本格的な夏が到来してから既に二回、ボンボンまた下の兄ちゃんがうるせえな、と思ったら花火大会だったといううっかりさ加減を披露している井原です。
皆様、夏の楽しい思い出をいっぱいお作りくださいませ。
私の夏の思い出は既に、アイスガイカフェオレ味三本一気食いとかそういうつまんないことで終わりそうです。
『アニーのアトリエ』雑感
とりあえず一週目クリアしてみました。
アトリエシリーズにありがちな、序盤から錬金術ばかりにうつつを抜かし、後半はもうイベントを取り逃したり、リゾート開発に力を入れる暇もなくなって、残り三ヶ月はデータの引継ぎを見越して金とアイテムばかりを集めてたという、どうしようもない感じで終わりました。
二週目はアイテムやらお金やらのデータが引き継げるので、かなり楽です。
難易度は下がるかもしれませんが、アトリエシリーズは元々できるか否かの難易度ではなく、イベントを網羅するためのものなので引き継いだところで、ゲームの面白さにはあまり関係ないと思います。
細かなイベントがしょっちゅう起こるのはいいんですが、そのどれもが、錬金術やリゾートという主題と関係ないものなので、正直あまりまともに見てません。
やはり起きるイベントや、意識的に起こすものでも、採取地が増えたりとか、新しい本が読めるようになったりとか、ゲームとして進展があるもののほうが面白いので。
キャライベントも、それぞれの個性に合わせたものなんですけど、今回平均年齢が低いし、起こるイベントも総じて子供っぽいものが多いので、個人的にはそれほどはまっていません。
調合に関しては、調合に際して数を考える必要がない、錬金術の参考書は買ったとたんにすべて使える、とか簡略化されているんですが、それとは別にシステム的な不備がちょっと気になります。
例えば依頼を受けてその仕事を確認する。それまでの仕様ならば、選んだ仕事を確認すると、調合的な場面になり、「これならできるよ」とか「どれそれが足りないよ」とか、すぐ自分が次に何をすべきかわかったのですが、今回はあくまで羅列だけなので、10個仕事を引き受けていたら、仕事→確認→調合→仕事→確認を延々ふまねばならないのです。
まあ、一気に10個覚えられる記憶力があればどうでもいいんでしょうが。
調合は複数のアイテムを掛け合わせるので、何が足りないではなく、何と何が足りないって複数不足している場合もありえるわけで、その意味も含めて、仕事から調合までの流れはもう少しスムーズにして欲しかったところです。
実際のアイテム閲覧も、名前だけで属性が出ないので、「これは食べ物? 薬品?」と必死でレシピを探すのも面倒ですし。
あと今回、妖精が採取地に自動採取に出かけたり、物を作ってくれたりしないので、これが地味に面倒でした。
どのシリーズでも共通の、蒸留水は死ぬほど使うが今作でも存在しているので、そのためだけに何度無意味に水を集めに行ったことか。
仲間のステータスも、実際パーティに入れなければ、レベルも好感度も見ることができず、これも不便。
今までのアトリエシリーズに比べたら難易度は下がったのかもしれませんが、それとシステム周りが退化するのは違うだろう、と思いました。
それまでのシリーズで特にシステム周りに不満を感じたことがないので、余計にそう思ったのかもしれませんが。
キャラクターとしては、はっきりいってアニーと結ばれるの誰もいないので、まあそういう意味では肩透かしです。アニーどころか過去の女をふっきるために冒険者になったとか、ざらにいますし。
個人的に、これだ! と思える個性の奴もいませんでした。
キャラデザが幼いせいもあるのか、DSのプラットフォームを考えてなのか、やはり難易度含めて設定は幼めなんでしょうね。
アニーと触れ合っていくうちに個性がわかる、というより奴らの個性にこっちが付き合っている、という感じで、アトリエシリーズのプチハーレム気分は今回味わえなさそうだなあ、と、『リリーのアトリエ』フリークの私は思いました。
皆様、夏の楽しい思い出をいっぱいお作りくださいませ。
私の夏の思い出は既に、アイスガイカフェオレ味三本一気食いとかそういうつまんないことで終わりそうです。
『アニーのアトリエ』雑感
とりあえず一週目クリアしてみました。
アトリエシリーズにありがちな、序盤から錬金術ばかりにうつつを抜かし、後半はもうイベントを取り逃したり、リゾート開発に力を入れる暇もなくなって、残り三ヶ月はデータの引継ぎを見越して金とアイテムばかりを集めてたという、どうしようもない感じで終わりました。
二週目はアイテムやらお金やらのデータが引き継げるので、かなり楽です。
