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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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最近、新刊を購入するのも『ブックオフ』を使うことが多くなってきました。
以前は当然のように、密林で購入していたんですが、密林クレジットカードがなくなったり、引越しをしたりで、正直密林で購入するメリットが何もなくなってしまったのです。
おまけに、一括配送だっつってんのにバラバラに送ってきたりするしさあ………。
勿論書店へ出かけて購入するのが一番手っ取り早いんですが、原付で職場の往復しかしていないと、街中に出ることすら稀になってしまうので(どうにかしなさいよ)。
原付乗っているときの格好が、他人の目に触れたらヤバイということもありますが。決してそのまま街中は歩けない。

そんなこんなで、別に発売日当日に購入しなくてもいいとか、今読みたいけど新刊じゃないみたいな本を買いたい場合、ブックオフが便利です。
BK1でもいいんですが、発送まで妙に時間がかかったり、送料無料までの敷居が高かったりするので、私はあまり利用しません。新刊を一気に何冊も買うならばいいんでしょうが。
ギフト券が送られることも多いのですが、送られたときに買いたいものがあるかわからないし、有効期限がびっくりするくらい短いので、個人的にはあまり利用しません。

ブックオフは、三点購入してクレジット決済なら送料タダだし、1500円買えばタダなので、この敷居案外低いのです。
欲しいのが漫画一冊であっても、古本だから他のものもまとめて買うとか、DVDでも買おうものなら一気に1500円たまります。
一冊100円でも、三点購入してクレジットすれば、300円で発送してくれるわけです。これは便利。
後、ブックオフは発送が読みやすいというのもあります。
一日目で注文して、二日目に発送されて、三日目に届く。
こんな感じでかっちり決まってます。逆算すれば届けて欲しい日に自分が受け取りやすいのです。勿論、住まいが遠方の方とかは違うのかもしれませんが。
これが崩されたのは、コミックセットを立て続けに同じ日に注文したときだけです(しすぎだろう)。
いや、コミックセットは一回の注文で一つしかできないから仕方がなかったんだ………!
値段からいえば、ブックオフの通販は安いほうじゃないと思います。他のチェーン店とか、店頭で買った方が安いでしょうし。
ですがまあ大量に買いたいとか、店頭にないものを欲しいものとして登録しておけばメールでお知らせしてくれるとか、そっちのサービス内容を重要視するならば、やはりお勧めですね。
しかもポイントたまるしね。結構な額で。
さすが儲かってる会社には理由がある。


個人的に、衣料品で(しかも初めて利用する)通販では、4000円以内の商品にしておくというのを己の掟としております。
まあ、一着4000円なら、「クソッタレ」で気持ちの持ちようがあるので。
実際店頭で買うのが、試着もできていいんでしょうけど、店頭のはねえ、金額の折り合いがつかないことが多いからなあ………。(シビアな現実)
まあ、通販は楽だし己のペースで見られるしで、基本私の衣服関係は通販で買うことが多いです。
ズボンはさすがに試着しないとどうにもならないので、トップスだけですが。え? パンツじゃないですよズボンですよ………!
今まで、靴も履いてみなくちゃわからない、と通販で購入したことはなかった………いや、あったな、ヒラキでレインシューズ。『HIRAKI』怖いくらい安い商店。安かろう悪かろうを体現していると言っても過言ではないが、商品をちゃんと吟味すれば充分いける。ショートレインシューズは生地も柔らかいし、個人的な十年戦士)

まあ、そんなわけで、さんざん密林で宣伝している『javari』を利用してみました。
勿論4000円以内で靴を探してみたんですが、結構な品揃えでした。
しかも、返品無料だというので、ドカドカと五足くらい注文。
同じサイズでも、メーカーによって足に合う、合わないがあるので、違うメーカーで購入してみました。
私は、普段スニーカー以外全くはかない(強調のために太字)ので、足先がだだっぴろいです。
かつ、甲高なんだか知りませんが、そのあたりがネックになります。
買ったばかりの靴は硬いので、履き続けていれば柔らかくもなるのでしょうが、足を赤く傷だらけにしてまで靴に足を合わせる気はもうとっくの昔になくなりました。
世の中に痛みは数あれど、足に関する痛みってどうにも我慢できない部類に入ると思います。「歩く」ってことは、もうどうやっても切り離せないわけだし、頭痛や腹痛みたいに治まることがないわけだから。


