『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』感想その3
移植作品なのでネタバレには配慮しておりません。
そうこうしている間に、第八章突入し、眼前に広がる世界の広大さに唖然と立ち尽くしているところです。
おまけに、ちょうと世代交代で若者しかいないのに、こういう時に限ってレベル上げも人間関係もどうにもできないくらい、まっさらな大地が…(敵が何処を探してもいません)。
この後は、特筆するようなものもなくクリア。およそ55時間ほどでした。放置時間も含めますのでもっと短くてもクリアできると思いますが。
結局、八章のマップがメインになりますので、ゲームとしての面白さのピークも八章ですね。その後は、子作りレベル上げの繰り返しですし、サブイベントも強制ではないので正直見なくなってしまいました。見たとしてもこのゲームの印象が劇的に変わるものがあるわけでもなし。
そして、このゲーム何気にシステムが不便です。
まず、セーブが自由じゃない。指定された場所でないとできません。
これ、本当に辛くて章によってはマップ移動ゼロで、ダンジョン要素の強いものもあるわけです。入り口が章の始まりで出口にたどり着くと章が終わる、というような。そなると、セーブがその入り口でしかできない。
連戦の上にセーブもできず、死んだら最初からやり直し。死ぬのは実力不足だからやり直すのは致し方ないにしても、そのセーブの始まりが戦闘の始まりではなく、全く飛ばせないイベント会話だったりするのが、本気で苦痛でした。
ひたすらメッセージ速度が遅い上に強制も、既読もスキップがないってどういうことなんだよ………。
個人的には、ムービーだろうがスチルだろうが、こちらの自由意志でスキップが効かない機能は嫌いなので、その辺終始イライラしっぱなしでした。そんな仕様にしてくれなくたって、ゲームとして面白ければちゃんと飛ばさないで全部見ますよイベント!
予言の書が読まれるたびに、トイレ休憩でした私は。
物語と関係のない部分では、人間関係に頭を悩ませるのがほぼメインシステムなのに、その情報閲覧がやりづらい。親の名前とか、一番肝心なところが見えない上に、相関図がビー玉転がってるだけで、ほぼ意味不明。
キャンセルの配置もアレだし、装備変更も不便。自分が装備している品物の詳細がいちいち外さないとわからないってどういうことなのそれ。
時折起こるクエストは引き受けられる数が限られているのですが、どれかをキャンセルしようと思っても、制限日数しかわからない。問題はそのクエストの内容だろ?
そんなで、クエストも殆どやらなくなりました。やってもやらなくても自軍の戦力増強には大差ないしね。
メッセージスピードが最速でももっさり。音声飛ばせない。読み込みが場面展開の度に起こるので音声と文字がずれる。イベントスキップできない、既読、強制スキップきかない。
メインのキャラクターの葬式をやったのにも関わらず、その息子に「会いに行けばいい」とか言っちゃう(これは笑えた)。
とまあ、思いつくままに挙げてみましたが、これシステム本気でどうにかならなかったのか…。
途中まで子作りに必死であまり気にしてなかったんですが、スコンとやることがなくなると色々気になります。少なくともスムーズではないです。特に人間関係の相関図酷いですよ。あれ意味を成してない。
話としては…話別にないっつうか、これやっぱりお使いゲーというか、私のやっている子々孫々を残してユニットを鍛えるのを「楽しむ」ゲームなんだと思います。災厄のたびに強制イベントが起きますが、正直そんな大したもんじゃないです。
新しい仲間が加わるか、誰を外すかとか、そればかりが問題で別に話は…。なんちゅうこともなく…。
数年後とに起きると予言されている災厄を止める、というのがメインなのですが、結局やってる側として問題なのは、「五年後に起こる災厄が一体何か」ではなく「自軍を育てるまでのタイムリミットが五年」というところに集約されてしまうことなんですね。
だってどんな災厄が起きようが、たどり着く先は「何年間の間に育てたユニットで敵を撃破する」っていう一つしかないわけで。
時折村を訪れると、強制的にイベントが起きたりするんですが、うーん、こう、プレイヤーの視点が物語じゃない方向に向いていると、とってつけたような人間模様に入り込めないというか…。その結果自軍に入団したとしても、別段使えなかったりすると意味ないし。
八章に入る前の強制的に進むイベントとか、初期の軍団作りましょうレベルのほうが話としてはまとまりがありました。最終回に向けて失速する感じです、物語は。
戦闘も、メンバーから外せない強制ユニットがねえ、フリーは最強だったんですけど、アレフとかレオとかユニとかその辺が使えなくて…。使えない上に外せないんでお蔭様でせっかく生まれた子供たちを泣く泣く切るという…。勘弁して。
ただ、その頭を悩ませる個性的な戦闘とか、子作りシステムは非常に楽しいです。
弱い奴ばっかりでも、その敵の個性が「リーダーを狙う」だと、主人公だけを狙ってくるのでユニットの弱さ関係ないとか、敵の特性、味方の特性を生かした戦闘で頭を悩ませるのが楽しいです。勿論完全無欠のパーティーならそんなことないんでしょうけど、世代交代がある上に、一度にストック(笑)できる子供の数が限られているので、どうしても穴は出ます。結婚しても子作りストックの空きがなくて子供ないとかね。
逆にそれらの子々孫々を作ったところで、別にイベントも何もないので別にやらなきゃやらないでクリアできると思います。
最終章は特に子供を作る必要性が全くなくなる(タイムリミットまでに如何に既存メンバーをピークに持っていくかだけを気にしていればいい)ので、凄く楽でした。ラスボスも瞬殺でしたし。
登場人物に関してはうーん可もなく不可もなく。特別思い入れができるほどのキャラはいません。イベントあってすぐ入団してすぐ使わなくなっちゃう(弱いから)という流れが殆どなので。強制入団、強制退場ならいいんですけど、強制入場、自由退団だともう、後者の思い入れなくなっちゃいますよね。
序盤はシステムや、戦闘が楽しくて非常に面白かったのですが、中盤から終盤にかけて中だるみ、システム面での不親切さも相まって失速した印象の強いゲームでした。物語のアレコレ考えず戦闘だけに特化したり、逆にサブイベント全部制覇(物語とは全く関係がない)したいな、と思えばやりごたえは充分だと思います。
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