きりや政治や裏切りみたいなものがメインではない、ということ。
あくまで、同じ釜の飯を食った連中と関係を深めていくのであって、主人公が歴史的な事実を知ったりするのも、基本的に蚊帳の外であるとことが、非常にドライで「流しやすかった」です。
実際、なんちゃって歴史モノとはいえども、起こることは起こるのですが、それはインターミッション的な場面で「文章」として流されたり、人づてに聞いたり、主人公も「政治にあまり詳しくないけれど、こういうことが起こった」という注釈として入れてくれるような場面が多いので、こちらも、無駄に深読みせずにすみました。
その辺のドロドロさ加減がないと、なんちゃって歴史モノになっちゃうのかもしれませんが、いいんです、これはなんちゃって歴史乙女ゲームなので。
隊士使い捨てとか、規律の名の下の静粛とか、その辺を掘り下げていっても意味がない、そこには「萌え要素はない」というシナリオの割り切り方が個人的には上手いなあと思いました。
あくまで描きたいのは、新選組の連中を「どれだけ愛せる連中にするか」がメインなのであって、そこに「愛されない要素」はいらないのですよね。(油小路でギリギリだよな)
嫌な人は嫌でしょうが(歴史は公平にみたいな)私は逆にその辺の、他の連中を悪者にするとか、新選組を良い者にするのではなく、新選組を愛せる連中にするっていう表現の仕方は、とてもゲームとして上手いと思いました。
正義っていう主張をしない、っていうのもミソ。それぞれの立場があって、そして「あえて一枚岩ではないけれど、それでも集団」っていうのが、特に原田とか永倉とか顕著でしたしね。沖田とか土方は私的事情に特化している部分もあるのでまた別物ですが。
その辺の、前半は仲間内での描き方が多いせいか、共通ルートは非常に時系列ぶっ飛ばしていて、平気で一ヶ月とか半年とか過ぎちゃうのもありっちゃありですね。ゆえに、共通ルートでは正直、主人公がどれだけ新選組の連中と関係が深まったかってことはミジンコほどもわからないのですが、共通ルートに入ってからそれぞれの甘さお楽しみに! 的な要素だと思えばまあなんとか。
元々、新選組連中は主人公が飛び入り参加する前から、それぞれの関係性が出来上がっていてそれに基本的に変化はないので、あくまで部外者の主人公が新選組の連中がどんだけ仲がいいかを観察するのが共通ルートの醍醐味、ってとこでしょうか。
初っ端で山南さんが退場の憂き目に遭いそうになったときは、正直悲鳴でしたが。
ルートによって扱いに違いはあるでしょうが、最終的に怪しい薬とか、鬼とか、吸血衝動のある、人が変貌しちゃった成れの果てである羅刹とか、なんちゃってファンタジー要素が前面に出てくるところも、ドロドロ感を薄める大きな要因ですね。あーこれは歴史モノの名を借りたフィクションなんだなあって、見ている側が納得できますから。
絵柄に関してはバリエーションも豊富で、確かにキレイです。評判になるだけある。
想像していたよりも、結構アクが強い絵でびっくり。スチルによっては、「これは二枚目違う」みたいなものも結構ありましたし、普通の立ち絵でも塗りのせいなのか、元々のデザインのせいなのか、それなりに人を選ぶ絵柄だとは思いました。
私は、鬼の形相の顔しているほうが勿論好みですが。
顔はきれいなんだけど、体格にもう少し明確な違いがあればなあ。(乙女ゲームは年齢オジンに対しても、マッチョに対しても厳しい)
システム的には特に問題なし。
藤堂ルートでは、私もガリッガリに止まりましたが。後台詞読み込みで止まるっていうのもありましたね。
ただ、主人公苗字は音声付で読んでくれるんだったら、下の名前もちゃんと呼んで欲しかった…。
原田とか、永倉に声付きで千鶴ちゃんって呼んでもらいたかったなあ(単なる願望。笑)
音楽は正直あまり覚えていませんが、土方ルートでタイトル呼ばれたときは、ぐっときました。要は使いどころですね。
長くなったのでキャラ別感想は次回へ。
お借りしてなんとか遊ぶことが出来ました。一躍時の人となったと言っても過言ではない、カズキヨネさんイラストの乙女ゲーム。
ちなみに私、このゲームのエンドロールを見るまで、カズ キヨネさんだと思ってました。そうか、ヨネさんなのか。
