まだ普通に生活してます。仕事あるしな。
電話云々で、己の馬鹿さ加減にへこんでいたのですが(私が落ち込むときは大体己の不首尾によるものが多い。ネットが繋がらないことはどうでもいいが、事前にどうにかできることに気づかなかった、という失敗にへこむ)ネットが繋がっている間に、どうせなら引越しすらもネタにしようと決意しました。
まあ、よくわかったよ! 引越しで部屋決めて三週間で引越し、とかが人よりも決断早いってことくらいは!(でもどうせ家賃発生するんだし)
………実は電話のやり取りよりももっと酷いミスがあったのですが、それはもう、何処にも笑いの要素がないので省略。
本当に、自分がその瞬間世界で一番非常識な人間だと、顔面に叩きつけられたようで(勿論自分に自分が叩きつけている)奇声と共に三階の窓から飛び降りそうになりました。
何故………何故私は気づかなかった! 何故私はそうと思い込んだ! 何故だ!!(血涙)
今回の引越しは、電話といい保険といいもう一つといい、齢三十一にして勉強になることが多すぎました。
願わくば、次の引越しまでその記憶が保たれんことを。
あ、そういえば保険ですが、職場の様々な人に片っ端から聞いてまわったところ、誰一人として同じ保険会社に入っていないことが判明しました。
もうこれで心置きなく、己の判断だけを頼りに選べるよ。
有名どころから、聞いたことのない保険会社まで、本当に千差万別でした。実際、病気になって入院された方などは、「自分はかけてなかったけど家族がかけてあったから助かった」みたいな人までいて。
友人などは、「保険? 何それ食べられるの?」くらいの比重の人もいてびっくりでした。
まあ、若くて健康で家族もいて、という方には無用なのかもしれませんが、若くもなく家族との付き合いもなく、あったとしても己自身が誰に頼ることもしたくない、という私なんかは、やはり自分に合った保険をきちんと自分で自分にかけないとなあ、と思いました。
よし、引越しが無事に終わったらその足でアフラックだ!(やるべきことは何でもとっとと済ませたい派)
・メールでの父と娘のやり取り。
私「あ、お父さん? ほにゃ日に今の部屋にチェックが来るから、それまでに、トイレの便座付け直してもらいたいんだけど」
父「午後に行きます」
・当日。 ピンポーン。
父「来た」
私「確かに午後だが、1時半は早過ぎないか」
「だって暇なんだもん………」と言いながら、父は、勝手に取り付けたウォシュレットを外してくれました。
やらせっぱなしも失礼だと思うので、そばをうろうろしていたんですが、いても邪魔なだけなので、私は私で、電気に電話をしたり、水道に電話をしたりしながら、終わるのを待ちます。
父「終わった」
私「ありがとう。今から家先に見に行く?」
父「当然」
一瞬、何がどう当然なのだろうと思ったのですが、父としては家を見たい、というよりも、鍵の付け替えや、ガスコンロを購入するに当たり、広さなどをチェックしたい、ということのようでした。
せっかく行くのであれば、梱包も面倒な細かいものや、収納ケースごと運ばせてください、とばかりに階段を下りていったところ、目の前に止まっていたのはトラック。
私「何故トラック」
父「道が狭そうだったから」
父は当然、保証人のサインをした際に、私の住所を知っている。
googleで位置を調べたと得意げな父。
それによって、どうやらたどり着くまでの道が、道なき道であることを知ったらしく、4WDの自家用車ではなく、軽トラでやってきた父。
いい判断です。
工具はともかく、何故かロープまで荷台に積んでいる父の真意はよくわかりませんが、とにかく出発します。
道すがら、貸金庫のシステムについて熱く語る父。どうやら、知り合いの人にくっついて銀行の貸金庫に入ったらしく、色々説明してくれましたが、中々面白かったです。
個室に入りまず鍵をかけないと、物品が出てこないとか。ぐわん、と机から箱がせり出してくるとか。ロックをかけると、勝手に吸い込まれていくとか。貧乏人には縁のない話ですね。
道なき道を車で進みつつ、ぶつぶつ言う父。どうやら仕事で一度この辺りに来たころがあるようで、「あの自動販売機に覚えがある」とか「あの団地を通った記憶がある」とか色々記憶をたどっています。
