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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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私は絵が好きですが、詳しくもないし、上手くもありません。
絵の上手い下手はわかりますが、それを他人に求めるほど自分の実力もないし、知識を下地にして鑑賞することもできません。
ただ、やはり自分にとって強い衝撃を受ける絵というものはあって、たまたま「小磯良平」氏の「斉唱」を見たときもそうでした。
私はお恥ずかしながら、日本の画家さんは現代美術か、昔の浮世絵かくらいの知識しかないので、ごく普通の画家さん、というだけでも衝撃だったんですよね。本当に「何でも鑑定団」は侮れない番組だよ。

とにかくその絵の衝撃はすさまじく、「これは………やはり………兵庫まで行かなければならないのか………」と真剣に思いました。兵庫って日帰りで行けるかなあ、とか、私新幹線の切符って買ったことないんだけどなあ、とか、現実的に実行に移せるかどうかは別問題なのですが。

その「絵」を見て、感動した、衝撃を受けたということを、文章で表すことは非常に難しく、却って変な言葉をあげつらえるより、「問答無用で見ろ! 見ればわかる!」といった、気合だけが前面に出てきた文章の方が「それほど凄いのか」と、相手が見てみようという気にさせるためには効果的ではないか、と思うこともあります。
勿論、それはそれで表現の一つなのですが、ただ「見ればわかる」というのではなく、もう少し具体的に伝えたいことがあるんだけどなあ、と知り合いと話していたところ、本のお勧めをいただきました。



実際私が読ませてもらったのは、1992年の光文社カッパ・ブックスだったのですが、非常に面白かったです。
一つの絵に対して、好きなところもそうでないところも、一定感情を越えない平坦な描写をしているだけに、読んでいる側も、著者の視点に惑わされず絵に対して特定の感情を抱けるところに、感情論に自分の感情がひきずられない意味があると思いました。
相手のテンションに引きずられる批評もいいですが、「絵」という違う媒体を紹介している以上、ニュートラルでいられるにこしたことはないですし、この感想、実際目にしたときの感想、この本を読んだときの感想と、色々な感想を抱けるほうが、得した気分になります(笑)。

実物の絵を目の当たりにし、感動して画集を買っても、結局は生身の絵には適わない、ということはよくあります。画集において絵を見ても、それは一度実物を見てしまった以上、その時目にした感動を思い返すためのファクターにしか過ぎない、ということです。勿論画集を見ることによって、実物はそう簡単に見られなかったりしますから、思い返すことの幸せも存在します。「あの時見た絵は良かったなあ」と思えるのも、幸せなことです。
ただ初めに画集で衝撃を受けた場合、実物を見る前の衝撃、実物を見て衝撃の2パターン味わえるので、それはそれでお得だと思います。平面の写真として絵を見た場合、実物を見てがっかり、ということはまずないでしょうし、またあったとしても、画集を見たときの感動は消えないわけですから。実物を先に見て画集が色あせて見えるよりもいいのかな、とも思えます。

ただこれも面白いのが、ただ自分の目だけで印刷物を見るのではなく、『日曜美術館』や、『美の巨人たち』のように、テレビと言う音楽も、絵も、それによる演出も全て含めた「一つの作品」として制作されたものを初めに目の当たりにした場合は、より受ける印象が違ってきます。
番組はナレーションで解説を入れてくれますし、絵をクローズアップしてくれますし、作者の人となりまで説明してくれたりもします。
ただ絵を見るためだけには要らないものかもしれませんが、私は、それはそれとして、「このような形」で紹介された一つの作品として、面白かったり、感銘を受けたりするのは、「あり」だと思います。
絵という題材を、テレビで映像として紹介する上で、最善を尽くした作品は、それはそれで、モチーフとなる絵とはまた違ったものとして、鑑賞に堪えうるものだったということなのでしょう。
ゲームでも、やっている最中は凄く面白くて、サントラも画集も買ってみたけど、ゲームをやったときほどのインパクトはない、ということもありますし、それぞれ抜き出せば一つの芸術として鑑賞できるものであっても、複合業で見せることは邪道ではないと思います。

自分が、その絵に対して、どんな立ち位置で出会うか。
実際、それによって受ける印象も違ってくるのかもしれませんね。
画集からかもしれないし、実物かもしれないし、テレビで紹介されたかもしれないし、解説の本を読んだからかもしれないし、知り合いにとにかく進められたから、という理由もあるかもしれません。
どちらにせよ、見るのも感動するのも自分なわけですから、どのように「面白い」と思えるか、問答無用で見ない、ではなく、見たいと思えるような自分でいたいと思います。

小磯良平………兵庫………どうすればいいのだろう………。(金も時間もない)
そして、棟方志功………青森………もどうすればいいのだろう………(鎌倉にもありますが………)。
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