これのグリーンを購入しました。
買ったときは気にならなかったんですが、デザインとして足の甲にあるひも………なんていうか、上履きで名前や学年を書いたりする部分のデザインが妙に気になりました。
おまけに、そのひもがあるだけで、靴内部にふくらみができてしまうので、そこが足の両サイドに当たって痛いのなんのって。
色が気に入っていたので、返品するのも悔しく、ヒモを切り取って、中からヒモの部分を抜き出しました。
おかげで横幅は、なんとかこすれることはなくなりました。
甲高の部分に関しては許容範囲。

リュールのプレーンバックサンダル
現在在庫切れですが、サイズとしては一番ぴったりでした。
生地も柔らかいし、甲高もいいし、かかとが高い割には一番歩きやすく、足の負担もない感じで、サイズだけに関してはこのメーカーは当たりだぜ。


無難なブラックタイプの靴が、葬儀用兼就職活動用のローファーしかないので、一つ持っておきたくて購入。
生地も柔らかくて横幅は問題なしですが、甲が若干きつくて気になります。少なくとも、冬用の分厚い靴下ははけない感じ。(多分そういう靴じゃないんだと思いますよ)
あと、なんだか知りませんがつま先がやたらに余る。
おかしいなあ。23.5のはずなのに。
左小指の骨にヒビを入れてから、23.5がベストなんですが、物によっては24を選ぶことにしているんですが、一瞬間違えたのかと思いました。

あと、『ユナイテトエレガンス』は横幅も甲もきついので返品。
『ロージーロージー』は生地が硬くて足が割れそうになったので、返品。
こんな感じでした。
納品書と返品手続きの書類を印刷して、コンビニに持っていけばすぐ片付くので、カジュアルシューズを買いたい方はお勧め。
やっぱり高くて、万単位しっかり払いたいのならば、店頭に行くことをお勧めします。
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漫画雑感


「アオイホノオ 一巻」 島本和彦著
実は今まで島本作品を一つも読んだことがなかったのですが、古本で見かけたので購入。
結論からいえば、非常に面白かったです。
主人公の根拠のない自信や、すっげえつまんねえことで右往左往する様。
特に、いざ投稿しようとして、原稿の大きさに仰天したり、枠線を引くのにもためらい「中身が良くても枠線が駄目でボツになるとかあるのか!?」と顔色を変える様子とかもう、多少の差はあれど身に覚えがあることばかりで他人事とは思えませんでした。
そうなんだよなあ。傍から見れば「何でそんなこと気にしてんの?」ってことも、自分が当事者だとザ・マウンテンよりもでっかいことのように思えるんだよ。(気分はテリーマン)

そして、濃い印象だった絵柄ですが、濃いとかそんなことより、女子がすっげえ可愛い!(開眼)
いや、キャラとしてじゃなく普通に絵柄として可愛い! そこらの少女マンガなんてはだしで逃げ出すくらい女子連中が可愛かったです。
うへえ眼福。
実際主人公の焔 燃もかなりの二枚目です。うーんこの印象は、聖闘士星矢の連中全員が当然のように美形認識されたときと一緒だ。

島本作品が面白かったので、発作的に古本で色々購入。
たまたまお知らせメールに登録していたものが、ぼつぼつそろってしまったせいか、七月だけでブックオフにかなり貢献してます。
な、なんて恐ろしい………! でもその分、買ったゲームソフトは売って………って、やっぱり貢献してるか。
今現在、『アニーのアトリエ』と攻略本が床に転がってます。
でも、『バテンカイトス』がもうじきラストダンジョンなので他のことが考えられません。
いやあ、ここまではまるとは思わなかったなあ。
純粋にこういうRPGが楽しめると、自分がれっきとしたゲーマーであるということがわかって嬉しいです。
でも、萌えとかそんなものはないので、レビューとしては難しいような気が。
あ、でも萌えはなくともエロスはあった。
それは間違いない。
最近『リーダー's ハウトゥ Book』で、悪い奴だったり前フリやオチの要素で出演されている役者さんが気になって仕方がありません。
そして、出演されているお二方のブログを拝見し、「どっちだかわからねえ」と思ったのは秘密だ。
いやあ、前髪のあるなしであそこまで若い子の顔形がわからんとは思わなかったなあ。