難易度は下がるかもしれませんが、アトリエシリーズは元々できるか否かの難易度ではなく、イベントを網羅するためのものなので引き継いだところで、ゲームの面白さにはあまり関係ないと思います。
細かなイベントがしょっちゅう起こるのはいいんですが、そのどれもが、錬金術やリゾートという主題と関係ないものなので、正直あまりまともに見てません。
やはり起きるイベントや、意識的に起こすものでも、採取地が増えたりとか、新しい本が読めるようになったりとか、ゲームとして進展があるもののほうが面白いので。
キャライベントも、それぞれの個性に合わせたものなんですけど、今回平均年齢が低いし、起こるイベントも総じて子供っぽいものが多いので、個人的にはそれほどはまっていません。
調合に関しては、調合に際して数を考える必要がない、錬金術の参考書は買ったとたんにすべて使える、とか簡略化されているんですが、それとは別にシステム的な不備がちょっと気になります。
例えば依頼を受けてその仕事を確認する。それまでの仕様ならば、選んだ仕事を確認すると、調合的な場面になり、「これならできるよ」とか「どれそれが足りないよ」とか、すぐ自分が次に何をすべきかわかったのですが、今回はあくまで羅列だけなので、10個仕事を引き受けていたら、仕事→確認→調合→仕事→確認を延々ふまねばならないのです。
まあ、一気に10個覚えられる記憶力があればどうでもいいんでしょうが。
調合は複数のアイテムを掛け合わせるので、何が足りないではなく、何と何が足りないって複数不足している場合もありえるわけで、その意味も含めて、仕事から調合までの流れはもう少しスムーズにして欲しかったところです。
実際のアイテム閲覧も、名前だけで属性が出ないので、「これは食べ物? 薬品?」と必死でレシピを探すのも面倒ですし。
あと今回、妖精が採取地に自動採取に出かけたり、物を作ってくれたりしないので、これが地味に面倒でした。
どのシリーズでも共通の、蒸留水は死ぬほど使うが今作でも存在しているので、そのためだけに何度無意味に水を集めに行ったことか。
仲間のステータスも、実際パーティに入れなければ、レベルも好感度も見ることができず、これも不便。
今までのアトリエシリーズに比べたら難易度は下がったのかもしれませんが、それとシステム周りが退化するのは違うだろう、と思いました。
それまでのシリーズで特にシステム周りに不満を感じたことがないので、余計にそう思ったのかもしれませんが。
キャラクターとしては、はっきりいってアニーと結ばれるの誰もいないので、まあそういう意味では肩透かしです。アニーどころか過去の女をふっきるために冒険者になったとか、ざらにいますし。
個人的に、これだ! と思える個性の奴もいませんでした。
キャラデザが幼いせいもあるのか、DSのプラットフォームを考えてなのか、やはり難易度含めて設定は幼めなんでしょうね。
アニーと触れ合っていくうちに個性がわかる、というより奴らの個性にこっちが付き合っている、という感じで、アトリエシリーズのプチハーレム気分は今回味わえなさそうだなあ、と、『リリーのアトリエ』フリークの私は思いました。
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『バテン・カイトス』
何故今更、GC(と書いてゲームキューブと約す)のソフトなんて………と思ったのですが、このサイト時流に沿っていたことなど一度もないし、今はwiiでも遊べるそうなので、ご参考までにということで。
まごうかたなき本格的RPGでした。
そのおかげで、レビューが難しいような気がしますが、順を追って説明。
システム
基本的なRPGのノリをそのまま踏まえていますが、特筆すべきは「マグナス」と呼ばれるカードを使った戦闘方法です。
わかりやすく言うなれば、遊戯王方法。
要するにカードバトルの戦闘に特化した感じです。
自分のターンに、自分がデッキに納めたマグナスが出てくるので、必要に応じて相手にぶつける。
相手の攻撃も同じように自分のマグナスで防ぐ。
簡単に言うなればこんな感じですが、これはあくまでRPGであってカードゲームではないので、選べる余地は、「攻撃」か「防御」か「回復・その他」の三種類のみ。
その中では、水や光といった属性や、付属があるものも含まれますが、それ以外にも、四隅に番号が振られており、ポーカーのように約を作ると攻撃力が上がります。
番号順に並べてもいいし、ペアを作ってもいい。
また、炎と水はダメージを打ち消しあってしまうなど、一回の戦闘についても中々頭を使います。
このマグナスは炎と水だからダメージを打ち消しあってしまうけど、連鎖で番号をつなげるためには使ったほうがいいから、あえてそうする、とか、そうしないとか、そのへん、しかも、咄嗟の判断力が求められるので要注意です。磨け反射神経。
