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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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オンライン書店BK1
を、利用し始めてしばらく経ちました。
確かに、値段の面ではキャンペーンもあってお徳なんですが、実際の使い勝手となると、どうも密林より数段劣るような気がします。
まず、検索機能が死ぬほど弱い。
普通に発売日前の予約で、書名を入れてもヒットしない。仕方がないので、新刊予約の欄でわざわざ見つけて注文。それでもひっかからない場合は、作者で検索して発見。それでもなくて、最終的に、既刊のリンクに飛んで、関連書籍で見つけて注文………って、お前それどんだけ手間だと、心底思いました。
予約だから引っかかりにくいのかなあ、とも思ったんですが、これ、発売されている本でも同じだったので、純粋に機能が弱いんでしょうね。
実際在庫がなくて、とかそういう理由ならまだわかるんですが、やっと探し当てた挙句、24時間以内に出庫しますよ、とか書かれていると、お前なんなんだよ、と思いたくなります。

で、注文のまとめができないのも、私的にネックです。
私の場合、発売日当日に欲しいという欲求がないので(あれば、大体通販では買わないと思う)本などの細かい注文、具体的にいえば、1500円の送料無料に満たない商品は、全部まとめて注文したいので、それができないのが面倒なんですね。
密林の場合、勿論発送手続きに入っていれば別ですが、そうでない場合(ギフト券などを使っていた場合はまた別)は、ぽんぽん、後から他の注文もまとめられたのです。
何度も宅急便の人に来てもらうのも面倒なので、送料無断の金額に、単品で達していても、発売前後にまとめる、とかよくやってました。
BK1の場合、とにかく一度商品を注文してしまうと、後から、「これも忘れてたから追加」とか、一切できないので、結局、送料無料にならない、450円の本が、ぽつんと残ってしまうとか、そういう事態に陥るわけです。
まあ、自分が悪いといえばそうですし、一冊だけなら本屋で買うとか、それこそ発売日が気にならなければ、次の機会にまわすとかすればいいんですが、これちょっと不便かなあ、と思いました。
金額ならBK1。利便性なら密林、という感じですね。使い分けるならば。



こんだけ熱い羊一族から、何故ムウが生まれたのか甚だ疑問です。
いや、まあシオンの師匠は別に羊じゃないんですが。
シュラの次は、美老人、ハクレイが逝ってしまわれました。
現役聖闘士の役目はそれほどなかったので、次巻に期待、というところでしょうか。
そして、カノン島で、メデューサの盾をかじってたのが、もしかして蠍座ですかーッ!?
私一瞬「あ、双子座はここではワイルド路線なのか」と思ってしまいましたが(髪形で)。
何処までいっても、蠍は蠍ですね。超安心しました。
………と、その後拍手でコメントいただきまして、かじってたのは、やっぱり双子座とのことでした。
そうか、あれは蠍じゃなくて、黒い方の双子だったか………。
スペシャルサンクスの奥付で、何故か、牛の弟子たちがフューチャーされていて悶絶しました。ロン毛、髪の毛にトーンの線の細い弟子が、牡牛座の聖衣を着ている様は、物凄く新鮮で萌えた………!
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『あやかしびと』
私がプレイしたのは、PSに移植されたベスト版です。エロシーンがないだけで、特別内容は変わっていないとのことですが、わりと、この設定ならば別にエロがあってもなくてもという印象なので、話の区切り方が不自然だとは思いませんでした。いやあ、PSの時代は、いきなりどうしましたみたいなカットのされ方をした移植作品とかいっぱいあったもんですが。


システムとしては、基本ノベル形式なのでボタンを押せば進みます。このゲーム、個別ルートに当然分かれていますが、特定のキャラクター三回落さないと最終的なEDが見られないという、昨今の物語重視のゲームにはありがちな仕様になっているので、スキップは非常に重要なんですが、何故かEDロールが完全に飛ばせません。お前………EDロールが毎回趣向が凝らされているならともかくとして、そうでないならば、ただの苦痛だということをわかれ………。

