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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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ラスト近くの人間模様では素直に号泣しかけました。
一人で見に行ってたら泣いてたな。第三者が側にいたのでぐっとこらえましたが。
物語としては退屈させないデキで面白かったんじゃないでしょうか。
役者陣も外れがなくて、どの方も非常に安心して見られましたし。
犯人の演技も、津川雅彦さんの演技もいいし。ですが私は「岸部一徳さんのあの足の長さはなんだ。こいつファッショナブルすぎだ」と、あのおっさんにメロメロでした。何だよありかよあんな壮年。

私正直、「相棒」シリーズは全く詳しくないので、コネタとか全然わからないのですが、お気に入りの、刑事部捜査一課の伊丹さんが思いがけず活躍していたので嬉しかったです。あの強面でドジっ子で、モーターボートまで運転できちゃうんだぜ! おまけに携帯の色が白って! なんて可愛いんだ。

個人的に一番笑えたのは、マラソン会場で薫ちゃんの奥さん達を見つけたときの「あれ? なんで嫁がこんなとこ走ってんだ!?」「芹沢さんヤッホー!」の場面でした。

一つの作品としては非常に面白かったのですが、実際の謎とか物語そのものになると、結構ツッコミどころ満載です。
大体、真犯人と実行犯が二人いる理由からしてないし。謎の基点であるチェスだっていらんし。真犯人の最終目的が真相を明らかにするための行動であるならば、そこにいたるまでの全ての愉快犯的な行動が意味を成さないというか、不必要です。
数名の人間を殺す理由があったとしても、あれだけで共通点が見つかるとは思えませんし。そうなると真犯人、実行犯は警察にマークすらされないわけですから、いくらでも自由に本懐を遂げることができるんじゃないでしょうかねえ。
かつ、真犯人に残された時間が少ないのであれば、あんな小細工している場合じゃないでしょう。本命を狙って、そしてつかまるだけでも大層な事件になるのですから、本命以外の人間を殺した後、さっさと実行に移せばいいわけだし。

真犯人の行動も不可思議だし、実行犯も結局何がしたいんだか。最後、あのビルを爆発させて何をどうしたいんだ。痕跡を消したかったってことなのか? でも右京さんが「来るかもしれない」という時点でそれは駄目だろう。そしてなんでマラソンにエントリーしてたのかも意味わからんし。

とまあ、犯罪大本とか、計画そのものに関しては、オチがわりと心情的なものであるにも関わらず、穴ばっかりでした。逆に、オチがああいう形でなければ、純粋に「杉下右京への挑戦」で片付いたんだと思うんですけどねえ。


映画鑑賞後、一緒に見た人間と感想を述べ合ったりすると思うんですが、三人で見に行ったうちの一人が、そういう行動を全く取らないのに少し驚きました。
「つまらなかったの?」と聞くと「面白かった」と答えますし、私よりもテレビシリーズについて詳しい人間なので、楽しみどころもいっぱいあると思うんですが、自分から「あれこれそれが面白かった」ということを言わないんですよね。
勿論普段から無口なら別ですが、普段は普通にああだこうだとくだらない話でもよくしゃべりますし。
「こういう部分が面白かったとか、かっこよかったとか、そういうのなかった?」と改まって聞いてみたら「真犯人のあの行動で、あの場面ですぐわかったらからそれで満足」みたいな、答えなのか答えじゃないのかみたいな返事が。
結局彼女からはそれ以上映画に関する事柄は、何一つ聞くことができなかったんですが、そういう人もいるんだなあ、と少し驚きました。
映画じゃないにせよ、何らかの作品を見に行けば、面白かったにしろつまらなかったにしろ、その作品について語り合うのはいわば当然かと思っていたんですが、そうじゃない考えの方もいるんだなあ、と。
何かについて批評する際に、雄弁ではないというだけなのかもしれませんが。逆に言うと冷静なのかもしれませんね。私は作品一つに対してのめりこむというか、作品に対して某かを主張するのに慣れているせいもあるのかもしれません。
でも、どうせ「誰か」と見に行くなら、鑑賞後語り合えるほうが楽しいなあ、と思ったのでした。
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