『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生 』
面白かったです。そして、才能があるって言うのは理屈じゃないということがわかりました。
肉声のナレーションがついて、アニーの生い立ちをなぞっていく、当人や関係者ののインタビューを交えながら、という物語のある作品ではありませんが、この 凄い 写真。
写真家になろうと思ったのは、大学の授業で写真の勉強があり、それで「ピンときた」からだっていうんだから、もうそれどんな才能?
アニーは若かりし頃、いわゆるヒッピーや、ドラッグ、ローリングストーンズが流行っていた時代に、完璧に順応しており、ドラッグをやり、更正施設に入り、という波乱万丈で、かつアグレッシブでアクティブという、まさにアメリカンという人生を送ってきているのですが、常に、何事に対してもひるむことなく挑戦する、という姿勢は、もうただ「強い」としか言いようがありません。
彼女も別に、よくある過去自慢みたいにドラッグのことを話したりしているわけではなく、私から見ると、若者達の文化が、まさにセンセーショナルな文化として価値があった時代に、彼女がひるまなかった、という印象を受けました。文化が、見栄えのする文化であったあの時代のエネルギーってやっぱり凄い。
最初はダウナー系の仕事が多かったアニーですが、メジャーな商業誌の仕事もばんばんこなすようになり、実際商業写真は面白いと断言しています。この、いい意味での仕事の選ばなさや、マイナー嗜好では全くないプロ意識が非常に好感が持てました。
そして、写真家であるアニーも勿論凄いのですが、それに関わる雑誌の編集者たちがまた凄い。
アニーが撮った何枚もの写真から、実際に掲載するものを選ぶのは、あくまで載せる側の権限であって、それはつまり、いいものをいいとして見極めることが出来る能力がある人々なわけです。
女性の編集長さんだったんですが、何枚もある中から、「これと、これと、これ」とささっと選ぶ眼力っていうんですか、それも才能ですよね。持って生まれたものにしろ、後から培われたものにせよ、個人の能力ここにきわまれり、という感じでした。
有名な写真に対しての当人を交えたエピソードもあり、彼女の写真で一番有名であろう(私は知らなかった)オノ・ヨーコとジョン・レノンの写真も、いわゆるヤラセであったのが衝撃でした。あれは、アニーがジョン・レノンに対して、「こういう感じで」と指示を出したものなんですね。どうもあの手の世界だと、己の劣情からくるなんたら~とか言いそうなものですが、そうじゃないっていうのがびっくりでした。
実際の技術に対しては詳しいことはわかりませんが、撮影時の状況と、出来上がった写真がまるで違うのにもびっくり。いや、本当に違うんだって! あれ、後から加工したものであっても、前述した通り、「これでいい」と断言できるのは当人なわけですから、一つの作品として問題ないわけですよ。いやーすごーい。
アニーだけではなく、他に有名な写真家の作品も、彼女が影響を受けたものとして紹介されており、そのどれもがとても衝撃的でした。なんかもう、全員凄すぎる。
今狙っているのは、これ。
写真集って高い!(それかよ)
ただ、この手の本は大きさが小さかったり、印刷が悪かったりしたら何の意味もないので、仕方がないかなあと思います。
一つの作品集として楽しめる映画です。流しっぱなしにしていてもいいと思います。
面白かったです。そして、才能があるって言うのは理屈じゃないということがわかりました。
肉声のナレーションがついて、アニーの生い立ちをなぞっていく、当人や関係者ののインタビューを交えながら、という物語のある作品ではありませんが、この 凄い 写真。
写真家になろうと思ったのは、大学の授業で写真の勉強があり、それで「ピンときた」からだっていうんだから、もうそれどんな才能?
アニーは若かりし頃、いわゆるヒッピーや、ドラッグ、ローリングストーンズが流行っていた時代に、完璧に順応しており、ドラッグをやり、更正施設に入り、という波乱万丈で、かつアグレッシブでアクティブという、まさにアメリカンという人生を送ってきているのですが、常に、何事に対してもひるむことなく挑戦する、という姿勢は、もうただ「強い」としか言いようがありません。
彼女も別に、よくある過去自慢みたいにドラッグのことを話したりしているわけではなく、私から見ると、若者達の文化が、まさにセンセーショナルな文化として価値があった時代に、彼女がひるまなかった、という印象を受けました。文化が、見栄えのする文化であったあの時代のエネルギーってやっぱり凄い。
最初はダウナー系の仕事が多かったアニーですが、メジャーな商業誌の仕事もばんばんこなすようになり、実際商業写真は面白いと断言しています。この、いい意味での仕事の選ばなさや、マイナー嗜好では全くないプロ意識が非常に好感が持てました。
そして、写真家であるアニーも勿論凄いのですが、それに関わる雑誌の編集者たちがまた凄い。
アニーが撮った何枚もの写真から、実際に掲載するものを選ぶのは、あくまで載せる側の権限であって、それはつまり、いいものをいいとして見極めることが出来る能力がある人々なわけです。
女性の編集長さんだったんですが、何枚もある中から、「これと、これと、これ」とささっと選ぶ眼力っていうんですか、それも才能ですよね。持って生まれたものにしろ、後から培われたものにせよ、個人の能力ここにきわまれり、という感じでした。
有名な写真に対しての当人を交えたエピソードもあり、彼女の写真で一番有名であろう(私は知らなかった)オノ・ヨーコとジョン・レノンの写真も、いわゆるヤラセであったのが衝撃でした。あれは、アニーがジョン・レノンに対して、「こういう感じで」と指示を出したものなんですね。どうもあの手の世界だと、己の劣情からくるなんたら~とか言いそうなものですが、そうじゃないっていうのがびっくりでした。
実際の技術に対しては詳しいことはわかりませんが、撮影時の状況と、出来上がった写真がまるで違うのにもびっくり。いや、本当に違うんだって! あれ、後から加工したものであっても、前述した通り、「これでいい」と断言できるのは当人なわけですから、一つの作品として問題ないわけですよ。いやーすごーい。
アニーだけではなく、他に有名な写真家の作品も、彼女が影響を受けたものとして紹介されており、そのどれもがとても衝撃的でした。なんかもう、全員凄すぎる。
今狙っているのは、これ。
写真集って高い!(それかよ)
ただ、この手の本は大きさが小さかったり、印刷が悪かったりしたら何の意味もないので、仕方がないかなあと思います。
一つの作品集として楽しめる映画です。流しっぱなしにしていてもいいと思います。
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