他にも、既読スキップが文章そのものではなく、ルートやシーンごとに認識しているらしく、明らかにこの文章見た、というものでも、スキップが適応されない、とかざらにありますので要注意で。

物語としては、特別ハードではない戦闘モノ、という感じでした。元がエロゲーだからなのかわかりませんが、基本的に、女の子と恋愛していくには、という感じの物語なので、あまり展開のハードさや、謎が解明していくスッキリ感、などは感じられません(多分よく引き合いに出されると思いますが、Fateみたいな、恋愛いらねえだろ、というスタンスのゲームではない)。
登場人物は、過去はあっても別に謎はないので、わりと平坦な目で見られると思います。純粋に、性格の好みでプレイヤーが好き嫌いになれる、という感じですね。勿論顔も。

絵に関しては、それほど高いレベルとは思えません。汚いとは思いませんが、背景一つとっても魅力的、とかそういうレベルではないし、とにかく主人公がブサイクなのがどういうことなのかと。スチルも結構酷いですしねえ。戦闘シーンそのものはFateの方が、スチルの見せ方としては上手だし、恋愛スチルは基本酷いので、絵に関しては辛い評価です。
元々、なんだろう、それほど万人ウケしそうな絵柄ではないんですが(男性向けエロゲーデザインではありませんが)、それに止めを刺すかのように、ありえないボンテージとか着ている暗殺者には倒れました。なんだあのデザイン………荷物ガムテープで梱包してるんじゃねえんだぞ。
セクシーなのは女性暗殺者としてあって当然のお約束で、私だって女性のエロい衣装と姿は大好きですが、なんかもう、とにかく、出てくるキャラクターの衣装デザインがダサいのが気になりました。
主人公たち主要人物に、制服以外特別な立ち絵がないのも、最初は気になってはいたんですが、むしろ私服があんなデザインだったら、凄く泣けるので、今となってはオッケーなのかもしれません。ただ、この制服のデザインもなあ………(以下略)。


個別ルート紹介。落とした順。
刀子。
彼女のルートはもう、奴の兄貴が正ヒロインとしか思えないデキでした。彼女自身は割りと、奥手なんだけど真っ直ぐで、まあ色々あったんだけど、それでも主人公には嫉妬、みたいなわりと個性に波がないタイプだったので、別に嫌いではありませんが。
主人公が肩を叩こうものなら、そのまま関節をきめて投げ飛ばす武闘派です。
実の兄との絡み、というか正体というか、(以下、ネタバレにつき反転)兄と体を共有しており(精神もばらばら)、どちらかが必ず消えなければならない制約があるので、「どちらを選ぶのだ」という選択肢が現実的に常に側にあり、前向きに苦悩しているのは好感触。
自分より、兄のほうが残っていたほうがいいという刀子。けれど、主人公を好きになり、自分も生きていたいとあがく。兄は兄で、自分は考えなしで幼い頃自分ばかりが現実に出てきてしまっていたことを悔やみ、妹の幸せも願っている。何より主人公は妹の恋人であり、兄の友人でもあるので、苦悩するわけですよ。どっちも取りたいわけで。勿論落すのは女キャラクターなわけですから、どっちが最終的に消えるかは明白なんですが、それでもどちらにとても幸せな結末は、というのがこのルートの見所ですね。
最終的に、兄は敵との戦いでおのれの精神を消耗し、存在できなくなって消えるんですが、そのときの扱いはもう、妹のヒロインの座、完璧に奪う勢いでした。
「悲しくないわけじゃない。けれど、悲しいと思える今こそが幸せを求めている」みたいな。お前、どれだけピュアっ子だよ。
消えたと思った兄が、敵の体内から出てきたときもカッコよかったですしね。

実際、三つほどあるEDのうち、一つは転生EDなので、未来は想像がつくかもしれませんが、これがまた、他のキャラクターともEDで絡んでくると、お前それでいいのかという気持ちにはなります。