おまけに、上手い作りなのが、レベルが上がれば上がるほど強くなるのではなく、クラスチェンジアイテムによって、デッキに保持できる枚数が増え、実際に戦闘時に並べられるマグナスの数が増えるので、ただレベルを上げていればいい、ってものでもないのです。
クラスチェンジアイテムは、大体何処かの宝箱に転がっているので、それを必死になって探す必要がある。
つまり、無目的ではなく、ダンジョンを「さまよわなければならない」理由が生まれるわけですね。
これは、ただ経験値を稼ぐだけではなく、純粋な目的がもう一つ見つかるわけですから、散策にも気合が入ります。
また、戦闘時に使うマグナスも、基本的に店で購入するものではなく、敵との戦闘終了後にもらえるドロップアイテムから集めるのが必然となっていますので、そんな面でも、このゲーム戦闘にかける比重が非常に大きいのです。
戦闘そのものは難しくないので、力押しでいけないこともないですが、このゲームの最大の特徴、また難点として、戦闘に異様に時間がかかるということがあげられます。
雑魚敵だからといって二秒で終わりません。
ランダムに配置されたマグナスが全部回復系とかありえるわけです。
そうなると、当然そのターンは攻撃できませんから、無駄に時間を食う。
おまけに、選択までに時間制限があるので、のんびり構えていると自分の順番をすっ飛ばされます。
余所見をしてボタン連打もできないし、うっかりトイレにでも行こうものなら、勝手に時間経過されて敵にフルボッコです。
そういった面があるため、戦闘そのものは正直時間がかかりすぎる(敵の攻撃も強さと同じく比例して回数が多くなるため、そのモーションを延々見る羽目になる。おまけに、それを防ぐためのアクションも起こさねばならないので、時間がかかる)という難点が確かにあります。
ですがこれは、前述した、アイテム集めという目的があればなんとか乗り越えられる問題ですし、ダメージアップを図れるマグナスの組み合わせは、正直燃えるのです。
ストレートにするか、ペアにするか。
今見えているデッキにはつなげられる数字はないけれど、一枚使用すれば一枚追加されるわけだから、とりあえず何番を置いておくか、とか、わかりやすく脳みそを使えるので、気分的に、「何もしないでいる時間」が少なく感じるのです。
RPGは必然的に戦闘時間が多く、それは=拘束されている時間なのですが、それをそうとは感じさせない作業に昇華させたのは、非常に上手だと思います。
デッキ一つとっても、攻撃重視でいくとか、弱点の属性を多めに入れるとか、人によって個性が出ますし、考える要素が増えます。
この、考えてる感が、ある意味、話を強制的にたどる必要があるRPGの中で、自分の意思が入り込む余地として上手く作られているといえましょう。
まあ、そのデッキ整理が凄くやりづらいのだけはどうにかならなかったのか、と正直思いますが………。
1000集められるったって、まともに整理できないんじゃ集める気になれないだろう。
グラフィック
これがGCだとしても私の中では充分です。
むしろ、世界観に合っていてとても美しいです。もうこのレベルで充分だよ。これ以上凄くなったからってそれがなんなの。
世界観や色合いの設定が、奇抜なものを多用しているために、思わず、『クロノクロス』の世界に迷い込んだのかと目を瞠りました。
スタッフにつながりがあるのかは知りませんが、世界観を完全に構築しているという意味では、クロノクロスと今作は非常に似通っているといえましょう。
ただ、話そのものや、そんなに変な人いない(苦笑)という意味では、バテンカイトスのほうが好みです。
各大陸にそれぞれ個性があり、色合いや雰囲気も当然違います。
南国から荘厳な貴族風、土着した民に氷の国など、私には技術的なものはわかりませんが、圧倒的な水準の高さを見ました。
絵としては文句なし。
キャラデザに個性的なものを選んでいるので、背景もむしろそれに負けまいと、個性が確立していて見ごたえがありました。
キャラクターのイメージカラーもしっかり決まっており、それを変にぼかしたりしないで、派手派手しい色でまとめているのも、わざとなのだと思います。
背景がリアルであればあるほど、人物が同じように書き込まれた色合いでは背景に沈んでしまいますから、はっきりと、遠目で見てもわかるような対称色をそれぞれに着けているのが上手いところです。
音楽
桜庭の本気を見た。
テイルズを手がけている桜庭さんの本気がここに………!
どれもパーフェクトです。この時代に戦闘曲にボーカル入ってるって中々ないぜ………!
