『アナタヲユルサナイ』公式サイト
ゲーム性に関していえば、皆無でした。
時折、何故私はこんなことを程度の備考ミニゲームとか、シャッターチャンスをやらせられるくらいで、あとは延々読み進めるだけ。
選択肢的なものもありますが、たぶん読む順番が違うだけで、話の進みは全部同じなんでしょう。
推理ゲームというよりは、ADV。
依頼人の浮気調査や、素行調査からなる前編と、父親と夫の失踪が絡んでくる後半。
物語の求心力としては、先が気になりますし、私も一気にクリアしてしまう魅力があるんですが、後味が悪い。
そして、重い。
かつ、暗い。
もうねえ、クリアしてここまで後味の悪いゲームは久しぶりですよ。
これがベストEDだってんだから、もうこのゲームのシナリオを書いた人は、読んだ後に実際何を残したかったのかと。
世の無常とか、そんなもんなんですかね?
このゲームで顕著なのが、悪人は最初から最後まで悪人であり、善人は最後まで善人であるということです。
悪人が悪人を殺しても事件にはならない。
では、何が起きればそれな事件なのか。
それは、悪人が善人を殺せば事件なのです。
この不文律こそが、この物語を底辺まで重くしている要因なのです。
主人公を囲む人々は、どんどん悪人に関わることになって、えらいことになってしまいます。
しかも、至極あっさり。
下手をすると、実際に死んだ、怪我をした、なんていう「映像」はなく、文字だけですまされたりすることも、しばしばあります。
そういうことされるとねえ、もう、やりきれないんですよ。
進んでも、そりゃ結果として悪人は捕らえられるのかもしれないけれど、実際に大切な人はもういないわけですから。
このシナリオの特徴として、心理描写が徹底的に省かれている、という点も、そのやりきれない感に拍車をかけている気がします。
主人公は探偵で、父も夫も行方不明で、大切な人もどんどん事件に巻き込まれるのに、基本タフだから、なのかわかりませんが、感情のゆれ幅が小さいのです。
仕事に関して憤ることはあっても、自分を取り巻く状況で中々それが出てこない。
誤解をまねくとあれなのですが、私自身はこの手のドライ感は嫌いじゃありません。辺にグダグダやられるよりは、よほどマシです。
ただ、そういうつくりにされるともう、せめて主人公が落ち込んだり、立ち直ってくれればいいのに、その立ち直る描写すら少ないので、どん底まで沈んだ気持ちが最初から最後まで浮上できないのです。
最終的に、勿論関わっていた事件は解決するのですが、結局自分の身内のゴタゴタは、やたらに口下手な親父と夫のせいで、解決したのだかなんなのか、という不透明な気持ちのまま終わります。
もうねえ、それは正直つらい!
だって、善人が救われないのがわかってるわけですからね。
まあこれも、親父や夫の描写をいっぱいしていると、余計にラストがつらいだろうと考えた上での配慮ととらえるべきなんでしょうが………。
でも、描写があるって言うことは、その上で頑張ろう! という発奮材料にもなるわけで。
それがないと、ただひたすらもう、嫌な予感満載で進み、その通りに終わるという、それだけの話になってしまうんですよね。
これ、親父と夫が絡んでくると陰鬱な気持ちになりますが、それ以外の前半、普通に探偵として浮気調査などをしているときの物語は、中々楽しめました。
登場人物たちもこちらは個性的ですし、変態もいるし、変なしがらみもないし。
むしろ、前半のノリをずっと続けてくれて、変にスケールを大きくしなければ、『有罪×無罪』くらいな硬派なゲームになったかもしれませんね。
大体、ラスボスもスケールが大きいんだから小さいんだかわかんねえしなあ。
イラストは終始無表情で、一時期流行った都会派系の絵柄です。若干の古臭さを余計に感じるような気がしますが。
システムは特筆するようなものはなにもありませんが、中途セーブをしても、結局ロードされるのはそのチャプターの最初から、というわけのわからないクソ仕様はどうにかしてもらいたかったところです。
だったら別にセーブいらんだろう。
メッセージスピードも変えられませんし、他にこれといった機能がないのであれば、せめて読み進める機能くらい充実していても良かったですね。
物語としては中々面白い。読み進める力もある。かといって、いい話ではないので、万人にお勧めするにはためらわざるをえない、というようなゲームでした。
まあベスト版でやる分にはちょうどいい、くらいなんじゃないかと。
ゲーム性に関していえば、皆無でした。
時折、何故私はこんなことを程度の備考ミニゲームとか、シャッターチャンスをやらせられるくらいで、あとは延々読み進めるだけ。
選択肢的なものもありますが、たぶん読む順番が違うだけで、話の進みは全部同じなんでしょう。
推理ゲームというよりは、ADV。
依頼人の浮気調査や、素行調査からなる前編と、父親と夫の失踪が絡んでくる後半。
物語の求心力としては、先が気になりますし、私も一気にクリアしてしまう魅力があるんですが、後味が悪い。
そして、重い。
かつ、暗い。
もうねえ、クリアしてここまで後味の悪いゲームは久しぶりですよ。
これがベストEDだってんだから、もうこのゲームのシナリオを書いた人は、読んだ後に実際何を残したかったのかと。
世の無常とか、そんなもんなんですかね?
