澤田「『DS西村京太郎サスペンス 新探偵シリーズ「京都・熱海・絶海の孤島 殺意の罠」』クリアした。総プレイ時間は8時間というところだ」
泡坂「それはまた、えらい短いですね」
池波「でも、特別頭を悩ませる必要のないゲームで8時間って、それなりに長いほうに入るんじゃねえの?」
「だろうな。推理要素は殆どなく、トリックを解明するのではなく、動機や背景を探っていくという過程は、一話目から最終話まで一貫して変わらなかったし。主人公がいて、その主人公が推理をしていくさまを、横から覗いている、という感じだろうか」
「それでも、最後までつまらないと投げなかったのは、やっぱりシナリオが良かったから、でしょうか」
「基本的に、推理物というのは、ゲームを始める上で、ある程度の恩恵を既に受けている、と思う」
「というと」
「変な言い方だが、脇にそれないですむというか。推理物は、推理を追いかければ話は済むわけだから、ほかの事を考える必要がないんだ。例えば、RPGでシナリオ以外に力を入れる部分はいっぱいあるだろうが、推理物はとりあえず推理が先にあって、遊ぶ側も、謎を解明したいと、初めから思ってゲームを開始しているわけだから」
「そうですね。面白いかどうか遊んでみなければわからない、というジャンルではなく、初めからそのソフトを選んだ時点で、そのソフトにある推理を解こうという気があるところから始まるわけですから」
「ある種のシード選手なわけだな」
「だから、謎があることがわかっていて、その謎を解く気があるプレイヤーなら、そうそう退屈しない、ということになる。俺は推理が別に得意じゃないが、システム上、物語の内容を整理しよう、新たな謎をはっきりさせよう、という途中経過を必ずクイズ形式で表してくれるので、やっていてつまるということはなかったし、その謎は飽きた、と思うこともそれほどなかった」
「そうなると、操作性とかも問題なかった、と」
「そうだな、それほど細かな作業をするわけではないので、楽と言えば楽だし。実際、使わないボタンのほうが多いくらいだから。やることが少なければ、操作が少ないに決まっているし」
「それだけ遊びやすいのに、操作性が悪かったら、それこそ笑えるよな」
「ただ、セーブが勝手に上書き仕様なのは、よくわからない。セーブそのものは3個あるんだが、ゲーム途中でセーブを選ぶと、既存のデータに問答無用で上書きされてしまうんだ」
「すると、例えばもうすぐいい場面だから、ここでセーブをしてとっておこう、とか全く出来ないんですね。セーブが複数ある意味ないんじゃ」
「ないだろうな。別に間違えたところでペナルティがあるわけではないし、変な言い方をすれば、クリアできないわけがない作りになっている以上、セーブは本当に、予防策のためではなく、続けられなくなったから中断のためでしかないわけだ。それなのに、勝手に上書きされてしまっては、それこそ意味がないというか」
「セーブ数が複数ある意味がない、ってことだな」
「音楽は、いかにもの決め音楽や、衝撃の音楽の使い方も、本当にテレビドラマのようで中々面白かった。ビジュアルに関しては、俺は元々3Dよりドット絵のほうが好みだから、すんなり入れたし」
「そうですね。逆転裁判みたいにデフォルメされたキャラクターではなく、わりと現実に近い感じのデザインでしたから、入り込みやすいでしょうね」
「遊ぶ年齢層が上だろうしな、このソフト。変にお笑いじゃない分、誰でもとっつきやすいような気がする」
「動機や、犯人はすぐわかるから、後はそれにどうやって主人公が気づくのかを楽しむゲーム、という感じがする。ただ、二時間推理ドラマのわりには、心理描写があまり臭くなかったのが意外と言えば、意外かもしれない」
「違いますよ澤田さん。それ、ゲーム画面で文字で、動かない絵で見ているから、それくらいの感想ですむんですよ。これ、実際の役者さんでテレビドラマでやられたら、うちら結構ドン引きだと思いますよ」
「文章だから、さらっと流せるというのはあるかもな、確かに。なんか、West Villageっていう、推理ゲームみたいなものがついてきてたけど、あれはどうだった?」
