『『逆転裁判』の巧舟氏が手掛ける完全新作ミステリー『ゴースト トリック』始動!!』
『ゴーストトリック』公式サイト
私の中で逆転裁判シリーズはナルホドの崩壊と共に終わったので、気分を新たにこちらの作品は期待大です。
たった一晩の推理劇っていうのが燃えますね。
先ほど、yahooのトップページで、
「カムイ伝をまとめてよもう!」
みたいなキャンペーンがやっており、本気で「待て!」と叫びそうになりました。
私実際、CFで『カムイ外伝』を見たときも、
「ええ!? あの漫画映画化するの!? 色々な意味で放送禁止じゃないの!?」
と仰天したものでした。
すぐに「あ、外伝か………」と気づいたんですが、どちらにせよ、松山ケンイチ目当てとか、アクション映画目当てで、本家『カムイ伝』を読むのは厳しいと思います。
実は『カムイ外伝』は読んだことがないので、どういう作品なのかわからないのですが、少なくとも、yahooの口車に乗って、若いお姉さんたちが 『カムイ伝』を読むと、痛い目見ます。確実に。
基本的に、『カムイ伝』はアクション漫画ではありません。
侍に百姓、エタ、ヒニン、という差別社会の中での人々の生き様を描いた作品で、正直私も読んでいてつらかったです。
侍同士のイザコザとか、カムイ中心の忍の話題ならともかく、百姓中心の物語になると、重い以外の何ものでもないので。
拷問されて死ぬ。はりつけにされて死ぬ。火あぶりになって死ぬ。一揆の首謀者として、焼け爛れた鉛を飲む。舌を抜かれる。虫に食われて死ぬ。
漫画の半分は、それぞれの死が描かれます。生きている以上、死の描写は避けて通れないのはわかりますが、それにしても読んでいて本当につらいです。
前半はまだ、エンターテインメントとして「楽しめる」部分もあるんですが、後半に従って生きていく=苦しみぬいて殺されるみたいな図式が確立されてしまうので、後味は全くよくありません。
実家にいるとき、文庫本で全巻読んだのですが(父親購入。今にして思えば実家の本棚は本当にカオスだった)その文庫の表紙も、確か最終巻、処刑された生首が怨念むき出しの顔のまま、口を開けて並んでいる、という見ただけで目を背けたくなるような絵だったのを覚えています。(どうやら旧小学館文庫らしい。画像を探してみたんだけど見当たらなかった)
ただ、別にアクション色が強そうな映画が悪い、というわけではないのです。
前述したとおり、私は『カムイ外伝』を読んだことがないので、そちらの色はアクション性が強かったのかもしれませんし、画面から流れる迫力が重視の映画において、アクション方向に路線が変わったとしても当たり前だと思います。
原作において、殺伐としたシーンばかりが多くなるのも、これも当たり前なのです。身分違い、土と血を噛んでも生きていかねばならない百姓たちの話が、明るいわけなどないのですから、そこにほのぼの要素などはなから比重が多くなるわけがない。
ただ、それでも生活の中には笑いがあって、楽しみがあって、恋があって、とそういう要素が前半では少なからずあったのに、後半に行くに従って少なくなってしまうのが、これも至極当然の流れなのですが、当然だけにつらい、という印象が強いのです。
絵柄としての変化もあるのでしょうが(段々と線が多くなり、陰影が強くなり、頭身が高くなる)画面から出てくる迫力とはあいまって、非常に印象の強い漫画でした。
なんていうか、藤田数日郎の生首ごろん、は全然怖くないけど(あの人は人間以外の死に様は凄く生々しいけど、人が死ぬ場面はモブであろうが主役であろうが、正直あんまり怖くない)白土三平の描く絵からの人の死に様は、目が釘付けにならずをえないし、逆に思わず目を逸らしてしまう、両極端な魅力があるというか。
殺伐としたシーン以外も、非常に絵柄は洗練されていてシャープです。古臭くは全くないと思います。今風でなくても、基本上手い人の絵は見ていて飽きがこないし、実際、この人の描く女性はとにかく可愛く、青年はひたすらかっこいいので、女性には受け入れやすいんじゃないかと。
三頭身の子どもとかも、凄く可愛いですよ。顔も目もまんまるで、手足に関節がないようなやわらかい棒みたいで。この辺、やはり手塚時代を感じますね。
女性のきれいさも必見。ペンタッチが強弱がはっきりしている、ゆるやかなものなので、ボディラインはシンプルですが見ごたえがあります。
野郎どももねえ。赤目が超カッコよくってさあ。(どうしてもこういう感想をいれずにはいられない)
個人的には、赤目、一角、右近の野郎三人は当時から大好きでした。誰一人まともな死に方しなかったけどね! 特に右近とか酷かった!(泣笑)
漫画としては、話の内容も、絵柄としても一級品なのでお勧め。カラー絵も凄くきれいです。旧文庫は連載していたガロの表紙だったらしいんですが、あれ表紙だけでも凄く見ごたえあったなあ。
ただし、いずれにせよ要覚悟ということでひとつ。
そういえば、『忍者武芸帳』も読んだはずなんですが、正直あまり記憶に残ってません。なんでだろう、普通に面白かったのは覚えてるんですが………。
ただ、その頃から私は、作者が描く常にどちらかから風が吹いていないと目が見えない髪形をしている男が大好きでした。影丸………超かっこいいよ………。
