『薄桜鬼』
以下、落とした順の感想。
・藤堂
何故彼を最初に落としたかと言うと、ショタポジションだと思ったからです。だけど飲酒可能年齢だということを失念しておりました。こりゃしまった。
ふたを開けてみれば、非常に真っ当な青少年の恋愛模様といった感じでした。ただ、藤堂見た目反して中身が最初から最後まで凄く大人だったので、やんちゃ小僧の風間と並ぶと、ツッコミ役に特化してしまうのがおかしくてなりませんでした。
甘さそのものはよくわかりません。スチルもキレイなんですけど、殆ど主人公との絡みシーンじゃないしなあ。
やっぱり彼の立場が立場なだけに、恋愛よりも生きる優先みたいなところがあるので(それが駄目ってんじゃなく)恋愛通り越して互い命、みたいな関係性が見所でしょうか。
個人的には、「何かを決めて進んだはずなのに後悔ばかり。いつも前のことばかり、楽しかったなって思い出してしまう」では、身につまされてグっときました。藤堂君、予想以上に大人だった…。
藤堂ルートだと、山南さんまさかの大活躍で、出てくるたびに演技力と台詞に悲鳴でした。山南さんの洋装姿…最高すぎますよ…。超カッケエ…。実際このゲームの野郎どもで一番美しいのは山南さんだと思うんだ…。
伊東さんも、山南さんも十分許容範囲内ですよ私は!
人間とか、鬼とか、羅刹とか関係なく、「こいつは今も昔も俺の大切な人だ」っていう一世一代の告白はカッコよかったですね。
「あいつらと俺の違いは、お前がいるかいないかだ」とかね。
他のルートをやってみてから思うに、心底自分が羅刹になってしまった、ってことで思い悩むのって藤堂だけなんですよ(山南はそれがもうアイデンティティになってしまうので別格として)。
その辺の人間くささとか、主義主張ぶっ飛ばして「自分はどうなってしまうんだろう」という当たり前の悩みから目を背けなかった、藤堂君の株が上がりました。他の羅刹連中、基本的になっちゃったんじゃなく、好きで(というと語弊があるか)なって、その後でそれなりの羅刹設定が出てきても、命なんて別にケッ、的なある意味考えることを放棄した連中の仲で、藤堂君が至極マトモな男前に見えました。
主人公の正体も、このルートでは問題にされてんだかされてないんだか(てっきり主人公の血を吸って元に戻るオチなのかと思ってた)なので、変に猫かわいがりされていなくて良かったのではないかと。
彼のルートで一番ツボだったのは、敵から身を守ってもらうために主人公の前に飛び出して、
「俺の後ろに隠れてろ! いいか、絶対にはみだすなよ!」
でした。
無理だ。はみ出る。(あの細さじゃよしず置いていたほうがまだ隠れられると思いました)
・原田
女たらしポジション。大体長倉とつるんでいるのですが、何故永倉が落とせないのか小一時間問い詰めたいです製作者ちょっと前へ出ろ原田との差分ができなかったとかそれどのツラ下げて永倉アアア!(錯乱)
何でだろう。実際永倉があまりに他のルートでも光り輝くマッチョ頭脳派(彼は脳筋ではない)なので、山南さんはともかく、落とせないことに本当に合点がいきません。何でだよ。妻帯者持ち駄目なのかよ落とせないのかこのゲームはよ。
原田は女子に優しいというより、全般的にフォローポジションなのでやっていて楽です。いい意味でドキドキもしないし、悪い意味でもドキドキしないっつうか。こういうタラシポジションのたらし台詞を薄笑いで流せる嫌な大人になりました。かつては私も、炎の守護聖の一挙手一投足で奇声を上げていたものでしたが。
「男が女を守るってのは、間違いなく正義だ」
た、高倉ーッ!?(私の中でこの手の男云々台詞は、『幸せの黄色いハンカチ』に直結します)
原田の高倉発言(笑)に、ついグラっときたり。私はこの手の、実力のある男にのみ許される男、女発言にとても弱いです。
いやあ、しかし思っていたよりもずっと原田ルートは硬派でした。言っていることも別に歯茎がガタガタ言うような感じじゃなかったし、近藤との別離も、永倉との別れも凄く丁寧に書いていたので、乙女ゲームと関係ないところで満足。
新選組が衰退していく様もちゃんと描かれていたし、それに伴う移り変わりも、それこそ永倉視点とか、土方視点だったら、胸苦しくて仕方がなかったでしょうが、原田視点だと割合冷静に受け止められるので、緩和剤としても彼の使い方は上手い。
史実に絡んでくる動機が女、っていうのは勿論ロマンなわけですが、ただ選ぶんじゃなくって、「これから先天秤にかけなきゃいけないことは山ほど出てくる。それでも選ぶのはお前だ」っていうのが、ただの色恋に流される阿呆じゃなくて、いい男って感じがしました。
うーん、原田は普通にいい男だなあ。悩みもするし、時には大人気ない態度も取る(奴が大人気なかったら他の連中は子供にすら達していないと思いますが)けど、ちゃんと自分の道は自分で選ぶっていう、大人として当たり前のことが決断できるのがいい男らしさよ。
原田の場合、他の連中と違って、政治思想とかがそれほど絡んでこない(周囲はそれにどうしても振り回されますが、原田はわりとニュートラルな立ち位置で物事を見ていられるので)ので、ある意味自由度が高いからこその、女を選ぶ選択肢が自然なのかもしれませんが。でもその、思想的に捕らわれないっていうのも、それはそういう個性だから。
永倉と別れるシーンでのガチンコ勝負には笑えましたが、その後、永倉が「行って来い! もし泣かされたら俺のところへこい! お灸据えてやるから」と笑いながら言ってきたのには泣けました。お前…本当なら主人公疎ましく思っても当然なのに永倉…!
それまで永倉が原田を本当に戦友として大切に思っている描写が多かっただけに、この辺、永倉の男前度も半端なかったです。
ちなみにこのルートでは、鬼の不知火が凄くロマンティックな子(笑)だったのでびっくりです。亡き友の魂を引き継いで戦う、か。…あれ、このデジャブ、映画版銀魂でも同じようなことを感じたような…。
余談ですが、戦闘シーンでの一閃表現、どう見ても『Fate』にしか見えないのですが、これは影響されているんだろうなあ。槍だし。
そして、最後の大陸オチには若干笑いが。どっかの義経といい、いざとなったら大陸行けばなんとかなるオチは、いい加減封印すべきだと思うんだ。
・斉藤
私の中で斉藤一といえば、牙突。それ以外はない。あの線目とすだれ髪以外に興味はない。
のインパクトが強すぎたので、ビジュアル面からいきなりちょっと冷遇(私の中だけで。苦笑)されていた斉藤です。
恋愛のとっかかりも非常に遅いので、
「武士と言うものは、男と言うものは、決して女の子を悲しませたりはしないものだよ」
という、源さんにときめいたりして、日々を乗り切りました。
別に斉藤が悪いわけじゃないんだけど、斉藤の相手になる鬼の天霧さんも、凄くジェントルマン(ただし彼はとても放置プレイ魔です)なので、萌えにしろ笑いにしろ、こう物語としてのめりこむ要素が薄いというか。
斉藤自身が己の主義主張に揺らぐことがない、いわゆる人間味に欠ける系(要するにクール系)なせいもあって、藤堂、原田という人間味はちきれていた二人の後にやると、若干温度差を感じますね。
いや、別に性格に緩急がないことが顕著だから、っていうんじゃなく、彼の抱えているものとか信条って自己完結できちゃうものなんですよね。
色々な意味でも、政治的な主義主張っていうのは第三者に認められなきゃ意味がない、っていう暗然たるものが存在しちゃっているのですが、そうなるとどうしても自分の力ではどうにもならない、むしろ振り回されるだけ振り回されるのが世の常、なんですが、斉藤の場合、武士の在り様にせよ、刃の意味にせよ、振り回される必要がないところから始まっちゃってるというか。
それでも、色々思い悩むことも勿論あるんですが、なんていうかなあ、本当に半径三センチの小さな円で(器の問題ではなく守備範囲の問題というか)考えすぎちゃうっていうか。
まあそういう不器用な生き様劇場を楽しむのが斉藤ルート、っていう感じがしました。
実際甘くなったシーンなんて、八章に入ってからやっと程度だったし。
世間で話題の耳朶プレイ(笑)も、こう、にやりとはできましたが、個人的にはああいう一足飛びの繋がりは、やりそうもない人がやるとか、 やりそうな人がやるとかなら萌えるんですが、やるかどうか今んとこよくわかんねえって個性の人にやられても、いまいち乗り切れないままでした。
最後の共闘とかは凄く燃えましたが。うーん、藤堂君カッコイイなあ。他のルートに来てもわかる奴の男らしさよ。
個人的に残念だったのは、天霧さんの扱い。
あの紳士はもう少し上手く料理できたんじゃないかと思うんだ…。最初の頃はまだしも、最後の方はその傍観者ヅラにちょっとイラっときた場面もあったので。逆に徹底的に主人公に肩入れして、風間と敵対して傷を負って、それを主人公が介抱して、斉藤がやきもちやく、くらいの進行でも良かったのに。
何人かクリアしてきて意外に思ったのは、主人公の使い道が、殆ど正体と関わってこないってところですね。
人ではない鬼である、と思い悩むのは主人公くらいのもので(しかも大して長続きしない)他の連中は、主人公の正体なんてぶっちゃけ、本当にどうでもいい。そんなことより新選組とか、自分の体がどうなっちゃうのかとか、そっちのほうがはるかに大事(というか物語上でも殆ど話題にすらならない)、っていうのが凄く顕著なので、やっていて、主人公のなんちゃって人設定って、別に対男対策のために作られてるんじゃないんかなあ、としみじみ。
主人公の義理の父親とか、羅刹がらみで話の中枢にいる奴もいるんですが、でもだからって、主人公が鬼である必要性って正直、感情の動きの面でだけいえば、なさそうです。少なくとも、野郎どもはそんなこと歯牙にもかけてない。主人公が鬼である必要性、ぶっちゃけあまりない。
本当に羅刹とか、鬼とか、人ならざるものの苦悩を前面に押し出すのであれば、今頃ヒロインの座は完璧に山南さんが奪っている。
なんか、他のルートでも主人公の立ち位置あまり変わらなさそうなので、対新選組相手の「個性」じゃないとすると、あの金髪風間とかの同族相手の絡みで真価を発揮するってことなんだろうな。
あっ、でも主人公が鬼であることが理由で、山南さんがより輝いたっていうのはある。
となるとあれか…。主人公の鬼設定は、山南さんのためだけにあると…(もしもし?)。
やっぱり長くなったので続きは次回へ。
以下、落とした順の感想。
・藤堂
何故彼を最初に落としたかと言うと、ショタポジションだと思ったからです。だけど飲酒可能年齢だということを失念しておりました。こりゃしまった。
ふたを開けてみれば、非常に真っ当な青少年の恋愛模様といった感じでした。ただ、藤堂見た目反して中身が最初から最後まで凄く大人だったので、やんちゃ小僧の風間と並ぶと、ツッコミ役に特化してしまうのがおかしくてなりませんでした。
甘さそのものはよくわかりません。スチルもキレイなんですけど、殆ど主人公との絡みシーンじゃないしなあ。
やっぱり彼の立場が立場なだけに、恋愛よりも生きる優先みたいなところがあるので(それが駄目ってんじゃなく)恋愛通り越して互い命、みたいな関係性が見所でしょうか。
個人的には、「何かを決めて進んだはずなのに後悔ばかり。いつも前のことばかり、楽しかったなって思い出してしまう」では、身につまされてグっときました。藤堂君、予想以上に大人だった…。
藤堂ルートだと、山南さんまさかの大活躍で、出てくるたびに演技力と台詞に悲鳴でした。山南さんの洋装姿…最高すぎますよ…。超カッケエ…。実際このゲームの野郎どもで一番美しいのは山南さんだと思うんだ…。
伊東さんも、山南さんも十分許容範囲内ですよ私は!