「結論から言えば、本編より難しかった。結構行間を読まなければいけなかったり、細かな部分を指摘しなければいけなかったから。実際、頭を使ったという部分では、本編よりも何倍も唸った。ボリュームも全50話もあるから、お徳と言えばお徳だと思う」
「実際の推理物として、頭を働かせたいのであれば、おまけであるWest Villageをやったほうが楽しめる、ってことですね」
「そうだな。あの短い文章の中で、よく推理要素や脳みそを働かせる要素を上手く入れるものだな、と感心した。まあパズル要素が強いものもあるから、苦手な人は苦手だと思うが………。それに、システムとしてはあまりよくなかった」
「というと」
「例えば、全部で14Pの文章の推理物があるとする。それを全部読み、肝心の推理に関する話題が選べる、その上で、推理画面に移動するとする。実際推理の前に、推理に関する話題をもう一度見直したいと思うと、一番初めの文章から読み直さなければならないんだ」
「読みたくもない14Pを延々読む羽目になるってことだな」
「自分が、はっきりとそれではない、とわかっている以上、これは面倒だった。メモというコマンドもあるにはあるんだが、いちいちタッチパネルに直筆でメモなんてしている暇があったら、文章を見直したほうが早いし、正直意味のあるコマンドではないな」
「勝手気ままに進んでくれる本編と違い、こちらの推理力が求められるなら、情報閲覧は、簡単に出来て欲しいですしね」
「続編でたらどうする? 買うか?」
「このボリュームで、値段据え置きなら買うと思う。今までの、必死になって捜査する感は楽しめないが、物語の中の登場人物が動いていくさまを見るのは、結構楽しかったし」
「久しぶりに、手軽に遊べて楽しい作品でしたね。じゃ、次なんですが、もうすぐゲームが届くので私それやろうかな、と思ってます」
「何買った?」
「18禁乙女ゲームです」
「お前なあ!」
「基本的に、乙女ゲームそのものに対する感性が磨耗してくると、カンフル的な役割で、エロに特化した作品をやりたくなるものなのですよ」
「変に小難しい言い回ししたって、意味ねえからやめとけ」
泡坂「それはまた、えらい短いですね」
池波「でも、特別頭を悩ませる必要のないゲームで8時間って、それなりに長いほうに入るんじゃねえの?」
「だろうな。推理要素は殆どなく、トリックを解明するのではなく、動機や背景を探っていくという過程は、一話目から最終話まで一貫して変わらなかったし。主人公がいて、その主人公が推理をしていくさまを、横から覗いている、という感じだろうか」
「それでも、最後までつまらないと投げなかったのは、やっぱりシナリオが良かったから、でしょうか」
「基本的に、推理物というのは、ゲームを始める上で、ある程度の恩恵を既に受けている、と思う」
「というと」
「変な言い方だが、脇にそれないですむというか。推理物は、推理を追いかければ話は済むわけだから、ほかの事を考える必要がないんだ。例えば、RPGでシナリオ以外に力を入れる部分はいっぱいあるだろうが、推理物はとりあえず推理が先にあって、遊ぶ側も、謎を解明したいと、初めから思ってゲームを開始しているわけだから」
「そうですね。面白いかどうか遊んでみなければわからない、というジャンルではなく、初めからそのソフトを選んだ時点で、そのソフトにある推理を解こうという気があるところから始まるわけですから」
「ある種のシード選手なわけだな」
「だから、謎があることがわかっていて、その謎を解く気があるプレイヤーなら、そうそう退屈しない、ということになる。俺は推理が別に得意じゃないが、システム上、物語の内容を整理しよう、新たな謎をはっきりさせよう、という途中経過を必ずクイズ形式で表してくれるので、やっていてつまるということはなかったし、その謎は飽きた、と思うこともそれほどなかった」
「そうなると、操作性とかも問題なかった、と」
「そうだな、それほど細かな作業をするわけではないので、楽と言えば楽だし。実際、使わないボタンのほうが多いくらいだから。やることが少なければ、操作が少ないに決まっているし」
「それだけ遊びやすいのに、操作性が悪かったら、それこそ笑えるよな」
