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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『バーレスク』
大変面白い映画でした。
ショービジネスの世界での、しかもサクセスストーリーをメインに据えていて、ここまで後味爽やかに誰も悪役がいない状態で終わらせる作品なんて始めて見たよ…。
誰もジャンキーになったり、強引に地上げする悪徳不動産屋とかいないんだもん。

内容は田舎から出てきた才能のある女性、アリ(クリスティーナ・アギレラ)が、テス(シェール)の経営するBAR「バーレスク」でスターになっていくという至極単純明快なもので、そこにちょっとした恋愛要素あり、歌あり、踊りありといったサービス満点の映画になっております。
話は実際大した事ない、というか、多分メインはクリスティーナ・アギレラ(私この人全然知らないんですがかなり有名な人らしいですね)の抜群の歌唱力に、ボディバランスなんでしょうから、それを楽しめれば充分ではないかと。
個人的にはテスを演じたシェールの抜群のエロティックさ、歌唱力に倒れそうになりました。

話も、アリをねたむそれまでのスターダンサーとか、アリにちょっかい出してくる不動産屋とか、色々悪役的なポジションもいることはいるんですが、別に誰も彼も悪人じゃないので、見ていて大変気が楽です。
特に不動産屋も、テスの店を買おうとはしていますが、それこそ法外な値段を提示してますし、別に裏で何か悪い事やってるわけでもない。
アリにちょっかい出すのは「出来る」男のステータスであって、ちょっかいは出しても別にアリと肉体関係を持った風でもない。
それでアリを見限るわけでもないし、アリを新聞記者に紹介したり、コンサートスタッフに紹介したりと、あくまで「金持ちのできる男が田舎娘を援助している」っていう、アメリカ的由緒正しい金持ちの流れを系譜しているので、個人的には好感度非常に高かったです。

この場合、肉体関係のあるなしは関係なくて、ただ、バーレスクっていう自分を救ってくれたステージに愛着があってそれを守りたいアリと、ビジネスとしてバーレスクが建っている土地が必要である不動産屋では、生き方が違ったから親密にはなれない(恋愛関係なく、人間関係の延長上として)だけであって、バーレスク存続後は普通に、不動産屋はお客として店に来てるんじゃないかな、くらいの大人の関係でした。

脇を固める俳優陣もまた渋くて、出ました、全国のハゲファン必見のスタンリー・トゥイッチ! 「ターミナル」や「アメリカ版シャルウィーダンス」で有名な俳優さんですが、今回もゲイの舞台担当を好演。
若い主人公カップルにちょくちょくいいこと言ったり、テスの精神的な支えになったり、それでいて自分の恋愛はその場限りだったりして、なんだこの色っぽいハゲは。

比重としては、歌と踊りに8割、物語2割程度の位置づけで見れば充分なんじゃないかと思います。
ルブタンの足首折れそうなヒールとか、女性の体をなまめかしく見せるこれでもか、な舞台衣装とか、鍛え上げられた女性ダンサーの見事な動きとか、それだけでも眼福ものでした。

ただ、一つ難を言うのであれば、このDVDチャプター選択もできないんですが、どうなってるんですか。何処だ発売元。今時チャプター選択もできないDVDなんて見たことねえぞ。
そして、英語訳がなんか変…。私英語が本当に出来ないので、これが、といえないのが辛いんですが、それでも日本語版聞いて、英語の音声聞いて、字幕見ると「??」となる部分非常に多かったです。しかも、ミュージカルシーンで、店の女の子の名前を次々紹介する場面でされてなかったり、と、結構肝心なところがおかしくなっているのが残念でした。
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