父「これだけ狭い道で、すれ違いすらできないけど、こんだけ交通量があるんだから、きっと他に抜け道とかないんだろうなあ。大回りしてるけど、人は通れるけど車が通れる道はないんだ、きっと。前に仕事で通った時も、延々遠回りした気がする」
私「多分そうだね。ほら、宅急便の車もあれだけ通ってるんだから」
父「俺、ここが配達区域だったら嫌だなあ」
私「きっとここは、選ばれし者のみが配れる伝説の地なんだよ」
と、これからそこに引っ越すんだけどというツッコミもせずに、父と娘はおかしな会話をしながら、目的地にたどり着きました。
父「前、家族四人で住んでいたアパートを思い出す」
私「似てるよね。階段が無茶なくらい急なところとか、特に」
父いわく、色々建築基準法が変わり、その当時は階段が二つないと駄目だったんだよ、とか、ガステーブル一つとっても、別に周囲に隙間がなきゃ駄目とかそんなことはなかったんだよ、とか、細かなことを色々説明してくれます。
実際に部屋に入ると、「いいんじゃないの」とのこと。私の父らしく、古さには全くびびっていませんでした。
プロ仕様のメジャーを取り出し、ああでもないこうでもないと、部屋のサイズを測ったり、鍵の型番をメモったり、取り外してきたウォシュレットを置いたり、サッシのメーカーを調べたりして、今度は細かな買い物に出発。
車中で、またも中古マンションについて熱く語る父。
父「今は、中古マンションを安く買って、丸ごと全部ひっぺがしてリフォームする、って言うのが流行ってるんだよ」
私「全部、ってどれくらい全部なの? 耐震対策とかもできるもんなの?」
父「そういうのは、その気になれば全部できるよ」
私「全部やり直しても、新築よりも安上がりなの?」
父「安上がりだよ。だけど、中古マンションでどうにもならない部分があるから、それだけが要注意なんだ。電気と、水周りね」
私「というと」
父「電気ってのは、一つの大元を集団で分けている状態だから、例えばオール電化にしたいとか、一つの棟で一人だけアンペア増やしても、無理な場合が多いわけ。どれだけ高性能な電化製品を買っても、使い切れないってこともありうるわけ」
私「それって事前にどうにかわからないもんなの?」
父「電気はわかるよ。番号があるから、それを調べて電力会社に聞けば、増やせるかどうか、とかね」
私「じゃあ、水周りは?」
父「それが一番難しいんだよ。水周りこそその部分だけ直すってわけにいかないから。二十年前以降になると、水周りは下水含めて管理会社がちゃんとしたところで、しっかり直してないと、お勧めできないかなあ。あと、棟が凄く少ない、とかね。まだ大きなマンション世帯の方が、組合がしっかりしていて、途中で水周りを直している可能性が高いけど、それもピンキリだしなあ。直すってのは金がかかるってことだから、直さないところは大手でも直さないし。前、友人のビルを直したことがあるんだけど、朝になると水がシンクから逆流してきて、なんだと思ったら、配管が駄目で、上の階の住人たちが洗濯機をいっせいに回して、その洗剤水が出てきちゃった、とか本気であったし」
私「水周りは、事前にわからないんだ」
父「わからないところのほうが多いかな。勿論ちゃんと直してあれば、何年前に直しましたとか、取り替えましたとか、説明があるんだろうけどね。それも具体的にどう直したとかは、わからないこともあるしなあ。まあ、水周りと電気は特に、生活に直接関わることだから、あまり安物買いしないほうがいいと思うけどね」
私「でも、それでも、中古買ってその後全部直した方が、新築買うより安いんだよね?」
父「だから色々宣伝もやってるけど、これこそ、あくどく設けようと思えば、いくらでも水増しできるからなあ。後、マンション買うにしても、頭金は値段の三分の一くらいはあったほうがいいよ」
私「というと、五千万円だったら、1700万円くらいの貯金があればいい、と」
父「まあね」
そんな金あるかよ! という突っ込みはできませんでした。
かつて、祖母がマンション買った時は、金利が物凄くて最終的に元金払っても利息が残る、みたいな時期もあったけどねえ。その頃は定期預金にすれば二倍になったのに、とか、昔懐かしい話をしながら、ホームセンターに到着。
軽トラを止めて、荷台においてあった工具を全部車中に置いて(車上荒らしが本当に多いそうなので。工具なんて立派に売れるんだそうな)、店内で敷物を物色します。
