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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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ツタヤディスカスで、一気にポケモン劇場版シリーズを予約リストに入れたわけですが、一発目に発送されたのが、ルカリオだったという点で「ツタヤ、わかっている………」と思ったのですが、そのDVDががっつり再生不良だったため、「お前は何もわかっちゃいねえ!」とキレそうになりました。


『ダークナイト THE DARK NIGHT』を、先行レイトショーで見て来ました。
初めから大した期待をしていなかったのですが(公式サイトがまともに見られないから、というただそれだけ(小っちゃい))予想外に面白かったです。
三時間近くあるので、見ている最中で「長い」と正直思わないでもなかったのですが、大きな謎を追いかけて最後にオチがつく、というタイプの流れではなく、飽きさせないように、山場を小出しに持ってくるスタイルの映画でしたので、盛りだくさんという印象はあっても、中だるみをしているという印象はありません。なんていうか、ちゃんとサービスをわかってやっている、という感じです。

バットマンシリーズはそれほど詳しくないので、今回何故一作目で死亡したはずの悪役、「ジョーカー」がひょっこり生き返っているのか、不思議でならなかったのですが、根本的に勘違いだったことを知りました。
手塚治虫の漫画でよくある技法に「スターシステム」というものがあり、それは、自分の作品の中に出てくる登場人物を、違う作品にも一つのキャラクターとして登場させる、というものなのですが、今回の「ジョーカー」はそれに属するものなのですね。
つまり、第一作目のジョーカーと、今回のジョーカー(それにもう一人出てくる敵役)は、ジョーカーと言う名前の悪役、というつながりでしかないわけで、過去の話だとか未来の話だとか、シリーズ物に対して符号をつける、という作品ではないわけです。それならそれで、完全に独立した悪役として、非常に楽しんで見られました。どうやら、前作の「バットマンビギンズ」の時点で一回作品としてリセットされているらしいので。

今回予想外に、とても面白かったのですが、やっぱりキャラクターの個性の見せ方が、金かかってて見ごたえがあります。
大体主役のバットマンからして、あの仮面にあのマントにあのシルエットですから、外見だけ引っこ抜いても笑いの要素満載なのに、それを純粋に「カッコイイ」と思えてしまうのは、技術力、演出力の高さすなわち、資本金の潤沢さですね。
これはやっぱりハリウッド的だなあと思います。いくらハリウッドそのものが衰退しているといわれているとはいえ、エンターテイメントとしての見せ方は、特に実写は一日の長があります。
明らかに日本の金のかけ方とは違い、カッコいいものをよりカッコよく見せる(日本の場合はカッコいいものをカッコよく見せるよりは、人が気づかないような部分に金をかけたり、かっこ悪いものをより溶け込ませる、ようなわびさびの部分に金をかけることが多いような気がするので)手法は、画面として見ごたえがあります。
ただ、せっかくの戦闘シーンでも、基本バットマンが出てくるのは夜なわけですから、夜に真っ黒な服装の男が動いていても良く見えないのが残念なところです(苦笑)。

アメリカ映画ならではの、おしゃれな台詞も満載。特に執事アルフレッドはカッコよすぎて暴走してました。
マイケル・ケインという超ベテランさんの俳優さんなのですが、老人ががっつりスーツに身を包み、背筋をピンと伸ばして、並ぶとバットマンよりガタイがよくて背が高いなんて、それどんな挑戦だ。
自分だけと背負い込もうとするバットマンに「ほら言ったとおりだ」といつか言うかもしれない、というアルフレッド。そしてその場面がいざきたら、「今は言う気分じゃない」といい、二人ならんで歩いているそのなんてことないときに、ふらっと近寄り「ほら、言った通りになったでしょう」とそっと耳打ちするとか、どれだけおしゃれなじじいなんだ。
昼間、バットモービル(専用車)では目立ちすぎると、自家用車で行くというバットマンに、
「では、ランボルギーニで? 地味ですな」
とか、飄々と言っちゃうし。ああーカッコイイわ、執事。
私執事属性は全くない、どころかマイナスなんですが、こんなじじいだったら大歓迎だな。

そして、バットマンの協力者兼科学者であるアレックスも、モーガン・フリーマンが配役の時点で、「負けたよ………」と思わずにはいられなかったのですが、やっぱり完全敗北でした。
出番としてはそう多くもないのですが、おいしいところでしっかりしめるところはしめる、大人の魅力満載です。
バットマンに無数にあるモニターの監視を任されたとき、引きの絵で背後からの全身像が写り、ジャケットを脱いで椅子にかける一連のシーンは、「こんな魅力的なジャケットプレイ見たことねえ!」と鼻血ものでした。またこの人、身長189センチもありやがんの! 背筋ぴんと伸びてる71歳の189cmってどういうこと!?

