断絶日記(な、なんてオウギョウなタイトルなんだ)
前準備。
引越しの前日に不動産屋さんから鍵をもらう。
応対してくれたお姉さんが、どうも不慣れな様子で、後ろの席の兄さんがいちいちフォローしてくれる始末。不安この上ないが、住んでしまえば管理はここじゃないので気にしないようにする。
ちなみに、KDDIはADSL引越しの際に、いつも「MDF室を管理会社に言って開けさせろ」とか言ってくるのだが、基本的に集合住宅では開けっ放しになっているか、NTTの工事の人が共通の鍵を持っているんだそうな。これ、以前に知っていればエイブルにいちいち電話しなくても良かったのになあ。念のため、管理会社に「開きっぱなしですかね?」と電話してみたところ「開けっ放しですよ」とさっくり返される始末。なんにせよ良かった。
午後になって父親がウォッシュレットを取り外すために来訪。
作業の間に父の車に、細かくて梱包が面倒なものを運び込む。ガスコンロや何かも積んで、出発。
到着後、いきなり父の建物チェックが始まる。(父親は建設関係の仕事をしております)
「おっ、エアコン新しいな」
「おっ、給湯も変えてるな」
「これ、お前の部屋だけじゃなくて隣の部屋も変えてるな」
「シンクもメーカーほにゃらら(不明)だな」
「風呂場も貼りなおしてるな」
「前に住んでいた人が長かったから、色々リフォームしたんだって」
「そうだな、総額150万円くらいかかってるな」
「リアルな算出やめて。というか、そんなにかかってるの!?」
「かかってるよ。結構な金かけてるよ、これ」
父がウォッシュレットを取り付けている間に、荷物を運びこみます。
しばらくして作業終了。
「隣の人とかの、挨拶どうしようかと思ってるんだよね」
「隣の人、外国の人みたいだぞ」
「ええ!? 何でわかるの!?」
「表札が日本名じゃない」
本当でした。
「…名前だけ見てもどこの国の人かさっぱりわからない…。欧米…ではないよね、たぶん」
「だろうなあ」
父にお礼を言って別れます。
当日挨拶に行こうかな、と思ったのですが、何分引越し当日は朝の八時代であるかもしれないことを考えて、事前に済ませたほうがいいかな、と菓子折りを持って再び来訪。
すると、ちょうどご主人を送り出す外国の方と出くわします。
赤ちゃんを抱えた女の人にご挨拶させていただくと、向こうの方も、「子供の泣き声とかうるさいかもしれませんが…」とわざわざ言ってくれました。そういうのはいいんです。全く気にならないです。むしろそういう気を遣ってくださる方が隣にいらっしゃるだけで安心しました。
赤ちゃんにも挨拶して、やっと終了。引越し当日を待ちます。
某日。引越し業者さんを待ちながら、室内でダウンジャケットを着て震える私。
すべての家電製品を引っこ抜き、カーテンすらない部屋は、どこまでも寒い。
そうこうしているうちに、アリさん到着。以前も特別不愉快ではなかったので頼んだのだけれど、今回明らかにアルバイトの手際が悪い。別に感じが悪いとか、やり方が大雑把だとか、そんなこたあないんだが、おひねりはあげられない程度のレベルだった。担当者の人が穏やかに注意(たぶん外面がいい)して、「すみません」を繰り返すアルバイトの男の子、という図式が繰り広げられる中、大家を呼ぶ。
結局立会いはなしで、「ああ、その時間ならまだ家にいるから見に行くよ」程度で話は済んでいた。
「次に引っ越すところは決まってるの?」
「決まっていないんで、とりあえず実家に戻ります」
という大嘘をついて大家と別れる。結局、年明けくらいに二万円くらい敷金から差っぴかれて入金されるよ、とのこと。
その後、原付で前のりしてアリさんが荷物を運び入れて終了。
危うく、私のエアパッキンを勘違いされて持っていかれるところだったが、それを食い止めて、ちらかった家を放置し、役所と銀行の旅へ。
区役所で住民票を移す手続きをしていると、父親から急遽電話が。
大慌てで隅っこに逃げて出ると、「和室何畳だったっけ?」という電話が。
父よ…確かに昨日、部屋数が増えたから今度照明を買うのを手伝ってください(車が無い)とは言いましたが、昨日の今日で何故貴方はホームセンターにいるのですか。
「六畳もないけど…。でもいいよ、そんなに無理しなくても」
「パン食べる?」
いきなりなんだ。(全く脈絡のない父と娘の会話)(ありがち)
「…勿論あれば食べるけど…どうしたの?」
「パン屋があるから、買って行こうかと思って」
「ありがとう」
「どんなパンがいい?」
