TM NETWORK REMASTERコンサート行ってきました。
今回の、CCレモンホールの前に、横浜パシフィコも行ってきたのですが、小室先生、どれだけ衣装ラフなんだよ、トーク一切する気もなしかよ、とまあ曲を聞く分にはいいんじゃねえの? という感じだったのですが、今回は満足しました。
まず、席が近かったということもあるのですが、音がいい。
横浜パシフィコは、音われしちゃって、何が何だかよくわからねえ、という感じだったのに対し、それほど広くない会場のせいか、ドラムはがんがんに響くわ、ギターもかっこいいわで、非常に満足しました。
おまけに、たまげるぐらい、小室先生がよくしゃべったァ! 自分から前に出て、トークしきるってどういうこった!
ウツと木根さんの、ゆるゆるトークも勿論健在ですし、それに小室先生が加わると、かつぜつの悪い三人が集まって、何しゃべってんのかよくわからねえー!(そこか!?)
先生、トークしてくれるのはいいが、本当に何しゃべってんのかわからねえよ! 星二つって何!? ミシュラン!? 何でケロロ軍曹!?
身内というか、ステージ上ではわかっているみたいなので、誰もつっこんでくれないし。いやもう、本当に先生もう少しはっきりしゃべれねえのかよ?仮にも教鞭とってるんだろ??
とまあ、それは置いておいて、アレンジは、凄い。
正直、ここまで曲が化けるとは思ってもみませんでした。
先生、貴方、ミュージシャンなんですね。今改めて気づきましたよ。勿論、元になる曲だっていいんですが、それあってこそなんですが、コンサート仕様になった、「humansystem」は、震えが来るほどカッコよかったです。
小室先生………どうして貴方はそのままでいられなかったんだ………(遠い目)。
そして、ベースの吉田建さんが、すげえエロくてカッコイイ。
ガタイのいいおっさんが、黒いスーツ上下(下は違うのかも)を着て、黒いキャップ被って、ベースギターが真っ赤だぜ! すげえカッコイイ。正直衣装のセンスでは、吉田さんが一番目立ってた(笑)。
そして、ドラムのそうる透さんすげえー!
私は別に、小室ファミリーとか、TMファミリーに興味がないというか、あくまで曲が好きなのであって、それ以外はわりとどうでもいいのですが、 そうる透さんのドラムソロ、最高にカッコよかった。
このそうるさんは、凄く小柄な人で、最前列近かった私から見ても、「顔以外見えねえ」くらいの人だったんですが、その顔が、何処からどう見ても、さだまさしにしか見えない。
あの頭髪の寂しい感じとか、そっくりだよ!(無礼者)
友人にずっと、「さだ、超カッコイイ」「さだいけてるよ、さだ」とそれで会話してしまいました。でも、さだのくせにカッコイイんだよ、さだ!
退場の時に姿をまじまじと拝見したところ、さだ、すげえ小柄。
細い! というか、小ちゃい!
ただ、そんな朴訥なさだなのに、両肩に刺青を発見し、私の恋は終わりました。
さだ………私は素朴なさだが好きだった………。刺青するのは勝手だけど、刺青がカッコイイという感覚がどうしても私にはない………。
そんなこんなで、楽しいコンサートでした。
武道館も一応行くんですが、今回ほどの興奮あるかな?
そうそう、小室先生の誕生日で、ケーキとろうそくが用意されたり、小室プロデュース?なんだか知りませんが、若っかい三人のバンドが二曲歌ったりしましたね。わりとオーソドックスな曲調でした。初めがここであっても、小室先生の庇護の下活動しない方が良さそうだ。ガンダムのOPとかに使われていそうな感じでした。
今回の、CCレモンホールの前に、横浜パシフィコも行ってきたのですが、小室先生、どれだけ衣装ラフなんだよ、トーク一切する気もなしかよ、とまあ曲を聞く分にはいいんじゃねえの? という感じだったのですが、今回は満足しました。
まず、席が近かったということもあるのですが、音がいい。
横浜パシフィコは、音われしちゃって、何が何だかよくわからねえ、という感じだったのに対し、それほど広くない会場のせいか、ドラムはがんがんに響くわ、ギターもかっこいいわで、非常に満足しました。
おまけに、たまげるぐらい、小室先生がよくしゃべったァ! 自分から前に出て、トークしきるってどういうこった!
ウツと木根さんの、ゆるゆるトークも勿論健在ですし、それに小室先生が加わると、かつぜつの悪い三人が集まって、何しゃべってんのかよくわからねえー!(そこか!?)
先生、トークしてくれるのはいいが、本当に何しゃべってんのかわからねえよ! 星二つって何!? ミシュラン!? 何でケロロ軍曹!?
身内というか、ステージ上ではわかっているみたいなので、誰もつっこんでくれないし。いやもう、本当に先生もう少しはっきりしゃべれねえのかよ?仮にも教鞭とってるんだろ??
とまあ、それは置いておいて、アレンジは、凄い。
正直、ここまで曲が化けるとは思ってもみませんでした。
先生、貴方、ミュージシャンなんですね。今改めて気づきましたよ。勿論、元になる曲だっていいんですが、それあってこそなんですが、コンサート仕様になった、「humansystem」は、震えが来るほどカッコよかったです。
小室先生………どうして貴方はそのままでいられなかったんだ………(遠い目)。
そして、ベースの吉田建さんが、すげえエロくてカッコイイ。
ガタイのいいおっさんが、黒いスーツ上下(下は違うのかも)を着て、黒いキャップ被って、ベースギターが真っ赤だぜ! すげえカッコイイ。正直衣装のセンスでは、吉田さんが一番目立ってた(笑)。
そして、ドラムのそうる透さんすげえー!
