別窓・『井原一族家系図』
1018年?月 ふじえ
私と、焼津ノ若銛との間に、息子拓馬が生まれる。
職業は薙刀士。
「つぶしがききそうな職業でラッキー」と呟いた息子の将来が心配。
1018年5月 拓馬
母と討伐に出かける。
口癖が「疲れた」なのは何とかならないのか。
一回しか戦っていないのに、一発しか食らっていないのに、やたらに「疲れたわ~」を連発する母。
俺よりも体力あるくせに。
1018年6月 拓馬
母と熊祖権現との間に、娘・小夜子(さよこ)が生まれる。
俺の妹になるわけだ。
何故、その神を選んだのか聞いたら、「胸板」という答えが返ってきた。
聞くんじゃなかった。
1018年7月 拓馬
母と鹿島中竜との間に、娘・鹿乃(かの)が生まれる。
俺が小夜子に訓練をつけている間に、連チャンで妹が増えていた。
小夜子と鹿乃の名前の由来を聞いたところ、「小夜子は白熊で蝦夷で白夜から。鹿乃は生まれたとき、イツ花が足が二倍くらい長いと言ったから」だと得意げに言われた。
母のセンスがいまひとつわからない。
1018年11月 拓馬
俺と水母ノくららとの間に、娘・蒼子(そうこ)が生まれる。
職業は薙刀士。俺の技を伝えられればいいのだが、その前に俺が技を覚えるのが先だ。
母も、鹿乃に手ずから訓練を施している。家にいることが多いせいか、あまり疲れた疲れたと言わなくなった。
母・俺・小夜子・鹿乃で討伐に出かける。
小夜子はまだいいのだが、鹿乃の打たれ弱さが気になる。
どこか遠くで、「…以前やった時もこの顔の子弱かった」と不吉な声が聞こえたような気がした。
1018年12月 小夜子
拓馬兄さんとお土母ノ木実との間に、息子・松蔵(しょうぞう)が生まれる。
お母さんは相変わらず元気だ。
「槍の指南書が獲れない」と毎回狩人みたいな顔で討伐に出かけている。
1018年2月 小夜子
討伐メンバーが、私、鹿乃、蒼子、松蔵になる。
お母さんは随分長生きだけど、老いてますます盛んなようで、家さえ広ければ弟か妹が増えていたと思う。
拓馬兄さんはすっかり口数が減った。
1018年3月 小夜子
お母さんが死んだ。最初から最後までにぎやかな人だったけれど、最後は疲れた疲れた言わず、「いつも前を向いて歩いていくのです。どんな悲しみにも負けちゃだめ。さあ子供たちよ私の屍を超えてゆきなさい」とまるで母親みたいなことを言って。
拓馬兄さんが当主を継ぐことになったものの、ますます口数が少なくなった。
「俺の方が先に行くと思ってたんだけど」と笑えない冗談を言うので、全員で袋叩きにしてやった。
天上通信(ふじえ)
死んで暇なので、実況中継をすることにした。
全く似ていない姉妹。
顔としては小夜子は明らかにおっとり風味なのだが、私的イメージはこんな感じ。末っ子はいつも苦労する。
似過ぎている姉弟。
私の絵だとアレですが、顔も色味も全く一緒。
いつだって弟は可愛いすぎて可哀想な目にあう。
1018年?月 ふじえ
私と、焼津ノ若銛との間に、息子拓馬が生まれる。
職業は薙刀士。
「つぶしがききそうな職業でラッキー」と呟いた息子の将来が心配。
1018年5月 拓馬
母と討伐に出かける。
口癖が「疲れた」なのは何とかならないのか。
一回しか戦っていないのに、一発しか食らっていないのに、やたらに「疲れたわ~」を連発する母。
俺よりも体力あるくせに。
1018年6月 拓馬
母と熊祖権現との間に、娘・小夜子(さよこ)が生まれる。
俺の妹になるわけだ。
何故、その神を選んだのか聞いたら、「胸板」という答えが返ってきた。
聞くんじゃなかった。
1018年7月 拓馬
母と鹿島中竜との間に、娘・鹿乃(かの)が生まれる。
俺が小夜子に訓練をつけている間に、連チャンで妹が増えていた。
小夜子と鹿乃の名前の由来を聞いたところ、「小夜子は白熊で蝦夷で白夜から。鹿乃は生まれたとき、イツ花が足が二倍くらい長いと言ったから」だと得意げに言われた。
母のセンスがいまひとつわからない。
1018年11月 拓馬
俺と水母ノくららとの間に、娘・蒼子(そうこ)が生まれる。
職業は薙刀士。俺の技を伝えられればいいのだが、その前に俺が技を覚えるのが先だ。
母も、鹿乃に手ずから訓練を施している。家にいることが多いせいか、あまり疲れた疲れたと言わなくなった。
母・俺・小夜子・鹿乃で討伐に出かける。
小夜子はまだいいのだが、鹿乃の打たれ弱さが気になる。
どこか遠くで、「…以前やった時もこの顔の子弱かった」と不吉な声が聞こえたような気がした。
1018年12月 小夜子
拓馬兄さんとお土母ノ木実との間に、息子・松蔵(しょうぞう)が生まれる。
お母さんは相変わらず元気だ。
「槍の指南書が獲れない」と毎回狩人みたいな顔で討伐に出かけている。
1018年2月 小夜子
討伐メンバーが、私、鹿乃、蒼子、松蔵になる。
お母さんは随分長生きだけど、老いてますます盛んなようで、家さえ広ければ弟か妹が増えていたと思う。
拓馬兄さんはすっかり口数が減った。
1018年3月 小夜子
お母さんが死んだ。最初から最後までにぎやかな人だったけれど、最後は疲れた疲れた言わず、「いつも前を向いて歩いていくのです。どんな悲しみにも負けちゃだめ。さあ子供たちよ私の屍を超えてゆきなさい」とまるで母親みたいなことを言って。
拓馬兄さんが当主を継ぐことになったものの、ますます口数が少なくなった。
「俺の方が先に行くと思ってたんだけど」と笑えない冗談を言うので、全員で袋叩きにしてやった。
天上通信(ふじえ)
死んで暇なので、実況中継をすることにした。
全く似ていない姉妹。
顔としては小夜子は明らかにおっとり風味なのだが、私的イメージはこんな感じ。末っ子はいつも苦労する。
似過ぎている姉弟。
私の絵だとアレですが、顔も色味も全く一緒。
いつだって弟は可愛いすぎて可哀想な目にあう。
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