人間とか、鬼とか、羅刹とか関係なく、「こいつは今も昔も俺の大切な人だ」っていう一世一代の告白はカッコよかったですね。
「あいつらと俺の違いは、お前がいるかいないかだ」とかね。
他のルートをやってみてから思うに、心底自分が羅刹になってしまった、ってことで思い悩むのって藤堂だけなんですよ(山南はそれがもうアイデンティティになってしまうので別格として)。
その辺の人間くささとか、主義主張ぶっ飛ばして「自分はどうなってしまうんだろう」という当たり前の悩みから目を背けなかった、藤堂君の株が上がりました。他の羅刹連中、基本的になっちゃったんじゃなく、好きで(というと語弊があるか)なって、その後でそれなりの羅刹設定が出てきても、命なんて別にケッ、的なある意味考えることを放棄した連中の仲で、藤堂君が至極マトモな男前に見えました。
主人公の正体も、このルートでは問題にされてんだかされてないんだか(てっきり主人公の血を吸って元に戻るオチなのかと思ってた)なので、変に猫かわいがりされていなくて良かったのではないかと。
彼のルートで一番ツボだったのは、敵から身を守ってもらうために主人公の前に飛び出して、
「俺の後ろに隠れてろ! いいか、絶対にはみだすなよ!」
でした。
無理だ。はみ出る。(あの細さじゃよしず置いていたほうがまだ隠れられると思いました)
・原田
女たらしポジション。大体長倉とつるんでいるのですが、何故永倉が落とせないのか小一時間問い詰めたいです製作者ちょっと前へ出ろ原田との差分ができなかったとかそれどのツラ下げて永倉アアア!(錯乱)
何でだろう。実際永倉があまりに他のルートでも光り輝くマッチョ頭脳派(彼は脳筋ではない)なので、山南さんはともかく、落とせないことに本当に合点がいきません。何でだよ。妻帯者持ち駄目なのかよ落とせないのかこのゲームはよ。
原田は女子に優しいというより、全般的にフォローポジションなのでやっていて楽です。いい意味でドキドキもしないし、悪い意味でもドキドキしないっつうか。こういうタラシポジションのたらし台詞を薄笑いで流せる嫌な大人になりました。かつては私も、炎の守護聖の一挙手一投足で奇声を上げていたものでしたが。
「男が女を守るってのは、間違いなく正義だ」
た、高倉ーッ!?(私の中でこの手の男云々台詞は、『幸せの黄色いハンカチ』に直結します)
原田の高倉発言(笑)に、ついグラっときたり。私はこの手の、実力のある男にのみ許される男、女発言にとても弱いです。
いやあ、しかし思っていたよりもずっと原田ルートは硬派でした。言っていることも別に歯茎がガタガタ言うような感じじゃなかったし、近藤との別離も、永倉との別れも凄く丁寧に書いていたので、乙女ゲームと関係ないところで満足。
新選組が衰退していく様もちゃんと描かれていたし、それに伴う移り変わりも、それこそ永倉視点とか、土方視点だったら、胸苦しくて仕方がなかったでしょうが、原田視点だと割合冷静に受け止められるので、緩和剤としても彼の使い方は上手い。
史実に絡んでくる動機が女、っていうのは勿論ロマンなわけですが、ただ選ぶんじゃなくって、「これから先天秤にかけなきゃいけないことは山ほど出てくる。それでも選ぶのはお前だ」っていうのが、ただの色恋に流される阿呆じゃなくて、いい男って感じがしました。
うーん、原田は普通にいい男だなあ。悩みもするし、時には大人気ない態度も取る(奴が大人気なかったら他の連中は子供にすら達していないと思いますが)けど、ちゃんと自分の道は自分で選ぶっていう、大人として当たり前のことが決断できるのがいい男らしさよ。
原田の場合、他の連中と違って、政治思想とかがそれほど絡んでこない(周囲はそれにどうしても振り回されますが、原田はわりとニュートラルな立ち位置で物事を見ていられるので)ので、ある意味自由度が高いからこその、女を選ぶ選択肢が自然なのかもしれませんが。でもその、思想的に捕らわれないっていうのも、それはそういう個性だから。
永倉と別れるシーンでのガチンコ勝負には笑えましたが、その後、永倉が「行って来い! もし泣かされたら俺のところへこい! お灸据えてやるから」と笑いながら言ってきたのには泣けました。お前…本当なら主人公疎ましく思っても当然なのに永倉…!
それまで永倉が原田を本当に戦友として大切に思っている描写が多かっただけに、この辺、永倉の男前度も半端なかったです。
ちなみにこのルートでは、鬼の不知火が凄くロマンティックな子(笑)だったのでびっくりです。亡き友の魂を引き継いで戦う、か。…あれ、このデジャブ、映画版銀魂でも同じようなことを感じたような…。
余談ですが、戦闘シーンでの一閃表現、どう見ても『Fate』にしか見えないのですが、これは影響されているんだろうなあ。槍だし。
そして、最後の大陸オチには若干笑いが。どっかの義経といい、いざとなったら大陸行けばなんとかなるオチは、いい加減封印すべきだと思うんだ。
・斉藤
私の中で斉藤一といえば、牙突。それ以外はない。あの線目とすだれ髪以外に興味はない。
のインパクトが強すぎたので、ビジュアル面からいきなりちょっと冷遇(私の中だけで。苦笑)されていた斉藤です。
恋愛のとっかかりも非常に遅いので、
「武士と言うものは、男と言うものは、決して女の子を悲しませたりはしないものだよ」
という、源さんにときめいたりして、日々を乗り切りました。
別に斉藤が悪いわけじゃないんだけど、斉藤の相手になる鬼の天霧さんも、凄くジェントルマン(ただし彼はとても放置プレイ魔です)なので、萌えにしろ笑いにしろ、こう物語としてのめりこむ要素が薄いというか。
斉藤自身が己の主義主張に揺らぐことがない、いわゆる人間味に欠ける系(要するにクール系)なせいもあって、藤堂、原田という人間味はちきれていた二人の後にやると、若干温度差を感じますね。
いや、別に性格に緩急がないことが顕著だから、っていうんじゃなく、彼の抱えているものとか信条って自己完結できちゃうものなんですよね。
色々な意味でも、政治的な主義主張っていうのは第三者に認められなきゃ意味がない、っていう暗然たるものが存在しちゃっているのですが、そうなるとどうしても自分の力ではどうにもならない、むしろ振り回されるだけ振り回されるのが世の常、なんですが、斉藤の場合、武士の在り様にせよ、刃の意味にせよ、振り回される必要がないところから始まっちゃってるというか。
それでも、色々思い悩むことも勿論あるんですが、なんていうかなあ、本当に半径三センチの小さな円で(器の問題ではなく守備範囲の問題というか)考えすぎちゃうっていうか。
まあそういう不器用な生き様劇場を楽しむのが斉藤ルート、っていう感じがしました。
実際甘くなったシーンなんて、八章に入ってからやっと程度だったし。
世間で話題の耳朶プレイ(笑)も、こう、にやりとはできましたが、個人的にはああいう一足飛びの繋がりは、やりそうもない人がやるとか、 やりそうな人がやるとかなら萌えるんですが、やるかどうか今んとこよくわかんねえって個性の人にやられても、いまいち乗り切れないままでした。
最後の共闘とかは凄く燃えましたが。うーん、藤堂君カッコイイなあ。他のルートに来てもわかる奴の男らしさよ。
個人的に残念だったのは、天霧さんの扱い。
あの紳士はもう少し上手く料理できたんじゃないかと思うんだ…。最初の頃はまだしも、最後の方はその傍観者ヅラにちょっとイラっときた場面もあったので。逆に徹底的に主人公に肩入れして、風間と敵対して傷を負って、それを主人公が介抱して、斉藤がやきもちやく、くらいの進行でも良かったのに。
何人かクリアしてきて意外に思ったのは、主人公の使い道が、殆ど正体と関わってこないってところですね。
人ではない鬼である、と思い悩むのは主人公くらいのもので(しかも大して長続きしない)他の連中は、主人公の正体なんてぶっちゃけ、本当にどうでもいい。そんなことより新選組とか、自分の体がどうなっちゃうのかとか、そっちのほうがはるかに大事(というか物語上でも殆ど話題にすらならない)、っていうのが凄く顕著なので、やっていて、主人公のなんちゃって人設定って、別に対男対策のために作られてるんじゃないんかなあ、としみじみ。
主人公の義理の父親とか、羅刹がらみで話の中枢にいる奴もいるんですが、でもだからって、主人公が鬼である必要性って正直、感情の動きの面でだけいえば、なさそうです。少なくとも、野郎どもはそんなこと歯牙にもかけてない。主人公が鬼である必要性、ぶっちゃけあまりない。
本当に羅刹とか、鬼とか、人ならざるものの苦悩を前面に押し出すのであれば、今頃ヒロインの座は完璧に山南さんが奪っている。
なんか、他のルートでも主人公の立ち位置あまり変わらなさそうなので、対新選組相手の「個性」じゃないとすると、あの金髪風間とかの同族相手の絡みで真価を発揮するってことなんだろうな。
あっ、でも主人公が鬼であることが理由で、山南さんがより輝いたっていうのはある。
となるとあれか…。主人公の鬼設定は、山南さんのためだけにあると…(もしもし?)。
やっぱり長くなったので続きは次回へ。
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『薄桜鬼』
お借りしてなんとか遊ぶことが出来ました。一躍時の人となったと言っても過言ではない、カズキヨネさんイラストの乙女ゲーム。
ちなみに私、このゲームのエンドロールを見るまで、カズ キヨネさんだと思ってました。そうか、ヨネさんなのか。
さて、元々時代劇、時代小説は好きですが歴史には疎い私としては、新選組そのものにあまりいい印象がありません。わりと二次元題材でもよく取り上げられる媒体ですが、「内ゲバで仲間殺すような連中の正義などちゃんちゃらおかしいわ」という思いが強くて、さてフィクションといえども、その辺どうなっているのかと思いきや、事の外さらっと消化されていて、その手腕にはなかなか驚きました。