「ただ、セーブが勝手に上書き仕様なのは、よくわからない。セーブそのものは3個あるんだが、ゲーム途中でセーブを選ぶと、既存のデータに問答無用で上書きされてしまうんだ」
「すると、例えばもうすぐいい場面だから、ここでセーブをしてとっておこう、とか全く出来ないんですね。セーブが複数ある意味ないんじゃ」
「ないだろうな。別に間違えたところでペナルティがあるわけではないし、変な言い方をすれば、クリアできないわけがない作りになっている以上、セーブは本当に、予防策のためではなく、続けられなくなったから中断のためでしかないわけだ。それなのに、勝手に上書きされてしまっては、それこそ意味がないというか」
「セーブ数が複数ある意味がない、ってことだな」
「音楽は、いかにもの決め音楽や、衝撃の音楽の使い方も、本当にテレビドラマのようで中々面白かった。ビジュアルに関しては、俺は元々3Dよりドット絵のほうが好みだから、すんなり入れたし」
「そうですね。逆転裁判みたいにデフォルメされたキャラクターではなく、わりと現実に近い感じのデザインでしたから、入り込みやすいでしょうね」
「遊ぶ年齢層が上だろうしな、このソフト。変にお笑いじゃない分、誰でもとっつきやすいような気がする」
「動機や、犯人はすぐわかるから、後はそれにどうやって主人公が気づくのかを楽しむゲーム、という感じがする。ただ、二時間推理ドラマのわりには、心理描写があまり臭くなかったのが意外と言えば、意外かもしれない」
「違いますよ澤田さん。それ、ゲーム画面で文字で、動かない絵で見ているから、それくらいの感想ですむんですよ。これ、実際の役者さんでテレビドラマでやられたら、うちら結構ドン引きだと思いますよ」
「文章だから、さらっと流せるというのはあるかもな、確かに。なんか、West Villageっていう、推理ゲームみたいなものがついてきてたけど、あれはどうだった?」
「結論から言えば、本編より難しかった。結構行間を読まなければいけなかったり、細かな部分を指摘しなければいけなかったから。実際、頭を使ったという部分では、本編よりも何倍も唸った。ボリュームも全50話もあるから、お徳と言えばお徳だと思う」
「実際の推理物として、頭を働かせたいのであれば、おまけであるWest Villageをやったほうが楽しめる、ってことですね」
「そうだな。あの短い文章の中で、よく推理要素や脳みそを働かせる要素を上手く入れるものだな、と感心した。まあパズル要素が強いものもあるから、苦手な人は苦手だと思うが………。それに、システムとしてはあまりよくなかった」
「というと」
「例えば、全部で14Pの文章の推理物があるとする。それを全部読み、肝心の推理に関する話題が選べる、その上で、推理画面に移動するとする。実際推理の前に、推理に関する話題をもう一度見直したいと思うと、一番初めの文章から読み直さなければならないんだ」
「読みたくもない14Pを延々読む羽目になるってことだな」
「自分が、はっきりとそれではない、とわかっている以上、これは面倒だった。メモというコマンドもあるにはあるんだが、いちいちタッチパネルに直筆でメモなんてしている暇があったら、文章を見直したほうが早いし、正直意味のあるコマンドではないな」
「勝手気ままに進んでくれる本編と違い、こちらの推理力が求められるなら、情報閲覧は、簡単に出来て欲しいですしね」
「続編でたらどうする? 買うか?」
「このボリュームで、値段据え置きなら買うと思う。今までの、必死になって捜査する感は楽しめないが、物語の中の登場人物が動いていくさまを見るのは、結構楽しかったし」
「久しぶりに、手軽に遊べて楽しい作品でしたね。じゃ、次なんですが、もうすぐゲームが届くので私それやろうかな、と思ってます」
「何買った?」
「18禁乙女ゲームです」
「お前なあ!」
「基本的に、乙女ゲームそのものに対する感性が磨耗してくると、カンフル的な役割で、エロに特化した作品をやりたくなるものなのですよ」
「変に小難しい言い回ししたって、意味ねえからやめとけ」
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