逢難ルート
刀子ルートから派生する、いわゆる敵との恋愛EDってやつですね。二つEDがあって、まあそこに行き着くまでの過程も、主人公の恋愛云々というよりも、「こういう生き物が、こういう感情を持ってくれて嬉しい」というような愛着EDなのが、潔い感じでした。そりゃ、その直前まで刀子といちゃいちゃしていたのに、いきなり横恋慕されてもなあ。
わりとツッパリ小僧の逢難が可愛いですし、ルートとしても短いので、さっくり見られると思います。
EDのうち、共に悪を滅ぼす、というようなEDの方が好みです。まあ、私はあまり転生ものに興味がないので。
もう一つになると、逢難が転生して、そして、ある人物と出会い、という感じになるのですが、息子に過去の女を取られたとも思える主人公の立場はどうなるのだ、と真剣に思いました。
いやあ、しかし、あいつは生きていてももう一回生きても(笑)立場として常に美味しいですね!


トーニャルート
ツンデレっていうんですかね。別にツンツンしてませんが。物言いが厳しいだけで、わりと普通に常識人です。ああ、クーデレっていうんでしたっけ。いや、別にクールでもないなあ(なんだって?)。しっかりしてる子、という感じです。こうしてみると、わりと女性キャラクターの性格ってはっちゃけてない子が多いんですね。
サブにはいますが、いっぱい、力んでる子が。
彼女は、オタクドレッドヘアで声は炎の守護聖というとんでもアニキ、ウラジミールとセットで可愛かったです。つうか、ウラジミールはお約束といえども、お前泣かせすぎだろう………! トーニャを庇うシーンはそうでもなかったんですが、「これしか持ち出せなかった。こちらを大切に持って俺の手紙は捨ててくれ」とか、お前、どんだけ………!
そして、ネタ要因でしかなかった、愛野狩人が輝く瞬間でした。死ぬとすぐに再生をしてしまう体を武器にするなって、お前って奴は!
一乃谷兄貴もてれ顔満載ですし、主人公の師匠も自己完結していてカッコイイ(苦笑)し、わりとトーニャと主人公の恋愛はどうでもよく、トーニャを取り巻く連中たちがカッコイイ、という感じのルートで満足でした。主人公の影が薄いとしても、嫌でも他のルートを何回も通る羽目になるんだから、濃くなります。


薫ルート
病院の先輩であり、優しいお姉さんであり、現在主人公抹殺の隊長。転職しすぎです。きれいで強いお姉様というには、あまりに弱々しいので、初手から萌えから外れました。お前には色々な意味での強さがない。にも関わらず毅然とした態度が萌え、という奴なんでしょうか。でもそれは、震えながらも任務を遂行するから萌えるのであって(以下延々と続く)。
まあ個人的には、それを擁護する部下っていうのも結構気に入らない(おい)ので、九鬼(主人公の武術の師匠)も相乗効果で評価が低くなりました。気の毒に(お前がな)。
にも関わらず、このルートをメインヒロインの前に何故持ってきたかというと、腰砕けボイス白虎を持つ加藤先生の出番が一番多いと聞いたからです。私は欲望に忠実な主義です。
で、結果としては正直期待しすぎてたかなあという感じでした。主人公の恋愛話としてはぬるいし、物語としての盛り上がりは、まあ普通というか。前のトーニャルートのほうが、クライマックスは盛り上がったなあ。
加藤先生も何か個性がよくわかりませんでした。外見は日和見タイプだけど中身はそんな感じでもなく、わりと普通の人でした。人生に絶望とか飽きてる感じじゃないし。へんなタラシ要素も中途半端…というかそういうのは愛野狩人だけで十分だ。
変なボンテージの姉さんとくっつきそうなのもなあ。変な女とくっつくとその男の価値が下がる。
でもこのルート、鴉天狗の鴉さんが超カッコよかった~(外見執事のお爺さん)。九鬼との対決で死を覚悟したとき、
「千年の長い人生、飽きたことなど一度もないというのが、私の誇りだ」
と言われた日には、結婚を決意しました(一方的に)。
あ、忘れてた。薫の部下の公安のスパイである、外見はお世辞にもハンサムとはいえない、猫背の比良賀もカッコよかったです。現実主義で。キレてなくて、キレてる連中の中での常識、いや現実の砦というか。頭もかなりキレるんですが、他者に外見のせいでさげすまれることも多いのに、意にも介さない意思の強さがカッコイイ。
加藤先生が普通だった分、鴉さんで補給できたという感じでした。元々九鬼さんはさして好みでもないので。


