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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『ウィル・オ・ウィスプ ポータブル』公式サイト

以前、オトメイトで発売されたソフトと、『イースターの奇跡』というファンディスクが一緒になってPSP版です。
あくまで、イースターの奇跡はおまけ的な扱いなのでしょうが、そっちのほうが物語面白かったな。

このゲーム、ほぼ物語が金太郎飴です。
最初の始まりから、最後のオチまで全部一緒。
落とすキャラクターが違っても、二日目に何かが起きて、三日目に何かが起きる、のその何かがが一緒。
そこで語られることが違うとしても、過程が全員同じなので、一人を落とした時点で物語としては完璧に飽きました。
にやりとする台詞がないわけではないんですが(にやりという表現もどうかと)それにしたって、最後の感動的なシーンまで五人全員一緒じゃあ、物語として楽しめないですよ。
だからといって、作業的な要素はないので、嫌でも同じ段階を踏んで別のキャラクターと付き合わねばならず、その物語そのものが結構苦痛です。
これが、完全に作業ゲーで、っていうのなら語られない部分とかぶっ飛ばされた部分とかで、脳内補完できるのでしょうが、一応物語性のあるゲームなので、そんなゆとりはなく、ただひたすら残念な印象でした。

しかもこのゲームの既読スキップは、どうやらルート別にわかれているらしく、完璧に同じ台詞見た、同じシチュエーション見た、と思っても狙ってる奴が違うとスキップが適応されないという、どうしようもない仕様で、さらにイライラ感が増しました。
それに途中で気づいてからは強制スキップの嵐ですよ。
ここで、展開が同じだから別にスキップで見逃しても構わないだろう、と思えてしまうのも、金太郎飴シナリオの弊害でもあります。

そのシナリオに関しても、色々思うところありでして。
特別な力を持つ人形師の少女が、精霊人形たちと愛をはぐくんでいく、というのが大まかな流れなのですが、その特別な力の解明、一切ありません。
シャムロックという過去の人形師の力を受け継いでいるんだということだけで作中の人物たちは勝手に納得してしまいます。
遊んでいる側は、唐突にそんなこと言われても面食らうだけなのですが、とにかくこの少女は力があるからそれで納得してもらわないと話が進まないから、とばかりに置いてけぼりの展開に、こっちは唖然とするばかりです。
おまけに、人形はそれぞれ固有のオーナーを持っているところから始まるのですが、この必然性もよくわからない。
途中で理由があって人形たちの所有権をよこせ的な流れに絶対になってしまうのですが(金太郎飴だからね)これこそ、不思議な力がある前提であれば、不思議な力で主人公が全員よみがえらせればいいんじゃねえの? とか思ってしまいます。
バラバラで見つかる(しかも勝手に)理由がよくわからないんですよね。大体、どうやってオーナーになったのか、主人公以外一切語られないっていうのも、意味がわからないし。
結局、主人公と初手から遂になるのは、ウィルという人形オンリーなのですが、それを差し置いて他の人形たちと仲良くなる過程は、やはり不自然です。
ウィル自身にとにかく不思議な力でしか目覚められない理由があるだけに、(だからといってこいつがデフォルトヒーローという印象は全くない。金太郎飴だから)他の連中が主人公を特別とみなすのが、突如振って沸いた不思議力のせいではない(せいであってもその上で)という動機が非常に弱く、シナリオとしては正直全体のレベルは低いかな、と思います。

最終的には、フラグを上手く立てると人形が人間になるわけですが、それ以外全部消えるという、これさあ、素直にハッピーとか思えないだろう、というオチで、しかもやはりこれを五体分見るわけですから、感動は砕けました。

要所要所の台詞には上手い部分も多々あるのですが、これが作業ゲーならそれだけ抜粋することもできましょうが、物語性があるだけに、そこに行き着くまでの過程でダレる、少なくとも言葉は違えども同じシチュエーションで主人公が何に悩んでいるのかこっちが「わかっている」状態で、心に響く台詞を言わせるのは至難の業です。
言っていたとしても、白紙のままから受ける印象とは明らかに違ってきてしまいますし。

本編のシナリオが正直残念だっただけに、ファンディスク的なものはどうかなあ、と思っていたのですが、こちらはむしろ本編よりもいいできでした。
全員そろっているところから始まるので、人形同士の兼ね合いや、主人公を互いに取られまいと必死になる様子などは、それぞれの個性もわかりますし、乙女ゲームの面目躍如ですね。
残り少ない時間を、どれだけ主人公と過ごそうとするか。
その接し方に個性が出ていて、本編よりも面白かったです。
どうせ消えるのだから距離を置こうとするもの。
それでもいいからそばにいたいと願うもの。
願ったものの、叶わない夢を見てしまうもの。
この辺の、絶対に悲恋になるであろう結末に向けての個性の出し方は非常に上手でした。
ゆえに、やっぱり最終的にはオチは同じでしかも愛力かよという感じで終わっても、それはまあ乙女ゲームだからと許されるような気がします。
本筋がしっかりしていれば、多少の甘さには目を瞑れると申しましょうか。

イベントCGは時折怪しいものもありますが、全体のレベルとしては高いです。このゲームは絵が売りなので、それが駄目なら正直つらいでしょうが、これならばかなりイケるのではないかと。
立ち絵もバリエーションがありますし、室内と室外で衣服を脱ぎ着する細かな差異も、とても見ごたえがあります。

個人的には、オプションでイベントシーンなどが回想でき、かつ、男からの目線で「この時は実はこうだった。怖い思いをさせてすまない」とか思い出を語ってくれるシステムはナイス。
超萌えます。
むしろ、このゲームで一番萌えた瞬間でした。
大体において回想だと、男が後悔しているか、メロメロかの二パターンしかないので、安心してしかも余計な手順すっ飛ばして萌えが補充できるわけです。簡単だ!

キャラクターとしては、個人的には唯一物語が金太郎飴とは若干違う、イグニスはまあまあ楽しめました。デレてからの破壊力がとても笑えますが。
人形たちの性格はどれも嫌味がなく楽しめますし、個性が強すぎでうんざりする、という奴らではないので、むしろ大人のスタンスで楽しめるのではないかと。
ジルなんて、外見女みたいですが近年まれに見る常識人キャラクターでしたよ。
ルディも可愛い腹黒で楽しめますし、ウィルは言葉遣いは乱暴ですが、これも常識の範疇から抜け出さないキャラクターなので、安心して楽しめます。
実際、一番萌えてかつ笑えたのはジャックなんですが、これはもう断言できます。
理由はひとつ。
衣装萌え。
真っ黒のロングコートにタイトなスーツに中身柄物のベストという、ストイックな格好最高でした。
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