思わずペルソナ4を思い出してしまいましたが、勿論ゲームの世界にあわせた作りになっています。
荘厳な音楽から牧歌的なもの。一番耳に残る戦闘曲まで、外れなしのできばえでした。
やはり、魔法と海と神の話ですから、全体的な作りは非常におごそかなものが多く、『ゼノギアス』が宗教的なら、こちらは神秘的といった感じです。
物語
何を話したってネタバレです。
物語としては王道であり、祖父と弟の敵を討つために世界を旅する少年カラスと、皇帝のたくらみを阻止しようとする少女シェラが出会うところから、物語は始まります。
世界に封印されている、エンドマグナス。
邪神マルペルシュロ。
それらの力を解放すべく暗躍する、皇帝ゲルドブレイムの真意は。
そして、カラスとシェラの真の旅の目的とは。
簡単に書くとこんな感じですが、始まりはとことん王道。
進み方も王道。
ですが、その描き方が秀逸であれば他に何もいらないという感じでした。
仲間になる連中の過去や、抱えているものも確かに描かれるのですが、その描き方が淡白というか、あえて踏み込んでいない距離感が非常に好みでした。
世界を救ったり、敵討ちの旅なわけですから、根っこにあるものは重くて暗いに決まっているわけで、それをこの作品は粘着質ではなく、現実的にあるものとして流している雰囲気が漂います。
その証拠に、主人公であるカラスは基本右脳で動いるタイプだし、シェラはシェラで、ある意味自分の目的に真っ直ぐにまい進しているので、お互いに余所見をしている暇がないのです。
だから、途中で悲劇に出会っても「それでも進まなければならない」と常に思ってくれるので、こちらもその感情に引きずられる形で、物語を進めることができるのです。
その代わり、仲間の中で一人だけ異様に後ろ向きな奴がいますが、それはそれでそういう役目なので。
ただこのゲームは物語主題のRPGというよりは、ゲームとしての完成度が高いRPGという印象が強いです。
戦闘システムしかり、街中での探索しかり、ダンジョンに謎解きは勿論あるし、コレクション要素もある。
物語もそのRPGとしての一要素にしか過ぎないというか、それぞれがでしゃばらない作りをしているからこそ、完成度が高いのではないかと。
キャラクター
これがネタバレじゃなくて一体なんなのだというくらいネタバレしてしまうんですが、とりあえず。
このゲームにおいてプレイヤーの位置づけは、カラスに憑依している精霊という位置づけです。
要所、要所にちょっとした選択肢が現れますが、物語の進行には関係ありません。
最終的に、いい選択肢を選んでいると使える魔法が増えるらしいですが、正直その辺は全く気にしなくていいと思います。
そして、この自分=精霊ですが、きちんと精霊が何故いるのか、という理由がちゃんとあり、オチもつきます。
カラスにとって絶対に必要な存在であり、物語の根幹をなすような立場であるにもかかわらず、この精霊(自分)微妙に扱いが悪いのがこのゲーム本当に硬派な作りだと思いました。
普通、自分はちやほやされたいわけです。
東京魔人学園シリーズだって、主人公ちやほやされてナンボなわけです。ちやほやされてるからこそ、外法帖で陰編の人気が高いわけです。
ですが、このゲーム正直そうでもありません。
カラスはこっちに対して、いて当然というスタンスなので、こっちを心配するとかそういうスタンスは望めませんし、仲間が増えるにしたがって、だんだん蚊帳の外になっていきます。
まあ、そりゃそうなんですよ。
根幹にいるっていっても、謎や物語を「進めていく」のは他のキャラクターなわけですから。
あくまで傍観者として存在している、この精霊の存在感の微妙さが、凄くストイックで、なんだろうこう、簡単には萌えさせないというゲームそのものの作りに共通するものがあると思いました。
共通するというか、プレイヤー含めて「そういう」スタンスなんでしょう。このゲームそのものが。
まあとにかく、ゲームをやっていて一番ヤキモキしたもの、そんなところでした。
これはこれでいいけど、もう少しかまってくれてもよかったのになあという、願望ですね。
なんてったって、精霊ですから姿は見えない、声は聞こえない、スキンシップはカラスとですらできないわけですから、こう、ふれあいに欲求不満というか(笑)。
ですがまあ、このゲームにおいて精霊=プレイヤーはあくまで部外者ですので、カラスやシェラを含めた主要人物を見守る立場としては、こんなもんなのかなあ。
物語として精霊がいる意味はあるんですが、実際遊ぶ際には別にいてもいなくても良かったかもしれません。
私は、せめて選択肢によって好感度を上げた人には見えるとか、そういう仕様でも良かったのに(それじゃただのギャルゲーだーッ!)
◆カラス
突っ張り小僧の主人公。世慣れているというか、自分の欲しいもの以外はどうでもいい感じのタイプです。
正義感にあふれてはいないけれど、優しくないわけじゃない普通の少年なので、嫌味もなく、世界は俺が救うという偽善的精神が鼻につくわけでもない、受け入れやすい主人公でした。
知らない間に、シェラとラブラブになっていた時は驚きましたが、同族愛というか、家族愛というか、身内愛が弟や祖父を殺されたせいで非常に強い割には、精霊に対してのあの仕打ちはどうかと思った。
おまけにだ! 中盤でパーティーを離脱して、戻ってきたとき、お前私(精霊)に謝ってないだろう!?
地味ですが大切なことです。ちゃんと他の連中だけじゃなく、私にも謝れ………むしろ、私に謝るべきだろう!?
初めてですよ。仮にもプレイヤーに「お前はいらないんだ」とか言っちゃうやつ………しかもそれに対する謝罪がない!
最後のほうの種明かしでも、精霊散々な扱いで、最後の最後に来て、こいつの私に対する愛情を疑うとは思いませんでした。
目的のためには手段を選ばない(しかも結構あっさり)ドライさ加減を見ると、私の中で確固たるカップリングとして存在してる、カラス×精霊(しかも18禁)の妄想が崩れ去りそうになります(肉体もないのに何故18禁!?)。
多分、普通の方が想像する、切っても切れない間柄とか、お互いに固執している関係とか、お前が一番大切だという感情は、カラスにはありませんし、多分こっちにもない。
あくまで、パートナーっていうか、やっぱり初手のいて当然くらいなんだと思います。はい。
中盤、とある理由でパーティーから外れた時は、正直何が始まったのかと思いました。
いや、敵討ちのために力が必要なら、そこに行き着くまでにもう終わってるよね………?
