『踊る大紐育』
カラっとした非常にアメリカ的なミュージカル。
フレッド・アステアものといい、アメリカの男は女のためならなんでもするな!
たった一日の休暇で、紐育に降り立った水兵たち三人。
地下鉄(が名物というのも可愛い)で見たポスターの娘に一目ぼれしたジーン・ケリーがひたすら彼女のプロフィールを見て、行きそうな場所を追っかけていく、というようなお話。
要するにストーカーなんですが、そんなこと言っちゃったらこの時代の8割の映画は犯罪だと思う。
ジーン・ケリーよりも、タクシーの女性運転手に一方的に迫られるチップという水兵のほうが好みだなあ、と思っていたらフランク・シナトラだった………。好みとかそういう次元の人じゃなかった。
この時代の映画の特徴である、女性陣の衣装の可愛さは必見。
学者であるクレアという女性は、濃緑のワンピースに、前がばっくりと股まで開いていて、ロングスカートの中にミニスカートをはいているようなデザインになっており、当然裏地はチェックで、その柄はワンピースの襟とおそろい。
タクシー運転手であるブランヒルドも、きっちりウェストを絞ったタクシーのタイトスカートの制服が逆にフェミニンだし。
そして、ポスターの女性であるアイヴィの真っ赤なワンピースの可愛さは悶絶もの。白と赤の細かなチェックのベスト(これ本当にベストなのか、ベスト柄なのかちょっとわからない)には、真っ赤なボタンが三つ連続でついていて、リボンタイは紺色。肩は丸みをわざとつけたデザインになっていて、ロングスカートのひだは細かくダンスに映えるようにデザインされていて、まさに愛らしさのかたまりでした。この時代はスカートの裏地とシャツやリボンの色を合わせるのが流行りですね。『ウェストサイド物語』でもそうでしたし。展望台で三人娘が揃ったときのドレス姿も眼福だったなあ。黄色、赤、緑がはっきりベースであって。
私がもう少しファッションの知識があればもっと上手く説明できるのですが、どうにも疎いのが歯がゆい。可愛いんですとにかく。
ジーン・ケリーがアイヴィを誘って、エンパイアステートビルの展望台で待ち合わせしよう、というと、
「一番高いところね」
とアイヴィが返事をする。それに応えて、
「僕はもう雲の上にいるような気分だ」
と言うジーンの台詞もおしゃれです。こういうことは、さらっと言わなきゃ意味がないぜ。
それまでも、同じ水兵に「どうしてそこまで彼女にこだわるの?」と聞かれ、「わかんない」と答える可愛さに倒れました。勿論翻訳の関係なんでしょうけども。
チップ(フランク・シナトラ演じる)の性格もいちいちおかしくて、基本女の人よりも、ニューヨークの観光がしたいので、相手そっちのけで望遠鏡を覗き、「10セントない?」「私ならタダで見られるのよ」と言われてしまう始末。
でもその後、
「望遠鏡を覗き込んでなさい!」
「君を見ているほうがいいよ」
って、お前どのツラ下げて!
「甘い言葉をささやいてよ」(と、女のほうから言うんだよ)
「君が好きだ。こんなに美人の運転手見たことない」
と言うんですが、ほったらかしにされていた相手は機嫌を直さないわけです。
「………観光案内に書いておけば」
すると、チップは展望台から観光案内を投げ捨てるわけですよ! ケエー!(興奮)
「君に甘い言葉をささやきたい」
ですよ、トドメは! その後ひざまずいて手の甲にキスってお前………お前って奴は………!
ただ、この相手役の女の人、どう頑張ってみても大阪のおばさんみたいにしか見えないんですが………。いえ、可愛くないってことではなく、なんかこう年齢的につりあわないように見えるんですよね。ファニーガールって感じじゃないし。
乾杯の言葉もカッコイイ。
「素敵な女性を見つけた男性に」
「見つけられた女性に」
ですからねえ。普通の恋愛の話とかしているシーンはわりとどうでもいいんですが、ちょっとした会話とか、笑いの部分は結構素で笑えます。
カラっとした非常にアメリカ的なミュージカル。
フレッド・アステアものといい、アメリカの男は女のためならなんでもするな!