父がぶつぶつと、「何尺だから」とか尺単位で物を言っているのですが、私はよくわからないので、父の後にくっついてふらふらと探します。
本当は、敷畳みたいなものもいいなあ、と思ったんですが、全部を埋めるとさすがにお金がかかるし、見た目は畳みたいなんだけど、裏地はカーペットと同じ、みたいなものが多くて、結局安物のペラペラの敷物にしました。あまり毛足が長いものや、ふわふわしているものは、ダニの苗床になりそうだし、アトピーもあるので、本当にただの布、です。
どうしても普段一番使う、机と椅子(パソコンがある)の下には、ちゃんと防音の意味もこめてひいておきたかったので、満足です。
その後、ガスコンロを買うために次の場所へ向かいます。
その間、今度はホームセンターについて熱く語る父。
父「以前は小売店のメリットとかあったけど、もう今はそのメリット全然ないね。張り合って安くしようとしたって、無駄だし。うちの近所の工務店も、物品の発注受けたら、自分でホームセンターに行って自分で買って、それを渡した方が早いし安上がり、ってよく言ってる。だって運ぶのにトラックまで貸してくれるんだもん。勝てないよ、小さな店なんて」
父の言葉通り、店内は玄人の方々がいっぱいいました。つなぎを着ていたり、作業着だったり。以前ならそれぞれお付き合いのある店とかで購入していたんでしょうけど、もう、そんなのやってられないんでしょうね。
父「ただ、以前ほどホームセンターもびっくりするほど安くないかな。価格も落ち着いてきたっていうか、経営者もさすがにあまりに安くて採算取れないんだろう。万引きとかも凄いって言うし。あーでもあの電動ドリル、何万もしたのに、何千円で売ってる………」
私「いいじゃん。その分ちゃんと値段に見合った働きをしてくれたんだったら、それで」
父「ライト」
私「?」
父「ライトが点くの。回す時に」
父の機嫌が直り、なんだかよくわからない部品を探している間に、私は、以前タモリ倶楽部でやっていた配管スピーカーってこれで作れるのかなとか、勝手気ままに見てまわります。
ぶつぶつ言いながら父が付け替える鍵を選び(私に選択権も知識もない)ガスホースを選び、ガスコンロを選び、取って返す父と娘の軽トラック。
引越し先に戻り、父がウォシュレットや、鍵と格闘している間に、私は敷物をひいたりしていましたが、やることがないので、父の軽トラが止めてある場所が気になります。
大家さんに、断っておこう(一応敷地内だが、はみ出している)と、90歳の元に向かうと、そこには、電動三輪車で、ホースをからませ、家の植木鉢をひっくり返している大家さんの姿が。
大慌てで、植木鉢を拾って、ホースを片付ける私。おかしい、こんなことをしに来たわけでは。
車を止めたいんですが、と必死で断ると「はいはい、何でも好きにしていいですよ」と、私の主張はあっさり通り、その後は大家さんの話に移行。
病院勤めというだけで、何故かすっかり信頼されてしまったようで、「いい人に越してきてもらってよかったわー。これから薬をもらいに行くのよ! 息子たちは何にもしてくれないしねえ! ははは! 若いうちが花よ!」と、実に朗らかに出かけていってしまいました。
私は看護師じゃない、と断るべきだったのでしょうが、もういいです。どうせ親電話は繋がらない。
その後、父がウォシュレットとガスコンロをつなげてくれて、終了。
おまけに、捨てようと思っていたDVDレコーダーも持っていってくれました。
結局、何時間もかかって娘の引越しに付き合ってくれた父親に感謝して別れました。ありがとうお父さん。こういう事件(?)でもないと、一年に一回も話さないとかザラですが、それでも自分の時間を割いて手伝ってくれる人間がいることは、感謝すべきことですね。
と、そんなようなことを、猛烈な頭痛の中でうめきながら思いました。
………軽トラに、酔った………。
今回の引越しでは、両親に迷惑をかけたので、母親にはびわを(娘の遺伝子は何処かで狂ったらしい)父親には芋焼酎を送りました。
それを職場で話したら、「親なんだから引越しを手伝うのは当たり前なのに、わざわざお礼をするのか」と驚かれたんですが(孫もいる年齢のおばさんに)世の中の人たちは、そういうのしないんでしょうかね?