私は別に、小室ファミリーとか、TMファミリーに興味がないというか、あくまで曲が好きなのであって、それ以外はわりとどうでもいいのですが、 そうる透さんのドラムソロ、最高にカッコよかった。
このそうるさんは、凄く小柄な人で、最前列近かった私から見ても、「顔以外見えねえ」くらいの人だったんですが、その顔が、何処からどう見ても、さだまさしにしか見えない。
あの頭髪の寂しい感じとか、そっくりだよ!(無礼者)
友人にずっと、「さだ、超カッコイイ」「さだいけてるよ、さだ」とそれで会話してしまいました。でも、さだのくせにカッコイイんだよ、さだ!
退場の時に姿をまじまじと拝見したところ、さだ、すげえ小柄。
細い! というか、小ちゃい!
ただ、そんな朴訥なさだなのに、両肩に刺青を発見し、私の恋は終わりました。
さだ………私は素朴なさだが好きだった………。刺青するのは勝手だけど、刺青がカッコイイという感覚がどうしても私にはない………。
そんなこんなで、楽しいコンサートでした。
武道館も一応行くんですが、今回ほどの興奮あるかな?
そうそう、小室先生の誕生日で、ケーキとろうそくが用意されたり、小室プロデュース?なんだか知りませんが、若っかい三人のバンドが二曲歌ったりしましたね。わりとオーソドックスな曲調でした。初めがここであっても、小室先生の庇護の下活動しない方が良さそうだ。ガンダムのOPとかに使われていそうな感じでした。
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私の中で、三浦友和氏といえば、まずこれ(タイトル)。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、「冷撰洋酒」という1993年のCMで、加藤茶氏と親子設定で共演されたものです。
これがもう、本気ではまり役。
あのはげでちょび髭の加藤茶の息子なんだか、婿なんだか知りませんが、父親以上にやる気のない演技っぷりがまさに神がかっておりました。
しかし、このCMを手がけた人も、中島哲也さんとおっしゃる、かなり高名な方なんですねえ。それも知らなかったよ。
いわゆる、アイドル時代はさすがの私も生まれていなかったりするので(嘘をつけ!)よくわからないのですが、私の中で三浦友和といえば、おっさん役の上手い人、というイメージが非常に強いです。
そんなわけで、『転々』を見に行ってまいりました。
日曜日だったせいか、結構な人の入りで、評判いいのかなと思ったのですが、この映画館、ストレンヂアの悪夢の記憶がまだ新しいので、戦々恐々です。
公開前に、
「20分間、公告が入ります」
と映画館の兄ちゃんが申しておりましたが、本当にびっくりするくらい宣伝見せられたよ。しかも、大作物ではないので(場所がテアトル新宿だから)わりとどれも人を選びそうというか、「ああ、私映画は好きだけどこう、日常生活を通じて人生に対して説教したいような映画嫌いなんだよね」という感想ばかりでした。
マニアックって、決して誉め言葉じゃないしな。
さて映画ですが、東京散歩といううたい文句はあまり正確ではないかと。確かに色々な場所を転々と歩きますが、舞台は雑居ビルの中であったり、小泉今日子役の女の家であったりするので、そういった部分でノスタルジーを感じることはあまりありません。
勿論、知っていれば「ああ、あれあの場所」という楽しみ方もあるのでしょうが。
個人的には、オダギリジョー扮する借金のある大学生と、借金の取立て屋であり、オダギリを道連れに、だらだらした霞ヶ関までの散歩を決行する三浦友和よりも、三浦友和の奥さんがパートで勤めているスーパーの店員三人の会話のほうが、面白かったです。
どれをとっても、「ああ、あるある」と頷けるものばかりで、行列のできるラーメン屋に並んでみては、
「大して美味くもなかったわね」
「ここに並んでる人に言いたいなあ、そんなに美味しくないですよって」
とか、他愛もない会話が実に朴訥で上手い。
嫌味には聞こえないけれど、言っていることは結構辛らつだったり、岸辺一徳を見つけて素人臭く大騒ぎしたりと、出てくるたびに期待を裏切らない日常会話の上手さでした。
物語としては、二行で説明が終わってしまう感じですし、全体的にゆるく、まったりと、別に人生の何たるかを考える必要もない映画だと思うんですが、後半失速するかのように、妙な人情話にスライドしてしまうのは何故だ。
その人情話というか、センチメンタルな部分も、そう長く続くわけじゃないんですが、この手の映画は、ゆるいだけに見ている側は「いつ終わるんだろう」という時間が妙に気になるものでして(オチもきっとつかないだろうということが、見ている側にもわかっているので)、後半オダギリが擬似家族に涙する辺りから、ちょっとだれました。
まあ最後も変な愁嘆場になるわけではないし、三浦友和扮する借金取りも、特別オダギリに愛着があるような別れ方をするわけでもないので(自分の死んだ息子に似ているとかそんなことよりも、たまたまこの散歩に付き合ってくれそうなのが暇なこいつしかいなかった、というほうがより「らしい」)あっさりした終わりは好感が持てました。
ううん、どうもこの手の映画は感想が難しいなあ。
会話の節々ではちゃんと笑いどころがあって、退屈はしないと思いますが、基本的に、わかりづらい(わかるという表現もどうかと思いますが)単館映画はあまり見ないので、見た後も、見終わって感想を書く段階になっても、微妙だなあという感じでした。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、「冷撰洋酒」という1993年のCMで、加藤茶氏と親子設定で共演されたものです。
これがもう、本気ではまり役。
あのはげでちょび髭の加藤茶の息子なんだか、婿なんだか知りませんが、父親以上にやる気のない演技っぷりがまさに神がかっておりました。
しかし、このCMを手がけた人も、中島哲也さんとおっしゃる、かなり高名な方なんですねえ。それも知らなかったよ。