たった一日の休暇で、紐育に降り立った水兵たち三人。
地下鉄(が名物というのも可愛い)で見たポスターの娘に一目ぼれしたジーン・ケリーがひたすら彼女のプロフィールを見て、行きそうな場所を追っかけていく、というようなお話。
要するにストーカーなんですが、そんなこと言っちゃったらこの時代の8割の映画は犯罪だと思う。
ジーン・ケリーよりも、タクシーの女性運転手に一方的に迫られるチップという水兵のほうが好みだなあ、と思っていたらフランク・シナトラだった………。好みとかそういう次元の人じゃなかった。
この時代の映画の特徴である、女性陣の衣装の可愛さは必見。
学者であるクレアという女性は、濃緑のワンピースに、前がばっくりと股まで開いていて、ロングスカートの中にミニスカートをはいているようなデザインになっており、当然裏地はチェックで、その柄はワンピースの襟とおそろい。
タクシー運転手であるブランヒルドも、きっちりウェストを絞ったタクシーのタイトスカートの制服が逆にフェミニンだし。
そして、ポスターの女性であるアイヴィの真っ赤なワンピースの可愛さは悶絶もの。白と赤の細かなチェックのベスト(これ本当にベストなのか、ベスト柄なのかちょっとわからない)には、真っ赤なボタンが三つ連続でついていて、リボンタイは紺色。肩は丸みをわざとつけたデザインになっていて、ロングスカートのひだは細かくダンスに映えるようにデザインされていて、まさに愛らしさのかたまりでした。この時代はスカートの裏地とシャツやリボンの色を合わせるのが流行りですね。『ウェストサイド物語』でもそうでしたし。展望台で三人娘が揃ったときのドレス姿も眼福だったなあ。黄色、赤、緑がはっきりベースであって。
私がもう少しファッションの知識があればもっと上手く説明できるのですが、どうにも疎いのが歯がゆい。可愛いんですとにかく。
ジーン・ケリーがアイヴィを誘って、エンパイアステートビルの展望台で待ち合わせしよう、というと、
「一番高いところね」
とアイヴィが返事をする。それに応えて、
「僕はもう雲の上にいるような気分だ」
と言うジーンの台詞もおしゃれです。こういうことは、さらっと言わなきゃ意味がないぜ。
それまでも、同じ水兵に「どうしてそこまで彼女にこだわるの?」と聞かれ、「わかんない」と答える可愛さに倒れました。勿論翻訳の関係なんでしょうけども。
チップ(フランク・シナトラ演じる)の性格もいちいちおかしくて、基本女の人よりも、ニューヨークの観光がしたいので、相手そっちのけで望遠鏡を覗き、「10セントない?」「私ならタダで見られるのよ」と言われてしまう始末。
でもその後、
「望遠鏡を覗き込んでなさい!」
「君を見ているほうがいいよ」
って、お前どのツラ下げて!
「甘い言葉をささやいてよ」(と、女のほうから言うんだよ)
「君が好きだ。こんなに美人の運転手見たことない」
と言うんですが、ほったらかしにされていた相手は機嫌を直さないわけです。
「………観光案内に書いておけば」
すると、チップは展望台から観光案内を投げ捨てるわけですよ! ケエー!(興奮)
「君に甘い言葉をささやきたい」
ですよ、トドメは! その後ひざまずいて手の甲にキスってお前………お前って奴は………!
ただ、この相手役の女の人、どう頑張ってみても大阪のおばさんみたいにしか見えないんですが………。いえ、可愛くないってことではなく、なんかこう年齢的につりあわないように見えるんですよね。ファニーガールって感じじゃないし。
乾杯の言葉もカッコイイ。
「素敵な女性を見つけた男性に」
「見つけられた女性に」
ですからねえ。普通の恋愛の話とかしているシーンはわりとどうでもいいんですが、ちょっとした会話とか、笑いの部分は結構素で笑えます。
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