敵討ち以外で、カラスをそこまで駆り立てたコンプレックス的なものが、殆ど語られないのも印象的でした。
この、「想像はつく」という絶妙なバランスがこの作品には常にあるので、細かな会話の節々も油断がなりません。
◆シェラ
ヒロイン。真面目で頭の回転も速く、冷静で常に物語をひっぱる立場の、非常に責任感の強いできた人間。
彼女の服の色合いとデザインと羽は正直凄すぎると思いました。(パフスリーブにちょうちんブルマにピンクと緑の羽だぜ)
色々抱えるものが多すぎて、彼女の発言にはいつもびくびくさせられます。
基本、頭のいい世渡りも上手い女の子なので、言動が不快になることはありません。
わりと、立場も性格もできすぎ感が漂うので、感情移入は難しいかもしれませんが、外見や時折見せる仕草が子供っぽいので、それで相殺されている感じでしょうか。
「 ひとり夜の底を行く我らを、 海よ、いざないたまえ…」
数年前に、邪神復活の夢を見てから、それを阻止すべくまい進する彼女ですが、実際その夢の内容を聞かされた時は、思わずぐっときました。
それは………確かに切ないなあ………。かまいたくもなるよなあ………。
◆ギバリ
元騎士の現在漁師。
立場としては、できた大人といったところでしょうか。
性格そのものは、あっけらかんとしていて豪快な親父なのですが、義を重んじ、弱きを助け強気をくじく、頼りになる男というわかりやすい人間の体現です。
こういうキャラクターが一人いると、物語が進めやすいですね。
どんな時でもストッパーになってくれるし、GOサインも出してくれる。
安心感があるキャラクターです。根っこはバカっぽいですが。
◆リュード
基本毎日後ろ向きな元帝国軍人。
真面目で優しいのはいいんですが、いい加減独り立ちしなさいといつも思います。
キャラクターのルックスとしては凄く好きだったんですが、なにぶん攻撃力が弱いというか、攻撃力の強い武器が全く集まらなかったので(恐ろしいほどに)すばやさを生かして回復に専念させてました。
気弱なわりには、必殺技が強くなればなるほど、直接的な暴力っていうのが、彼の病んでる感を現していると思います。
大体、ラスト近くのそれぞれのサブイベントで、こいつだけですよ、おかしな精神世界に連れて行かれたの。
延々「僕はどうすれば」タイムが始まった時は、「こっちが教えて欲しいよ」と真剣に思いました。
武器は何故か楽器。
ホルンやらトランペットやらで敵を殴る様は、どうかしてると思わないでもないですが、かっこよかったです。
リュードの必殺技はどれもモーションがシンプルで好みでした。
◆サヴィナ
無口で感情の起伏にかけた殺し屋。
ギバリとカップリングなんだろうなあとは思うんですが、そんな描写ミジンコくらいしかないので、どうなるんだろうと思いきや、かつての上司であるアザーとも怪しかったりして、結果、どっちでもいいや。
攻撃力が強いのはいいんですが、攻撃デッキが完全に炎と水で打ち消しあうものなので、使い勝手が悪かったです。すぐにタイムアップが来ちゃうから、連鎖もできないし。
ただ、戦闘開始時に、それぞれの心の羽が具現化するんですが(この世界では誰でも羽を持っている)それがまあ、すっげえかっこよくて。
戦闘と同時に、黒髪の美女の背中から現れるのが、孔雀の羽ですよ! このビジュアルだけで、サヴィナはそれでいいと思ってしまいました。
ギバリがなんだかんだ言いながら進むのに対し、サヴィナは「そんなもん行ってみればわかる」で一蹴してしまうポジションです。
お、女のキャラクターでコレをやるか! 斬新!
◆ミズチ
常に仮面を被りおかしな音声と発音でしゃべる少女。
この中で、割と何も背負ってない少女なせいか、印象が薄いです。
どうしても魔法の強さとしてはシェラの方が使い勝手がいいし、戦闘でのしゃべり方がいらっとくるので、あまり使ってませんでした。
◆ジャコモ・エイメ・フォロン
顔が濃い三人組。
ジャコモはゲーム中、お前は一体何歳なんだと出てくるたびに思いました。キャラデザが個性的なのも考え物です。
このジャコモも、色々あるわりには、その色々を自分の中で重く捉えていないというか、こいつもカラスと同じく目的のためなら手段を選ばないタイプの人間なので、決して嫌いではありませんでしたが、何がしたいんだろうなあと言う空しさが点いてまわる感じでした。
◆レイドカーン
ギバリが元々使えていた王様。
銀髪のすんげえ美形。
キャラデザの妙か、今回私にしては天変地異的に珍しく、リュードといい、レイドカーンといい、ロン毛のキャラクターにぞっこんです。
いや、レイドカーンの正統派美形っぷりは他の追随を許さないよ!