いわゆる、アイドル時代はさすがの私も生まれていなかったりするので(嘘をつけ!)よくわからないのですが、私の中で三浦友和といえば、おっさん役の上手い人、というイメージが非常に強いです。
そんなわけで、『転々』を見に行ってまいりました。
日曜日だったせいか、結構な人の入りで、評判いいのかなと思ったのですが、この映画館、ストレンヂアの悪夢の記憶がまだ新しいので、戦々恐々です。
公開前に、
「20分間、公告が入ります」
と映画館の兄ちゃんが申しておりましたが、本当にびっくりするくらい宣伝見せられたよ。しかも、大作物ではないので(場所がテアトル新宿だから)わりとどれも人を選びそうというか、「ああ、私映画は好きだけどこう、日常生活を通じて人生に対して説教したいような映画嫌いなんだよね」という感想ばかりでした。
マニアックって、決して誉め言葉じゃないしな。
さて映画ですが、東京散歩といううたい文句はあまり正確ではないかと。確かに色々な場所を転々と歩きますが、舞台は雑居ビルの中であったり、小泉今日子役の女の家であったりするので、そういった部分でノスタルジーを感じることはあまりありません。
勿論、知っていれば「ああ、あれあの場所」という楽しみ方もあるのでしょうが。
個人的には、オダギリジョー扮する借金のある大学生と、借金の取立て屋であり、オダギリを道連れに、だらだらした霞ヶ関までの散歩を決行する三浦友和よりも、三浦友和の奥さんがパートで勤めているスーパーの店員三人の会話のほうが、面白かったです。
どれをとっても、「ああ、あるある」と頷けるものばかりで、行列のできるラーメン屋に並んでみては、
「大して美味くもなかったわね」
「ここに並んでる人に言いたいなあ、そんなに美味しくないですよって」
とか、他愛もない会話が実に朴訥で上手い。
嫌味には聞こえないけれど、言っていることは結構辛らつだったり、岸辺一徳を見つけて素人臭く大騒ぎしたりと、出てくるたびに期待を裏切らない日常会話の上手さでした。
物語としては、二行で説明が終わってしまう感じですし、全体的にゆるく、まったりと、別に人生の何たるかを考える必要もない映画だと思うんですが、後半失速するかのように、妙な人情話にスライドしてしまうのは何故だ。
その人情話というか、センチメンタルな部分も、そう長く続くわけじゃないんですが、この手の映画は、ゆるいだけに見ている側は「いつ終わるんだろう」という時間が妙に気になるものでして(オチもきっとつかないだろうということが、見ている側にもわかっているので)、後半オダギリが擬似家族に涙する辺りから、ちょっとだれました。
まあ最後も変な愁嘆場になるわけではないし、三浦友和扮する借金取りも、特別オダギリに愛着があるような別れ方をするわけでもないので(自分の死んだ息子に似ているとかそんなことよりも、たまたまこの散歩に付き合ってくれそうなのが暇なこいつしかいなかった、というほうがより「らしい」)あっさりした終わりは好感が持てました。
ううん、どうもこの手の映画は感想が難しいなあ。
会話の節々ではちゃんと笑いどころがあって、退屈はしないと思いますが、基本的に、わかりづらい(わかるという表現もどうかと思いますが)単館映画はあまり見ないので、見た後も、見終わって感想を書く段階になっても、微妙だなあという感じでした。
澤田「『DS西村京太郎サスペンス 新探偵シリーズ「京都・熱海・絶海の孤島 殺意の罠」』クリアした。総プレイ時間は8時間というところだ」
泡坂「それはまた、えらい短いですね」
池波「でも、特別頭を悩ませる必要のないゲームで8時間って、それなりに長いほうに入るんじゃねえの?」
「だろうな。推理要素は殆どなく、トリックを解明するのではなく、動機や背景を探っていくという過程は、一話目から最終話まで一貫して変わらなかったし。主人公がいて、その主人公が推理をしていくさまを、横から覗いている、という感じだろうか」
「それでも、最後までつまらないと投げなかったのは、やっぱりシナリオが良かったから、でしょうか」
「基本的に、推理物というのは、ゲームを始める上で、ある程度の恩恵を既に受けている、と思う」
「というと」
「変な言い方だが、脇にそれないですむというか。推理物は、推理を追いかければ話は済むわけだから、ほかの事を考える必要がないんだ。例えば、RPGでシナリオ以外に力を入れる部分はいっぱいあるだろうが、推理物はとりあえず推理が先にあって、遊ぶ側も、謎を解明したいと、初めから思ってゲームを開始しているわけだから」
「そうですね。面白いかどうか遊んでみなければわからない、というジャンルではなく、初めからそのソフトを選んだ時点で、そのソフトにある推理を解こうという気があるところから始まるわけですから」
「ある種のシード選手なわけだな」
「だから、謎があることがわかっていて、その謎を解く気があるプレイヤーなら、そうそう退屈しない、ということになる。俺は推理が別に得意じゃないが、システム上、物語の内容を整理しよう、新たな謎をはっきりさせよう、という途中経過を必ずクイズ形式で表してくれるので、やっていてつまるということはなかったし、その謎は飽きた、と思うこともそれほどなかった」
「そうなると、操作性とかも問題なかった、と」
「そうだな、それほど細かな作業をするわけではないので、楽と言えば楽だし。実際、使わないボタンのほうが多いくらいだから。やることが少なければ、操作が少ないに決まっているし」
「それだけ遊びやすいのに、操作性が悪かったら、それこそ笑えるよな」
「ただ、セーブが勝手に上書き仕様なのは、よくわからない。セーブそのものは3個あるんだが、ゲーム途中でセーブを選ぶと、既存のデータに問答無用で上書きされてしまうんだ」
「すると、例えばもうすぐいい場面だから、ここでセーブをしてとっておこう、とか全く出来ないんですね。セーブが複数ある意味ないんじゃ」
「ないだろうな。別に間違えたところでペナルティがあるわけではないし、変な言い方をすれば、クリアできないわけがない作りになっている以上、セーブは本当に、予防策のためではなく、続けられなくなったから中断のためでしかないわけだ。それなのに、勝手に上書きされてしまっては、それこそ意味がないというか」
