『暗闇の果てで君を待つ公式』
何の奇跡か密林が頑張って当日に届けてくれました。夕方でしたが、快挙と呼べるでしょう。
さて、プレイしてみた最初の感想ですが、OPムービーに騙されるな! 立ち絵は結構荒い!
わりとこのへん微妙でした。
廃校舎の探索になると、背景は基本暗いので多少荒くたって構わないのですが、キャラクターの絵としてはちょっと残念。
ただ別に萌えられないかっていうと、スチルはそれぞれ気合が入っていてとても美麗なので、問題なしかと。
スチルに関してだけ言えば、DSでもかなり頑張ったほうではないかと思います。しかも、出る場面がちゃんとわかってやってる感が強いので(ラブシーン以外でも、脱ぐスチルとかね)こちらも問題なし。
サスペンスなので、当然流血描写もありますが、その死体スチルも逃げていない感じのいい具合にスプラッターなので、こちらも好印象。
ただグロイのではなく、きれいにグロかったり、妙に色気があったりする絵にわざとしてくれているので、乙女ゲームとしての配慮は完璧です。
キャラデザ? それはもう個人の好みだとしか。
さて、実際のサスペンスADVとしての内容は、今のところ一人しかクリアしていないので詳しい言明は避けますが、基本総当りでいけます。
制限時間内になんとかしろ、というイベントも勿論あるのですが、事前にセーブしておけばいいわけで詰まってゲームオーバーってことはまずないと思います。
クイックセーブも、ロードもありますし、DSソフトにしては非常に珍しいことに、セーブデータがかなり個数があるので、困ることはないと思います。
かつ重要なのが、これから大きな事が起こりますからセーブしておいたほうがいいですよてきな物語の流れがちゃんとあるので、よほど、セーブが面倒でがんがん進めていたら死んだ、ような人以外は「おっとセーブしておかねば」っていう雰囲気がちゃんとわかるようになっているわけですね。
これ、ある意味ゲームを簡単だなあ、と思ってしまう要因になるのですが、選択肢上であろうが、何処でもセーブ可能なのは嬉しいし、ただ道を歩いているだけなのによくわからないけど撲殺される、というのも、私が遊んだ限りではなかったので、本当にユーザーフレンドリーなんだと思います。
うっかりしちゃいけないことをしちゃってゲームオーバーっていうのは私もやりましたが、それは別に謎とはあまり関係ないわけですから、別にがっかりはしませんし。
総当りとか、部屋にある物品を探すのが面倒だったりするのは、もうADVのお約束として致し方ないかと。
そうイラっとくるほど部屋数もありませんし、調べる場所もありませんので、『ファミコン探偵倶楽部』で育った世代であれば、薄目を開けてクリアできるレベルだと思います。
今のところクリアしたのは、金に汚い太郎君です。
別に彼を最初にするつもりはなかったんですが、セーラームーンみたいなあだ名のテニス部が思っていたよりも凄くバカだったので、世慣れしてそうなキャラに傾いてしまいました。
スチルを全部見られたとも思えませんし、取り逃しているイベントもありそうなんですが(だが基本一本道なため、イベントも物語の流れと離れているのかもしれん)TRUE END見られました。ちょっとびっくりだ。
この分だと、基本、ちゃんとパートナーの好感度上げて(殆ど勝手に上がるようなものですが)いけば、ED見られそうですね。
それくらいの難易度の調整でちょうどいいと思います。これは乙女ゲーなわけですから。
ただ、乙女ゲーと名をつけるほど、吐くほど甘いとかそんなことはありません。皆さんわりと普通の高校生なので、会話もまともです。この辺、乙女ゲームって感じがしますねえ。いきなり変な口癖でしゃべる奴とか、アホ毛の奴とかいねえもんな。
まあ、サスペンスでそれやられても困るだけでしょうが、男性向けは普通にそういうのやったりするからな………(EVERシリーズとかね)。
話がそれましたが、甘さはそれほどないものの、俺の力でお前を変えた! 感は結構ありました。
シナリオとか、キャラクター同士の絡みに関しては、むしろ非常に上手いんじゃないでしょうか。
ネオロマ的なイベントが多くあるわけではないのですが、太郎君の場合(他はクリアしていないのでわからない)なんだかよくわからないけどこの隣にいる女の子にどんどん話さなくてもいいことばっかり話してかっこ悪いところばかり見せて俺一体何やってんだ的なうろたえ感が満載で、一つのキャラクターを追っかけている話の流れとしては、非常に自然でした。というか、満足。かなり上手です。
甘いと辛いのイベントの使い分けも上手いし、ちゃんと「主人公が第三者に狙われて怒る」とか、気になってるんだけど意見のすれ違いがあるとか、盲目的に主人公ゾッコンじゃないところとか、太郎君のキャラ立ちはかなり見事だと思いました。
………ひょっとしたら、一番できのいいシナリオ選んじゃったんじゃないだろうな………。
そうでないことを祈ります。
推理部分に関しては、なんだろう、捜査は金太郎飴であっても、内容はそれぞれ個性があればいいかな、と思います。
どの程度、キャラによって展開が違うか楽しみです。
だらだらやって、普通に頭を悩ませて、クリア時間およそ四時間ってところでしょうか。慣れればもう少し一人頭短縮できるかもしれませんね。
どれくらい金太郎飴であるかによりますが。
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『落第忍者乱太郎』最新刊当然ありませんでした。
もう駄目、うちの近所。
連続勤務の余波で、背中痛と戦いながら全部で五件回りましたよ。アニメイトにすらなかった………。
一つ、『無駄ヅモ』最新刊が置いてあった本屋(しかも大手チェーンスーパーの中にあるんだぜ………。信じられるか………)に望みをかけて回ったんですが、惜しい! 41巻くらいまでまばらに置いてあったけど、最新刊はなかった!