大体、主人公のカラスと、ヒロインのシェラからして、顔そのものは微妙なのに!
それなのに、脇役にこの美形を持ってくる辺り、わかってるなと思いました。
文武両道の超美形にも関わらず、何処となくおぼっちゃんの発言が可愛いという、凄いスキルの持ち主です。結婚して。
◆ゲルドブレイム
濃すぎる王様。
声優さんの、茶風林氏の本領発揮でした。凄すぎる。
◆ミローディア
………まさかRPGで初潮描写があるとは………。
でも、あの「女」になった生々しさは必要だったよな。
物語における謎や、問いはすべてちゃんと回収されます。
細かな部分や、世界の謎や、小動物のハテナも全部オチがつきます。
このゲームで好きなところは、誰しも仕方のないことから逃げない、ということです。
誰かが世界のために死なねばならない。それが嫌なら食い止めればいい。
けれど、世界のために誰かが死ななければならないと決まっているのであれば、それは受け入れるべきことだ。
感情の起伏はあれど、それらの事実に目を背けない、大人は「仕方がない」と受け止め、大人ではない人間も「仕方がない」と受け止める。
受け止めるだけの信頼関係を、互いの間に築いた上での結論が、印象的なゲームでした。
総プレイ時間60時間オーバー。
続編既に購入済み。
届くのが超楽しみ。これが届くまで死ねない。会社やめられない。
そうそう、ミニゲーム的なアイテム収集も、凄く燃えます。
私は、一族集めも、星図完成も、動物収集も、全部コンプリートしました。
マグナスは、何の役にも立たない物が戦闘時で使うと、別なものに変身したり、紙と鉛筆を合わせると別なものになったりと、遊び心満載です。
戦闘でマグナス(物をチェックすると全て物はカード化される)を集める楽しみもありますし、あっちで取った林檎をこっちで渡すとアレがもらえる、というお使い的な楽しみも随所にあるので、新しい目的地が増えると本当に嬉しかったものです。
万人にお勧めできる王道RPGでした。やって損なし! ぜひwiiで!
何故今更、GC(と書いてゲームキューブと約す)のソフトなんて………と思ったのですが、このサイト時流に沿っていたことなど一度もないし、今はwiiでも遊べるそうなので、ご参考までにということで。
まごうかたなき本格的RPGでした。
そのおかげで、レビューが難しいような気がしますが、順を追って説明。
システム
基本的なRPGのノリをそのまま踏まえていますが、特筆すべきは「マグナス」と呼ばれるカードを使った戦闘方法です。
わかりやすく言うなれば、遊戯王方法。
要するにカードバトルの戦闘に特化した感じです。
自分のターンに、自分がデッキに納めたマグナスが出てくるので、必要に応じて相手にぶつける。
相手の攻撃も同じように自分のマグナスで防ぐ。
簡単に言うなればこんな感じですが、これはあくまでRPGであってカードゲームではないので、選べる余地は、「攻撃」か「防御」か「回復・その他」の三種類のみ。
その中では、水や光といった属性や、付属があるものも含まれますが、それ以外にも、四隅に番号が振られており、ポーカーのように約を作ると攻撃力が上がります。
番号順に並べてもいいし、ペアを作ってもいい。
また、炎と水はダメージを打ち消しあってしまうなど、一回の戦闘についても中々頭を使います。
このマグナスは炎と水だからダメージを打ち消しあってしまうけど、連鎖で番号をつなげるためには使ったほうがいいから、あえてそうする、とか、そうしないとか、そのへん、しかも、咄嗟の判断力が求められるので要注意です。磨け反射神経。
おまけに、上手い作りなのが、レベルが上がれば上がるほど強くなるのではなく、クラスチェンジアイテムによって、デッキに保持できる枚数が増え、実際に戦闘時に並べられるマグナスの数が増えるので、ただレベルを上げていればいい、ってものでもないのです。
クラスチェンジアイテムは、大体何処かの宝箱に転がっているので、それを必死になって探す必要がある。
つまり、無目的ではなく、ダンジョンを「さまよわなければならない」理由が生まれるわけですね。
これは、ただ経験値を稼ぐだけではなく、純粋な目的がもう一つ見つかるわけですから、散策にも気合が入ります。
また、戦闘時に使うマグナスも、基本的に店で購入するものではなく、敵との戦闘終了後にもらえるドロップアイテムから集めるのが必然となっていますので、そんな面でも、このゲーム戦闘にかける比重が非常に大きいのです。
戦闘そのものは難しくないので、力押しでいけないこともないですが、このゲームの最大の特徴、また難点として、戦闘に異様に時間がかかるということがあげられます。
雑魚敵だからといって二秒で終わりません。
ランダムに配置されたマグナスが全部回復系とかありえるわけです。
そうなると、当然そのターンは攻撃できませんから、無駄に時間を食う。
おまけに、選択までに時間制限があるので、のんびり構えていると自分の順番をすっ飛ばされます。