「セーブ数が複数ある意味がない、ってことだな」
「音楽は、いかにもの決め音楽や、衝撃の音楽の使い方も、本当にテレビドラマのようで中々面白かった。ビジュアルに関しては、俺は元々3Dよりドット絵のほうが好みだから、すんなり入れたし」
「そうですね。逆転裁判みたいにデフォルメされたキャラクターではなく、わりと現実に近い感じのデザインでしたから、入り込みやすいでしょうね」
「遊ぶ年齢層が上だろうしな、このソフト。変にお笑いじゃない分、誰でもとっつきやすいような気がする」
「動機や、犯人はすぐわかるから、後はそれにどうやって主人公が気づくのかを楽しむゲーム、という感じがする。ただ、二時間推理ドラマのわりには、心理描写があまり臭くなかったのが意外と言えば、意外かもしれない」
「違いますよ澤田さん。それ、ゲーム画面で文字で、動かない絵で見ているから、それくらいの感想ですむんですよ。これ、実際の役者さんでテレビドラマでやられたら、うちら結構ドン引きだと思いますよ」
「文章だから、さらっと流せるというのはあるかもな、確かに。なんか、West Villageっていう、推理ゲームみたいなものがついてきてたけど、あれはどうだった?」
「結論から言えば、本編より難しかった。結構行間を読まなければいけなかったり、細かな部分を指摘しなければいけなかったから。実際、頭を使ったという部分では、本編よりも何倍も唸った。ボリュームも全50話もあるから、お徳と言えばお徳だと思う」
「実際の推理物として、頭を働かせたいのであれば、おまけであるWest Villageをやったほうが楽しめる、ってことですね」
「そうだな。あの短い文章の中で、よく推理要素や脳みそを働かせる要素を上手く入れるものだな、と感心した。まあパズル要素が強いものもあるから、苦手な人は苦手だと思うが………。それに、システムとしてはあまりよくなかった」
「というと」
「例えば、全部で14Pの文章の推理物があるとする。それを全部読み、肝心の推理に関する話題が選べる、その上で、推理画面に移動するとする。実際推理の前に、推理に関する話題をもう一度見直したいと思うと、一番初めの文章から読み直さなければならないんだ」
「読みたくもない14Pを延々読む羽目になるってことだな」
「自分が、はっきりとそれではない、とわかっている以上、これは面倒だった。メモというコマンドもあるにはあるんだが、いちいちタッチパネルに直筆でメモなんてしている暇があったら、文章を見直したほうが早いし、正直意味のあるコマンドではないな」
「勝手気ままに進んでくれる本編と違い、こちらの推理力が求められるなら、情報閲覧は、簡単に出来て欲しいですしね」
「続編でたらどうする? 買うか?」
「このボリュームで、値段据え置きなら買うと思う。今までの、必死になって捜査する感は楽しめないが、物語の中の登場人物が動いていくさまを見るのは、結構楽しかったし」
「久しぶりに、手軽に遊べて楽しい作品でしたね。じゃ、次なんですが、もうすぐゲームが届くので私それやろうかな、と思ってます」
「何買った?」
「18禁乙女ゲームです」
「お前なあ!」
「基本的に、乙女ゲームそのものに対する感性が磨耗してくると、カンフル的な役割で、エロに特化した作品をやりたくなるものなのですよ」
「変に小難しい言い回ししたって、意味ねえからやめとけ」
泡坂「それはまた、えらい短いですね」
池波「でも、特別頭を悩ませる必要のないゲームで8時間って、それなりに長いほうに入るんじゃねえの?」
「だろうな。推理要素は殆どなく、トリックを解明するのではなく、動機や背景を探っていくという過程は、一話目から最終話まで一貫して変わらなかったし。主人公がいて、その主人公が推理をしていくさまを、横から覗いている、という感じだろうか」
「それでも、最後までつまらないと投げなかったのは、やっぱりシナリオが良かったから、でしょうか」
「基本的に、推理物というのは、ゲームを始める上で、ある程度の恩恵を既に受けている、と思う」
「というと」
「変な言い方だが、脇にそれないですむというか。推理物は、推理を追いかければ話は済むわけだから、ほかの事を考える必要がないんだ。例えば、RPGでシナリオ以外に力を入れる部分はいっぱいあるだろうが、推理物はとりあえず推理が先にあって、遊ぶ側も、謎を解明したいと、初めから思ってゲームを開始しているわけだから」
「そうですね。面白いかどうか遊んでみなければわからない、というジャンルではなく、初めからそのソフトを選んだ時点で、そのソフトにある推理を解こうという気があるところから始まるわけですから」
「ある種のシード選手なわけだな」
「だから、謎があることがわかっていて、その謎を解く気があるプレイヤーなら、そうそう退屈しない、ということになる。俺は推理が別に得意じゃないが、システム上、物語の内容を整理しよう、新たな謎をはっきりさせよう、という途中経過を必ずクイズ形式で表してくれるので、やっていてつまるということはなかったし、その謎は飽きた、と思うこともそれほどなかった」
「そうなると、操作性とかも問題なかった、と」
「そうだな、それほど細かな作業をするわけではないので、楽と言えば楽だし。実際、使わないボタンのほうが多いくらいだから。やることが少なければ、操作が少ないに決まっているし」
「それだけ遊びやすいのに、操作性が悪かったら、それこそ笑えるよな」
「ただ、セーブが勝手に上書き仕様なのは、よくわからない。セーブそのものは3個あるんだが、ゲーム途中でセーブを選ぶと、既存のデータに問答無用で上書きされてしまうんだ」
「すると、例えばもうすぐいい場面だから、ここでセーブをしてとっておこう、とか全く出来ないんですね。セーブが複数ある意味ないんじゃ」