このゲームで顕著なのが、悪人は最初から最後まで悪人であり、善人は最後まで善人であるということです。
悪人が悪人を殺しても事件にはならない。
では、何が起きればそれな事件なのか。
それは、悪人が善人を殺せば事件なのです。
この不文律こそが、この物語を底辺まで重くしている要因なのです。
主人公を囲む人々は、どんどん悪人に関わることになって、えらいことになってしまいます。
しかも、至極あっさり。
下手をすると、実際に死んだ、怪我をした、なんていう「映像」はなく、文字だけですまされたりすることも、しばしばあります。
そういうことされるとねえ、もう、やりきれないんですよ。
進んでも、そりゃ結果として悪人は捕らえられるのかもしれないけれど、実際に大切な人はもういないわけですから。
このシナリオの特徴として、心理描写が徹底的に省かれている、という点も、そのやりきれない感に拍車をかけている気がします。
主人公は探偵で、父も夫も行方不明で、大切な人もどんどん事件に巻き込まれるのに、基本タフだから、なのかわかりませんが、感情のゆれ幅が小さいのです。
仕事に関して憤ることはあっても、自分を取り巻く状況で中々それが出てこない。
誤解をまねくとあれなのですが、私自身はこの手のドライ感は嫌いじゃありません。辺にグダグダやられるよりは、よほどマシです。
ただ、そういうつくりにされるともう、せめて主人公が落ち込んだり、立ち直ってくれればいいのに、その立ち直る描写すら少ないので、どん底まで沈んだ気持ちが最初から最後まで浮上できないのです。
最終的に、勿論関わっていた事件は解決するのですが、結局自分の身内のゴタゴタは、やたらに口下手な親父と夫のせいで、解決したのだかなんなのか、という不透明な気持ちのまま終わります。
もうねえ、それは正直つらい!
だって、善人が救われないのがわかってるわけですからね。
まあこれも、親父や夫の描写をいっぱいしていると、余計にラストがつらいだろうと考えた上での配慮ととらえるべきなんでしょうが………。
でも、描写があるって言うことは、その上で頑張ろう! という発奮材料にもなるわけで。
それがないと、ただひたすらもう、嫌な予感満載で進み、その通りに終わるという、それだけの話になってしまうんですよね。
これ、親父と夫が絡んでくると陰鬱な気持ちになりますが、それ以外の前半、普通に探偵として浮気調査などをしているときの物語は、中々楽しめました。
登場人物たちもこちらは個性的ですし、変態もいるし、変なしがらみもないし。
むしろ、前半のノリをずっと続けてくれて、変にスケールを大きくしなければ、『有罪×無罪』くらいな硬派なゲームになったかもしれませんね。
大体、ラスボスもスケールが大きいんだから小さいんだかわかんねえしなあ。
イラストは終始無表情で、一時期流行った都会派系の絵柄です。若干の古臭さを余計に感じるような気がしますが。
システムは特筆するようなものはなにもありませんが、中途セーブをしても、結局ロードされるのはそのチャプターの最初から、というわけのわからないクソ仕様はどうにかしてもらいたかったところです。
だったら別にセーブいらんだろう。
メッセージスピードも変えられませんし、他にこれといった機能がないのであれば、せめて読み進める機能くらい充実していても良かったですね。
物語としては中々面白い。読み進める力もある。かといって、いい話ではないので、万人にお勧めするにはためらわざるをえない、というようなゲームでした。
まあベスト版でやる分にはちょうどいい、くらいなんじゃないかと。
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