すずルート。
最後の王道ルートです。それまでにヒロイン三人をクリアしなければいけないのですが、それにより、結構もう飽きてきたんですが。まず生意気な小娘というだけで、個人的好みからいえば、その人の心情を追いかけたくもないというか(致命的)。このルートのEDの中で一つ、妖怪変化EDがあるのも見えてきてしまいますしね。九鬼さんの末路と、逢難EDを見るとね。
印象としては、何かあったっけ、という感じでした。結局他のヒロインに比べて、わりと中盤で「戦力」としては脱落してしまうので、最後はなんのためにいるのかわからなくなってしまうんですよね。しかもすずは、もう最初の設定からして、他の誰と結ばれようとも特別な存在であることは、変わらないというデフォルトヒロインの立ち位置なので、主人公との関係が特別変わることもないですし。
記憶を失ってしまったすずのために、奔走する主人公、くらいまではわりと普通のギャルゲーとして楽しめたんですが、ラストに進むにしたがって尻つぼみ、という感じでした。
結局、九尾の狐関連の話って、刀子先輩のルートが一番充実していたんだなあ、と。すずはその話そのものは全然メインじゃありませんし。
九鬼先生の復讐にも一区切りつくのかと思いきや、最初から最後まで決着つかずで、後味悪い感じでしたが、それはそれとして、幽界で、主人公と二人並んで、最後「それじゃあ、行ってくるか」「何処へ?」「そりゃお前決まってるだろう、地獄にさ」のくだりは、ちょっと泣けました。
個人的には、妖怪や半妖怪になっちゃうルートよりも、最後まで人間(というか半妖)として戦い(そうなると、戦闘のオチは薫ルートと同じになっちゃうんですが)、九鬼先生も人間としての記憶を取り戻して、一番最初にお世話になったおじさんに、お金を返しに行く、というEDが一番感動しました。

総評としては、もう少し絵は頑張りましょう(しかもギャルゲーなわけですし)という感じでしたが、ヒロインたちはそれぞれ、際立って電波な個性があるわけではないので、万人に受け入れやすいかと思いました。
キャラクター順位。
鴉>越えられない壁>ウラジミール>比良賀>一乃谷兄>トーニャ>逢難
という感じでした。あとは大体押しなべて同じ。ドミニオン(主人公を追いかけてくる、人妖専門の殺害機関)の兄弟とかも、もう少し主人公以外と絡みがあれば嬉しかったんですが。
鴉は近年まれに見る美老人で、超萌えました。格好は執事(というか運転手)だけど別に執事じゃない、バリバリ武闘派っていうのがまた………! 年齢差1000歳とか平気でいけると思った瞬間でした。
『大琳派展 継承と変奏』
見に行きました。上野まで。
いつも付き合ってくれる知り合いが、仕事が忙しいということで、無理かなあと思っていたが、「急に著者がゴネやがって仕事がなくなった」とやさぐれたメールが来たので、無事に鑑賞することができました。
「寒い」
知り合い「えーそう?」
私「寒いよ! 寒い! ババシャツ着てるのに寒い! それなのにスカート、上七部袖とか、お前それは私に向けての挑戦か!」
信じられません。寒くて倒れるかと思いました。
上野の東京国立博物館特別展示だったのですが、私は上野に全く詳しくないので、震えながら知り合いの後を着いて行くことに。
会場も大きくてとても立派でした。旧館と新館があって、こっちは大きいほうで、隣にある『国際こども図書館』も、とにかく建物がきれいなんだよ、改装工事に安藤忠雄が関わって、殆ど木なんだけど、階段とか凄く素敵であそこも一度中をしっかり見てみたい………と、仕事が中途半端に終わったために、テンションが振り切れている知り合いと、たどり着いてみれば、黒山の人だかり。
公式サイトで、混雑時間なんて欄がある時点で、嫌な予感はしていたんですが、案の定でした。元々私は大きな展覧会などに行ったことがないので、一般展示物のときも、これほど混んでいるのかは知りませんが、それにしたって凄かった。
外国の方もいらっしゃいましたが、一番驚いたのが、若い方も結構いらっしゃるということ。ご年配の方がいるのは、まあ驚くに値しないのですが、お前、何故みたいな外見の人も大勢いました。いわゆる、チャラ男系ってやつですね。明らかに学生さんもいれば、カップルでいらしている方もいて、理由もなく嬉しかったり。でもやっぱり、展示物をじっくり自分のペースで見るには、もう少し人が少ないほうが嬉しいなあ。