「ないだろうな。別に間違えたところでペナルティがあるわけではないし、変な言い方をすれば、クリアできないわけがない作りになっている以上、セーブは本当に、予防策のためではなく、続けられなくなったから中断のためでしかないわけだ。それなのに、勝手に上書きされてしまっては、それこそ意味がないというか」
「セーブ数が複数ある意味がない、ってことだな」
「音楽は、いかにもの決め音楽や、衝撃の音楽の使い方も、本当にテレビドラマのようで中々面白かった。ビジュアルに関しては、俺は元々3Dよりドット絵のほうが好みだから、すんなり入れたし」
「そうですね。逆転裁判みたいにデフォルメされたキャラクターではなく、わりと現実に近い感じのデザインでしたから、入り込みやすいでしょうね」
「遊ぶ年齢層が上だろうしな、このソフト。変にお笑いじゃない分、誰でもとっつきやすいような気がする」
「動機や、犯人はすぐわかるから、後はそれにどうやって主人公が気づくのかを楽しむゲーム、という感じがする。ただ、二時間推理ドラマのわりには、心理描写があまり臭くなかったのが意外と言えば、意外かもしれない」
「違いますよ澤田さん。それ、ゲーム画面で文字で、動かない絵で見ているから、それくらいの感想ですむんですよ。これ、実際の役者さんでテレビドラマでやられたら、うちら結構ドン引きだと思いますよ」
「文章だから、さらっと流せるというのはあるかもな、確かに。なんか、West Villageっていう、推理ゲームみたいなものがついてきてたけど、あれはどうだった?」
「結論から言えば、本編より難しかった。結構行間を読まなければいけなかったり、細かな部分を指摘しなければいけなかったから。実際、頭を使ったという部分では、本編よりも何倍も唸った。ボリュームも全50話もあるから、お徳と言えばお徳だと思う」
「実際の推理物として、頭を働かせたいのであれば、おまけであるWest Villageをやったほうが楽しめる、ってことですね」
「そうだな。あの短い文章の中で、よく推理要素や脳みそを働かせる要素を上手く入れるものだな、と感心した。まあパズル要素が強いものもあるから、苦手な人は苦手だと思うが………。それに、システムとしてはあまりよくなかった」
「というと」
「例えば、全部で14Pの文章の推理物があるとする。それを全部読み、肝心の推理に関する話題が選べる、その上で、推理画面に移動するとする。実際推理の前に、推理に関する話題をもう一度見直したいと思うと、一番初めの文章から読み直さなければならないんだ」
「読みたくもない14Pを延々読む羽目になるってことだな」
「自分が、はっきりとそれではない、とわかっている以上、これは面倒だった。メモというコマンドもあるにはあるんだが、いちいちタッチパネルに直筆でメモなんてしている暇があったら、文章を見直したほうが早いし、正直意味のあるコマンドではないな」
「勝手気ままに進んでくれる本編と違い、こちらの推理力が求められるなら、情報閲覧は、簡単に出来て欲しいですしね」
「続編でたらどうする? 買うか?」
「このボリュームで、値段据え置きなら買うと思う。今までの、必死になって捜査する感は楽しめないが、物語の中の登場人物が動いていくさまを見るのは、結構楽しかったし」
「久しぶりに、手軽に遊べて楽しい作品でしたね。じゃ、次なんですが、もうすぐゲームが届くので私それやろうかな、と思ってます」
「何買った?」
「18禁乙女ゲームです」
「お前なあ!」
「基本的に、乙女ゲームそのものに対する感性が磨耗してくると、カンフル的な役割で、エロに特化した作品をやりたくなるものなのですよ」
「変に小難しい言い回ししたって、意味ねえからやめとけ」
遥か4の発売が決定されたみたいですね。LaLa本誌で情報開示があったとか。さすがメディアミックスと、忘れた頃に思います。
来年3月でしたっけ。その頃はきっと、人事異動でごたごたしているような気がするんですが。
各地の情報を参照させていただくに、割と今までの流れから逸脱した感じのようですね。神子とか八葉の意味がそのまま継承されているのかもわかりませんし。
実際、八葉と神子の関係性は、3で随分あやふやなものになっていましたので、これはこれでいいかと。
主人公が記憶喪失で時空を飛び越えてうんちゃら、の部分で思わず、「王家の紋章か」と思ってしまった私はかなり古いのではないかと。
いや、王家の紋章の主人公は現代人であって、元々異世界のお姫様である主人公とは立ち位置違うんですが。
今までのネオロマシリーズで一貫していた、「普通の女の子が突如、特別な地位、立場に立たされる」という設定は、この時点で霧散したといえます。初めから謎持ってて、お姫様で、という時点で等身大の主人公ではないわけですし。
まあ元々大御所のネオロマ主人公は、個性が振り切れていて、主人公=自分という楽しみ方は少ないのはわかっていましたが、この部分が一番大きい路線変更ではないかと。
やはり、生粋のメルヘン設定の主人公よりも、現代人でどたばたに巻き込まれる、というスタンスの主人公とは、感情の入り方も違います。主人公がどれだけ、自分が記憶を失って生きていた現代に対して、思い入れがあるかないかで、物語も随分違ってきそうな気はしますが………。
しかし、実際早いですね発売。
アンジェリークシリーズはいよいよ消えてなくなるのかとか、ついいらんことを想像してしまいたくなります。
結局、遥か4は、今までにリクエストの高かった和風から、同じくリクエストの高かったであろう中華風にシフトするための作品なんじゃないかな、と。
実際遥かが開発された理由も、和風の希望が多かったから、という実に本能のままの作品だったわけですし。
中華風がピックアップされたもの、昨今の彩雲国物語などのブームも踏まえれば、実に妥当な線と言えるのではないかと。
なんちゃって西洋風ネオロマは、一応アンジェリークと言うパイオニアがいるわけですから。
というか、きっとあれだよね、遥か4が出た途端に、ネオロマ無双とか絶対出るんじゃねえの。
ファンタジー、和風、中華、現代(一応)と出揃った以上、次に新しいジャンルとなると、やっぱり近未来SFとかになるんでしょうか。
宇宙をまたにかけて、異種族間との恋愛! すげえ!