「お父さんのセンスに任せるよ」(投げやり)
そんなやり取りの後、大慌てで警察で免許の書き換えだけ済ませて、自宅へ引き返します。
しばらくすると、パンと照明を抱えた父到着。
「これ、リモコンで着くんだよ」
カレーパン(父、好物)を食べながら得意げな父。
「なんてハイテクな。(井原家ではリモコンがある=すべてハイテクです)いいのに、そんな高いものでなくても。普通に紐を引っ張ってつけるやつで」
「それが、そういうの逆に高いんだよ。こっちの方が安かったんだよ」
ただ単に、父の視界に入らなかっただけじゃないのか(父は身長180センチ超えです)とも思ったのですが、ありがたくいただいて取り付けます。リモコンで三段階の明るさに調節できます。普通に驚く父とその娘。
「お父さん、ちゃんと電話したはずなんだけど水が出ないの」
「元栓がしまってるんだろ。どこかにあるはずだ」
「二階にあるの?」
「いや、普通は一階にある。そうじゃないと、水道の料金チェックが簡単にできないだろ」
父と一緒に一回に降りてみます。地面に埋まっているふたを開けると、そこにはそれぞれの部屋の番号が記入された元栓が。
「あっ、あったよ、部屋」
「でもこれ、開いてるなあ…」
「これ、開いている状態なの? なんで出ないんだろう」
「他の部屋と間違えてるんじゃないのか? このしまってる栓開けてみるか。お前、部屋の水道の前にたどり着いたら電話しろ」
「前に来たよ」
「じゃあ、あけるからな。水出るか?」
「出た! 出たよ、水が出た!」(クララが立った的な喜びがそこに)
「これ、元栓の番号が違ってるんだよ。お前の201号室(仮)が202号室のラベルになってて、202号室をひねったら201号室のお前の部屋の元栓が開くんだもん」
「じゃあ、管理会社の人に言ったほうがいいよね。請求のとき困るだろうし」
電話をかけてみますが、定休日でした。
「…管理会社で平日に普通に休み、ってなんなの?」
「土日祝日やってるほうがいいからじゃないのか?」
そうして父は去っていっていきました。本当にありがとうお父さん。
一応引っ越し当日に、住所変更しなければならないものは全部終わりました。よし…やりきったぞ俺は…!(何が何でも済ませたい派)
前準備。
引越しの前日に不動産屋さんから鍵をもらう。
応対してくれたお姉さんが、どうも不慣れな様子で、後ろの席の兄さんがいちいちフォローしてくれる始末。不安この上ないが、住んでしまえば管理はここじゃないので気にしないようにする。
ちなみに、KDDIはADSL引越しの際に、いつも「MDF室を管理会社に言って開けさせろ」とか言ってくるのだが、基本的に集合住宅では開けっ放しになっているか、NTTの工事の人が共通の鍵を持っているんだそうな。これ、以前に知っていればエイブルにいちいち電話しなくても良かったのになあ。念のため、管理会社に「開きっぱなしですかね?」と電話してみたところ「開けっ放しですよ」とさっくり返される始末。なんにせよ良かった。
午後になって父親がウォッシュレットを取り外すために来訪。
作業の間に父の車に、細かくて梱包が面倒なものを運び込む。ガスコンロや何かも積んで、出発。
到着後、いきなり父の建物チェックが始まる。(父親は建設関係の仕事をしております)
「おっ、エアコン新しいな」
「おっ、給湯も変えてるな」
「これ、お前の部屋だけじゃなくて隣の部屋も変えてるな」
「シンクもメーカーほにゃらら(不明)だな」
「風呂場も貼りなおしてるな」
「前に住んでいた人が長かったから、色々リフォームしたんだって」
「そうだな、総額150万円くらいかかってるな」
「リアルな算出やめて。というか、そんなにかかってるの!?」
「かかってるよ。結構な金かけてるよ、これ」
父がウォッシュレットを取り付けている間に、荷物を運びこみます。
しばらくして作業終了。
「隣の人とかの、挨拶どうしようかと思ってるんだよね」
「隣の人、外国の人みたいだぞ」
「ええ!? 何でわかるの!?」
「表札が日本名じゃない」
本当でした。
「…名前だけ見てもどこの国の人かさっぱりわからない…。欧米…ではないよね、たぶん」
「だろうなあ」
父にお礼を言って別れます。
当日挨拶に行こうかな、と思ったのですが、何分引越し当日は朝の八時代であるかもしれないことを考えて、事前に済ませたほうがいいかな、と菓子折りを持って再び来訪。
すると、ちょうどご主人を送り出す外国の方と出くわします。