私は元々美術史は、好きですが全く詳しくないので、どれも興味深く見られました。一番有名だと思われる、「雷神」「風神」の絵も、尾形光琳から、俵屋宗達、酒井抱一まで並んで展示されているので、比べて見られます。個人的には、俵屋の絵が一番好きですが、図案と個性、そして構図によって作品の色は全く違ってくるものです。
彼らは「派閥」というより、一種のデザイナーズブランドというか、いいものはいいのだから、どんどんいいもの作ろうぜという、わかりやすいスタンスの元、「似たようにインスパイアして作った」のですから、オリジナリティがないと言われるかもしれませんが(実際、そう言っている人がいたんだよ、展示会場で)同じテーマ、同じ静物を見ても描く人によって違うように、全く違う作品として個人的には見られます。それこそ、雷神、風神が三枚並んでいたとしても、目は同じには捉えないわけですから。

個人的には、鈴木基一の「桜・椿図屏風」が一番好きでした。それほど大きくないのですが、金の台紙にぱっきりとした図案が映えていて、見ごたえ十分です。鈴木氏の作品は、ぼやぼやしたものよりも、公式サイトにある、「夏秋渓流図屏風」のように(これがまた、構図が物凄いんだ)、色彩がはっきりしたものが多く、まるで洋画のようでした。日本画ですが、どことなく西洋画を思わせるものも多くあり、なんかもうその「モダン」さに、結局文化の水準ってこの頃にはもう決まってしまっていたんじゃないのかとしみじみ思ったり。
あとは、酒井氏の「夏秋草図屏風」ですね。これは、光琳の雷神、風神図の裏側に位置するもので、雷神の裏側の草は雨に打たれ、風神の裏側の草は風になびいている、というとんでもなく凝った絵なのです。
他にも、銀の月が光を透かすと浮かんで見えるとか、言われなきゃわからない懲りようを見ると、「芸術家のこだわりだなあ」と思いました。こだわりというか、俺だけがわかってるおちゃめ、というか。
酒井氏は全体の作風が、受けやすいというか、ナチュラルな感じが強いものが多かったようです。その自然体さが個性というか。

他にも、陶器とか、漆器とか、着物とか色々あります。硯箱なんて、「俺、光琳の硯箱持ってるんだぜ」が、ステータスになるのがよくわかります(笑)。
他にも、着物の図の屏風(着物がかけてあるような図になっている)のおしゃれっぷりは、現代に通じるものがありますね。色彩も古臭い、ということは全くなかったです。

光琳だと、「銹絵布袋図角皿」と「銹絵鶴図角皿」は良かったなあ。筆でさらさら、っと描かれた図なんですが、「こんなに気持ちよくいい線がひけたらもう何も要らないよなあ」と、絵への憧れが無駄に強い私はしみじみ思いました。迷いのない筆一本で書かれたただの線が、人を魅了する力がある、っていうのが不思議ですね。

とにかく、人さえいなければなあ、というその一言につきますね。土産物屋は展示以上に人が凄かったですし。
展示物が多いので、二時間でぎりぎり全部見られるか、くらいです。四時に現地に着きましたが、見終わったのは閉館ギリギリだったので。
16日で終わってしまいますが、お時間あれば是非に。
これだ、というお目当ての作品を見るのもいいですが、それ以外の作品もお勧めです。