そうなると、お礼っていう発想そのものが他人行儀なんでしょうかね。
私は昔から(不仲になる前から)わりとそういう、家族への返礼、みたいなものをごく当たり前のようにやっていたので、意識したことがなかったんですけども。世間の人はしないのかなあ、そういうこと。
家族だから、当たり前って言う発想は、少なくとも私にはありません。
話がそれましたが、私は酒が飲めないので、酒の味のよしあしがわかりません。なので、芋焼酎も人気がある、というだけで『赤兎馬』っていうものを以前父に贈ったことがあるんですが、美味しかったらしいです。
美味かった、と、いつも映画を見に行く知り合いから情報が寄せられました。お前にやった覚えはない!(笑)
なので、今回も次に人気、という『蒼天の煌』という銘柄にしてみました。
美味いかどうかは全くわからん。大体、父親が芋焼酎のどんな味が好きなのかってこともわからんのに。(飲めないだけに説明されても全くわからない)
皆様、もしお勧めの芋焼酎がありましたら、ご一報ください。あっ、15日までか、開通後かでお願いします。
電話云々で、己の馬鹿さ加減にへこんでいたのですが(私が落ち込むときは大体己の不首尾によるものが多い。ネットが繋がらないことはどうでもいいが、事前にどうにかできることに気づかなかった、という失敗にへこむ)ネットが繋がっている間に、どうせなら引越しすらもネタにしようと決意しました。
まあ、よくわかったよ! 引越しで部屋決めて三週間で引越し、とかが人よりも決断早いってことくらいは!(でもどうせ家賃発生するんだし)
………実は電話のやり取りよりももっと酷いミスがあったのですが、それはもう、何処にも笑いの要素がないので省略。
本当に、自分がその瞬間世界で一番非常識な人間だと、顔面に叩きつけられたようで(勿論自分に自分が叩きつけている)奇声と共に三階の窓から飛び降りそうになりました。
何故………何故私は気づかなかった! 何故私はそうと思い込んだ! 何故だ!!(血涙)
今回の引越しは、電話といい保険といいもう一つといい、齢三十一にして勉強になることが多すぎました。
願わくば、次の引越しまでその記憶が保たれんことを。
あ、そういえば保険ですが、職場の様々な人に片っ端から聞いてまわったところ、誰一人として同じ保険会社に入っていないことが判明しました。
もうこれで心置きなく、己の判断だけを頼りに選べるよ。
有名どころから、聞いたことのない保険会社まで、本当に千差万別でした。実際、病気になって入院された方などは、「自分はかけてなかったけど家族がかけてあったから助かった」みたいな人までいて。
友人などは、「保険? 何それ食べられるの?」くらいの比重の人もいてびっくりでした。
まあ、若くて健康で家族もいて、という方には無用なのかもしれませんが、若くもなく家族との付き合いもなく、あったとしても己自身が誰に頼ることもしたくない、という私なんかは、やはり自分に合った保険をきちんと自分で自分にかけないとなあ、と思いました。
よし、引越しが無事に終わったらその足でアフラックだ!(やるべきことは何でもとっとと済ませたい派)
・メールでの父と娘のやり取り。
私「あ、お父さん? ほにゃ日に今の部屋にチェックが来るから、それまでに、トイレの便座付け直してもらいたいんだけど」
父「午後に行きます」
・当日。 ピンポーン。
父「来た」
私「確かに午後だが、1時半は早過ぎないか」
「だって暇なんだもん………」と言いながら、父は、勝手に取り付けたウォシュレットを外してくれました。
やらせっぱなしも失礼だと思うので、そばをうろうろしていたんですが、いても邪魔なだけなので、私は私で、電気に電話をしたり、水道に電話をしたりしながら、終わるのを待ちます。
父「終わった」