まずこれは乙女ゲームであって、別にドロドロした人きりや政治や裏切りみたいなものがメインではない、ということ。
あくまで、同じ釜の飯を食った連中と関係を深めていくのであって、主人公が歴史的な事実を知ったりするのも、基本的に蚊帳の外であるとことが、非常にドライで「流しやすかった」です。
実際、なんちゃって歴史モノとはいえども、起こることは起こるのですが、それはインターミッション的な場面で「文章」として流されたり、人づてに聞いたり、主人公も「政治にあまり詳しくないけれど、こういうことが起こった」という注釈として入れてくれるような場面が多いので、こちらも、無駄に深読みせずにすみました。
その辺のドロドロさ加減がないと、なんちゃって歴史モノになっちゃうのかもしれませんが、いいんです、これはなんちゃって歴史乙女ゲームなので。
隊士使い捨てとか、規律の名の下の静粛とか、その辺を掘り下げていっても意味がない、そこには「萌え要素はない」というシナリオの割り切り方が個人的には上手いなあと思いました。
あくまで描きたいのは、新選組の連中を「どれだけ愛せる連中にするか」がメインなのであって、そこに「愛されない要素」はいらないのですよね。(油小路でギリギリだよな)
嫌な人は嫌でしょうが(歴史は公平にみたいな)私は逆にその辺の、他の連中を悪者にするとか、新選組を良い者にするのではなく、新選組を愛せる連中にするっていう表現の仕方は、とてもゲームとして上手いと思いました。
正義っていう主張をしない、っていうのもミソ。それぞれの立場があって、そして「あえて一枚岩ではないけれど、それでも集団」っていうのが、特に原田とか永倉とか顕著でしたしね。沖田とか土方は私的事情に特化している部分もあるのでまた別物ですが。
その辺の、前半は仲間内での描き方が多いせいか、共通ルートは非常に時系列ぶっ飛ばしていて、平気で一ヶ月とか半年とか過ぎちゃうのもありっちゃありですね。ゆえに、共通ルートでは正直、主人公がどれだけ新選組の連中と関係が深まったかってことはミジンコほどもわからないのですが、共通ルートに入ってからそれぞれの甘さお楽しみに! 的な要素だと思えばまあなんとか。
元々、新選組連中は主人公が飛び入り参加する前から、それぞれの関係性が出来上がっていてそれに基本的に変化はないので、あくまで部外者の主人公が新選組の連中がどんだけ仲がいいかを観察するのが共通ルートの醍醐味、ってとこでしょうか。
初っ端で山南さんが退場の憂き目に遭いそうになったときは、正直悲鳴でしたが。
ルートによって扱いに違いはあるでしょうが、最終的に怪しい薬とか、鬼とか、吸血衝動のある、人が変貌しちゃった成れの果てである羅刹とか、なんちゃってファンタジー要素が前面に出てくるところも、ドロドロ感を薄める大きな要因ですね。あーこれは歴史モノの名を借りたフィクションなんだなあって、見ている側が納得できますから。
絵柄に関してはバリエーションも豊富で、確かにキレイです。評判になるだけある。
想像していたよりも、結構アクが強い絵でびっくり。スチルによっては、「これは二枚目違う」みたいなものも結構ありましたし、普通の立ち絵でも塗りのせいなのか、元々のデザインのせいなのか、それなりに人を選ぶ絵柄だとは思いました。
私は、鬼の形相の顔しているほうが勿論好みですが。
顔はきれいなんだけど、体格にもう少し明確な違いがあればなあ。(乙女ゲームは年齢オジンに対しても、マッチョに対しても厳しい)
システム的には特に問題なし。
藤堂ルートでは、私もガリッガリに止まりましたが。後台詞読み込みで止まるっていうのもありましたね。
ただ、主人公苗字は音声付で読んでくれるんだったら、下の名前もちゃんと呼んで欲しかった…。
原田とか、永倉に声付きで千鶴ちゃんって呼んでもらいたかったなあ(単なる願望。笑)
音楽は正直あまり覚えていませんが、土方ルートでタイトル呼ばれたときは、ぐっときました。要は使いどころですね。
長くなったのでキャラ別感想は次回へ。
お借りしてなんとか遊ぶことが出来ました。一躍時の人となったと言っても過言ではない、カズキヨネさんイラストの乙女ゲーム。
ちなみに私、このゲームのエンドロールを見るまで、カズ キヨネさんだと思ってました。そうか、ヨネさんなのか。
さて、元々時代劇、時代小説は好きですが歴史には疎い私としては、新選組そのものにあまりいい印象がありません。わりと二次元題材でもよく取り上げられる媒体ですが、「内ゲバで仲間殺すような連中の正義などちゃんちゃらおかしいわ」という思いが強くて、さてフィクションといえども、その辺どうなっているのかと思いきや、事の外さらっと消化されていて、その手腕にはなかなか驚きました。
まずこれは乙女ゲームであって、別にドロドロした人きりや政治や裏切りみたいなものがメインではない、ということ。
あくまで、同じ釜の飯を食った連中と関係を深めていくのであって、主人公が歴史的な事実を知ったりするのも、基本的に蚊帳の外であるとことが、非常にドライで「流しやすかった」です。
実際、なんちゃって歴史モノとはいえども、起こることは起こるのですが、それはインターミッション的な場面で「文章」として流されたり、人づてに聞いたり、主人公も「政治にあまり詳しくないけれど、こういうことが起こった」という注釈として入れてくれるような場面が多いので、こちらも、無駄に深読みせずにすみました。
その辺のドロドロさ加減がないと、なんちゃって歴史モノになっちゃうのかもしれませんが、いいんです、これはなんちゃって歴史乙女ゲームなので。
隊士使い捨てとか、規律の名の下の静粛とか、その辺を掘り下げていっても意味がない、そこには「萌え要素はない」というシナリオの割り切り方が個人的には上手いなあと思いました。
あくまで描きたいのは、新選組の連中を「どれだけ愛せる連中にするか」がメインなのであって、そこに「愛されない要素」はいらないのですよね。(油小路でギリギリだよな)
嫌な人は嫌でしょうが(歴史は公平にみたいな)私は逆にその辺の、他の連中を悪者にするとか、新選組を良い者にするのではなく、新選組を愛せる連中にするっていう表現の仕方は、とてもゲームとして上手いと思いました。
正義っていう主張をしない、っていうのもミソ。それぞれの立場があって、そして「あえて一枚岩ではないけれど、それでも集団」っていうのが、特に原田とか永倉とか顕著でしたしね。沖田とか土方は私的事情に特化している部分もあるのでまた別物ですが。
その辺の、前半は仲間内での描き方が多いせいか、共通ルートは非常に時系列ぶっ飛ばしていて、平気で一ヶ月とか半年とか過ぎちゃうのもありっちゃありですね。ゆえに、共通ルートでは正直、主人公がどれだけ新選組の連中と関係が深まったかってことはミジンコほどもわからないのですが、共通ルートに入ってからそれぞれの甘さお楽しみに! 的な要素だと思えばまあなんとか。
元々、新選組連中は主人公が飛び入り参加する前から、それぞれの関係性が出来上がっていてそれに基本的に変化はないので、あくまで部外者の主人公が新選組の連中がどんだけ仲がいいかを観察するのが共通ルートの醍醐味、ってとこでしょうか。
初っ端で山南さんが退場の憂き目に遭いそうになったときは、正直悲鳴でしたが。
ルートによって扱いに違いはあるでしょうが、最終的に怪しい薬とか、鬼とか、吸血衝動のある、人が変貌しちゃった成れの果てである羅刹とか、なんちゃってファンタジー要素が前面に出てくるところも、ドロドロ感を薄める大きな要因ですね。あーこれは歴史モノの名を借りたフィクションなんだなあって、見ている側が納得できますから。
絵柄に関してはバリエーションも豊富で、確かにキレイです。評判になるだけある。
想像していたよりも、結構アクが強い絵でびっくり。スチルによっては、「これは二枚目違う」みたいなものも結構ありましたし、普通の立ち絵でも塗りのせいなのか、元々のデザインのせいなのか、それなりに人を選ぶ絵柄だとは思いました。
私は、鬼の形相の顔しているほうが勿論好みですが。
顔はきれいなんだけど、体格にもう少し明確な違いがあればなあ。(乙女ゲームは年齢オジンに対しても、マッチョに対しても厳しい)
システム的には特に問題なし。
藤堂ルートでは、私もガリッガリに止まりましたが。後台詞読み込みで止まるっていうのもありましたね。
ただ、主人公苗字は音声付で読んでくれるんだったら、下の名前もちゃんと呼んで欲しかった…。
原田とか、永倉に声付きで千鶴ちゃんって呼んでもらいたかったなあ(単なる願望。笑)
音楽は正直あまり覚えていませんが、土方ルートでタイトル呼ばれたときは、ぐっときました。要は使いどころですね。
長くなったのでキャラ別感想は次回へ。
『マイガーデン』その3
おばあちゃんが病気…なんだか、加齢に伴う体力低下なのか、とにかくリアルにヘルパーが来るようになってしばらく。
「イチゴとラベンダーがいいよ」と言われたので、ラベンダーを必死になって植えたのですが、実るのはいつだ。
そのイベントが起きてから、カナンさんはおばあちゃんのことばかりになり、こっちのイベントも停滞中。
仕方がないので、朝日ばかりをあびているサラリーマン・オレガンさんと交流を深めます。
何の花も咲いていないのに、「この庭にはきれいな花が咲いてるねえ」と明け方近くに歩いてくる貴方を、どうして見捨てられようか。
それに対するヒロちゃんがまた、「お、お疲れですね」「早く休んでください」と非常に当たり障りがなく大人。
最近何のイベントも起こらなかったのですが、おまわりさんが休みの日にわざわざ私服で訪ねてくれるようになり、それだけで満足。普段は垣根越しにしか会えない貴方が、真っ白なシャツで短い茶色の髪で現れたときは、何かの奇跡かと思った。
そして、ド級に久しぶりだったカイ・ソウカナとのイベント。
お母さんのニノさんが作ったケーキをわざわざ届けに来たカイ君。
カイ これ母さんがつくったケーキ。味は保証しない。
ヒロ そ、そんなに?