知り合いが、「BRUTUS」という雑誌で特集していた、と、その雑誌を見せてくれたんですが、この特集はよくできてる!
これを、締め切りのある雑誌でやっている、っていうところがまた………! こういう仕事が出来るプロの編集者って、物凄くかっこいいですね。

Q・金銀ヒカリものが多いのはどうして?
A・琳派の多くがお金持ちの出身だったから。中略江戸時代の『花より男子』、F4と呼びたい王子様集団なのです。中略金銀を使うことなど何ほどもない日常です。脅かそうとか、エラぶろうとか、考えたこともない。「オレ、金好きだし」。その方の力の抜け加減が、キンキラなのにくどさや嫌味を感じさせない理由なのでしょう。

これで興味を抱かない読者があろうか。
頭のいい人なんでしょうなあ。
読者に対して、現実的な実例をあげる際には、「元ネタがわからなくても例えがわかる」ようにしなければならないし、「わかるひとが読めば勿論おかしい」作品でなければならないし、で、その中で『花男』を選ぶこの編集者さんのチョイスが絶妙だと思いました。
全体的にわかりやすい、砕いた文章が物凄くわかりやすかったです。
実際の展示物の説明もこれくらい噛み砕いて欲しい。(数点ありましたよ、何言ってるのかわからん説明文が)

物事って言うのは、何がきっかけになるかわからないものですから、より多くの人の目に触れる「雑誌」は、これくらい、読みやすいものであると嬉しいです。(ちなみにブルータス10月号です)
『ミスト』
衝撃のラスト、と好評価なので見てみました。
結果として、ホラーものの楽しみ方がよくわからないという結論に達しました。
確かに後味悪いっちゃあ、悪いんですが、そこになんていうか、知らない上で最善を尽くしたのに絶望、みたいな、どうしようもならない悲壮感みたいなのものを、感じなきゃいけないんだろうけどくらいの感想でした。パニック映画とか、ホラーモノに耐性があるんでしょうか。虫や、よくわからない謎の生物のグロさとか、契れた胴体とか、純粋にスプラッタな部分は、スプラッタとしてちゃんと見られるんですが、逆に、そこにストーリーが絡んでくるのが、おかしい、と思ってしまうのは、ホラーに慣れていないからなのかもしれません。
未知の物体Xが絡んでくると、それだけで、「がっつりフィクション」という気分になってしまうからかもしれませんが。


『サスペクト・ゼロ』
少なくとも、『セブン』は越えてません。強いて言うなら『Xファイル』。しかも、『Xファイル』を見たことがない私が想像する『Xファイル』です。
アーロン・エッカート祭りFBI役。わりと惜しいなあ、というスタンスの映画です。つまらないわけじゃないんだけど、これも別にサスペンスでもなければ、ホラーでもなんでもないなあ。
これ、結局「遠隔透視能力」という、トンデモ能力があること前提なので、まずその手の超能力が駄目な人は当然駄目ですし、その能力者である、ベン・キングズレーの演技は素晴らしいものの、彼に食いついていけるほど、アーロン・エッカートの役柄が魅力的ではない。
最初、殺人犯と思われていた、ベン・キングズレーを追い、猟奇的な振る舞いや、住んでいた場所の異常さだけを見れば、『羊達の沈黙』のようですが、そうではない。
キングズレーは、透視能力で殺人犯や、被害者の声をきき、捕らえられないFBIの代わりに、殺人犯を始末します。その映像(というか気配)にシンクロするアーロン・エッカート。
最終的に、ギングズレーとエッカートの間には、ある種の信頼関係が生まれ、「サスペクトゼロ」という、証拠も動機もルールも残さない殺人犯を追い詰めるのだが、というが大まかなあらすじなんですが、このサスペクトゼロがまずいらない。
結局、ほぼ主役である、キングズレー演じる、透視能力者が最後、「疲れたから殺してくれ、この風景を千回は見てきた」とエッカートにすがるんですが、それならそれだけでいいと思うんですよね、主題。
見たくないのに見てしまう、精神がどんどん傷ついていく、キングズレーが「自分と同じ能力を持つ」エッカートを見つけ、自らの結末をゆだね、自分が関わる犯罪にくわえさせた、という、いわゆる仲間意識から生まれた一連の事件であったほうが、もっと、透視「できてしまう」人間同士のつながりが描けたと思います。
キングズレーは同族として、エッカートにかかわりを持ちたがり、エッカートはそれでもFBIとして、相手が人殺しといえども殺人を犯したキングズレーと「同じ」にはなれなかった。
サスペクトゼロという、常人には捕まえられない犯罪者を捕らえられるのは、超常の力を持つものだけだ、とキングズレーが声高に主張したい、それが主題なのであれば、逆に最後は、キングズレーは「自らの目的をエッカートによって果たした」満足感を得られなければいけないわけで。