余所見をしてボタン連打もできないし、うっかりトイレにでも行こうものなら、勝手に時間経過されて敵にフルボッコです。
そういった面があるため、戦闘そのものは正直時間がかかりすぎる(敵の攻撃も強さと同じく比例して回数が多くなるため、そのモーションを延々見る羽目になる。おまけに、それを防ぐためのアクションも起こさねばならないので、時間がかかる)という難点が確かにあります。
ですがこれは、前述した、アイテム集めという目的があればなんとか乗り越えられる問題ですし、ダメージアップを図れるマグナスの組み合わせは、正直燃えるのです。
ストレートにするか、ペアにするか。
今見えているデッキにはつなげられる数字はないけれど、一枚使用すれば一枚追加されるわけだから、とりあえず何番を置いておくか、とか、わかりやすく脳みそを使えるので、気分的に、「何もしないでいる時間」が少なく感じるのです。
RPGは必然的に戦闘時間が多く、それは=拘束されている時間なのですが、それをそうとは感じさせない作業に昇華させたのは、非常に上手だと思います。
デッキ一つとっても、攻撃重視でいくとか、弱点の属性を多めに入れるとか、人によって個性が出ますし、考える要素が増えます。
この、考えてる感が、ある意味、話を強制的にたどる必要があるRPGの中で、自分の意思が入り込む余地として上手く作られているといえましょう。
まあ、そのデッキ整理が凄くやりづらいのだけはどうにかならなかったのか、と正直思いますが………。
1000集められるったって、まともに整理できないんじゃ集める気になれないだろう。
グラフィック
これがGCだとしても私の中では充分です。
むしろ、世界観に合っていてとても美しいです。もうこのレベルで充分だよ。これ以上凄くなったからってそれがなんなの。
世界観や色合いの設定が、奇抜なものを多用しているために、思わず、『クロノクロス』の世界に迷い込んだのかと目を瞠りました。
スタッフにつながりがあるのかは知りませんが、世界観を完全に構築しているという意味では、クロノクロスと今作は非常に似通っているといえましょう。
ただ、話そのものや、そんなに変な人いない(苦笑)という意味では、バテンカイトスのほうが好みです。
各大陸にそれぞれ個性があり、色合いや雰囲気も当然違います。
南国から荘厳な貴族風、土着した民に氷の国など、私には技術的なものはわかりませんが、圧倒的な水準の高さを見ました。
絵としては文句なし。
キャラデザに個性的なものを選んでいるので、背景もむしろそれに負けまいと、個性が確立していて見ごたえがありました。
キャラクターのイメージカラーもしっかり決まっており、それを変にぼかしたりしないで、派手派手しい色でまとめているのも、わざとなのだと思います。
背景がリアルであればあるほど、人物が同じように書き込まれた色合いでは背景に沈んでしまいますから、はっきりと、遠目で見てもわかるような対称色をそれぞれに着けているのが上手いところです。
音楽
桜庭の本気を見た。
テイルズを手がけている桜庭さんの本気がここに………!
どれもパーフェクトです。この時代に戦闘曲にボーカル入ってるって中々ないぜ………!
思わずペルソナ4を思い出してしまいましたが、勿論ゲームの世界にあわせた作りになっています。
荘厳な音楽から牧歌的なもの。一番耳に残る戦闘曲まで、外れなしのできばえでした。
やはり、魔法と海と神の話ですから、全体的な作りは非常におごそかなものが多く、『ゼノギアス』が宗教的なら、こちらは神秘的といった感じです。
物語
何を話したってネタバレです。
物語としては王道であり、祖父と弟の敵を討つために世界を旅する少年カラスと、皇帝のたくらみを阻止しようとする少女シェラが出会うところから、物語は始まります。
世界に封印されている、エンドマグナス。
邪神マルペルシュロ。
それらの力を解放すべく暗躍する、皇帝ゲルドブレイムの真意は。
そして、カラスとシェラの真の旅の目的とは。
簡単に書くとこんな感じですが、始まりはとことん王道。
進み方も王道。
ですが、その描き方が秀逸であれば他に何もいらないという感じでした。
仲間になる連中の過去や、抱えているものも確かに描かれるのですが、その描き方が淡白というか、あえて踏み込んでいない距離感が非常に好みでした。
世界を救ったり、敵討ちの旅なわけですから、根っこにあるものは重くて暗いに決まっているわけで、それをこの作品は粘着質ではなく、現実的にあるものとして流している雰囲気が漂います。
その証拠に、主人公であるカラスは基本右脳で動いるタイプだし、シェラはシェラで、ある意味自分の目的に真っ直ぐにまい進しているので、お互いに余所見をしている暇がないのです。
だから、途中で悲劇に出会っても「それでも進まなければならない」と常に思ってくれるので、こちらもその感情に引きずられる形で、物語を進めることができるのです。
その代わり、仲間の中で一人だけ異様に後ろ向きな奴がいますが、それはそれでそういう役目なので。