マイ …でもまあ、味覚なんて人それぞれだし…。…お前丈夫そうだから。
ヒロ 女の子にひどい。
カイ え…ひどい、か…。
ヒロ そうですよ。女の子はデリケートなんですよ。
カイ そういうもんなのか…。
ヒロ そうですよ。
萌え以外の形容詞が見当たらない!!
なんだよこの可愛い少年! なんていうか、となりのト○ロにおける、サツキちゃんと、カンちゃんのようなそんな関係! その清さの中に愛がある! 色々な形の愛が!
ちなみにこの辺で、しあわせが集まると咲く花は、真っ赤な花が咲きました。
まあどうでもいいんだそんなこたあ。こっちはオレガンさんがお誘いできるかどうかだけが今知りたいんだ。あとおまわりさん。
今更なんですが、次にやるときは絶対に人優先にして、庭放置しようと思います。絶対に誰も逃しはしない。
そんなこんなで、カイ・ソウカナは遠くの学校へ旅立っていったわけですが…。ニノ母から聞いて涙目の私。
何故、何故ヒロちゃんとの別れイベントがなかったか…! よほどのことがない限り、カイ君を追いかけていた身分からすれば、イベントを取り逃したとは到底考えづらいので、やはりこれは、第三者の口から当人のことが語られるという、生々しくて勘弁して欲しいけどこのゲームなんだかやたらによくあるこういうイベントというやつなのだろうか…。
ニノ母は寂しげだが、私の絶望は海より深い。
やっとオレガンをお茶に誘える。いまいちこのあたりは、何時に通りかかるとか、かからないとかがわからない。何の実のある会話はなかったのだけれど、オレガンさん、自分の会話時に頭をかきむしるのは一体なんなのだろう。さわやかなくせして病んでるのか。
あと、遅くにオットー・ソウカナさんに声をかけるのは基本(イベントがないと、大体朝一に来ているやつらは朝の挨拶で終わり、お茶に誘えない)なのだけれど、今回は「今日は遅くなったなあ。カミさんに怒られるなあ」と、コロンボばりの超萌えを炸裂させて帰っていった…。だったら貴方帰りなさいよ真っ直ぐ! 貴方の家隣り!
またこれも、そうこうしている間に、カナンさん、実家のお父様かなんかが具合悪くなって帰ってしまいました。
なんなんだよこのリアル! カナンさんどうなっちゃうの!?
田舎の町で仕事を見つけ、そして都会に帰らざるをえなくなってしまったカナンさんを思い、ヒロちゃんはクララさんとしんみりするのでした。
サラリーマン・オレガンさんは、自分で花を育ててみようと思ったのですが、なかなか上手くいかない様子で、アドバイスを求めてきます。それに対するヒロちゃんの答えが、「不安な心をなくすといい」って、それどんなカウンセリング…。
要するに、ヒロちゃんは不安な心は植物にも伝わるから、ってことが言いたいのですが、それを聞いてしみじみしてしまうオレガンさんの病み具合の恐ろしさよ。いや、オレガンさん普通の人なんですけどね…。仕事に追われるとこうも抵抗力が弱くなるのか、というか。
売れない画家の恋愛相談も、お目当ての人と付き合いたいから、仕事に就こうと思うんだという会話で、ヒロちゃんの受け答えがまたすごい。
「それもいいですね」
そう、ヒロちゃんは「それはいいですね」ではなく、「それもいいですね」と答えたのだ!
筆者齢32にして、ヒロちゃんから学ぶべきことが多すぎる! 全肯定ではなく、あくまでアプローチの一巻として、今の貴方を否定するわけではないこの答えが凄すぎる! パーフェクト・ヒロ!
オレガンさんに引き続き、おまわりさんのアルベルトさんもついにお茶会へ誘うこと成功。
彼の場合、特別萌え会話に特化しているわけじゃなく、大体趣味の映画についてのコメントなのですが、それでも、
「プリムに、お兄ちゃんがスパイだったらどうする?」って聞いたら、「プリムは何があってもおにいさまの味方ですわ!」と目をきらきらさせて言ってきたときは、嬉しかったなあとか、横つながりの会話が上手い。
アルベルトがいいお兄さんで、プリムちゃんがおにいちゃんの思惑とはちょっと違う方向にわくわくしているであろうけど、いい妹っていうのが垣間見れるのがまた…。
何にせよ、主人公のヒロちゃんっていうのは、あくまで自分が知りうることが出来ないキャラクターたちの出来事を、あくまで聞いているだけっていうところがいい。それぞれの登場人物には、それぞれの生活とか繋がりとかがあって、ヒロちゃんはそれに一切関与していないのが現実味があります。誰も彼も、別にヒロちゃんに影響されて人生変わったりしない。それどころか、ヒロちゃんとは関係ないところで生活がちゃんとあって、相談はおろか、殆ど彼らの一方的な報告にしか過ぎないのだけれど、それでもヒロちゃんとは別次元で、彼らの生き様があるっていうのが、物凄く上手い。
タリナちゃんはアルベルトさんが好きで告白したいんだけど、年の差を感じていたり。
女性陣の誰と話していても必ず、当て馬のように出てくるサイデスとか。サイデス氏は実はそれほど庭にはやってこないし、彼のイベントそのものもあまりない(多分お茶会にも誘えないんじゃないかと思う。わからんが)のだけれど、それでも「女好き」一択の個性があるから、「ああ…私のあずかり知らぬところであの人は…」という理解が出来ちゃうのがまたミソ。
ヒロちゃんはあくまで、庭を育てるのが本業であって、他人の人生を変えるのがメインじゃない。
庭仕事のついでに、近所の人と付き合って、そこで彼らがどうやって毎日を過ごしているのか「知る」だけなのだ。
だから、ニノさんとソウカナさんにめでたく懐妊のニュースが知れ渡ったときには、国家予算で落としてもいいくらいの祭りだと思った。(これが言いたかっただけ)
ついに! カイ君にも妹か弟が!! 今は遠く離れたカイ君にも!!(錯乱)
いや、正直お茶会に誘いすぎて会話のバリエーションも早い段階に尽きた(笑)ニノさんに、久しぶりに話しかけてみたら、「具合が悪い」とか言い出すから! 普通ならすぐに赤ちゃんネタだと気づくべきなんだろうけど、おばあちゃんにカナンさんの前例があるだけに、本気で「ついに死亡ネタが来たか!?」と恐れおののいたのもつかの間、オットー・ソウカナさんがお茶会で「早く生まれないかなあ。男の子かなあ。女の子かなあ。カミさんと名前を考えないとなあ」と貴方も至福、私も至福な時を演出してくれたので、本当に良かったです。
今現在で、最後の春なのですが、間違いなくマーガレットは間に合わないとして、だ。これって年に一度のコンテストに優勝できるとか、出来ないとかで何か変わるんだろうか。一回だけ、何かの花(多分チューリップか何か)で優勝したんだけど、別にテーブルセットもらえただけだし。
これ、毎年必ず優勝したいのなら、事前に花を覚えていて、ちゃんと一年前から準備とか必要だなあ。
マーガレットなんか、植え時が3月から5月で、コンテストが5月にあるんだけど、その年の3月に植えたところで花絶対間に合わないもん。
ただ植えればいいってもんじゃない、ってところでは、年々コンテストの難易度上がっているんだとは思います。
さて春になって、ずっと姿が見えなかったひとりぼっちのコッコちゃん(書いているだけで泣きそう)が庭に姿を見せました。
狩人の速さで飛び込んで会話したところによると、何でも遠くに引っ越したそうで、さよならが言えなかったからわざわざ挨拶に来てくれたのだとか。
「おねえちゃん、コッコちゃんのたからものだった、チューリップ植えてくれて、きれいな花を咲かせてくれて、ありがとう」
コッコォォォォォォ!!
ヒロちゃんとコッコちゃんはさわやかに挨拶して別れていましたが、こっちはそれどころじゃない。
まだ進めていないのでわかりませんが、コッコちゃんはもう二度と来ないのかなあ。
このゲーム、カイ君とか、カナンさんとか、コッコちゃんもそうですが、ある日突然それぞれの事情で説明もなしにいなくなる人が多すぎると思います。いや、その辺も吐くほどリアルったらそうなんだけど…心臓に悪いぜ。
おばあちゃんが病気…なんだか、加齢に伴う体力低下なのか、とにかくリアルにヘルパーが来るようになってしばらく。
「イチゴとラベンダーがいいよ」と言われたので、ラベンダーを必死になって植えたのですが、実るのはいつだ。
そのイベントが起きてから、カナンさんはおばあちゃんのことばかりになり、こっちのイベントも停滞中。
仕方がないので、朝日ばかりをあびているサラリーマン・オレガンさんと交流を深めます。
何の花も咲いていないのに、「この庭にはきれいな花が咲いてるねえ」と明け方近くに歩いてくる貴方を、どうして見捨てられようか。
それに対するヒロちゃんがまた、「お、お疲れですね」「早く休んでください」と非常に当たり障りがなく大人。
最近何のイベントも起こらなかったのですが、おまわりさんが休みの日にわざわざ私服で訪ねてくれるようになり、それだけで満足。普段は垣根越しにしか会えない貴方が、真っ白なシャツで短い茶色の髪で現れたときは、何かの奇跡かと思った。
そして、ド級に久しぶりだったカイ・ソウカナとのイベント。
お母さんのニノさんが作ったケーキをわざわざ届けに来たカイ君。
カイ これ母さんがつくったケーキ。味は保証しない。
ヒロ そ、そんなに?