名もない囚人達の台詞もカッコよく、とある緊迫した場面で、
「俺がやる。お前には無理だ。他の連中には俺が奪ったと伝えればいい。お前が十分前にしなければいけなかったことを、俺がやってやる」
と、黒人の囚人役の人が言ったときには、本気でしびれました。
いきなり出てくる人なので、物語としてつながりがあるとか、そんなことではないんですが、このたった一言で、この人はキャラクターとして確立しました。これこそが台詞の上手さよ。


役者陣がとにかく凄く豪華で、日本人受けしそうな美男である、クリスチャン・ベールは顔立ちのせいで、一見スリムに見えますが、その実首から肩にかけての筋肉どうにかなりませんかですし、悪に立ち向かう家族思いの刑事は、それこそ日本でおなじみのゲイリー・オールドマン。この人が普通の役をやっている、というだけでなんだか希少価値があるような気がします(笑)。

そして、今回のキモである検事役がアーロン・エッカート。一番主役陣の中では微妙な顔立ち(金髪碧眼にごっついあごの輪郭に、ケツアゴですから)なんですが、一番カッコよかったです。表現は古いですが、タフガイという面持ちですね。
この検事は物語終盤えらいことになるのですが、それは見てのお楽しみということで。物語を最後まで見ると、映画館に飾ってある検事のアップのポスターが非常に意味深で、なるほどと思います。これ、バットマンのバージョンもジョーカーのバージョンも同じポーズであるんですが、多分基点になってるのは、このハービー・デント検事です。
「大丈夫だと、大切な人間に嘘をつかなければいけない人間の気持ちがわかるか?」
は、泣けました。

ヒロイン、レイチェルは、マギー・レンホールなんですが、私何故かキルスティン・ダンストだとずっと思い込んでました。ごめんごめん。
この人の髪型は濃い茶色なのですが、ドレスシーンのときに、アップにしてゆるく結い上げている、髪の陰影が素敵でした。真っ黒な髪では、薄い部分と濃い部分の差があまり目立ちませんが、茶系だとそれが綺麗ですね。

そしてジョーカー役のヒース・レジャー。実はレイトショーで本当に偶然、いつも映画を見ている知り合いとばったり遭遇し、仰天したんですが、その人はヒース・レジャーが故人だったということをつい最近まで知らなくて、ファンだっただけに、へこんじゃってまともに見られなかったと申しておりました。作品中ではずっと、ジョーカーの口割けメイクですから、素顔は正直まったくわからないのですが、なんていうか、非常に小柄で華奢なイメージを持ってしまうのがマジック。実際そんなことは全くないのですが、防御服を着たバットマンと、普通にしててもゴッツイ検事と並ぶと、ジョーカーすげえお姫様に見える(苦笑)んですよ。勿論そんなことはなく、二の腕は立派な男の人ですし、スーツを脱いでベスト姿になると、その筋肉は立派なものなんですが、私の持つ「小さな人間の大きな狂気」というイメージが、がっつり合ったのだと思います。
初代(と言うか)ジョーカー役が、ジャック・ニコルソンで、そのイメージが強かったため、「小さい男の人」と思い込んでしまっているんですが、そのジャック・ニコルソンだって身長177センチあるんだから、決して小さいわけじゃないんですよね。道化者=背の低い男(差別的な意味ではなく)という印象が強かったのかもしれません。
とにかく、最初から最後まで自分の狂気に真っ直ぐなジョーカーは、さすがに見ていてぞっとするシーン満載でした。最後も、はっきりとした決着がつかないところが、また「狂気は滅びない」みたいで怖いし。
口割け男なので、事あるごとに相手の口にナイフを突っ込んで、割こうとする(見せかける)シーンが多く、そのたびに「ひえええ」となります。拳銃とかバズーカーを打ち合うのは、冷静な目で見られるんですが、あの柔らかい口の中に鋭利な刃物が、と思うとさすがに「うへえ」と思いますね。
年齢不詳のジョーカーですが実際演じたヒース・レジャーは28歳で亡くなっているので、主役陣の中ではダントツに若いことになります。うーんそれも役者さんの妙だなあ。若くもあり、実際老人であってもおかしくない「老い方」でもあり。

最後に、この「ダークナイト」ですが、私物語の最後の最後まで、「夜」の「ナイト」だと信じて疑いませんでした。
いや、作中で「明けない夜明けはない。夜明け前が一番暗いんだ」みたいなこと言うから、てっきりそうなのかと!
英語100点満点で16点取ったことのある女の勘違いでした。
つづりみれば、完璧に「THE DARK KNIGHT」なんだから、そんなわけないんですけども。これはあれだ、ミスリードって奴ですね(違います)。

ともかく非常に満足したデキでした。エンターテイメントとしても、実に物語り運びやオチが「日本的」であったので、それなりに殺害シーンが大丈夫な方は、是非。
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