多分、最新刊は瞬殺したんでしょうね。他の本屋は影も形もなかったのに比べれば、非常に優秀な本屋といえるのでしょうが、ないんじゃどうしようもない。
今までネット注文していたので、あまり地元の本屋の品揃えには詳しくないのですが、アニメイトもあるくせにオタク層の薄い本屋街なんだなあ。ちょっと前までタヌキ住んでた街のくせに生意気な。
発売日に購入できれば言うことないですが、それが駄目となると、もう早く手に入れたいという気持ちはどこかへ吹っ飛んでしまいました。元々、なんでも発売日に手に入れたいタイプではないので、もうすぐ発売の漫画も含めておとなしく密林で購入しようと思います。
あんまり使いたくないんだけどなあ………。イーブックオフはまだ未入荷(下手すると一週間くらい新品は入荷にならない)(あくまで古本屋だからなのか?)なので、致し方ない。
『セイクリッドブレイズ』クリアしました。
ロウルートの感想はこちらを見ていただくことにして、カオスルートをクリアした今となっては、何のために二つのルート用意したのか全く意味がわかりません。
やはり、善と悪という相反するルートを用意したのであれば、同じ神が導く勇者としても、抱えるものが違ったり、妄信しない、むしろ反逆する要素が集まりそうなものですが、そんなもんどこにもない。
基本的に、新しい場所に行く→新しい仲間が加わる、の繰り返しでゲームは進むので、そこに物語はあまりないのです。
それはそれでいい。別にダラダラ語るのだけが物語ではないし。
けれど、それが、通る順番も、過程も何もかもが二つのルートで同じだと、存在している意味がないのです。
普通に、一つの物語として語られてしまうので。
根本的な「物語」の部分では、明らかに過去の聖戦含めて、カオスひいきで、ロウルートなんて別にあってもなくてもいいような印象が強いです。
いや、カオスルートのラストバトルなんかも、「実は俺はお前の生き別れの兄」くらいの突然オチなんですが、まだまし、というか。
登場人物はもう、ひたすら個性をばらばらにしました、年齢ばらばらにしました、種族ばらばらにしました、というちりばめ方をしているだけなので、いなきゃいないで別にいいのです。
この辺、このゲームが決定的に弱い、この人(キャラ)がいなければ話が成り立たないという人物が誰もいないという部分の顕著なところなのですが。
完全無個性の登場人物たちであれば、「戦力」として駒扱いできるのですが(その駒は個性のあるなし関係なく、「いなければ困る」大切な駒であるため、思いいれはより深まる)、そこまで無個性ではなく、可愛い絵もついちゃって、となると、なんだか中途半端なんですよね。
それならば、別に完全同じと言ってもいい二つのルートを用意するくらいなら、一つにしてそれぞれのキャラクター掘り下げるとか、戦闘に幅を持たせたほうがよかったかな、と思いました。
システム的には、ボタン配置が若干おかしな部分もありますが、概ね基本の戦闘シミュレーションなので問題なし。
ただ、戦闘MAP時に、いきなり今まで映っていた映像が勝手に向こうの都合で回転させられる、というクソ仕様はどうにかしてください。
あんたがどう写したいかが問題なんじゃない。こっちがどう写したいかが問題なんだろう! だったら固定カメラにしとけよ! 距離も位置も選べるくせに戦闘終了後おかしなことになっているカメラをいちいち直す手間はかなり面倒です。
カオスルートは慣れちゃった(戦闘メンバーのバランスもいい)ので、ロウの半分くらいの時間でクリアできました。別にアイテムを集める必要もなければ、マップをコンプリートする必要も別にないし。したところでおまけがあるわけでもないし。
ヴィランの条件がわりと楽だったので、それでも頑張って条件を満たしたのですが、萌えるリアクションが何もなかったので、それにがっかりして、他の奴らの条件付けなんでどうでもよくなってしまいました。
物語のキャラゲーとして期待するならば、正直期待はずれでしょうが、イラストも可愛いし立ち絵はよく動くので、映像としては及第点。
二頭身、3Dの戦闘時キャラは正直好みが分かれる(どうしても頭身が低いと、シリアス感が薄れる)と思いますが、それぞれ可愛いです。
戦闘も、こうなんのひねりもないオーソドックスなので、ゲーム慣れしている人よりは、ちょっとシミュレーションやってみようかな、という人向けのゲームでした。
個人的には、キダムに充分に萌えられたので、それで満足です。元取った。
もう駄目、うちの近所。
連続勤務の余波で、背中痛と戦いながら全部で五件回りましたよ。アニメイトにすらなかった………。
一つ、『無駄ヅモ』最新刊が置いてあった本屋(しかも大手チェーンスーパーの中にあるんだぜ………。信じられるか………)に望みをかけて回ったんですが、惜しい! 41巻くらいまでまばらに置いてあったけど、最新刊はなかった!