さて、元々時代劇、時代小説は好きですが歴史には疎い私としては、新選組そのものにあまりいい印象がありません。わりと二次元題材でもよく取り上げられる媒体ですが、「内ゲバで仲間殺すような連中の正義などちゃんちゃらおかしいわ」という思いが強くて、さてフィクションといえども、その辺どうなっているのかと思いきや、事の外さらっと消化されていて、その手腕にはなかなか驚きました。
まずこれは乙女ゲームであって、別にドロドロした人きりや政治や裏切りみたいなものがメインではない、ということ。
あくまで、同じ釜の飯を食った連中と関係を深めていくのであって、主人公が歴史的な事実を知ったりするのも、基本的に蚊帳の外であるとことが、非常にドライで「流しやすかった」です。
実際、なんちゃって歴史モノとはいえども、起こることは起こるのですが、それはインターミッション的な場面で「文章」として流されたり、人づてに聞いたり、主人公も「政治にあまり詳しくないけれど、こういうことが起こった」という注釈として入れてくれるような場面が多いので、こちらも、無駄に深読みせずにすみました。
その辺のドロドロさ加減がないと、なんちゃって歴史モノになっちゃうのかもしれませんが、いいんです、これはなんちゃって歴史乙女ゲームなので。
隊士使い捨てとか、規律の名の下の静粛とか、その辺を掘り下げていっても意味がない、そこには「萌え要素はない」というシナリオの割り切り方が個人的には上手いなあと思いました。
あくまで描きたいのは、新選組の連中を「どれだけ愛せる連中にするか」がメインなのであって、そこに「愛されない要素」はいらないのですよね。(油小路でギリギリだよな)
嫌な人は嫌でしょうが(歴史は公平にみたいな)私は逆にその辺の、他の連中を悪者にするとか、新選組を良い者にするのではなく、新選組を愛せる連中にするっていう表現の仕方は、とてもゲームとして上手いと思いました。
正義っていう主張をしない、っていうのもミソ。それぞれの立場があって、そして「あえて一枚岩ではないけれど、それでも集団」っていうのが、特に原田とか永倉とか顕著でしたしね。沖田とか土方は私的事情に特化している部分もあるのでまた別物ですが。
その辺の、前半は仲間内での描き方が多いせいか、共通ルートは非常に時系列ぶっ飛ばしていて、平気で一ヶ月とか半年とか過ぎちゃうのもありっちゃありですね。ゆえに、共通ルートでは正直、主人公がどれだけ新選組の連中と関係が深まったかってことはミジンコほどもわからないのですが、共通ルートに入ってからそれぞれの甘さお楽しみに! 的な要素だと思えばまあなんとか。
元々、新選組連中は主人公が飛び入り参加する前から、それぞれの関係性が出来上がっていてそれに基本的に変化はないので、あくまで部外者の主人公が新選組の連中がどんだけ仲がいいかを観察するのが共通ルートの醍醐味、ってとこでしょうか。
初っ端で山南さんが退場の憂き目に遭いそうになったときは、正直悲鳴でしたが。
ルートによって扱いに違いはあるでしょうが、最終的に怪しい薬とか、鬼とか、吸血衝動のある、人が変貌しちゃった成れの果てである羅刹とか、なんちゃってファンタジー要素が前面に出てくるところも、ドロドロ感を薄める大きな要因ですね。あーこれは歴史モノの名を借りたフィクションなんだなあって、見ている側が納得できますから。
絵柄に関してはバリエーションも豊富で、確かにキレイです。評判になるだけある。
想像していたよりも、結構アクが強い絵でびっくり。スチルによっては、「これは二枚目違う」みたいなものも結構ありましたし、普通の立ち絵でも塗りのせいなのか、元々のデザインのせいなのか、それなりに人を選ぶ絵柄だとは思いました。
私は、鬼の形相の顔しているほうが勿論好みですが。
顔はきれいなんだけど、体格にもう少し明確な違いがあればなあ。(乙女ゲームは年齢オジンに対しても、マッチョに対しても厳しい)
システム的には特に問題なし。
藤堂ルートでは、私もガリッガリに止まりましたが。後台詞読み込みで止まるっていうのもありましたね。
ただ、主人公苗字は音声付で読んでくれるんだったら、下の名前もちゃんと呼んで欲しかった…。
原田とか、永倉に声付きで千鶴ちゃんって呼んでもらいたかったなあ(単なる願望。笑)
音楽は正直あまり覚えていませんが、土方ルートでタイトル呼ばれたときは、ぐっときました。要は使いどころですね。
長くなったのでキャラ別感想は次回へ。