『20世紀少年 第一章 第二章』
あまりのつまらなさにどうにかなってしまうかと思いました。
第一章はまだ、唐沢氏への愛で何とか乗り切れたんですが、第二章に入ったらもう見ているのがただたた辛くて。
これ、原作読んでいればもう少し楽しめるんでしょうかねえ。
結局これ、何をキモにして見ればいいのかよくわからないんですよ。
だって「ともだち」の正体が誰か、こっちが知りたくなる要素が別に何処にもないんですもん。
例えば、過去が大切に描かれて、「絶対にこの何人かの少年の中にともだちがいます」っていうのなら、こちらも「誰がともだちなんだろう」と気にもなりますが。
殆ど鬼籍。
もしくは仲間(当事者)。
ましてや、あんな奴一章でいましたかレベルで新しい登場人物を出されると、それが「ともだち」でないにしろ、唐突に出てきたキャラを主要人物に据える時点で、ともだちだって同じ種明かしできちゃうだろうがと、すっかり興ざめなんですよね。
その部分でどうでもよくなっちゃうと、後はカンナがどうやってともだちに立ち向かうか、っていうのがキモになるんだと思うんですが、別に彼女は立ち向かってないしなあ。あれは向こう見ずというのだよ。彼女の行動で何がしかが変わるわけでもなし。
逃げるわけでも(必死で逃げるのはそれだけで戦いなわけで)、実際ともだちに一矢報いるわけでもなく、ただ流される様を延々二時間以上見せられてもねえ…。
大体ケンジの姪で、神の子だか運命の子だか言われているのに、普通に高校生活が営めている時点でおかしいでしょうが。
これ、最終章を見れば少しはすっきりするんでしょうか。
第二章はあまりのつまらなさに、最終的には早送りで見る始末でしたが。
『用心棒』
やっぱり天下の三船は超カッケエな!!
ポートレートやポスターにも使われることの多いシーンが目白押しで、画面だけをひたすら写していても、それが一つの絵画のようでした。
吹きすさぶ砂塵。
荒れた町並み。
転がる死体。
古くなった血。
その中で、土にまみれた着物をまとった浪人が、懐手でただ立っている。
対するは、刃をぬいたサンピンども。
派手な着物を身にまとい、体を低く待ち構える男らの前で、浪人はただ真っ直ぐにそちらに向かって歩くのであった。
このラストシーンだけで元取った! と思いました。
殺陣も、何処を探しても「きれい」とか「お見事」な様子は一切なく、何流を極めたわけでもない、ただそれぞれの獲物を振りまわす暴力がたまりません。
あれは人殺しとか、剣客とか、そういう名づけられるものではなくて、ただ乱暴狼藉の延長なんだよなあ。
だから殴り合いとか、切りあいっていうのはありえないわけです。
暴力って言うのは対面したと同時に、強者と弱者に別れるわけで、弱者はひたすら殴られる、殺されるしかない。
しかもヤクザものの争いなわけですから、一対一で戦うことなどまずありえないので、煙に燻し出されてきたチンピラどもを、待ち構えていたチンピラが集団で串刺しですよ。 明らかに一刀で死んでいるにも関わらず、そこに肉の塊があるから、とそれだけの理由で滅多刺し。
私は時代劇が元々好きなので、「お見事」とやんややんやの拍手喝采殺陣も勿論好みですが、こういった暴力の延長がたまたま刀だった、というような図式も大好きです。
荒れ果てた宿場。互いに私利私欲に走る二組の親分衆。そこに、一人の浪人が現れ、宿場は惨劇を激化させていく。
うーん、かっこいいなあ!
三船さんも、若かりし頃の仲代さんも素敵でしたが、個人的に一番「おお!」と思ったのは、主人公の浪人を何くれとなく世話を焼いてくれる、飯屋の親父でした。
どこかで見たことがあるなあ、とずっと思っていたのですが、「黄門! 黄門じゃないか!」とわかってからはもう、その演技力と久しぶりに会えた嬉しさ(笑)に、じじいが出るたびににやにやしっぱなしでした。
ちなみに東野英治郎さん、という方でお顔を見ればおわかりになる方もいらっしゃるのではないかと。
ちょっとつぶらな瞳が可愛い(笑)黄門様で、大好きだったんですよねえ私。
そして、名主の多左衛門役・藤原釜足さん。私は存じ上げなかったのですが、この人の最後の迫力といったらなかった。
絹を扱う主人なのですが、いざこざに巻き込まれて家を失ってしまう。「絹が燃える。絹が」と泣き叫ぶ様から一変、地面に転がるチンピラにむかって、裃をつけた正装で、弔いのドラをうちならす。 完璧に狂った相貌で、宿敵を刺し殺し、血まみれの姿で呆然と去っていくその様は、狂気としか言いようがありませんでした。他の迫力全部吹き飛んだよ。
親分の一人である、山茶花究さんもギョロ目の凄みのある悪役でかっこよかったなあ!