私「ありがとう。今から家先に見に行く?」
父「当然」
一瞬、何がどう当然なのだろうと思ったのですが、父としては家を見たい、というよりも、鍵の付け替えや、ガスコンロを購入するに当たり、広さなどをチェックしたい、ということのようでした。
せっかく行くのであれば、梱包も面倒な細かいものや、収納ケースごと運ばせてください、とばかりに階段を下りていったところ、目の前に止まっていたのはトラック。
私「何故トラック」
父「道が狭そうだったから」
父は当然、保証人のサインをした際に、私の住所を知っている。
googleで位置を調べたと得意げな父。
それによって、どうやらたどり着くまでの道が、道なき道であることを知ったらしく、4WDの自家用車ではなく、軽トラでやってきた父。
いい判断です。
工具はともかく、何故かロープまで荷台に積んでいる父の真意はよくわかりませんが、とにかく出発します。
道すがら、貸金庫のシステムについて熱く語る父。どうやら、知り合いの人にくっついて銀行の貸金庫に入ったらしく、色々説明してくれましたが、中々面白かったです。
個室に入りまず鍵をかけないと、物品が出てこないとか。ぐわん、と机から箱がせり出してくるとか。ロックをかけると、勝手に吸い込まれていくとか。貧乏人には縁のない話ですね。
道なき道を車で進みつつ、ぶつぶつ言う父。どうやら仕事で一度この辺りに来たころがあるようで、「あの自動販売機に覚えがある」とか「あの団地を通った記憶がある」とか色々記憶をたどっています。
父「これだけ狭い道で、すれ違いすらできないけど、こんだけ交通量があるんだから、きっと他に抜け道とかないんだろうなあ。大回りしてるけど、人は通れるけど車が通れる道はないんだ、きっと。前に仕事で通った時も、延々遠回りした気がする」
私「多分そうだね。ほら、宅急便の車もあれだけ通ってるんだから」
父「俺、ここが配達区域だったら嫌だなあ」
私「きっとここは、選ばれし者のみが配れる伝説の地なんだよ」
と、これからそこに引っ越すんだけどというツッコミもせずに、父と娘はおかしな会話をしながら、目的地にたどり着きました。
父「前、家族四人で住んでいたアパートを思い出す」
私「似てるよね。階段が無茶なくらい急なところとか、特に」
父いわく、色々建築基準法が変わり、その当時は階段が二つないと駄目だったんだよ、とか、ガステーブル一つとっても、別に周囲に隙間がなきゃ駄目とかそんなことはなかったんだよ、とか、細かなことを色々説明してくれます。
実際に部屋に入ると、「いいんじゃないの」とのこと。私の父らしく、古さには全くびびっていませんでした。
プロ仕様のメジャーを取り出し、ああでもないこうでもないと、部屋のサイズを測ったり、鍵の型番をメモったり、取り外してきたウォシュレットを置いたり、サッシのメーカーを調べたりして、今度は細かな買い物に出発。
車中で、またも中古マンションについて熱く語る父。
父「今は、中古マンションを安く買って、丸ごと全部ひっぺがしてリフォームする、って言うのが流行ってるんだよ」
私「全部、ってどれくらい全部なの? 耐震対策とかもできるもんなの?」
父「そういうのは、その気になれば全部できるよ」
私「全部やり直しても、新築よりも安上がりなの?」
父「安上がりだよ。だけど、中古マンションでどうにもならない部分があるから、それだけが要注意なんだ。電気と、水周りね」
私「というと」
父「電気ってのは、一つの大元を集団で分けている状態だから、例えばオール電化にしたいとか、一つの棟で一人だけアンペア増やしても、無理な場合が多いわけ。どれだけ高性能な電化製品を買っても、使い切れないってこともありうるわけ」
私「それって事前にどうにかわからないもんなの?」
父「電気はわかるよ。番号があるから、それを調べて電力会社に聞けば、増やせるかどうか、とかね」