多分、最新刊は瞬殺したんでしょうね。他の本屋は影も形もなかったのに比べれば、非常に優秀な本屋といえるのでしょうが、ないんじゃどうしようもない。
今までネット注文していたので、あまり地元の本屋の品揃えには詳しくないのですが、アニメイトもあるくせにオタク層の薄い本屋街なんだなあ。ちょっと前までタヌキ住んでた街のくせに生意気な。
発売日に購入できれば言うことないですが、それが駄目となると、もう早く手に入れたいという気持ちはどこかへ吹っ飛んでしまいました。元々、なんでも発売日に手に入れたいタイプではないので、もうすぐ発売の漫画も含めておとなしく密林で購入しようと思います。
あんまり使いたくないんだけどなあ………。イーブックオフはまだ未入荷(下手すると一週間くらい新品は入荷にならない)(あくまで古本屋だからなのか?)なので、致し方ない。
『セイクリッドブレイズ』クリアしました。
ロウルートの感想はこちらを見ていただくことにして、カオスルートをクリアした今となっては、何のために二つのルート用意したのか全く意味がわかりません。
やはり、善と悪という相反するルートを用意したのであれば、同じ神が導く勇者としても、抱えるものが違ったり、妄信しない、むしろ反逆する要素が集まりそうなものですが、そんなもんどこにもない。
基本的に、新しい場所に行く→新しい仲間が加わる、の繰り返しでゲームは進むので、そこに物語はあまりないのです。
それはそれでいい。別にダラダラ語るのだけが物語ではないし。
けれど、それが、通る順番も、過程も何もかもが二つのルートで同じだと、存在している意味がないのです。
普通に、一つの物語として語られてしまうので。
根本的な「物語」の部分では、明らかに過去の聖戦含めて、カオスひいきで、ロウルートなんて別にあってもなくてもいいような印象が強いです。
いや、カオスルートのラストバトルなんかも、「実は俺はお前の生き別れの兄」くらいの突然オチなんですが、まだまし、というか。
登場人物はもう、ひたすら個性をばらばらにしました、年齢ばらばらにしました、種族ばらばらにしました、というちりばめ方をしているだけなので、いなきゃいないで別にいいのです。
この辺、このゲームが決定的に弱い、この人(キャラ)がいなければ話が成り立たないという人物が誰もいないという部分の顕著なところなのですが。
完全無個性の登場人物たちであれば、「戦力」として駒扱いできるのですが(その駒は個性のあるなし関係なく、「いなければ困る」大切な駒であるため、思いいれはより深まる)、そこまで無個性ではなく、可愛い絵もついちゃって、となると、なんだか中途半端なんですよね。
それならば、別に完全同じと言ってもいい二つのルートを用意するくらいなら、一つにしてそれぞれのキャラクター掘り下げるとか、戦闘に幅を持たせたほうがよかったかな、と思いました。
システム的には、ボタン配置が若干おかしな部分もありますが、概ね基本の戦闘シミュレーションなので問題なし。
ただ、戦闘MAP時に、いきなり今まで映っていた映像が勝手に向こうの都合で回転させられる、というクソ仕様はどうにかしてください。
あんたがどう写したいかが問題なんじゃない。こっちがどう写したいかが問題なんだろう! だったら固定カメラにしとけよ! 距離も位置も選べるくせに戦闘終了後おかしなことになっているカメラをいちいち直す手間はかなり面倒です。
カオスルートは慣れちゃった(戦闘メンバーのバランスもいい)ので、ロウの半分くらいの時間でクリアできました。別にアイテムを集める必要もなければ、マップをコンプリートする必要も別にないし。したところでおまけがあるわけでもないし。
ヴィランの条件がわりと楽だったので、それでも頑張って条件を満たしたのですが、萌えるリアクションが何もなかったので、それにがっかりして、他の奴らの条件付けなんでどうでもよくなってしまいました。
物語のキャラゲーとして期待するならば、正直期待はずれでしょうが、イラストも可愛いし立ち絵はよく動くので、映像としては及第点。
二頭身、3Dの戦闘時キャラは正直好みが分かれる(どうしても頭身が低いと、シリアス感が薄れる)と思いますが、それぞれ可愛いです。
戦闘も、こうなんのひねりもないオーソドックスなので、ゲーム慣れしている人よりは、ちょっとシミュレーションやってみようかな、という人向けのゲームでした。
個人的には、キダムに充分に萌えられたので、それで満足です。元取った。
『セイクリッド・ブレイズ』公式サイト
現在ロウルート四章半ば。やっと三分の一、といったところですね。
時間はかかりますが、基本的に一度クリアしたマップは、レベル上げに使えるので、地道に時間をかければどこかの面でつむ、ということはありません。