あ、これもう、天空の鎮魂歌でやってたな。
個人的には、設定云々より、落とせるキャラクターの年齢の底上げを希望します。40歳とかまだまだぬるいぜ! 30歳代だけど若い外見とかもういいぜ! 枯れたサラリーマンと恋愛したい!(中華風のやつれたリーマンって、わけわかりませんよ)
来年3月でしたっけ。その頃はきっと、人事異動でごたごたしているような気がするんですが。
各地の情報を参照させていただくに、割と今までの流れから逸脱した感じのようですね。神子とか八葉の意味がそのまま継承されているのかもわかりませんし。
実際、八葉と神子の関係性は、3で随分あやふやなものになっていましたので、これはこれでいいかと。
主人公が記憶喪失で時空を飛び越えてうんちゃら、の部分で思わず、「王家の紋章か」と思ってしまった私はかなり古いのではないかと。
いや、王家の紋章の主人公は現代人であって、元々異世界のお姫様である主人公とは立ち位置違うんですが。
今までのネオロマシリーズで一貫していた、「普通の女の子が突如、特別な地位、立場に立たされる」という設定は、この時点で霧散したといえます。初めから謎持ってて、お姫様で、という時点で等身大の主人公ではないわけですし。
まあ元々大御所のネオロマ主人公は、個性が振り切れていて、主人公=自分という楽しみ方は少ないのはわかっていましたが、この部分が一番大きい路線変更ではないかと。
やはり、生粋のメルヘン設定の主人公よりも、現代人でどたばたに巻き込まれる、というスタンスの主人公とは、感情の入り方も違います。主人公がどれだけ、自分が記憶を失って生きていた現代に対して、思い入れがあるかないかで、物語も随分違ってきそうな気はしますが………。
しかし、実際早いですね発売。
アンジェリークシリーズはいよいよ消えてなくなるのかとか、ついいらんことを想像してしまいたくなります。
結局、遥か4は、今までにリクエストの高かった和風から、同じくリクエストの高かったであろう中華風にシフトするための作品なんじゃないかな、と。
実際遥かが開発された理由も、和風の希望が多かったから、という実に本能のままの作品だったわけですし。
中華風がピックアップされたもの、昨今の彩雲国物語などのブームも踏まえれば、実に妥当な線と言えるのではないかと。
なんちゃって西洋風ネオロマは、一応アンジェリークと言うパイオニアがいるわけですから。
というか、きっとあれだよね、遥か4が出た途端に、ネオロマ無双とか絶対出るんじゃねえの。
ファンタジー、和風、中華、現代(一応)と出揃った以上、次に新しいジャンルとなると、やっぱり近未来SFとかになるんでしょうか。
宇宙をまたにかけて、異種族間との恋愛! すげえ!
あ、これもう、天空の鎮魂歌でやってたな。
個人的には、設定云々より、落とせるキャラクターの年齢の底上げを希望します。40歳とかまだまだぬるいぜ! 30歳代だけど若い外見とかもういいぜ! 枯れたサラリーマンと恋愛したい!(中華風のやつれたリーマンって、わけわかりませんよ)
「公式サイト」
桑山又左衛門の開墾は順調に進み、殿様からじきじきに言葉と品をたまわるまでになる。
百姓たちと土にまみれ、低頭して、桑山から品を頂く、藤井庄六の姿が傍で見ている分には、なんとも物悲しい。庄六は本当にいい奴なので、「昔の友として鼻が高い。後光が差していた」と上機嫌で、妻女を桑山の家に使わす始末。
人がいい、と言ってしまえばそれまでですが、純粋に友人の喜びを自分の喜びにできるって、大人になってしまえばしまうほどそうそうないので、感慨深い。
「桑山はこれからもっと偉くなる。だから、今のうちにワイロを」
と、茶目っ気たっぷりに言う庄六の奥方と、楽しい会話をしていた満江ですが、そこに、旧友であり上司である、杉山の奥方が現れ、一気にぎすぎすした雰囲気に。
「私にも、杉山にも友人がいないのです」
と言われても、
「はあ」
と困惑したふうの満江に感情移入。いきなり上司の奥さんが家に来て、遊びに来たとか言われても、正直迷惑。
しかも、同じ旧友である庄六のことは一切触れないしで、そりゃ庄六の奥さんもそそくさと帰るわ。
桑山又左衛門はどんどん出世し、中老にまで上り詰める。
その祝いに、庄六は自ら編んだ、小さなわらじの飾りを桑山又左衛門に差し出す。
「わしからの祝いだ。縁起物だ。おあしがたまる。足腰が丈夫になるという。金がない。それで、勘弁してくれ」
杉山は、庄六の手をしっかと握ります。
「庄六、わしは嬉しい。お前のような友がいて、ありがたい」
「隼太、お前は立派だ。よくぞここまで上り詰めた」
「ありがとう!」
同じ旧友であるはずの杉山に、出世の報告をされたとき、嬉しそうな表情一つ見せなかった桑山が、心底嬉しいと思える相手がいることは、本当に幸福ですね。ここに、ちらとも姿を見せない野瀬の存在も着になりますが………。
庄六が貧乏侍だから、上位に立って喜べるのではなく、たとえ同じような立場であっても、同じように喜んでくれるからこそ、桑山は庄六の気持ちが嬉しいのですな。
飛ぶ鳥落とす勢いの桑山に、幕府重鎮からのお声が。
桑山が中老に登る際、異を唱えたものがいると。
過去の政変時、小黒派の一派をわざと逃がしたのではないか、と思われているのが杉山だと。
杉山は、小黒派を根絶やしにすべく、わざと息子らを見逃し、その挙句、桑山と野瀬に打ち倒させたのだと。
こうなると、桑山の中老出世に異を唱えたのも、その出世を危ぶむ杉山と見てまず間違いないのでしょう。
そして野瀬は桑山とは正反対に、転がり落ちていく。