しかし、アメブロってなんであんなに見づらいんですか。
私の場合、ブログは一気に一か月分とか、カテゴリーで見るとか、続けて大量の文章を読むこと前提にしているので、一記事一記事クリックしなければいけないアメブロが、本当に面倒くさいです。あれ、何処かに一気に見られる仕様ありましたっけ?
多分、携帯から見るブログを前提にしているからなんでしょうが、パソコン以外でネットにつなぐことがない(天気とかなら見るが)私にとって、普通に延々スクロールさせてくれたほうがナンボかマシだ、といつも思います。


『シド』創作に、『有罪×無罪』ネタバレSS「静かなる咆哮」をアップしました。
最終話ネタバレしてますので、要注意でお願いいたします。
当然のように、ラブい要素どこにもないですが、もうそれはいつものことですね!(さわやかに)
まあ私は実際、ラブいSSとかそれほど書いてきたわけじゃないので。
私の場合、二次云々関係なく、創作って言うのは対象となる題材がいかにかっこよく書けるかが勝負なので。
もしそれでラブい状態のSSだったとしても、それは、いちゃいちゃしている図が、対象にとって魅力を発揮できる場だった、というだけの話なのです。
なので、裏を返せばラブいSSが少ないのは、ただ単にいちゃいちゃしているよりも、かっこよく見える状態を思いついた、ということになります。
私の場合、創作に関する大げさなポリシーなどないので、閲覧される方々も、肩肘張らずにさらっと読んでいただければと思います。

よろしければご感想、ご意見などお聞かせ願えれば幸いです。
『有罪×無罪』公式サイト



地味ですが、非常に真面目に作られた良質ゲームでした。
お気楽極楽に動く探偵や、調べることが当然である警察ではなく、一介の小市民が突如人を裁くことになったら、という始まり方に、おちゃらけさは一切ありません。
笑いの要素もなく、始まる事件概要や、おもしろおかしく誇張させるマスコミなどは、説明を聞いているだけで背筋が凍る思いがします。
プレイヤーが裁くのは人間であり、事件ではなく犯罪という、現実的な部分を強調しているだけに、全体に流れる雰囲気は非常に重苦しいです。
ですが、それを真正面から描く姿に好感触。
このゲームは裁判員制度を元にして作られており、人の人生を左右する裁判に笑いの要素などあるわけがないという割り切り方が、非常に誠実な印象を受けました。

ゲームは基本的に証言や、証拠を元に討論していく形で進みます。
こちらが質問したり、否定したり、肯定することで、新たな展開が生まれたり、いや、そうは言ってないけどそうなるの!? というような「会話」のリアル感があり、やっていて緊張感が常に漂います。
やり直しがきくといっても、やり直しても結論が同じであったり、新たな発見がなかった場合「これでいいのか」と常に思いながら進まなければならないことが多く、完全に「これでいいんだ」と思えるのは稀だからです。
特に最初のほうは曖昧な判断が多く、既にもう取り返しがつかないんじゃないかと思いながら進めるのは、かなりドキドキします。
裁判や証言を考察するシーンは、基本論破して進んでいくわけではないので、ひたすら情報を集めることに特化しています。
その辺が、「かったるい」と思えるかもしれませんが、逆に、どんなことが動機になるかわからないともいえます。