正統派シミュレーションゲームですが、FEシリーズをプレイした方なら、難易度としては軽い方でしょうし、絵柄も可愛いので女性も遊びやすいのではないかと。
ただ、システムとしては色々頭をひねる部分もあるんですが、致命的なのがイベントスキップがないことでしょうか。
延々文字スキップで飛ばさなければいけないのは結構苦行です。スタートボタンはこのためにあるんじゃないのか、というか。
プレイヤーは神様として、下界の人間を色々導くのが仕事です。
願いをかなえてやったり、物を与えたりとか、そういう部分が面白さなのかなと思っていたんですが(『アクトレイザー』は凄く燃えました)そこは殆どおまけですね。
大体やることって、猫を探してくれとか、馬を探してくれとか、そんなんばっかりなんだもん。
神様の力って、そういうもんなの………? とやっていて、自分が神様っていう意味は正直何もないような気がします。
設定負けしてるっていうか。
いざ戦闘をするのも、「勇者たちの戦闘を見る」ですからね。
最初は本気で見るだけなのか、とびっくりしたんですが、いざ始まれば自分がユニットを動かす普通の戦略シミュレーションなわけで、ここに自分が神様である必要別にないっていうか。
戦闘も結構面倒で、敵と味方のターン制ではなく、個別の移動力に順ずるターン制になっており、行動順番はユニットでバラバラです。
しかもその順番変えられない(途中で早さが変わって自動的に変わることはあるが)ので、
1・後一撃で倒せる敵がいる。
2・Aで倒したい。
3・ところが、Aは移動したばかりであと20ユニット行動済みになって順番が回るまで待たなきゃならない。
4・他のユニットが有益な行動ができるとは限らないので、下手をすると味方も延々何もせずにAの順番が回るまで待たねばならない。
とまあ、変に時間を食ってしまう場合もあるのです。
これが、敵味方のターン制であれば、味方のターンが回ってくればどれから動かすのは任意で決められるわけで、それに慣れているとちょっと違和感を感じるかもしれませんね。
ただ、その行動順番を頭に叩き込んだ上で、ユニットの行動をちゃんと考えれば、それすらも戦略になるわけですから、この辺慣れと自分の頭の使いよう、という気がします。
あと、無理して本編シナリオでレベルを上げなくても、一度クリアしてしまえば、何度でも無限にそのマップは遊べることになるので、一度とりあえずレベルも無視して倒せるものだけで速攻クリアし、レベルは再度チャレンジでのんびり上げるほうが、結果として時間短縮にもなります。
再度チャレンジの場合、しかもいつでも撤退できるので、MP尽きたら撤退とか、危なくなったら即撤退とか、かなり死なせない作りになっておりますし、それによるペナルティもなにもないので、全体的な難易度はこれも踏まえるとかなりぬるいんでしょうな。
登場人物のイラストは、かなり可愛いです。
サモナイシリーズと同じ方ですが、全体的に頭身が高めで、見ごたえがあります。幼い感じはないですね。
個人的にはどんどん平均年齢が下降するサモナイシリーズよりも好印象です。
このゲーム、サーバントという主要人物以外にそれぞれ任意で色々な種類のユニットを作成できるのですが、そのデザインもどれも秀逸です。
ただまあ、一つのマップで7人しか出られないのに、物語半ばの時点で、すでに主要メンバー六人いる時点で、サーバントどうやって使えってんだよ………と思わないでもないですが………。
デザインの時点ではいいんですが、実際のシステムになると、このサーバントシステム全く機能してませんね。使うのは仲間がそろわない序盤だけ、ってのなら、それこそ別にこちらに作る意思を与えなくてもいいんじゃ………。
まあ、主要メンバーは強制(強制マップは別として)出場ではないので、主要メンバー一切省いて自分が育ててきたサーバント使う、っていうのもありなんでしょうけど、それなら物語いらなくなっちゃうしねえ。
まあそんな中で、ロウ、カオスルート共に共通の、冒険商キダムが超かっこいい。(惚れてしまえばこっちのもん)
世慣れていて、ロマン求めつつ商売してるんだけど、どこか人がよくて結局無償で助けちゃったりとかしつつ、女好きじゃないってところに、凄く頷きました。
大体こういうキャラクターって、女に弱いがセットでついてくるもんなんですが、奴は熱血漢な大人なので、見ていてすがすがしく萌えます(結局たどり着くところは一緒)。
神様のお助けイベント(本当は祈願イベントというんですが、そんな雰囲気かけらもない)で、
「巣が壊れたときに旅の方が帽子を貸してくださいました。子どもたちも無事に巣立ちましたので、持ち主に返してください」
という、超牧歌的な親鳥からのお使いがあって、別段何も考えずに引き受けたんですが、そこに、キダムがひょっこり現れやがった!
お前ー! お前だったのか!