私「じゃあ、水周りは?」
父「それが一番難しいんだよ。水周りこそその部分だけ直すってわけにいかないから。二十年前以降になると、水周りは下水含めて管理会社がちゃんとしたところで、しっかり直してないと、お勧めできないかなあ。あと、棟が凄く少ない、とかね。まだ大きなマンション世帯の方が、組合がしっかりしていて、途中で水周りを直している可能性が高いけど、それもピンキリだしなあ。直すってのは金がかかるってことだから、直さないところは大手でも直さないし。前、友人のビルを直したことがあるんだけど、朝になると水がシンクから逆流してきて、なんだと思ったら、配管が駄目で、上の階の住人たちが洗濯機をいっせいに回して、その洗剤水が出てきちゃった、とか本気であったし」
私「水周りは、事前にわからないんだ」
父「わからないところのほうが多いかな。勿論ちゃんと直してあれば、何年前に直しましたとか、取り替えましたとか、説明があるんだろうけどね。それも具体的にどう直したとかは、わからないこともあるしなあ。まあ、水周りと電気は特に、生活に直接関わることだから、あまり安物買いしないほうがいいと思うけどね」
私「でも、それでも、中古買ってその後全部直した方が、新築買うより安いんだよね?」
父「だから色々宣伝もやってるけど、これこそ、あくどく設けようと思えば、いくらでも水増しできるからなあ。後、マンション買うにしても、頭金は値段の三分の一くらいはあったほうがいいよ」
私「というと、五千万円だったら、1700万円くらいの貯金があればいい、と」
父「まあね」
そんな金あるかよ! という突っ込みはできませんでした。
かつて、祖母がマンション買った時は、金利が物凄くて最終的に元金払っても利息が残る、みたいな時期もあったけどねえ。その頃は定期預金にすれば二倍になったのに、とか、昔懐かしい話をしながら、ホームセンターに到着。
軽トラを止めて、荷台においてあった工具を全部車中に置いて(車上荒らしが本当に多いそうなので。工具なんて立派に売れるんだそうな)、店内で敷物を物色します。
父がぶつぶつと、「何尺だから」とか尺単位で物を言っているのですが、私はよくわからないので、父の後にくっついてふらふらと探します。
本当は、敷畳みたいなものもいいなあ、と思ったんですが、全部を埋めるとさすがにお金がかかるし、見た目は畳みたいなんだけど、裏地はカーペットと同じ、みたいなものが多くて、結局安物のペラペラの敷物にしました。あまり毛足が長いものや、ふわふわしているものは、ダニの苗床になりそうだし、アトピーもあるので、本当にただの布、です。
どうしても普段一番使う、机と椅子(パソコンがある)の下には、ちゃんと防音の意味もこめてひいておきたかったので、満足です。
その後、ガスコンロを買うために次の場所へ向かいます。
その間、今度はホームセンターについて熱く語る父。
父「以前は小売店のメリットとかあったけど、もう今はそのメリット全然ないね。張り合って安くしようとしたって、無駄だし。うちの近所の工務店も、物品の発注受けたら、自分でホームセンターに行って自分で買って、それを渡した方が早いし安上がり、ってよく言ってる。だって運ぶのにトラックまで貸してくれるんだもん。勝てないよ、小さな店なんて」
父の言葉通り、店内は玄人の方々がいっぱいいました。つなぎを着ていたり、作業着だったり。以前ならそれぞれお付き合いのある店とかで購入していたんでしょうけど、もう、そんなのやってられないんでしょうね。
父「ただ、以前ほどホームセンターもびっくりするほど安くないかな。価格も落ち着いてきたっていうか、経営者もさすがにあまりに安くて採算取れないんだろう。万引きとかも凄いって言うし。あーでもあの電動ドリル、何万もしたのに、何千円で売ってる………」