「一蔵を切らせて、出世したお前など」
捨て台詞を吐いて、去っていく野瀬。
どこからどう見ても、自分の弱さのために、人生踏み外したとしか思えないのですが、庄六や野瀬に変な負い目のようなものがある桑山には、黙って見送るしか出来ません。
野瀬もなあ。親友を切った挙句、その奥方と内々になって、道踏み外しているんだから世話ないというか、自分の尻を自分で拭く度胸もないというのが、こいつと桑山、杉山、そして庄六との差だろうな。
「このような大事を頼めるのは、貴公しかおらんのだ」
そうぬけぬけと言い、自分を野瀬を利用した杉山。
そして、中老から家老にまで上り詰めた桑山。
しかし、杉山によって、開墾の金子を引き受けていた庄屋にまで手が伸びる。やましいことは何もなくとも、帳面をどう使ってくるか。
桑山に庄屋から、鉛銀を使った横領が起こっているのでは、との情報を得て、桑山は杉山の裏を見る。
同僚の和田氏の助力を得て、杉山の、未納の百姓の石高を一気に徴収するという案を退けた桑山は、役職揃う会議の場に出向くことになる。
「ここに来る前に、杉山の家にも行ってきた。珍しくあいつが出てきて、桑山を葬るのだと言っていた」
「………はは、そうか」
「………かわいそうだな、おぬしたちは………」
そう言い残し、去っていく庄六。
もう、かつての友は全てばらばらになり、欠片すらない。
明確に反旗を翻した桑山。
初めから友ではなかった杉山。
「隼太、お前本当に悪い顔になったな」
「それはお互い様だろうさ、鹿之助」
ずらりと並ぶ、役職の面々。
そして、殿。
政治を論ずる場にも関わらず、庄屋の金子で桑山が過去の女をかこっているとの話を持ち出す杉山。
「といっても、もういい加減の年寄りのようだがな」
揶揄に、顔色一つ買えない桑山。というか、杉山本当に最低だな。
「しかし、そこまで言われましては、こちらも少々、杉山殿の不可思議を申し伝えねばなりません。大目付殿、古い話ではあるが、先の執政交代のおりに、小黒正三郎が杉山殿を襲ったことが、一族滅亡のもととなったのは、周知のとおりでござる。しかし、その襲撃、杉山殿がしかけた罠だったという説がござる。これは、証拠があることゆえ、一度お調べになってはいかがか。
いまひとつ、ご金蔵の鉛銀のことがござる。この鉛銀、お家三代のご遺言により、戦支度のために残されたものにござる。この鉛銀、蔵にわずか二つ残すのみ。しかもおどろくべきことに、二十八個の鉛銀、金でおよそ六、七千両がなくなったのは、杉山殿が執政として采配をふるうにいたってからだと判明」
「使い道ははっきりしておる! 上方商人からの利息の支払いにあてたのだ。元締めの帳面にはっきり記載してある!」
「使い道を間違われましたな」
「堅いことを申すな。なるほど、あれは戦のために蓄えられていたものだ。それより、お家の財政のために、役立てようとしたわしの才覚が、それほど咎められるものとは思わん」
「ご公儀から再三のお達しのある、海辺のそなえは。仰せの備えではあるまいか。費用を出しかね、海辺の備えをおろそかになっては、申し訳がたちますまい。執政の我らに相談もなく、お上のお許しをえるわけでもなく、独断の所業、ご遺言を破られた、これは杉山家老の大きな落ち度と思われるが、いかがか!」
にらみ合う二人。
「………はめられた………」
立ち去るお上。
平伏する重鎮たち。
次々に立ち去る面々。
「勝ったと思うな………!」
それを背景に、談笑する杉山の妻と、桑山の妻満江。
「ついに………ついに、ここまできた」
雪の降る、それはしんしんと積もる日の出来事であった。
ここで、別に裏金の真の使い道とか、確固たる証拠は、という深い話はさらっと流し、実際目に見える、鉛銀がなくなっているという証拠を、公の場で突きつけられた時点で、杉山の負けは決まっていたといえましょう。
実際杉山が失脚したからと言って、桑山そのものに何ら変化のあるものではない、特にプライベートに関しては、というところが物悲しい。
杉山とは元々友人ではなかったし、庄六とは立場が離れていくばかり。
野瀬とは、次週果し合いを申し込まれているようですし、何かを得るために進めば、何かを失うのはもはや、必定であると。
何処をどう探しても、庄六の良心しか救いがなさそうな展開ではありますが、次回へ続く。
桑山又左衛門の開墾は順調に進み、殿様からじきじきに言葉と品をたまわるまでになる。
百姓たちと土にまみれ、低頭して、桑山から品を頂く、藤井庄六の姿が傍で見ている分には、なんとも物悲しい。庄六は本当にいい奴なので、「昔の友として鼻が高い。後光が差していた」と上機嫌で、妻女を桑山の家に使わす始末。
人がいい、と言ってしまえばそれまでですが、純粋に友人の喜びを自分の喜びにできるって、大人になってしまえばしまうほどそうそうないので、感慨深い。
「桑山はこれからもっと偉くなる。だから、今のうちにワイロを」
と、茶目っ気たっぷりに言う庄六の奥方と、楽しい会話をしていた満江ですが、そこに、旧友であり上司である、杉山の奥方が現れ、一気にぎすぎすした雰囲気に。
「私にも、杉山にも友人がいないのです」
と言われても、
「はあ」
と困惑したふうの満江に感情移入。いきなり上司の奥さんが家に来て、遊びに来たとか言われても、正直迷惑。
しかも、同じ旧友である庄六のことは一切触れないしで、そりゃ庄六の奥さんもそそくさと帰るわ。
桑山又左衛門はどんどん出世し、中老にまで上り詰める。
その祝いに、庄六は自ら編んだ、小さなわらじの飾りを桑山又左衛門に差し出す。