おまけに、
「おお、そうか無事に巣立ったのか! きっと子どもたちもロマンを求めて旅をしているんだろうな!」
と、満面の笑み。
負けたよ………と思いました。
ここで「そんな帽子知らないぜ」とかかっこつけるんじゃなく、「当然のことをしただけさ」とひたってみるわけでもなく、ただ喜ぶ姿にキダムの懐の深さを見ました。
二次元に限り外見惚れに間違いはないですね。
以下、キダム絵
『ウィル・オ・ウィスプ ポータブル』公式サイト
以前、オトメイトで発売されたソフトと、『イースターの奇跡』というファンディスクが一緒になってPSP版です。
あくまで、イースターの奇跡はおまけ的な扱いなのでしょうが、そっちのほうが物語面白かったな。
このゲーム、ほぼ物語が金太郎飴です。
最初の始まりから、最後のオチまで全部一緒。
落とすキャラクターが違っても、二日目に何かが起きて、三日目に何かが起きる、のその何かがが一緒。
そこで語られることが違うとしても、過程が全員同じなので、一人を落とした時点で物語としては完璧に飽きました。
にやりとする台詞がないわけではないんですが(にやりという表現もどうかと)それにしたって、最後の感動的なシーンまで五人全員一緒じゃあ、物語として楽しめないですよ。
だからといって、作業的な要素はないので、嫌でも同じ段階を踏んで別のキャラクターと付き合わねばならず、その物語そのものが結構苦痛です。
これが、完全に作業ゲーで、っていうのなら語られない部分とかぶっ飛ばされた部分とかで、脳内補完できるのでしょうが、一応物語性のあるゲームなので、そんなゆとりはなく、ただひたすら残念な印象でした。
しかもこのゲームの既読スキップは、どうやらルート別にわかれているらしく、完璧に同じ台詞見た、同じシチュエーション見た、と思っても狙ってる奴が違うとスキップが適応されないという、どうしようもない仕様で、さらにイライラ感が増しました。
それに途中で気づいてからは強制スキップの嵐ですよ。
ここで、展開が同じだから別にスキップで見逃しても構わないだろう、と思えてしまうのも、金太郎飴シナリオの弊害でもあります。
そのシナリオに関しても、色々思うところありでして。
特別な力を持つ人形師の少女が、精霊人形たちと愛をはぐくんでいく、というのが大まかな流れなのですが、その特別な力の解明、一切ありません。
シャムロックという過去の人形師の力を受け継いでいるんだということだけで作中の人物たちは勝手に納得してしまいます。
遊んでいる側は、唐突にそんなこと言われても面食らうだけなのですが、とにかくこの少女は力があるからそれで納得してもらわないと話が進まないから、とばかりに置いてけぼりの展開に、こっちは唖然とするばかりです。
おまけに、人形はそれぞれ固有のオーナーを持っているところから始まるのですが、この必然性もよくわからない。
途中で理由があって人形たちの所有権をよこせ的な流れに絶対になってしまうのですが(金太郎飴だからね)これこそ、不思議な力がある前提であれば、不思議な力で主人公が全員よみがえらせればいいんじゃねえの? とか思ってしまいます。
バラバラで見つかる(しかも勝手に)理由がよくわからないんですよね。大体、どうやってオーナーになったのか、主人公以外一切語られないっていうのも、意味がわからないし。
結局、主人公と初手から遂になるのは、ウィルという人形オンリーなのですが、それを差し置いて他の人形たちと仲良くなる過程は、やはり不自然です。
ウィル自身にとにかく不思議な力でしか目覚められない理由があるだけに、(だからといってこいつがデフォルトヒーローという印象は全くない。金太郎飴だから)他の連中が主人公を特別とみなすのが、突如振って沸いた不思議力のせいではない(せいであってもその上で)という動機が非常に弱く、シナリオとしては正直全体のレベルは低いかな、と思います。
最終的には、フラグを上手く立てると人形が人間になるわけですが、それ以外全部消えるという、これさあ、素直にハッピーとか思えないだろう、というオチで、しかもやはりこれを五体分見るわけですから、感動は砕けました。
要所要所の台詞には上手い部分も多々あるのですが、これが作業ゲーならそれだけ抜粋することもできましょうが、物語性があるだけに、そこに行き着くまでの過程でダレる、少なくとも言葉は違えども同じシチュエーションで主人公が何に悩んでいるのかこっちが「わかっている」状態で、心に響く台詞を言わせるのは至難の業です。
言っていたとしても、白紙のままから受ける印象とは明らかに違ってきてしまいますし。
本編のシナリオが正直残念だっただけに、ファンディスク的なものはどうかなあ、と思っていたのですが、こちらはむしろ本編よりもいいできでした。
全員そろっているところから始まるので、人形同士の兼ね合いや、主人公を互いに取られまいと必死になる様子などは、それぞれの個性もわかりますし、乙女ゲームの面目躍如ですね。
残り少ない時間を、どれだけ主人公と過ごそうとするか。
その接し方に個性が出ていて、本編よりも面白かったです。
どうせ消えるのだから距離を置こうとするもの。
それでもいいからそばにいたいと願うもの。
願ったものの、叶わない夢を見てしまうもの。
この辺の、絶対に悲恋になるであろう結末に向けての個性の出し方は非常に上手でした。
ゆえに、やっぱり最終的にはオチは同じでしかも愛力かよという感じで終わっても、それはまあ乙女ゲームだからと許されるような気がします。
本筋がしっかりしていれば、多少の甘さには目を瞑れると申しましょうか。
イベントCGは時折怪しいものもありますが、全体のレベルとしては高いです。このゲームは絵が売りなので、それが駄目なら正直つらいでしょうが、これならばかなりイケるのではないかと。
立ち絵もバリエーションがありますし、室内と室外で衣服を脱ぎ着する細かな差異も、とても見ごたえがあります。
個人的には、オプションでイベントシーンなどが回想でき、かつ、男からの目線で「この時は実はこうだった。怖い思いをさせてすまない」とか思い出を語ってくれるシステムはナイス。
超萌えます。
むしろ、このゲームで一番萌えた瞬間でした。
大体において回想だと、男が後悔しているか、メロメロかの二パターンしかないので、安心してしかも余計な手順すっ飛ばして萌えが補充できるわけです。簡単だ!