視点が散漫になってしまったのが、残念だったかなあ、と思いました。
エッカートが最後まで組織の犬であるならば、最後のシーンで拳銃を撃つのも別に、ヒロインでなく、名も出ないFBI職員、名もなき警官であって欲しいですし。

キングズレーの演技は文句なしです。ある種の異常者でありながら、礼儀正しい紳士に見えるが、凄みが自然に身についている感じが、魅力的でした。エッカートはまあ役柄で損をしているというか。悲壮感にあふれるとか、思い悩む感じにしろ、激昂は出来ても、静かに狂うとかできなさそうですし。ヒロインは『マトリックス』のトリニティの人(キャリー=アン・モス)でしたが、印象そのまんまでした。


『エリン・ブロコビッチ』
よくも、悪くもアメリカ的な映画。日本ではこんなに一般人が活躍しないだろうし、まず、一般人が一般人にベラベラ話したりしないだろうし、こういう女性は「日本」では受けない。
アクティブでエネルギッシュなのはいいけど、それと態度が失礼で言葉遣いが悪いのは次元が違うだろうと思わず思ってしまう狭量な私でした。
内容としては、公害で莫大な賠償金を勝ち取ったノンフィクションなのですが、公害にある、その悲壮感などが極力削られている(あっても、エリンが自らの立場をかんがみるための、いい意味でのダシだったり)ので、あっけらかんとした気分で見られます。ただ、二時間以上は長い ………。
隣人の男性があまりにいい人すぎるのが気になりますが、まあ彼はこの映画にいてもいなくてもいいので。エリンも別に彼が気になって仕方がないってわけでもなさそうですしね。
「今まで初めて私の話を真面目にみんな聞いてくれているの。尊敬されるなんて初めてなの。仕事は辞めないわ」
………仕事ってそんなもんじゃねえけどな!(遠い目)
諸事情ありまして、更新が滞ると思います。



「ずっとお城で暮らしてる」
シャーリイ・ジャクスン (著)
ホラーミステリーというジャンルには、特別興味がなかったのですが、最近色々なジャンルを読んでみたくて、購入しました。
ページそのものも薄いですし、非常に短時間で読めました。
ホラーものですが、心理描写が、心理描写としては非常に少なめなので、そういう意味でも、人間性の描写が延々続いて読みづらい、ということはないです。
ただ、直接的な心理描写のかわりに、メリキャットとコンスタンスという二人の姉妹の生活の中心である、生家についての描写が非常に多いのが特徴的です。
一家全員砒素によって死亡した事件から、助かった伯父と姉妹が暮らす、まさに城である場所の描写、庭、敷地内に流れる小川に、自分たちをさげすむ人間が住む町の描写。そういった、普段は背景として描かれるものの描写が多いのが、かえって閉塞感を募らせて、恐怖を覚えます。
家から一歩も出ない姉は、家族を殺した殺人犯として疑われ、妹はそんな姉を守るべく、すべての人間を排除しようとする。
一人の従兄弟の来訪により、二人と、伯父の生活は破綻を迎えますが、結果的に得たものは、以前住んでいた城よりも、もっと堅固な月だった。
人間心理が物語の中心なのですが(俗に言う、事件と言う事件は起きないため)、それにも関わらず、心境が殆ど描かれないのも、曖昧さが不気味です。
以下、ネタバレになります。
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