「わしからの祝いだ。縁起物だ。おあしがたまる。足腰が丈夫になるという。金がない。それで、勘弁してくれ」
杉山は、庄六の手をしっかと握ります。
「庄六、わしは嬉しい。お前のような友がいて、ありがたい」
「隼太、お前は立派だ。よくぞここまで上り詰めた」
「ありがとう!」
同じ旧友であるはずの杉山に、出世の報告をされたとき、嬉しそうな表情一つ見せなかった桑山が、心底嬉しいと思える相手がいることは、本当に幸福ですね。ここに、ちらとも姿を見せない野瀬の存在も着になりますが………。
庄六が貧乏侍だから、上位に立って喜べるのではなく、たとえ同じような立場であっても、同じように喜んでくれるからこそ、桑山は庄六の気持ちが嬉しいのですな。
飛ぶ鳥落とす勢いの桑山に、幕府重鎮からのお声が。
桑山が中老に登る際、異を唱えたものがいると。
過去の政変時、小黒派の一派をわざと逃がしたのではないか、と思われているのが杉山だと。
杉山は、小黒派を根絶やしにすべく、わざと息子らを見逃し、その挙句、桑山と野瀬に打ち倒させたのだと。
こうなると、桑山の中老出世に異を唱えたのも、その出世を危ぶむ杉山と見てまず間違いないのでしょう。
そして野瀬は桑山とは正反対に、転がり落ちていく。
「一蔵を切らせて、出世したお前など」
捨て台詞を吐いて、去っていく野瀬。
どこからどう見ても、自分の弱さのために、人生踏み外したとしか思えないのですが、庄六や野瀬に変な負い目のようなものがある桑山には、黙って見送るしか出来ません。
野瀬もなあ。親友を切った挙句、その奥方と内々になって、道踏み外しているんだから世話ないというか、自分の尻を自分で拭く度胸もないというのが、こいつと桑山、杉山、そして庄六との差だろうな。
「このような大事を頼めるのは、貴公しかおらんのだ」
そうぬけぬけと言い、自分を野瀬を利用した杉山。
そして、中老から家老にまで上り詰めた桑山。
しかし、杉山によって、開墾の金子を引き受けていた庄屋にまで手が伸びる。やましいことは何もなくとも、帳面をどう使ってくるか。
桑山に庄屋から、鉛銀を使った横領が起こっているのでは、との情報を得て、桑山は杉山の裏を見る。
同僚の和田氏の助力を得て、杉山の、未納の百姓の石高を一気に徴収するという案を退けた桑山は、役職揃う会議の場に出向くことになる。
「ここに来る前に、杉山の家にも行ってきた。珍しくあいつが出てきて、桑山を葬るのだと言っていた」
「………はは、そうか」
「………かわいそうだな、おぬしたちは………」
そう言い残し、去っていく庄六。
もう、かつての友は全てばらばらになり、欠片すらない。
明確に反旗を翻した桑山。
初めから友ではなかった杉山。
「隼太、お前本当に悪い顔になったな」
「それはお互い様だろうさ、鹿之助」
ずらりと並ぶ、役職の面々。
そして、殿。
政治を論ずる場にも関わらず、庄屋の金子で桑山が過去の女をかこっているとの話を持ち出す杉山。
「といっても、もういい加減の年寄りのようだがな」
揶揄に、顔色一つ買えない桑山。というか、杉山本当に最低だな。
「しかし、そこまで言われましては、こちらも少々、杉山殿の不可思議を申し伝えねばなりません。大目付殿、古い話ではあるが、先の執政交代のおりに、小黒正三郎が杉山殿を襲ったことが、一族滅亡のもととなったのは、周知のとおりでござる。しかし、その襲撃、杉山殿がしかけた罠だったという説がござる。これは、証拠があることゆえ、一度お調べになってはいかがか。
いまひとつ、ご金蔵の鉛銀のことがござる。この鉛銀、お家三代のご遺言により、戦支度のために残されたものにござる。この鉛銀、蔵にわずか二つ残すのみ。しかもおどろくべきことに、二十八個の鉛銀、金でおよそ六、七千両がなくなったのは、杉山殿が執政として采配をふるうにいたってからだと判明」
「使い道ははっきりしておる! 上方商人からの利息の支払いにあてたのだ。元締めの帳面にはっきり記載してある!」
「使い道を間違われましたな」
「堅いことを申すな。なるほど、あれは戦のために蓄えられていたものだ。それより、お家の財政のために、役立てようとしたわしの才覚が、それほど咎められるものとは思わん」
「ご公儀から再三のお達しのある、海辺のそなえは。仰せの備えではあるまいか。費用を出しかね、海辺の備えをおろそかになっては、申し訳がたちますまい。執政の我らに相談もなく、お上のお許しをえるわけでもなく、独断の所業、ご遺言を破られた、これは杉山家老の大きな落ち度と思われるが、いかがか!」
にらみ合う二人。
「………はめられた………」
立ち去るお上。
平伏する重鎮たち。
次々に立ち去る面々。
「勝ったと思うな………!」
それを背景に、談笑する杉山の妻と、桑山の妻満江。
「ついに………ついに、ここまできた」
雪の降る、それはしんしんと積もる日の出来事であった。
ここで、別に裏金の真の使い道とか、確固たる証拠は、という深い話はさらっと流し、実際目に見える、鉛銀がなくなっているという証拠を、公の場で突きつけられた時点で、杉山の負けは決まっていたといえましょう。
実際杉山が失脚したからと言って、桑山そのものに何ら変化のあるものではない、特にプライベートに関しては、というところが物悲しい。
杉山とは元々友人ではなかったし、庄六とは立場が離れていくばかり。
野瀬とは、次週果し合いを申し込まれているようですし、何かを得るために進めば、何かを失うのはもはや、必定であると。
何処をどう探しても、庄六の良心しか救いがなさそうな展開ではありますが、次回へ続く。