私「いいじゃん。その分ちゃんと値段に見合った働きをしてくれたんだったら、それで」
父「ライト」
私「?」
父「ライトが点くの。回す時に」
父の機嫌が直り、なんだかよくわからない部品を探している間に、私は、以前タモリ倶楽部でやっていた配管スピーカーってこれで作れるのかなとか、勝手気ままに見てまわります。
ぶつぶつ言いながら父が付け替える鍵を選び(私に選択権も知識もない)ガスホースを選び、ガスコンロを選び、取って返す父と娘の軽トラック。
引越し先に戻り、父がウォシュレットや、鍵と格闘している間に、私は敷物をひいたりしていましたが、やることがないので、父の軽トラが止めてある場所が気になります。
大家さんに、断っておこう(一応敷地内だが、はみ出している)と、90歳の元に向かうと、そこには、電動三輪車で、ホースをからませ、家の植木鉢をひっくり返している大家さんの姿が。
大慌てで、植木鉢を拾って、ホースを片付ける私。おかしい、こんなことをしに来たわけでは。
車を止めたいんですが、と必死で断ると「はいはい、何でも好きにしていいですよ」と、私の主張はあっさり通り、その後は大家さんの話に移行。
病院勤めというだけで、何故かすっかり信頼されてしまったようで、「いい人に越してきてもらってよかったわー。これから薬をもらいに行くのよ! 息子たちは何にもしてくれないしねえ! ははは! 若いうちが花よ!」と、実に朗らかに出かけていってしまいました。
私は看護師じゃない、と断るべきだったのでしょうが、もういいです。どうせ親電話は繋がらない。
その後、父がウォシュレットとガスコンロをつなげてくれて、終了。
おまけに、捨てようと思っていたDVDレコーダーも持っていってくれました。
結局、何時間もかかって娘の引越しに付き合ってくれた父親に感謝して別れました。ありがとうお父さん。こういう事件(?)でもないと、一年に一回も話さないとかザラですが、それでも自分の時間を割いて手伝ってくれる人間がいることは、感謝すべきことですね。
と、そんなようなことを、猛烈な頭痛の中でうめきながら思いました。
………軽トラに、酔った………。
今回の引越しでは、両親に迷惑をかけたので、母親にはびわを(娘の遺伝子は何処かで狂ったらしい)父親には芋焼酎を送りました。
それを職場で話したら、「親なんだから引越しを手伝うのは当たり前なのに、わざわざお礼をするのか」と驚かれたんですが(孫もいる年齢のおばさんに)世の中の人たちは、そういうのしないんでしょうかね?
そうなると、お礼っていう発想そのものが他人行儀なんでしょうかね。
私は昔から(不仲になる前から)わりとそういう、家族への返礼、みたいなものをごく当たり前のようにやっていたので、意識したことがなかったんですけども。世間の人はしないのかなあ、そういうこと。
家族だから、当たり前って言う発想は、少なくとも私にはありません。
話がそれましたが、私は酒が飲めないので、酒の味のよしあしがわかりません。なので、芋焼酎も人気がある、というだけで『赤兎馬』っていうものを以前父に贈ったことがあるんですが、美味しかったらしいです。
美味かった、と、いつも映画を見に行く知り合いから情報が寄せられました。お前にやった覚えはない!(笑)
なので、今回も次に人気、という『蒼天の煌』という銘柄にしてみました。
美味いかどうかは全くわからん。大体、父親が芋焼酎のどんな味が好きなのかってこともわからんのに。(飲めないだけに説明されても全くわからない)
皆様、もしお勧めの芋焼酎がありましたら、ご一報ください。あっ、15日までか、開通後かでお願いします。
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