このゲームは別に、告訴されている人間がその時点で、「犯人であるか」を見極めるわけではなく、あくまで告訴されている内容にそぐわないかどうか、を判断していくことになります。
殺人か殺人でないか、ではなく、「保険金殺人といわれているけれどそうなのか」という具体的な判断をするわけです。
つまり、殺人ではあるが果たして保険金目当てなのか、という捕らえ方であって、吟味する内容も、「その程度では保険金殺人の動機にならない」という、曖昧なものなのです。
その曖昧さを積み重ねていくことによって、あくまで話し合いで結論を下す、という爽快感のなさが、物凄くリアルでした。
論破して新しい証言が出てくるわけでもない。
劇的に場面が変わるわけでもない。
証言者は当たり前のことしか話さず、裁判員たちも当たり前の会話しかしない。
その当たり前さ加減が、凄く真面目に作られていて、おちゃらけムードがかけらもない(多少会話の中でありますが、あくまで会話なので、作品の質そのものが笑いのスタンスではない)ことが、このゲームの質を上げていると思います。

操作としては、文章を読んでいくだけのものなので、ゲーム性は薄いかもしれません。
ですが、人の人生に関わることだと何度も念押しされる時点で、常に緊張感が漂うわけです。その上で自分が何かリアクションをしなくても話が進んでしまうので、終始緊張感は持続し続けます。
サスペンスやアドベンチャーもので、緊張感を持続させるのは中々難しいことですが、最終的な見通しが何も立たない(無罪だから終わり、有罪だから終わりではない)状態で延々すすめられてしまうのは、非常に上手いつくりだといえましょう。

おまけに、最後量刑までこちらが決めなければならないとあっては、ゲームなのに責任重大です。
ここにきてやっと、物語の背景がなんだったかはわかりますが、話はそこで終わりではなく、あくまで、罪の有無に関係なく刑を処するところまでやるというのは、中々面白い終わり方でした。
犯人を「当てる」ゲームではなく「罪を決める」ゲームなわけですから。
ただの推理ものや、サスペンス法廷物とは違い、自分が他人の人生を左右する中立な立場で挑まねばならない意欲作として、非常によくできていたゲームでした。
最近発売されて遊んだ中では、単品としてトップレベル。
ですが、果たして売れるかどうかは。
まあ絵柄からして非常に地味ですし、萌え要素はかけらもありませんし。この世界観にむしろ、萌えなんてあってたまるかというのが本音ですが、よほど硬派な推理ゲームファンくらいしか購入しないのではないかと、いらぬ心配をしたくなります。
音楽は重厚で迫力があって凄くいいんですが。ゲーム音楽というよりは、サスペンスドラマ風ですね。

シナリオもよく練られていて面白かったです。奇をてらったものはないのですが、無罪、有罪を決める過程や、シナリオ配置の順番、ラストのどんでん返しも含めて、各話に直接的なつながりはないものの、第一話は最初に、最終話は最後に持ってくる理由がちゃんとあります。
途中までの各話は難易度としてもそれほど難しくありませんが、最終話はやることや証明することが多くて、中々難しかったです。

操作性に関しても、特筆するようなものはないのですが、証言や証拠がどんどん一方的にストックされてしまうので(ほぼ無差別に)閲覧時に不便を感じました。
またやり直す際や読み進める際のスキップも遅く、繰り返し遊ぶ作りにはなっていないように思えます。
こちらは証言を聞く立場なので、会話のキャッチボールもなく、延々シナリオを読み進めるだけなので。
シナリオもボリュームももう少しあれば嬉しかったところですが、あくまで、「面白かったのでもう少し長いと嬉しかったな」程度です。

むしろ、操作そのものは難しくないので、ゲーム初心者にお勧めしたいデキです。裁判員制度というものを、ゲームと言う媒介を通してわかりやすく理解できるないようでした。

まあ私は、井原裁判長とか、検察側の人とか、裁判補佐の人とか、最終話のフリーターとか、被告人とか、普通にルックスいけましたが。(最後に最低な感想)
でも、プレイヤーはあくまで中立。裁判員同士とも、検察とも弁護人とも、勿論証人とも被告とも、絶対に交わらない。
心の交流などゲームで存在しません。
だからこその裁判員なのだ、という立ち位置は、凄くストイックで良かったです。半端な萌えなどお呼びじゃないよ、という感じが。

このゲーム、主人公の名前決められるんですが、井原が使われてしまっていたので、中古にそのまま入っていた名前で遊びました。ちなみに五條さん。
………二次元にいたかなあ、五條さん………。悟浄さんならいるだろうけど。(オリジナルの名前だと想像できない業の深さ)