マイ …でもまあ、味覚なんて人それぞれだし…。…お前丈夫そうだから。
ヒロ 女の子にひどい。
カイ え…ひどい、か…。
ヒロ そうですよ。女の子はデリケートなんですよ。
カイ そういうもんなのか…。
ヒロ そうですよ。
萌え以外の形容詞が見当たらない!!
なんだよこの可愛い少年! なんていうか、となりのト○ロにおける、サツキちゃんと、カンちゃんのようなそんな関係! その清さの中に愛がある! 色々な形の愛が!
ちなみにこの辺で、しあわせが集まると咲く花は、真っ赤な花が咲きました。
まあどうでもいいんだそんなこたあ。こっちはオレガンさんがお誘いできるかどうかだけが今知りたいんだ。あとおまわりさん。
今更なんですが、次にやるときは絶対に人優先にして、庭放置しようと思います。絶対に誰も逃しはしない。
そんなこんなで、カイ・ソウカナは遠くの学校へ旅立っていったわけですが…。ニノ母から聞いて涙目の私。
何故、何故ヒロちゃんとの別れイベントがなかったか…! よほどのことがない限り、カイ君を追いかけていた身分からすれば、イベントを取り逃したとは到底考えづらいので、やはりこれは、第三者の口から当人のことが語られるという、生々しくて勘弁して欲しいけどこのゲームなんだかやたらによくあるこういうイベントというやつなのだろうか…。
ニノ母は寂しげだが、私の絶望は海より深い。
やっとオレガンをお茶に誘える。いまいちこのあたりは、何時に通りかかるとか、かからないとかがわからない。何の実のある会話はなかったのだけれど、オレガンさん、自分の会話時に頭をかきむしるのは一体なんなのだろう。さわやかなくせして病んでるのか。
あと、遅くにオットー・ソウカナさんに声をかけるのは基本(イベントがないと、大体朝一に来ているやつらは朝の挨拶で終わり、お茶に誘えない)なのだけれど、今回は「今日は遅くなったなあ。カミさんに怒られるなあ」と、コロンボばりの超萌えを炸裂させて帰っていった…。だったら貴方帰りなさいよ真っ直ぐ! 貴方の家隣り!
またこれも、そうこうしている間に、カナンさん、実家のお父様かなんかが具合悪くなって帰ってしまいました。
なんなんだよこのリアル! カナンさんどうなっちゃうの!?
田舎の町で仕事を見つけ、そして都会に帰らざるをえなくなってしまったカナンさんを思い、ヒロちゃんはクララさんとしんみりするのでした。
サラリーマン・オレガンさんは、自分で花を育ててみようと思ったのですが、なかなか上手くいかない様子で、アドバイスを求めてきます。それに対するヒロちゃんの答えが、「不安な心をなくすといい」って、それどんなカウンセリング…。
要するに、ヒロちゃんは不安な心は植物にも伝わるから、ってことが言いたいのですが、それを聞いてしみじみしてしまうオレガンさんの病み具合の恐ろしさよ。いや、オレガンさん普通の人なんですけどね…。仕事に追われるとこうも抵抗力が弱くなるのか、というか。
売れない画家の恋愛相談も、お目当ての人と付き合いたいから、仕事に就こうと思うんだという会話で、ヒロちゃんの受け答えがまたすごい。
「それもいいですね」
そう、ヒロちゃんは「それはいいですね」ではなく、「それもいいですね」と答えたのだ!
筆者齢32にして、ヒロちゃんから学ぶべきことが多すぎる! 全肯定ではなく、あくまでアプローチの一巻として、今の貴方を否定するわけではないこの答えが凄すぎる! パーフェクト・ヒロ!
オレガンさんに引き続き、おまわりさんのアルベルトさんもついにお茶会へ誘うこと成功。
彼の場合、特別萌え会話に特化しているわけじゃなく、大体趣味の映画についてのコメントなのですが、それでも、
「プリムに、お兄ちゃんがスパイだったらどうする?」って聞いたら、「プリムは何があってもおにいさまの味方ですわ!」と目をきらきらさせて言ってきたときは、嬉しかったなあとか、横つながりの会話が上手い。
アルベルトがいいお兄さんで、プリムちゃんがおにいちゃんの思惑とはちょっと違う方向にわくわくしているであろうけど、いい妹っていうのが垣間見れるのがまた…。
何にせよ、主人公のヒロちゃんっていうのは、あくまで自分が知りうることが出来ないキャラクターたちの出来事を、あくまで聞いているだけっていうところがいい。それぞれの登場人物には、それぞれの生活とか繋がりとかがあって、ヒロちゃんはそれに一切関与していないのが現実味があります。誰も彼も、別にヒロちゃんに影響されて人生変わったりしない。それどころか、ヒロちゃんとは関係ないところで生活がちゃんとあって、相談はおろか、殆ど彼らの一方的な報告にしか過ぎないのだけれど、それでもヒロちゃんとは別次元で、彼らの生き様があるっていうのが、物凄く上手い。
タリナちゃんはアルベルトさんが好きで告白したいんだけど、年の差を感じていたり。
女性陣の誰と話していても必ず、当て馬のように出てくるサイデスとか。サイデス氏は実はそれほど庭にはやってこないし、彼のイベントそのものもあまりない(多分お茶会にも誘えないんじゃないかと思う。わからんが)のだけれど、それでも「女好き」一択の個性があるから、「ああ…私のあずかり知らぬところであの人は…」という理解が出来ちゃうのがまたミソ。
ヒロちゃんはあくまで、庭を育てるのが本業であって、他人の人生を変えるのがメインじゃない。
庭仕事のついでに、近所の人と付き合って、そこで彼らがどうやって毎日を過ごしているのか「知る」だけなのだ。
だから、ニノさんとソウカナさんにめでたく懐妊のニュースが知れ渡ったときには、国家予算で落としてもいいくらいの祭りだと思った。(これが言いたかっただけ)
ついに! カイ君にも妹か弟が!! 今は遠く離れたカイ君にも!!(錯乱)
いや、正直お茶会に誘いすぎて会話のバリエーションも早い段階に尽きた(笑)ニノさんに、久しぶりに話しかけてみたら、「具合が悪い」とか言い出すから! 普通ならすぐに赤ちゃんネタだと気づくべきなんだろうけど、おばあちゃんにカナンさんの前例があるだけに、本気で「ついに死亡ネタが来たか!?」と恐れおののいたのもつかの間、オットー・ソウカナさんがお茶会で「早く生まれないかなあ。男の子かなあ。女の子かなあ。カミさんと名前を考えないとなあ」と貴方も至福、私も至福な時を演出してくれたので、本当に良かったです。
今現在で、最後の春なのですが、間違いなくマーガレットは間に合わないとして、だ。これって年に一度のコンテストに優勝できるとか、出来ないとかで何か変わるんだろうか。一回だけ、何かの花(多分チューリップか何か)で優勝したんだけど、別にテーブルセットもらえただけだし。
これ、毎年必ず優勝したいのなら、事前に花を覚えていて、ちゃんと一年前から準備とか必要だなあ。
マーガレットなんか、植え時が3月から5月で、コンテストが5月にあるんだけど、その年の3月に植えたところで花絶対間に合わないもん。
ただ植えればいいってもんじゃない、ってところでは、年々コンテストの難易度上がっているんだとは思います。
さて春になって、ずっと姿が見えなかったひとりぼっちのコッコちゃん(書いているだけで泣きそう)が庭に姿を見せました。
狩人の速さで飛び込んで会話したところによると、何でも遠くに引っ越したそうで、さよならが言えなかったからわざわざ挨拶に来てくれたのだとか。
「おねえちゃん、コッコちゃんのたからものだった、チューリップ植えてくれて、きれいな花を咲かせてくれて、ありがとう」
コッコォォォォォォ!!