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私の中で逆転裁判シリーズはナルホドの崩壊と共に終わったので、気分を新たにこちらの作品は期待大です。
たった一晩の推理劇っていうのが燃えますね。
先ほど、yahooのトップページで、
「カムイ伝をまとめてよもう!」
みたいなキャンペーンがやっており、本気で「待て!」と叫びそうになりました。
私実際、CFで『カムイ外伝』を見たときも、
「ええ!? あの漫画映画化するの!? 色々な意味で放送禁止じゃないの!?」
と仰天したものでした。
すぐに「あ、外伝か………」と気づいたんですが、どちらにせよ、松山ケンイチ目当てとか、アクション映画目当てで、本家『カムイ伝』を読むのは厳しいと思います。
実は『カムイ外伝』は読んだことがないので、どういう作品なのかわからないのですが、少なくとも、yahooの口車に乗って、若いお姉さんたちが 『カムイ伝』を読むと、痛い目見ます。確実に。
基本的に、『カムイ伝』はアクション漫画ではありません。
侍に百姓、エタ、ヒニン、という差別社会の中での人々の生き様を描いた作品で、正直私も読んでいてつらかったです。
侍同士のイザコザとか、カムイ中心の忍の話題ならともかく、百姓中心の物語になると、重い以外の何ものでもないので。
拷問されて死ぬ。はりつけにされて死ぬ。火あぶりになって死ぬ。一揆の首謀者として、焼け爛れた鉛を飲む。舌を抜かれる。虫に食われて死ぬ。
漫画の半分は、それぞれの死が描かれます。生きている以上、死の描写は避けて通れないのはわかりますが、それにしても読んでいて本当につらいです。
前半はまだ、エンターテインメントとして「楽しめる」部分もあるんですが、後半に従って生きていく=苦しみぬいて殺されるみたいな図式が確立されてしまうので、後味は全くよくありません。
実家にいるとき、文庫本で全巻読んだのですが(父親購入。今にして思えば実家の本棚は本当にカオスだった)その文庫の表紙も、確か最終巻、処刑された生首が怨念むき出しの顔のまま、口を開けて並んでいる、という見ただけで目を背けたくなるような絵だったのを覚えています。(どうやら旧小学館文庫らしい。画像を探してみたんだけど見当たらなかった)
ただ、別にアクション色が強そうな映画が悪い、というわけではないのです。
前述したとおり、私は『カムイ外伝』を読んだことがないので、そちらの色はアクション性が強かったのかもしれませんし、画面から流れる迫力が重視の映画において、アクション方向に路線が変わったとしても当たり前だと思います。
原作において、殺伐としたシーンばかりが多くなるのも、これも当たり前なのです。身分違い、土と血を噛んでも生きていかねばならない百姓たちの話が、明るいわけなどないのですから、そこにほのぼの要素などはなから比重が多くなるわけがない。
ただ、それでも生活の中には笑いがあって、楽しみがあって、恋があって、とそういう要素が前半では少なからずあったのに、後半に行くに従って少なくなってしまうのが、これも至極当然の流れなのですが、当然だけにつらい、という印象が強いのです。
絵柄としての変化もあるのでしょうが(段々と線が多くなり、陰影が強くなり、頭身が高くなる)画面から出てくる迫力とはあいまって、非常に印象の強い漫画でした。
なんていうか、藤田数日郎の生首ごろん、は全然怖くないけど(あの人は人間以外の死に様は凄く生々しいけど、人が死ぬ場面はモブであろうが主役であろうが、正直あんまり怖くない)白土三平の描く絵からの人の死に様は、目が釘付けにならずをえないし、逆に思わず目を逸らしてしまう、両極端な魅力があるというか。
殺伐としたシーン以外も、非常に絵柄は洗練されていてシャープです。古臭くは全くないと思います。今風でなくても、基本上手い人の絵は見ていて飽きがこないし、実際、この人の描く女性はとにかく可愛く、青年はひたすらかっこいいので、女性には受け入れやすいんじゃないかと。
三頭身の子どもとかも、凄く可愛いですよ。顔も目もまんまるで、手足に関節がないようなやわらかい棒みたいで。この辺、やはり手塚時代を感じますね。
女性のきれいさも必見。ペンタッチが強弱がはっきりしている、ゆるやかなものなので、ボディラインはシンプルですが見ごたえがあります。
野郎どももねえ。赤目が超カッコよくってさあ。(どうしてもこういう感想をいれずにはいられない)
個人的には、赤目、一角、右近の野郎三人は当時から大好きでした。誰一人まともな死に方しなかったけどね! 特に右近とか酷かった!(泣笑)
漫画としては、話の内容も、絵柄としても一級品なのでお勧め。カラー絵も凄くきれいです。旧文庫は連載していたガロの表紙だったらしいんですが、あれ表紙だけでも凄く見ごたえあったなあ。
ただし、いずれにせよ要覚悟ということでひとつ。
そういえば、『忍者武芸帳』も読んだはずなんですが、正直あまり記憶に残ってません。なんでだろう、普通に面白かったのは覚えてるんですが………。
ただ、その頃から私は、作者が描く常にどちらかから風が吹いていないと目が見えない髪形をしている男が大好きでした。影丸………超かっこいいよ………。
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