時間も二時間以内で収まりますし、画面一つとっても見ごたえ満点なので、是非。
あまりのつまらなさにどうにかなってしまうかと思いました。
第一章はまだ、唐沢氏への愛で何とか乗り切れたんですが、第二章に入ったらもう見ているのがただたた辛くて。
これ、原作読んでいればもう少し楽しめるんでしょうかねえ。
結局これ、何をキモにして見ればいいのかよくわからないんですよ。
だって「ともだち」の正体が誰か、こっちが知りたくなる要素が別に何処にもないんですもん。
例えば、過去が大切に描かれて、「絶対にこの何人かの少年の中にともだちがいます」っていうのなら、こちらも「誰がともだちなんだろう」と気にもなりますが。
殆ど鬼籍。
もしくは仲間(当事者)。
ましてや、あんな奴一章でいましたかレベルで新しい登場人物を出されると、それが「ともだち」でないにしろ、唐突に出てきたキャラを主要人物に据える時点で、ともだちだって同じ種明かしできちゃうだろうがと、すっかり興ざめなんですよね。
その部分でどうでもよくなっちゃうと、後はカンナがどうやってともだちに立ち向かうか、っていうのがキモになるんだと思うんですが、別に彼女は立ち向かってないしなあ。あれは向こう見ずというのだよ。彼女の行動で何がしかが変わるわけでもなし。
逃げるわけでも(必死で逃げるのはそれだけで戦いなわけで)、実際ともだちに一矢報いるわけでもなく、ただ流される様を延々二時間以上見せられてもねえ…。
大体ケンジの姪で、神の子だか運命の子だか言われているのに、普通に高校生活が営めている時点でおかしいでしょうが。
これ、最終章を見れば少しはすっきりするんでしょうか。
第二章はあまりのつまらなさに、最終的には早送りで見る始末でしたが。
『用心棒』
やっぱり天下の三船は超カッケエな!!
ポートレートやポスターにも使われることの多いシーンが目白押しで、画面だけをひたすら写していても、それが一つの絵画のようでした。
吹きすさぶ砂塵。
荒れた町並み。
転がる死体。
古くなった血。
その中で、土にまみれた着物をまとった浪人が、懐手でただ立っている。
対するは、刃をぬいたサンピンども。
派手な着物を身にまとい、体を低く待ち構える男らの前で、浪人はただ真っ直ぐにそちらに向かって歩くのであった。
このラストシーンだけで元取った! と思いました。
殺陣も、何処を探しても「きれい」とか「お見事」な様子は一切なく、何流を極めたわけでもない、ただそれぞれの獲物を振りまわす暴力がたまりません。
あれは人殺しとか、剣客とか、そういう名づけられるものではなくて、ただ乱暴狼藉の延長なんだよなあ。
だから殴り合いとか、切りあいっていうのはありえないわけです。
暴力って言うのは対面したと同時に、強者と弱者に別れるわけで、弱者はひたすら殴られる、殺されるしかない。
しかもヤクザものの争いなわけですから、一対一で戦うことなどまずありえないので、煙に燻し出されてきたチンピラどもを、待ち構えていたチンピラが集団で串刺しですよ。 明らかに一刀で死んでいるにも関わらず、そこに肉の塊があるから、とそれだけの理由で滅多刺し。
私は時代劇が元々好きなので、「お見事」とやんややんやの拍手喝采殺陣も勿論好みですが、こういった暴力の延長がたまたま刀だった、というような図式も大好きです。
荒れ果てた宿場。互いに私利私欲に走る二組の親分衆。そこに、一人の浪人が現れ、宿場は惨劇を激化させていく。
うーん、かっこいいなあ!
三船さんも、若かりし頃の仲代さんも素敵でしたが、個人的に一番「おお!」と思ったのは、主人公の浪人を何くれとなく世話を焼いてくれる、飯屋の親父でした。
どこかで見たことがあるなあ、とずっと思っていたのですが、「黄門! 黄門じゃないか!」とわかってからはもう、その演技力と久しぶりに会えた嬉しさ(笑)に、じじいが出るたびににやにやしっぱなしでした。
ちなみに東野英治郎さん、という方でお顔を見ればおわかりになる方もいらっしゃるのではないかと。
ちょっとつぶらな瞳が可愛い(笑)黄門様で、大好きだったんですよねえ私。
そして、名主の多左衛門役・藤原釜足さん。私は存じ上げなかったのですが、この人の最後の迫力といったらなかった。
絹を扱う主人なのですが、いざこざに巻き込まれて家を失ってしまう。「絹が燃える。絹が」と泣き叫ぶ様から一変、地面に転がるチンピラにむかって、裃をつけた正装で、弔いのドラをうちならす。 完璧に狂った相貌で、宿敵を刺し殺し、血まみれの姿で呆然と去っていくその様は、狂気としか言いようがありませんでした。他の迫力全部吹き飛んだよ。
親分の一人である、山茶花究さんもギョロ目の凄みのある悪役でかっこよかったなあ!
時間も二時間以内で収まりますし、画面一つとっても見ごたえ満点なので、是非。
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