ヒロちゃんとコッコちゃんはさわやかに挨拶して別れていましたが、こっちはそれどころじゃない。
まだ進めていないのでわかりませんが、コッコちゃんはもう二度と来ないのかなあ。
このゲーム、カイ君とか、カナンさんとか、コッコちゃんもそうですが、ある日突然それぞれの事情で説明もなしにいなくなる人が多すぎると思います。いや、その辺も吐くほどリアルったらそうなんだけど…心臓に悪いぜ。
マイガーデンその2
四年目に突入し、ヒロちゃんの庭をとりまく人間模様がドロドロしてまいりました。
なんだよこのゲーム…。可愛い絵柄に可愛い登場人物で、明るく楽しい日の光がそそぐ庭を作る、っていうファンシーなゲームじゃなかったのか…。
大体、おばあちゃんの具合が悪くなってヘルパーが通うようになるって、それどんなリアル? いつの時代のゲーム? これってPSのゲームだよね? そのご時勢ここまで具体的におばあちゃんの様子描くってどれだけ。そういうゲームなのこれは。
その前にも、「いつもひとりぼっちなの」というコッコちゃんという女の子がぽつんとやってくるようになったり、一時が万事生々しいです出てくる人物たちの抱えるものとか、会話の節々に出てくる事情が。
勿論、普段は明るく楽しい会話が殆どというか、天気の話に終始する、本当にただの挨拶を交わす間柄なんですが、いざイベントが起こったり、室内でのお茶会になったりすると、それぞれに話す内容が…生々しいです…凄く…。
この、普段は当たり障りなく楽しい話をしてるんだけど、二人っきりになって気が緩んだり、ふと何かが起こって誰かに聞いてもらいたい、的な絶妙な頻度で起こる重い内容の会話が、頂点突き抜けてリアリティがあります。楽しいだけが人性じゃないし、辛いだけが人性じゃない。だけどこれ、ガーデニングゲームだったはずなんだけど。
ヒロちゃんが別に、カウンセラーポジションにいるわけじゃないのがまたリアル。別にヒロちゃんは他の住人の機嫌を取るために、庭を育てているわけじゃないし、それこそ社交辞令の延長上でお茶に誘っているだけなんだけど、人として相手が真面目な話をしてくれば、それは真面目に対応しますよ、っていう立ち位置が凄くリアル。
彼女はご機嫌をとっているわけではない。自分より年少者であるコッコちゃんが、悲しそうな顔で話をすれば、それに対して「気を遣うことが当たり前に出来る」っていうだけの話。それって普通に人が意識しないでやってることなんだけど、それをよもやゲームでまざまざと見せ付けられるとは思わなんだ。
別にこれは、人との関わりを忘れないで都会砂漠から流れてきたヒロちゃんが田舎の人々と触れ合って真実の真心を探していく…なんつうゲームでは全くないので(大体人物に話しかけなくたってゲームは進むわけで)そんな深読みいちいち必要じゃないんだけど、思わず唸ってしまう会話の秀逸さが、それぞれの登場人物に振り分けられている、っていうのがこのゲームの上手さだなあ。
大体会話のバリエーションもありすぎです。おばあちゃんにせよ、庭に迷い込んでくる奴らにせよ、ただの挨拶一つとってもどれだけあるのかと。
あと、バリエーションが少なかったとしても、「こういうこと言いそうな人物がそういうことちゃんと言ってる」場合において、その言葉が何百回出てきたとしても、飽きが来ないっていう上手さもあります。挨拶一つとってもいちいちお見事。
お茶会っていうのは、登場人物たちと挨拶で親密度を上げていくと、自宅に呼べるっていうイベントなのですが、そこではボタンが振り分けられています。
相手が話すのは○ボタンで、自分が話すのは△。お茶菓子を食べるのは×。
この三種類を駆使して、光ったらタイミングよくボタンを押そう、っていう失敗要素あまりないようなイベントなんですが、ここでの個性の描き方も本当に上手い。
よくしゃべるプリムちゃんは、延々自分が話し続けたいので、○ボタンしか光らない。
かと思えば、ソウカナさんは、自分が殆ど話さないので、△ボタンしか光らない。だけど、相槌を打っている間にソウカナさん、勝手に親密度上がっていく、みたいな。
ただ指定されたボタンを押しているだけなのに、登場人物の個性ががっつり確立されるってのも、なかなか凄いなあ。
地味に第三者同士のイベントも連動していて、おまわりさんからミステリーサークルの話を聞いた後は、他の人物もそれについて言及したりと、細かなところもよく、出来てる…。
正直、そういう部分で楽しめるゲームだと思っていなかったのに変な大作RPGよりもよほど人間描写が秀逸でそういう方向でも物凄く楽しめるゲームです。
伏兵だった…。場つなぎにやるようなゲームじゃねえ…。こりゃふんどしを締めてかからないと…。
取り逃しているイベントとか、好感度上げ足りないような人物も山ほどいると思うので、これは何回やってもかなり楽しめそうです。
これ、作った人の人物ソースとかすげえ上手かったんだろうなあ。誰一人媚びてないし、萌えとかからかけ離れているんだけど、魅力だけはフル稼働っていうか。
いえ、私はソウカナファミリー全員萌えますが、それはこう萌えっていうよりは、純粋に好きだっていう恥ずかしい気持ちの方が強いっつーか(こういうことを言い出すと後々憤死したくなります)。
四年目に突入し、ヒロちゃんの庭をとりまく人間模様がドロドロしてまいりました。
なんだよこのゲーム…。可愛い絵柄に可愛い登場人物で、明るく楽しい日の光がそそぐ庭を作る、っていうファンシーなゲームじゃなかったのか…。
大体、おばあちゃんの具合が悪くなってヘルパーが通うようになるって、それどんなリアル? いつの時代のゲーム? これってPSのゲームだよね? そのご時勢ここまで具体的におばあちゃんの様子描くってどれだけ。そういうゲームなのこれは。
その前にも、「いつもひとりぼっちなの」というコッコちゃんという女の子がぽつんとやってくるようになったり、一時が万事生々しいです出てくる人物たちの抱えるものとか、会話の節々に出てくる事情が。
勿論、普段は明るく楽しい会話が殆どというか、天気の話に終始する、本当にただの挨拶を交わす間柄なんですが、いざイベントが起こったり、室内でのお茶会になったりすると、それぞれに話す内容が…生々しいです…凄く…。
この、普段は当たり障りなく楽しい話をしてるんだけど、二人っきりになって気が緩んだり、ふと何かが起こって誰かに聞いてもらいたい、的な絶妙な頻度で起こる重い内容の会話が、頂点突き抜けてリアリティがあります。楽しいだけが人性じゃないし、辛いだけが人性じゃない。だけどこれ、ガーデニングゲームだったはずなんだけど。
ヒロちゃんが別に、カウンセラーポジションにいるわけじゃないのがまたリアル。別にヒロちゃんは他の住人の機嫌を取るために、庭を育てているわけじゃないし、それこそ社交辞令の延長上でお茶に誘っているだけなんだけど、人として相手が真面目な話をしてくれば、それは真面目に対応しますよ、っていう立ち位置が凄くリアル。
彼女はご機嫌をとっているわけではない。自分より年少者であるコッコちゃんが、悲しそうな顔で話をすれば、それに対して「気を遣うことが当たり前に出来る」っていうだけの話。それって普通に人が意識しないでやってることなんだけど、それをよもやゲームでまざまざと見せ付けられるとは思わなんだ。
別にこれは、人との関わりを忘れないで都会砂漠から流れてきたヒロちゃんが田舎の人々と触れ合って真実の真心を探していく…なんつうゲームでは全くないので(大体人物に話しかけなくたってゲームは進むわけで)そんな深読みいちいち必要じゃないんだけど、思わず唸ってしまう会話の秀逸さが、それぞれの登場人物に振り分けられている、っていうのがこのゲームの上手さだなあ。
大体会話のバリエーションもありすぎです。おばあちゃんにせよ、庭に迷い込んでくる奴らにせよ、ただの挨拶一つとってもどれだけあるのかと。
あと、バリエーションが少なかったとしても、「こういうこと言いそうな人物がそういうことちゃんと言ってる」場合において、その言葉が何百回出てきたとしても、飽きが来ないっていう上手さもあります。挨拶一つとってもいちいちお見事。
お茶会っていうのは、登場人物たちと挨拶で親密度を上げていくと、自宅に呼べるっていうイベントなのですが、そこではボタンが振り分けられています。
相手が話すのは○ボタンで、自分が話すのは△。お茶菓子を食べるのは×。
この三種類を駆使して、光ったらタイミングよくボタンを押そう、っていう失敗要素あまりないようなイベントなんですが、ここでの個性の描き方も本当に上手い。
よくしゃべるプリムちゃんは、延々自分が話し続けたいので、○ボタンしか光らない。
かと思えば、ソウカナさんは、自分が殆ど話さないので、△ボタンしか光らない。だけど、相槌を打っている間にソウカナさん、勝手に親密度上がっていく、みたいな。
ただ指定されたボタンを押しているだけなのに、登場人物の個性ががっつり確立されるってのも、なかなか凄いなあ。
地味に第三者同士のイベントも連動していて、おまわりさんからミステリーサークルの話を聞いた後は、他の人物もそれについて言及したりと、細かなところもよく、出来てる…。
正直、そういう部分で楽しめるゲームだと思っていなかったのに変な大作RPGよりもよほど人間描写が秀逸でそういう方向でも物凄く楽しめるゲームです。
伏兵だった…。場つなぎにやるようなゲームじゃねえ…。こりゃふんどしを締めてかからないと…。
取り逃しているイベントとか、好感度上げ足りないような人物も山ほどいると思うので、これは何回やってもかなり楽しめそうです。
これ、作った人の人物ソースとかすげえ上手かったんだろうなあ。誰一人媚びてないし、萌えとかからかけ離れているんだけど、魅力だけはフル稼働っていうか。
いえ、私はソウカナファミリー全員萌えますが、それはこう萌えっていうよりは、純粋に好きだっていう恥ずかしい気持ちの方が強いっつーか(こういうことを言い出すと後々憤死したくなります)。
予約してあるゲームの発売日まで間があったので、なんかこう、攻略本とか使わなくてもよくて、RPGみたいに長くなくて、話が重くなくてみたいなゲームないかなあと思っていた時に、アーカイブスで落とした『牧場物語ハーベストムーン』が、移動だけで日が暮れるというわけのわからない仕様だったことに悲しくなったりしたのですが、何故かランキングに入っていた『マイガーデン』。
現実世界では、ガーデニングには一切興味がありません。
実家の庭が雑草まみれであっても気にしません。むしろ庭なんてなくたっていい。
そんな私ですが、超はまってます。
面白いです。やることいっぱいあって凄く忙しいですが、面白いです。
まず、おばあちゃんの家の庭を借りてガーデニングをやる、主人公のヒロちゃん(女の子)が超可愛い。
ツッコミ上手で、かつ素直。
友達をナンパしようという愛のハンター(自称)に対して、「ああ、リョウシさんですか」「やめたほうがいいと思います。というかやめてください」と、クールに冴えわたるツッコミ。
どんな人間にも基本ローテーションなんですが、そのツッコミがまた上手い!
大体、このヒロちゃんからして設定超謎なんですよ。だって、夏休みだけ利用しておばあちゃん家来てるとかじゃないんですもん。五年間おばあちゃん家の庭仕事をやり続ける、っていう設定って、普通におかしいですよね。もしもし、学校は?
小学生ではなさそうなんですが、高校生でもなさそう。でも精神年齢はOLクラスのヒロちゃんの設定からして、謎ばかりなんですよ。その謎がたまらなく個性。幼い頃に一緒に遊んでくれていたタリナちゃん(隣のお姉ちゃん)が、朝に「学校に行くんだ」と挨拶に来てくれている以上、ヒロちゃんは高校生年齢より下であるのは間違いないわけですよ。だからヒロちゃん学校は?