あと、こんなこと今更言っても本当に意味のないことなんですが、良質ゲームを中古で引き当てると、ちょっとした罪悪感に襲われますね。
いや、これがもう定価で手に入らない昔のソフト、とかならいいんですが、このゲームなんてまだ普通に密林とかで購入できるわけで。
こんなに面白かったのなら、ちゃんと定価で購入してメーカーにちょっとでも還元したかったなあ、と思ってしまいました。
続編が出たらちゃんと予約購入します。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
すげえ人。
しかも、九割男性。ええー? そんなに男性支持のアニメだったっけ?
思いっきりオタク臭が漂う会話を背後で聞きながらの鑑賞でした。いやあ、エンドロールが流れても誰一人席を立たない辺り、オタク層がアピールされてるなあ。
感想からいえば、わりと普通でした。
序はノスタルジーかつ映像の新化というわかりやすい味付けをされていただけに、「おお、使徒がかっけえ」とか「シンジ君が前向きだ」とか、純粋に楽しめたんですが、演出に関しては別に目新しいものはないかな、という感じでした。
やっぱり何が楽しいかっていうと、耳慣れた音楽が流れたり、見慣れたシーンが出てきて「おお」と思える部分であって、それ以外の部分は、なんていうか普通のアニメなんですな。

アニメ版のキモである、登場人物全員病んでいるみたいな性格もさっくりわかりやすいものに変えられていて、話もそんな感じでした。
シンジはレイを守りたい。レイはシンジをほかほかさせたい。アスカは他人とのふれあいを知った。
そんな中ゲンドウ父たちや、ゼーレの連中が話す、思わせぶりな意味不明言語が逆におかしくって仕方がありません。
少年少女たちの裏で暗躍する大人たち、っていうのは王道でいいんですが、そこに、突如現れるテレビ版テイストっていうのが、凄くちぐはぐな感じがしました。

凄く感じたのが、オタクでもライト層を狙っているというか、オタクじゃない人向けなんだろうなあ、ということです。
病的な部分を省いた話運びもそうですし、選曲も、翼をくださいとか、今日の日はさようなら、とか連続で使われたときには、正直いわゆる厨二病っぽい演出だなあと思いましたし。
ライトユーザーだったら「おお、わざわざここでこんな曲が」と思えるんでしょうが、私のようにただれたオタクから見ると、「クドい!」と思えるほどの演出でした。
クドいというか、如何にも過ぎるというか。
ボーカル曲で、しかもオリジナルではない曲、あえてメジャーな教科書に載っているようなものを多用するのは、ちょっと諸刃ですなあ。

話やキャラクターそのものはもうテレビ版とは別物なんですが、最後にとあるキャラクターが「今度こそ君だけは幸せにする」と言ったときに、一瞬、「これは一種のループ世界なのかな」と思ったり。
いや、その台詞が次で回収されるかどうか知ったことじゃないんですが(放置されてもおかしくないし)、見ていてアニメ版の世界、終わりはそれはそれであったこと。その上であのキャラクターが上記の台詞を言っていたら、これはこれでまた、どうとでもオチがつけられそうだなと。

話そのものは、凄くわかりやすかったので(ボーイミーツガール的な)逆に「序」よりはお勧めかな、と思いました。


『僕のピアノコンチェルト』
原題では、『VITUS』(ヴィトス)という主人公の少年の名前なんですが、そっちのほうが良かった。
確かに彼は神童であり、若くしてピアノの才能をもつ天才なのですが、でもこれは天才として生まれてしまった彼の行き方の話であって、別にピアノが主役なわけじゃないので。
彼は確かにピアノをひくのが天才的に上手いですが、情熱的なまでにピアノを愛するのではなく、彼の生き方の延長線上にピアノがたまたまあった、だからこそ彼自身のアイデンティティとしてピアノが必要だった、という位置づけのような気がしますので、なんだろう、押し出すのは彼の生き方であって、別にピアノそのものじゃないというか。
わかりやすくいえば、別に音楽映画じゃないので。
ピアノ目当てで見る映画じゃないと申しましょうか。
天才少年が抱える悩みや、個性。
それを取り巻く家族や周囲の人々。
期待を寄せる中朴訥にひたすら孫を友人として愛した祖父や、ヴィトスが関わってくる、人間たちの物語でした。