赤ちゃんを抱えた女の人にご挨拶させていただくと、向こうの方も、「子供の泣き声とかうるさいかもしれませんが…」とわざわざ言ってくれました。そういうのはいいんです。全く気にならないです。むしろそういう気を遣ってくださる方が隣にいらっしゃるだけで安心しました。
赤ちゃんにも挨拶して、やっと終了。引越し当日を待ちます。
某日。引越し業者さんを待ちながら、室内でダウンジャケットを着て震える私。
すべての家電製品を引っこ抜き、カーテンすらない部屋は、どこまでも寒い。
そうこうしているうちに、アリさん到着。以前も特別不愉快ではなかったので頼んだのだけれど、今回明らかにアルバイトの手際が悪い。別に感じが悪いとか、やり方が大雑把だとか、そんなこたあないんだが、おひねりはあげられない程度のレベルだった。担当者の人が穏やかに注意(たぶん外面がいい)して、「すみません」を繰り返すアルバイトの男の子、という図式が繰り広げられる中、大家を呼ぶ。
結局立会いはなしで、「ああ、その時間ならまだ家にいるから見に行くよ」程度で話は済んでいた。
「次に引っ越すところは決まってるの?」
「決まっていないんで、とりあえず実家に戻ります」
という大嘘をついて大家と別れる。結局、年明けくらいに二万円くらい敷金から差っぴかれて入金されるよ、とのこと。
その後、原付で前のりしてアリさんが荷物を運び入れて終了。
危うく、私のエアパッキンを勘違いされて持っていかれるところだったが、それを食い止めて、ちらかった家を放置し、役所と銀行の旅へ。
区役所で住民票を移す手続きをしていると、父親から急遽電話が。
大慌てで隅っこに逃げて出ると、「和室何畳だったっけ?」という電話が。
父よ…確かに昨日、部屋数が増えたから今度照明を買うのを手伝ってください(車が無い)とは言いましたが、昨日の今日で何故貴方はホームセンターにいるのですか。
「六畳もないけど…。でもいいよ、そんなに無理しなくても」
「パン食べる?」
いきなりなんだ。(全く脈絡のない父と娘の会話)(ありがち)
「…勿論あれば食べるけど…どうしたの?」
「パン屋があるから、買って行こうかと思って」
「ありがとう」
「どんなパンがいい?」
「お父さんのセンスに任せるよ」(投げやり)
そんなやり取りの後、大慌てで警察で免許の書き換えだけ済ませて、自宅へ引き返します。
しばらくすると、パンと照明を抱えた父到着。
「これ、リモコンで着くんだよ」
カレーパン(父、好物)を食べながら得意げな父。
「なんてハイテクな。(井原家ではリモコンがある=すべてハイテクです)いいのに、そんな高いものでなくても。普通に紐を引っ張ってつけるやつで」
「それが、そういうの逆に高いんだよ。こっちの方が安かったんだよ」
ただ単に、父の視界に入らなかっただけじゃないのか(父は身長180センチ超えです)とも思ったのですが、ありがたくいただいて取り付けます。リモコンで三段階の明るさに調節できます。普通に驚く父とその娘。
「お父さん、ちゃんと電話したはずなんだけど水が出ないの」
「元栓がしまってるんだろ。どこかにあるはずだ」
「二階にあるの?」
「いや、普通は一階にある。そうじゃないと、水道の料金チェックが簡単にできないだろ」
父と一緒に一回に降りてみます。地面に埋まっているふたを開けると、そこにはそれぞれの部屋の番号が記入された元栓が。
「あっ、あったよ、部屋」
「でもこれ、開いてるなあ…」
「これ、開いている状態なの? なんで出ないんだろう」
「他の部屋と間違えてるんじゃないのか? このしまってる栓開けてみるか。お前、部屋の水道の前にたどり着いたら電話しろ」
「前に来たよ」
「じゃあ、あけるからな。水出るか?」
「出た! 出たよ、水が出た!」(クララが立った的な喜びがそこに)
「これ、元栓の番号が違ってるんだよ。お前の201号室(仮)が202号室のラベルになってて、202号室をひねったら201号室のお前の部屋の元栓が開くんだもん」
「じゃあ、管理会社の人に言ったほうがいいよね。請求のとき困るだろうし」
電話をかけてみますが、定休日でした。
「…管理会社で平日に普通に休み、ってなんなの?」
「土日祝日やってるほうがいいからじゃないのか?」
そうして父は去っていっていきました。本当にありがとうお父さん。
一応引っ越し当日に、住所変更しなければならないものは全部終わりました。よし…やりきったぞ俺は…!(何が何でも済ませたい派)
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