キャラクターとしては、個人的には唯一物語が金太郎飴とは若干違う、イグニスはまあまあ楽しめました。デレてからの破壊力がとても笑えますが。
人形たちの性格はどれも嫌味がなく楽しめますし、個性が強すぎでうんざりする、という奴らではないので、むしろ大人のスタンスで楽しめるのではないかと。
ジルなんて、外見女みたいですが近年まれに見る常識人キャラクターでしたよ。
ルディも可愛い腹黒で楽しめますし、ウィルは言葉遣いは乱暴ですが、これも常識の範疇から抜け出さないキャラクターなので、安心して楽しめます。
実際、一番萌えてかつ笑えたのはジャックなんですが、これはもう断言できます。
理由はひとつ。
衣装萌え。
真っ黒のロングコートにタイトなスーツに中身柄物のベストという、ストイックな格好最高でした。
以前、オトメイトで発売されたソフトと、『イースターの奇跡』というファンディスクが一緒になってPSP版です。
あくまで、イースターの奇跡はおまけ的な扱いなのでしょうが、そっちのほうが物語面白かったな。
このゲーム、ほぼ物語が金太郎飴です。
最初の始まりから、最後のオチまで全部一緒。
落とすキャラクターが違っても、二日目に何かが起きて、三日目に何かが起きる、のその何かがが一緒。
そこで語られることが違うとしても、過程が全員同じなので、一人を落とした時点で物語としては完璧に飽きました。
にやりとする台詞がないわけではないんですが(にやりという表現もどうかと)それにしたって、最後の感動的なシーンまで五人全員一緒じゃあ、物語として楽しめないですよ。
だからといって、作業的な要素はないので、嫌でも同じ段階を踏んで別のキャラクターと付き合わねばならず、その物語そのものが結構苦痛です。
これが、完全に作業ゲーで、っていうのなら語られない部分とかぶっ飛ばされた部分とかで、脳内補完できるのでしょうが、一応物語性のあるゲームなので、そんなゆとりはなく、ただひたすら残念な印象でした。
しかもこのゲームの既読スキップは、どうやらルート別にわかれているらしく、完璧に同じ台詞見た、同じシチュエーション見た、と思っても狙ってる奴が違うとスキップが適応されないという、どうしようもない仕様で、さらにイライラ感が増しました。
それに途中で気づいてからは強制スキップの嵐ですよ。
ここで、展開が同じだから別にスキップで見逃しても構わないだろう、と思えてしまうのも、金太郎飴シナリオの弊害でもあります。
そのシナリオに関しても、色々思うところありでして。
特別な力を持つ人形師の少女が、精霊人形たちと愛をはぐくんでいく、というのが大まかな流れなのですが、その特別な力の解明、一切ありません。
シャムロックという過去の人形師の力を受け継いでいるんだということだけで作中の人物たちは勝手に納得してしまいます。
遊んでいる側は、唐突にそんなこと言われても面食らうだけなのですが、とにかくこの少女は力があるからそれで納得してもらわないと話が進まないから、とばかりに置いてけぼりの展開に、こっちは唖然とするばかりです。
おまけに、人形はそれぞれ固有のオーナーを持っているところから始まるのですが、この必然性もよくわからない。
途中で理由があって人形たちの所有権をよこせ的な流れに絶対になってしまうのですが(金太郎飴だからね)これこそ、不思議な力がある前提であれば、不思議な力で主人公が全員よみがえらせればいいんじゃねえの? とか思ってしまいます。
バラバラで見つかる(しかも勝手に)理由がよくわからないんですよね。大体、どうやってオーナーになったのか、主人公以外一切語られないっていうのも、意味がわからないし。
結局、主人公と初手から遂になるのは、ウィルという人形オンリーなのですが、それを差し置いて他の人形たちと仲良くなる過程は、やはり不自然です。
ウィル自身にとにかく不思議な力でしか目覚められない理由があるだけに、(だからといってこいつがデフォルトヒーローという印象は全くない。金太郎飴だから)他の連中が主人公を特別とみなすのが、突如振って沸いた不思議力のせいではない(せいであってもその上で)という動機が非常に弱く、シナリオとしては正直全体のレベルは低いかな、と思います。
最終的には、フラグを上手く立てると人形が人間になるわけですが、それ以外全部消えるという、これさあ、素直にハッピーとか思えないだろう、というオチで、しかもやはりこれを五体分見るわけですから、感動は砕けました。
要所要所の台詞には上手い部分も多々あるのですが、これが作業ゲーならそれだけ抜粋することもできましょうが、物語性があるだけに、そこに行き着くまでの過程でダレる、少なくとも言葉は違えども同じシチュエーションで主人公が何に悩んでいるのかこっちが「わかっている」状態で、心に響く台詞を言わせるのは至難の業です。
言っていたとしても、白紙のままから受ける印象とは明らかに違ってきてしまいますし。
本編のシナリオが正直残念だっただけに、ファンディスク的なものはどうかなあ、と思っていたのですが、こちらはむしろ本編よりもいいできでした。
全員そろっているところから始まるので、人形同士の兼ね合いや、主人公を互いに取られまいと必死になる様子などは、それぞれの個性もわかりますし、乙女ゲームの面目躍如ですね。
残り少ない時間を、どれだけ主人公と過ごそうとするか。
その接し方に個性が出ていて、本編よりも面白かったです。
どうせ消えるのだから距離を置こうとするもの。
それでもいいからそばにいたいと願うもの。
願ったものの、叶わない夢を見てしまうもの。
この辺の、絶対に悲恋になるであろう結末に向けての個性の出し方は非常に上手でした。
ゆえに、やっぱり最終的にはオチは同じでしかも愛力かよという感じで終わっても、それはまあ乙女ゲームだからと許されるような気がします。
本筋がしっかりしていれば、多少の甘さには目を瞑れると申しましょうか。
イベントCGは時折怪しいものもありますが、全体のレベルとしては高いです。このゲームは絵が売りなので、それが駄目なら正直つらいでしょうが、これならばかなりイケるのではないかと。
立ち絵もバリエーションがありますし、室内と室外で衣服を脱ぎ着する細かな差異も、とても見ごたえがあります。
個人的には、オプションでイベントシーンなどが回想でき、かつ、男からの目線で「この時は実はこうだった。怖い思いをさせてすまない」とか思い出を語ってくれるシステムはナイス。
超萌えます。
むしろ、このゲームで一番萌えた瞬間でした。
大体において回想だと、男が後悔しているか、メロメロかの二パターンしかないので、安心してしかも余計な手順すっ飛ばして萌えが補充できるわけです。簡単だ!