こうなると、中学校年齢で何らかの理由でおばあちゃん家に来ざるをえなかったと考えて、世界の闇を垣間見てしまうよりも、中学校卒業して高校には行かなかった、と考えるほうがいいような気がしてしまいます。
いや、それともヒロちゃん超天才児で既に大学までの単位を取っているのかもしれん…。あの会話の聡明さを見るに、頭が悪いわけではなく、隣人とパーフェクトコミュニケーションを構築している以上、そっちの理由でドロップアウトしているとは到底考えづらい…。大体、元々超都会に住んでいて、田舎のおばあちゃん家に来ているあたり、何らかの事情を鑑みられずにはいられないんだ…。ヒロちゃん…貴方は一体…。
隣人の皆さんも、全員会話がキレるので、もう庭に姿でも見えようものなら、血眼になって追いかける始末。
このゲームにおける他のキャラクターとの会話は、庭に迷い込んでくるキャラクターにこっちから話しかけなきゃいけないので、とにかく忙しいったらないです。誰も彼も勝手に入ってきて、勝手に出て行くので、一人と話している間にもう一人出て行っちゃうとか、庭の奥で作業していると、入り口が視界から外れているので、庭仕事にばかりかまけているとコミュニケーションが全く取れないとか、とにかく折り合いをつけるのが大変です。だって、庭が雑草でボーボーなのに、いつやってくるかわからない客人を、入り口近くでひたすら待つわけにはいかないじゃないか! まだ庭に入ってきてくれればいいものの、人物によっては柵越しに通り過ぎる姿を捕らえる必要性もあるので、本気で忙しいです。
奥で作業しっぱなしじゃなく、ちょっと作業しては入り口確認、注意は常に入り口へ向けていないと、コミュニケーションマスターにはなれないぜ!
そして時間配分も大事。朝の六時に起きて夜の十時まで庭仕事するのは当たり前! 人があまり来ない明け方と、夜遅くに庭の奥を作業するなどの工夫も当然必要になってきます。
人の出入りが多い午前中とか、昼間はなるべく入り口近くの仕事をする、とかね。ともかく頭脳と体力と時間との戦いです。ポーズをかけないと時間経過は止まらないので。
勿論、住人なんて無視してたっていいんですが、そうなると、オットー・ソウカナさんからホースもらえないからね!
仲良くなれば、会話が面白いだけではなく(この会話のバリエーションも連動していて多いんだこれが)新しいレシピがもらえたり、植物の苗がもらえたり色々恩恵があるのですが、ともかくソウカナ父さんからもらえる水まきホースは必須。
私はタリナちゃんや、カナンさん(トークがとにかくキレる、求職中のお姉さん)を差し置いて、ともかくソウカナさんの姿が見えたら速攻で話かけてました。超かっけえよソウカナさん。
大体このソウカナファミリーって、家族全員萌えで超卑怯。
息子のカイ君は突っ張り小僧で、おなかをすかせて餌付けから始まるラブ。いつも垣根越しにしか出会えない貴方を捕まえるのは至難の業。貴方のためだけに夕方17時になったら、左右どちらから現れてもいいように、入り口で常に待機。その挙句の果てに、柵から遠い向かいの道を歩いてきたのを発見したときには、思わず殺意。その姿を確認した途端、庭の奥の作業に移るわ、と言った挙句。お父さんの柵のペンキ塗り替えイベントかと思いきや、ある日の午後に貴方が塗りに現れたときはその可愛さに目がくらんだ。はけを忘れて明日また来るから何色がいい? 赤? 緑? と聞かれた日にはお前色に染めてくれと心から思った。大体彼はツンデレじゃない。ツンツンもしてないし、デレデレもしない。ただ、口下手でシャイな男の子なのだ。だから親切には親切で返すし、「ちゃんと塗れるの?」と聞いた日にゃ「塗れるよ。当たり前だろ」とちょっとむっとするのだ親の手伝いも出来る何でも屋のなんて可愛い息子。
奥さんのニノさんはもう、典型的なおしゃべりおちゃめな奥さんでこれまた超可愛い。ダイエット商品に弱くて、値引きの赤いシール(この世界の世界観がわからない)が貼られるまでスーパーで待機した挙句、断りきれなくていつも買い物に出れば袋四つ抱えて帰還。冷蔵庫に入りきらなくて困っちゃうけどでも平気。だって、ご主人があのオットーさんだから。
オットーさんは、便利屋じゃないよなんでも屋の主人で、本棚作ったり、ベランダ直したりともかくなんでもやります。「いつも、寒いねえ」「まだまだ、暑いねえ」とのんびりした挨拶を、帽子にオーバーオール姿で言われるともうトキメキが止まらない。そんな貴方は仲良くなってお茶に誘うと、会話は殆どなく、にこにここちらの話を聞いているだけ。それなのに庭仕事に困っていると話すと、水撒きのホースをくれる優しい貴方は、家の前に放置してあった赤い自転車を直して、私にくれる。ありがとうでも自転車って何に使えばいいのオブジェ?
と、まあ、ともかくソウカナ一家はコルレオーネ一家より億倍萌えます。ああ、あんなに萌えの詰まった一家が隣にいるなんてそれだけで生きられそう。
真面目なゲームの内容としましては、とにかく好き勝手に庭を育てる、っていうそれだけの話です。
ただ、育てるには乾燥気味に育てるとか、水多目とか、色々植物によって違います。
植物少なめで、花壇とかアーチとか、装飾的な庭にするもよし、花ではなくハーブだけ植えるもよし。まさに自分の庭として自由に造れます。
私は花壇とかそういう作りに興味がないので、そこかしこに植物を植えまくった挙句、庭ではなく畑になった有様でした。
でも、なんにしろ自由なんだからいいんだ。
PS時代のゲームですので、会話速度が遅いとか、植物の情報閲覧がひたすら面倒とか、色々難はありますが、それを置いておいてもプレイ必須の中毒性があります。
育っていく草花は見ていて本当に楽しいし、個人的に、雑草をむしったときの、『ブチッ』という効果音がとても好み。
この効果音だけでご飯三倍いける。
これ、攻略も色々難しくて、アイテムコンプ(無理)とか、コミュニケーション完璧に行いたいとか思うと、攻略本必須だと思うのですが、何せ昔のソフトだからな…。こういうソフトこそ、攻略本唸るほど欲しいんですが。
今現在、二年目の夏といったところです。五年目までにカイ・ソウカナを落とすことを目標に頑張りたいと思います。
攻略ってわけではないですが、最初のちょっとしたコツとしては、
1・とにかくレンガの花壇は全部撤収して売れ。
結局花壇があるというだけで、レイアウト固定になってしまうので邪魔でしかない。
2・まず一番初めに買うのはベンチだ。
やりたいことと時間はあっても。最初のうちは体力がなくてすぐ寝なきゃいけないはめになってしまう。ベンチを庭に設置すれば、そこで座れば体力が回復するので、4000円貯めて速攻購入して、朝の六時から夜の十時まで庭作業に勤しもう。
3・最初に植えるのはアサガオだ。
ハーブなんて、一年目から植えてもろくに育たないし、収穫できない。手っ取り早く金を稼がないとベンチも買えないし、苗も買えない。なので、お勧めは育てやすくてあっという間に花がいっぱい咲くアサガオ。有り金はたいてアサガオ植えて収穫すれば、夏の時点で一万近くは楽に稼げる。
これだけ稼げば、好きな草花を好きなだけ買えるし、バザーでジャムを購入すれば、出すおやつにも困らない。後は、月に一度おばあちゃんからもらえる500円だけで十分。
4・最初は入り口近くに草花を植える。
おしゃれなレイアウトなんて論外。入り口近くに草花をまとめておかないと、はしからはしの移動だけで一時間とか本気で経過してしまう。庭の奥にばかり植えていたら、住人たちと全く会うことなく一日が平気で終わってしまうので、最初はとにかく入り口近くに固めて、人物とのコミュニケーションを優先すること。レイアウトなんて、後々いくらでも変更できる。今まで育てた草花を引っこ抜いてなかったことにする強い心臓が必要だ。
5・庭の奥に植えるのは、ほったらかしにしていても大丈夫な奴。
庭の奥(家側)は乾燥しやすく、手がかけづらい。なので、乾燥に強い植物(球根類とか)とか、ブドウとかキウイなどがお勧め。雨が降った後の雑草抜きだけ気をつければ後はほっといても大丈夫。間違っても手入れが大変とか、虫がつきやすいハーブなんて植えないこと。
6・レイアウト無視していいのであれば、育て方で固める。
水多目、少なめで庭の真ん中挟んで分けてしまえばいい。そうすれば、水の分量とかいちいち考えずにすむ。
7・春夏よりも、秋冬が圧倒的に忙しい。
春夏は雨が降るので、水やりの手間が省ける。植え替えと草むしりだけやっていればいい。だが、冬はとにかく乾燥するので、水まきが大変。草むしりは体力の続く限りむしってりゃいいが、水やりはじょうろからホースに変わったとしても、絶対に途中で水の補給、という動線が生まれてしまうために、秋冬は夏の二倍は忙しいと思ったほうがいい。春夏で忙しくて手が回らないと、秋冬ではほったらかしになるものも出てくる。ほったらかしになればその分、植物の調子が悪くなったり、虫がついたりするので、また手間がかかって悪循環。
私自身もまだクリアしていないので、どういう結末が待っているのかわかりませんが、ともかく楽しいです。
あまり植物にばかりかまけていると、人物とのコミュニケーションが疎かになるので、その辺の力の入れ具合が問題かなあ。
現実世界では、ガーデニングには一切興味がありません。
実家の庭が雑草まみれであっても気にしません。むしろ庭なんてなくたっていい。
そんな私ですが、超はまってます。
面白いです。やることいっぱいあって凄く忙しいですが、面白いです。
まず、おばあちゃんの家の庭を借りてガーデニングをやる、主人公のヒロちゃん(女の子)が超可愛い。
ツッコミ上手で、かつ素直。
友達をナンパしようという愛のハンター(自称)に対して、「ああ、リョウシさんですか」「やめたほうがいいと思います。というかやめてください」と、クールに冴えわたるツッコミ。
どんな人間にも基本ローテーションなんですが、そのツッコミがまた上手い!