特に、常に支えになっていたおじいちゃんが泣けます。金もない。家も天井が抜けそう。けれど彼はヴィトスに孫と友人というそれ以上を求めないし、彼もそんな祖父を敬愛している。
何事にもつまらなそう、教師を小ばかにするような態度のヴィトスも、祖父と体験するありとあらゆることには、感情をあらわにして喜びます。
天才なのに、事故により凡人になってしまったフリをする彼が、こらえきれずにピアノをひくのも、祖父の家。
勿論祖父はそれを誰にも言いません。彼の生き方を尊重する態度に、愛情ある大人の姿を見ました。泣ける。

個人的には深く感動したわけではありませんが、淡々として、変にお涙頂戴じゃないのが良かったです。
ヴィトスも結構いい性格してますし、脳みそが天才なだけで、性格そのものはちょっとおませな12歳、という感じでした。
スイス映画ということで、周囲の美しい景色と、流れるピアノ演奏は必見。
ちっこい手でどうやって撮影しているのかな、と思いきや、なんと当人が天才ピアニストだそうで。
………才能ってのはもう絶対生まれる前から決まってるよね。


『4分間のピアニスト』
思い題材を詰め込めるだけ詰め込んだけど破綻している、ような映画でした。これこそ音楽を引き合いにだして欲しくないなあ。
殺人の罪で投獄されている少女。
過去にナチスと、同性とかかわりがあった堅物の老女が、少女のピアノの才能に気づき、ピアノをひかせていく。

老女は堅物で己の価値観を少女に押し付ける。
少女は粗暴で看守に暴力をふるい感謝の気持ち一つない。
そんな人間たちが奏でる音楽を、美しいとは私は思えません。
少女の天才ぶりをアピールしたいのか、後ろ手で手錠をつけたままピアノをひいたときは、失笑でした。
天才は、音楽に詳しくない私から見ても美しいと感じられる音色を奏でるから天才なのであり、だからこそ、弾き手の人格が破綻していても許されるのでしょうが、この映画の音にはそれがない。
自分勝手な主張ばかりが前面に出てきて、音楽を題材に選んだ意味がない。
魂のぶつかり合いや、クラシックだけが全てではないと爆発するような表現の音が嫌なのだ、ということではなくそこに、音楽としての魅力が微塵もない時点で、私にとって、主要人物が主張する全てが腹立たしいだけでした。

まあよくもこんだけ、感情移入できない奴らばかり集めたものだなあ、というのが正直な感想です。
個人的には少女の才能云々なんてどうでもよく、一連の刑務所内での経過や、人生は、実際に殺人を犯し、他者に暴力をふるう人間が、自ら招いた結果にしか見えませんでした。
老女もそうです。少女以上に自分のことしか考えず、慇懃無礼もいいところで、堅物という殻で包んではいますが、かなり非常識で他者に対する礼を失しているようにしか見えませんでした。変に人格者面しているところがより腹立たしいんだよなあ。
自分の娘と関係を持ち妊娠させた父親と、よくもまあ普通に再会させるよ。しかも平然と!
やたらに少女に、音楽は使命だ使命だと迫るシーンも、そりゃ少女じゃなくても「知らねえよ!」と言いたくもなるでしょう。
少女が動の暴力ならば、老女は静の暴力です。私は少女よりも、この老女が本当に不愉快でした。
別にそれを感動の物語にしようとはしていないのはいいんですが、こういう不愉快さしかない映画を見たいとは思いません。
老女が天才教師である場面も、少女が天才的な才能をもつ場面もない。練習風景も殆どない。
まだお約束ならお約束で、どれだけ堅物な考え方を老女が押し付けても少女は自らの音楽を失わなかった、ならまだよかったんですが、彼女の中には最初から音楽はない。ただ自己主張があるだけなのです。だったら別にもうピアノが出てくる必要がない。

重い、暗い、ならまだしも、不愉快は生理的にどうしようもありませんでした。
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