キャラクターとしては、個人的には唯一物語が金太郎飴とは若干違う、イグニスはまあまあ楽しめました。デレてからの破壊力がとても笑えますが。
人形たちの性格はどれも嫌味がなく楽しめますし、個性が強すぎでうんざりする、という奴らではないので、むしろ大人のスタンスで楽しめるのではないかと。
ジルなんて、外見女みたいですが近年まれに見る常識人キャラクターでしたよ。
ルディも可愛い腹黒で楽しめますし、ウィルは言葉遣いは乱暴ですが、これも常識の範疇から抜け出さないキャラクターなので、安心して楽しめます。
実際、一番萌えてかつ笑えたのはジャックなんですが、これはもう断言できます。
理由はひとつ。
衣装萌え。
真っ黒のロングコートにタイトなスーツに中身柄物のベストという、ストイックな格好最高でした。
『アナタヲユルサナイ』公式サイト
ゲーム性に関していえば、皆無でした。
時折、何故私はこんなことを程度の備考ミニゲームとか、シャッターチャンスをやらせられるくらいで、あとは延々読み進めるだけ。
選択肢的なものもありますが、たぶん読む順番が違うだけで、話の進みは全部同じなんでしょう。
推理ゲームというよりは、ADV。
依頼人の浮気調査や、素行調査からなる前編と、父親と夫の失踪が絡んでくる後半。
物語の求心力としては、先が気になりますし、私も一気にクリアしてしまう魅力があるんですが、後味が悪い。
そして、重い。
かつ、暗い。
もうねえ、クリアしてここまで後味の悪いゲームは久しぶりですよ。
これがベストEDだってんだから、もうこのゲームのシナリオを書いた人は、読んだ後に実際何を残したかったのかと。
世の無常とか、そんなもんなんですかね?
このゲームで顕著なのが、悪人は最初から最後まで悪人であり、善人は最後まで善人であるということです。
悪人が悪人を殺しても事件にはならない。
では、何が起きればそれな事件なのか。
それは、悪人が善人を殺せば事件なのです。
この不文律こそが、この物語を底辺まで重くしている要因なのです。
主人公を囲む人々は、どんどん悪人に関わることになって、えらいことになってしまいます。
しかも、至極あっさり。
下手をすると、実際に死んだ、怪我をした、なんていう「映像」はなく、文字だけですまされたりすることも、しばしばあります。
そういうことされるとねえ、もう、やりきれないんですよ。
進んでも、そりゃ結果として悪人は捕らえられるのかもしれないけれど、実際に大切な人はもういないわけですから。
このシナリオの特徴として、心理描写が徹底的に省かれている、という点も、そのやりきれない感に拍車をかけている気がします。
主人公は探偵で、父も夫も行方不明で、大切な人もどんどん事件に巻き込まれるのに、基本タフだから、なのかわかりませんが、感情のゆれ幅が小さいのです。
仕事に関して憤ることはあっても、自分を取り巻く状況で中々それが出てこない。
誤解をまねくとあれなのですが、私自身はこの手のドライ感は嫌いじゃありません。辺にグダグダやられるよりは、よほどマシです。
ただ、そういうつくりにされるともう、せめて主人公が落ち込んだり、立ち直ってくれればいいのに、その立ち直る描写すら少ないので、どん底まで沈んだ気持ちが最初から最後まで浮上できないのです。
最終的に、勿論関わっていた事件は解決するのですが、結局自分の身内のゴタゴタは、やたらに口下手な親父と夫のせいで、解決したのだかなんなのか、という不透明な気持ちのまま終わります。
もうねえ、それは正直つらい!