大体、このヒロちゃんからして設定超謎なんですよ。だって、夏休みだけ利用しておばあちゃん家来てるとかじゃないんですもん。五年間おばあちゃん家の庭仕事をやり続ける、っていう設定って、普通におかしいですよね。もしもし、学校は?
小学生ではなさそうなんですが、高校生でもなさそう。でも精神年齢はOLクラスのヒロちゃんの設定からして、謎ばかりなんですよ。その謎がたまらなく個性。幼い頃に一緒に遊んでくれていたタリナちゃん(隣のお姉ちゃん)が、朝に「学校に行くんだ」と挨拶に来てくれている以上、ヒロちゃんは高校生年齢より下であるのは間違いないわけですよ。だからヒロちゃん学校は?
こうなると、中学校年齢で何らかの理由でおばあちゃん家に来ざるをえなかったと考えて、世界の闇を垣間見てしまうよりも、中学校卒業して高校には行かなかった、と考えるほうがいいような気がしてしまいます。
いや、それともヒロちゃん超天才児で既に大学までの単位を取っているのかもしれん…。あの会話の聡明さを見るに、頭が悪いわけではなく、隣人とパーフェクトコミュニケーションを構築している以上、そっちの理由でドロップアウトしているとは到底考えづらい…。大体、元々超都会に住んでいて、田舎のおばあちゃん家に来ているあたり、何らかの事情を鑑みられずにはいられないんだ…。ヒロちゃん…貴方は一体…。
隣人の皆さんも、全員会話がキレるので、もう庭に姿でも見えようものなら、血眼になって追いかける始末。
このゲームにおける他のキャラクターとの会話は、庭に迷い込んでくるキャラクターにこっちから話しかけなきゃいけないので、とにかく忙しいったらないです。誰も彼も勝手に入ってきて、勝手に出て行くので、一人と話している間にもう一人出て行っちゃうとか、庭の奥で作業していると、入り口が視界から外れているので、庭仕事にばかりかまけているとコミュニケーションが全く取れないとか、とにかく折り合いをつけるのが大変です。だって、庭が雑草でボーボーなのに、いつやってくるかわからない客人を、入り口近くでひたすら待つわけにはいかないじゃないか! まだ庭に入ってきてくれればいいものの、人物によっては柵越しに通り過ぎる姿を捕らえる必要性もあるので、本気で忙しいです。
奥で作業しっぱなしじゃなく、ちょっと作業しては入り口確認、注意は常に入り口へ向けていないと、コミュニケーションマスターにはなれないぜ!
そして時間配分も大事。朝の六時に起きて夜の十時まで庭仕事するのは当たり前! 人があまり来ない明け方と、夜遅くに庭の奥を作業するなどの工夫も当然必要になってきます。
人の出入りが多い午前中とか、昼間はなるべく入り口近くの仕事をする、とかね。ともかく頭脳と体力と時間との戦いです。ポーズをかけないと時間経過は止まらないので。
勿論、住人なんて無視してたっていいんですが、そうなると、オットー・ソウカナさんからホースもらえないからね!
仲良くなれば、会話が面白いだけではなく(この会話のバリエーションも連動していて多いんだこれが)新しいレシピがもらえたり、植物の苗がもらえたり色々恩恵があるのですが、ともかくソウカナ父さんからもらえる水まきホースは必須。
私はタリナちゃんや、カナンさん(トークがとにかくキレる、求職中のお姉さん)を差し置いて、ともかくソウカナさんの姿が見えたら速攻で話かけてました。超かっけえよソウカナさん。
大体このソウカナファミリーって、家族全員萌えで超卑怯。
息子のカイ君は突っ張り小僧で、おなかをすかせて餌付けから始まるラブ。いつも垣根越しにしか出会えない貴方を捕まえるのは至難の業。貴方のためだけに夕方17時になったら、左右どちらから現れてもいいように、入り口で常に待機。その挙句の果てに、柵から遠い向かいの道を歩いてきたのを発見したときには、思わず殺意。その姿を確認した途端、庭の奥の作業に移るわ、と言った挙句。お父さんの柵のペンキ塗り替えイベントかと思いきや、ある日の午後に貴方が塗りに現れたときはその可愛さに目がくらんだ。はけを忘れて明日また来るから何色がいい? 赤? 緑? と聞かれた日にはお前色に染めてくれと心から思った。大体彼はツンデレじゃない。ツンツンもしてないし、デレデレもしない。ただ、口下手でシャイな男の子なのだ。だから親切には親切で返すし、「ちゃんと塗れるの?」と聞いた日にゃ「塗れるよ。当たり前だろ」とちょっとむっとするのだ親の手伝いも出来る何でも屋のなんて可愛い息子。
奥さんのニノさんはもう、典型的なおしゃべりおちゃめな奥さんでこれまた超可愛い。ダイエット商品に弱くて、値引きの赤いシール(この世界の世界観がわからない)が貼られるまでスーパーで待機した挙句、断りきれなくていつも買い物に出れば袋四つ抱えて帰還。冷蔵庫に入りきらなくて困っちゃうけどでも平気。だって、ご主人があのオットーさんだから。
オットーさんは、便利屋じゃないよなんでも屋の主人で、本棚作ったり、ベランダ直したりともかくなんでもやります。「いつも、寒いねえ」「まだまだ、暑いねえ」とのんびりした挨拶を、帽子にオーバーオール姿で言われるともうトキメキが止まらない。そんな貴方は仲良くなってお茶に誘うと、会話は殆どなく、にこにここちらの話を聞いているだけ。それなのに庭仕事に困っていると話すと、水撒きのホースをくれる優しい貴方は、家の前に放置してあった赤い自転車を直して、私にくれる。ありがとうでも自転車って何に使えばいいのオブジェ?
と、まあ、ともかくソウカナ一家はコルレオーネ一家より億倍萌えます。ああ、あんなに萌えの詰まった一家が隣にいるなんてそれだけで生きられそう。
真面目なゲームの内容としましては、とにかく好き勝手に庭を育てる、っていうそれだけの話です。
ただ、育てるには乾燥気味に育てるとか、水多目とか、色々植物によって違います。
植物少なめで、花壇とかアーチとか、装飾的な庭にするもよし、花ではなくハーブだけ植えるもよし。まさに自分の庭として自由に造れます。
私は花壇とかそういう作りに興味がないので、そこかしこに植物を植えまくった挙句、庭ではなく畑になった有様でした。
でも、なんにしろ自由なんだからいいんだ。
PS時代のゲームですので、会話速度が遅いとか、植物の情報閲覧がひたすら面倒とか、色々難はありますが、それを置いておいてもプレイ必須の中毒性があります。
育っていく草花は見ていて本当に楽しいし、個人的に、雑草をむしったときの、『ブチッ』という効果音がとても好み。
この効果音だけでご飯三倍いける。
これ、攻略も色々難しくて、アイテムコンプ(無理)とか、コミュニケーション完璧に行いたいとか思うと、攻略本必須だと思うのですが、何せ昔のソフトだからな…。こういうソフトこそ、攻略本唸るほど欲しいんですが。
今現在、二年目の夏といったところです。五年目までにカイ・ソウカナを落とすことを目標に頑張りたいと思います。
攻略ってわけではないですが、最初のちょっとしたコツとしては、
1・とにかくレンガの花壇は全部撤収して売れ。
結局花壇があるというだけで、レイアウト固定になってしまうので邪魔でしかない。
2・まず一番初めに買うのはベンチだ。
やりたいことと時間はあっても。最初のうちは体力がなくてすぐ寝なきゃいけないはめになってしまう。ベンチを庭に設置すれば、そこで座れば体力が回復するので、4000円貯めて速攻購入して、朝の六時から夜の十時まで庭作業に勤しもう。
3・最初に植えるのはアサガオだ。
ハーブなんて、一年目から植えてもろくに育たないし、収穫できない。手っ取り早く金を稼がないとベンチも買えないし、苗も買えない。なので、お勧めは育てやすくてあっという間に花がいっぱい咲くアサガオ。有り金はたいてアサガオ植えて収穫すれば、夏の時点で一万近くは楽に稼げる。
これだけ稼げば、好きな草花を好きなだけ買えるし、バザーでジャムを購入すれば、出すおやつにも困らない。後は、月に一度おばあちゃんからもらえる500円だけで十分。
4・最初は入り口近くに草花を植える。
おしゃれなレイアウトなんて論外。入り口近くに草花をまとめておかないと、はしからはしの移動だけで一時間とか本気で経過してしまう。庭の奥にばかり植えていたら、住人たちと全く会うことなく一日が平気で終わってしまうので、最初はとにかく入り口近くに固めて、人物とのコミュニケーションを優先すること。レイアウトなんて、後々いくらでも変更できる。今まで育てた草花を引っこ抜いてなかったことにする強い心臓が必要だ。
5・庭の奥に植えるのは、ほったらかしにしていても大丈夫な奴。
庭の奥(家側)は乾燥しやすく、手がかけづらい。なので、乾燥に強い植物(球根類とか)とか、ブドウとかキウイなどがお勧め。雨が降った後の雑草抜きだけ気をつければ後はほっといても大丈夫。間違っても手入れが大変とか、虫がつきやすいハーブなんて植えないこと。
6・レイアウト無視していいのであれば、育て方で固める。
水多目、少なめで庭の真ん中挟んで分けてしまえばいい。そうすれば、水の分量とかいちいち考えずにすむ。
7・春夏よりも、秋冬が圧倒的に忙しい。
春夏は雨が降るので、水やりの手間が省ける。植え替えと草むしりだけやっていればいい。だが、冬はとにかく乾燥するので、水まきが大変。草むしりは体力の続く限りむしってりゃいいが、水やりはじょうろからホースに変わったとしても、絶対に途中で水の補給、という動線が生まれてしまうために、秋冬は夏の二倍は忙しいと思ったほうがいい。春夏で忙しくて手が回らないと、秋冬ではほったらかしになるものも出てくる。ほったらかしになればその分、植物の調子が悪くなったり、虫がついたりするので、また手間がかかって悪循環。
私自身もまだクリアしていないので、どういう結末が待っているのかわかりませんが、ともかく楽しいです。
あまり植物にばかりかまけていると、人物とのコミュニケーションが疎かになるので、その辺の力の入れ具合が問題かなあ。