だって、善人が救われないのがわかってるわけですからね。
まあこれも、親父や夫の描写をいっぱいしていると、余計にラストがつらいだろうと考えた上での配慮ととらえるべきなんでしょうが………。
でも、描写があるって言うことは、その上で頑張ろう! という発奮材料にもなるわけで。
それがないと、ただひたすらもう、嫌な予感満載で進み、その通りに終わるという、それだけの話になってしまうんですよね。
これ、親父と夫が絡んでくると陰鬱な気持ちになりますが、それ以外の前半、普通に探偵として浮気調査などをしているときの物語は、中々楽しめました。
登場人物たちもこちらは個性的ですし、変態もいるし、変なしがらみもないし。
むしろ、前半のノリをずっと続けてくれて、変にスケールを大きくしなければ、『有罪×無罪』くらいな硬派なゲームになったかもしれませんね。
大体、ラスボスもスケールが大きいんだから小さいんだかわかんねえしなあ。
イラストは終始無表情で、一時期流行った都会派系の絵柄です。若干の古臭さを余計に感じるような気がしますが。
システムは特筆するようなものはなにもありませんが、中途セーブをしても、結局ロードされるのはそのチャプターの最初から、というわけのわからないクソ仕様はどうにかしてもらいたかったところです。
だったら別にセーブいらんだろう。
メッセージスピードも変えられませんし、他にこれといった機能がないのであれば、せめて読み進める機能くらい充実していても良かったですね。
物語としては中々面白い。読み進める力もある。かといって、いい話ではないので、万人にお勧めするにはためらわざるをえない、というようなゲームでした。
まあベスト版でやる分にはちょうどいい、くらいなんじゃないかと。
ゲーム性に関していえば、皆無でした。
時折、何故私はこんなことを程度の備考ミニゲームとか、シャッターチャンスをやらせられるくらいで、あとは延々読み進めるだけ。
選択肢的なものもありますが、たぶん読む順番が違うだけで、話の進みは全部同じなんでしょう。
推理ゲームというよりは、ADV。
依頼人の浮気調査や、素行調査からなる前編と、父親と夫の失踪が絡んでくる後半。
物語の求心力としては、先が気になりますし、私も一気にクリアしてしまう魅力があるんですが、後味が悪い。
そして、重い。
かつ、暗い。
もうねえ、クリアしてここまで後味の悪いゲームは久しぶりですよ。
これがベストEDだってんだから、もうこのゲームのシナリオを書いた人は、読んだ後に実際何を残したかったのかと。
世の無常とか、そんなもんなんですかね?
このゲームで顕著なのが、悪人は最初から最後まで悪人であり、善人は最後まで善人であるということです。
悪人が悪人を殺しても事件にはならない。
では、何が起きればそれな事件なのか。
それは、悪人が善人を殺せば事件なのです。
この不文律こそが、この物語を底辺まで重くしている要因なのです。
主人公を囲む人々は、どんどん悪人に関わることになって、えらいことになってしまいます。
しかも、至極あっさり。
下手をすると、実際に死んだ、怪我をした、なんていう「映像」はなく、文字だけですまされたりすることも、しばしばあります。
そういうことされるとねえ、もう、やりきれないんですよ。
進んでも、そりゃ結果として悪人は捕らえられるのかもしれないけれど、実際に大切な人はもういないわけですから。
このシナリオの特徴として、心理描写が徹底的に省かれている、という点も、そのやりきれない感に拍車をかけている気がします。
主人公は探偵で、父も夫も行方不明で、大切な人もどんどん事件に巻き込まれるのに、基本タフだから、なのかわかりませんが、感情のゆれ幅が小さいのです。
仕事に関して憤ることはあっても、自分を取り巻く状況で中々それが出てこない。
誤解をまねくとあれなのですが、私自身はこの手のドライ感は嫌いじゃありません。辺にグダグダやられるよりは、よほどマシです。
ただ、そういうつくりにされるともう、せめて主人公が落ち込んだり、立ち直ってくれればいいのに、その立ち直る描写すら少ないので、どん底まで沈んだ気持ちが最初から最後まで浮上できないのです。
最終的に、勿論関わっていた事件は解決するのですが、結局自分の身内のゴタゴタは、やたらに口下手な親父と夫のせいで、解決したのだかなんなのか、という不透明な気持ちのまま終わります。
もうねえ、それは正直つらい!
だって、善人が救われないのがわかってるわけですからね。
まあこれも、親父や夫の描写をいっぱいしていると、余計にラストがつらいだろうと考えた上での配慮ととらえるべきなんでしょうが………。
でも、描写があるって言うことは、その上で頑張ろう! という発奮材料にもなるわけで。
それがないと、ただひたすらもう、嫌な予感満載で進み、その通りに終わるという、それだけの話になってしまうんですよね。
これ、親父と夫が絡んでくると陰鬱な気持ちになりますが、それ以外の前半、普通に探偵として浮気調査などをしているときの物語は、中々楽しめました。
登場人物たちもこちらは個性的ですし、変態もいるし、変なしがらみもないし。
むしろ、前半のノリをずっと続けてくれて、変にスケールを大きくしなければ、『有罪×無罪』くらいな硬派なゲームになったかもしれませんね。
大体、ラスボスもスケールが大きいんだから小さいんだかわかんねえしなあ。
イラストは終始無表情で、一時期流行った都会派系の絵柄です。若干の古臭さを余計に感じるような気がしますが。
システムは特筆するようなものはなにもありませんが、中途セーブをしても、結局ロードされるのはそのチャプターの最初から、というわけのわからないクソ仕様はどうにかしてもらいたかったところです。
だったら別にセーブいらんだろう。
メッセージスピードも変えられませんし、他にこれといった機能がないのであれば、せめて読み進める機能くらい充実していても良かったですね。
物語としては中々面白い。読み進める力もある。かといって、いい話ではないので、万人にお勧めするにはためらわざるをえない、というようなゲームでした。
まあベスト版でやる分にはちょうどいい、くらいなんじゃないかと。