ただこのゲームは物語主題のRPGというよりは、ゲームとしての完成度が高いRPGという印象が強いです。
戦闘システムしかり、街中での探索しかり、ダンジョンに謎解きは勿論あるし、コレクション要素もある。
物語もそのRPGとしての一要素にしか過ぎないというか、それぞれがでしゃばらない作りをしているからこそ、完成度が高いのではないかと。
キャラクター
これがネタバレじゃなくて一体なんなのだというくらいネタバレしてしまうんですが、とりあえず。
このゲームにおいてプレイヤーの位置づけは、カラスに憑依している精霊という位置づけです。
要所、要所にちょっとした選択肢が現れますが、物語の進行には関係ありません。
最終的に、いい選択肢を選んでいると使える魔法が増えるらしいですが、正直その辺は全く気にしなくていいと思います。
そして、この自分=精霊ですが、きちんと精霊が何故いるのか、という理由がちゃんとあり、オチもつきます。
カラスにとって絶対に必要な存在であり、物語の根幹をなすような立場であるにもかかわらず、この精霊(自分)微妙に扱いが悪いのがこのゲーム本当に硬派な作りだと思いました。
普通、自分はちやほやされたいわけです。
東京魔人学園シリーズだって、主人公ちやほやされてナンボなわけです。ちやほやされてるからこそ、外法帖で陰編の人気が高いわけです。
ですが、このゲーム正直そうでもありません。
カラスはこっちに対して、いて当然というスタンスなので、こっちを心配するとかそういうスタンスは望めませんし、仲間が増えるにしたがって、だんだん蚊帳の外になっていきます。
まあ、そりゃそうなんですよ。
根幹にいるっていっても、謎や物語を「進めていく」のは他のキャラクターなわけですから。
あくまで傍観者として存在している、この精霊の存在感の微妙さが、凄くストイックで、なんだろうこう、簡単には萌えさせないというゲームそのものの作りに共通するものがあると思いました。
共通するというか、プレイヤー含めて「そういう」スタンスなんでしょう。このゲームそのものが。
まあとにかく、ゲームをやっていて一番ヤキモキしたもの、そんなところでした。
これはこれでいいけど、もう少しかまってくれてもよかったのになあという、願望ですね。
なんてったって、精霊ですから姿は見えない、声は聞こえない、スキンシップはカラスとですらできないわけですから、こう、ふれあいに欲求不満というか(笑)。
ですがまあ、このゲームにおいて精霊=プレイヤーはあくまで部外者ですので、カラスやシェラを含めた主要人物を見守る立場としては、こんなもんなのかなあ。
物語として精霊がいる意味はあるんですが、実際遊ぶ際には別にいてもいなくても良かったかもしれません。
私は、せめて選択肢によって好感度を上げた人には見えるとか、そういう仕様でも良かったのに(それじゃただのギャルゲーだーッ!)
◆カラス
突っ張り小僧の主人公。世慣れているというか、自分の欲しいもの以外はどうでもいい感じのタイプです。
正義感にあふれてはいないけれど、優しくないわけじゃない普通の少年なので、嫌味もなく、世界は俺が救うという偽善的精神が鼻につくわけでもない、受け入れやすい主人公でした。
知らない間に、シェラとラブラブになっていた時は驚きましたが、同族愛というか、家族愛というか、身内愛が弟や祖父を殺されたせいで非常に強い割には、精霊に対してのあの仕打ちはどうかと思った。
おまけにだ! 中盤でパーティーを離脱して、戻ってきたとき、お前私(精霊)に謝ってないだろう!?
地味ですが大切なことです。ちゃんと他の連中だけじゃなく、私にも謝れ………むしろ、私に謝るべきだろう!?
初めてですよ。仮にもプレイヤーに「お前はいらないんだ」とか言っちゃうやつ………しかもそれに対する謝罪がない!
最後のほうの種明かしでも、精霊散々な扱いで、最後の最後に来て、こいつの私に対する愛情を疑うとは思いませんでした。
目的のためには手段を選ばない(しかも結構あっさり)ドライさ加減を見ると、私の中で確固たるカップリングとして存在してる、カラス×精霊(しかも18禁)の妄想が崩れ去りそうになります(肉体もないのに何故18禁!?)。
多分、普通の方が想像する、切っても切れない間柄とか、お互いに固執している関係とか、お前が一番大切だという感情は、カラスにはありませんし、多分こっちにもない。
あくまで、パートナーっていうか、やっぱり初手のいて当然くらいなんだと思います。はい。
中盤、とある理由でパーティーから外れた時は、正直何が始まったのかと思いました。
いや、敵討ちのために力が必要なら、そこに行き着くまでにもう終わってるよね………?
敵討ち以外で、カラスをそこまで駆り立てたコンプレックス的なものが、殆ど語られないのも印象的でした。
この、「想像はつく」という絶妙なバランスがこの作品には常にあるので、細かな会話の節々も油断がなりません。
◆シェラ
ヒロイン。真面目で頭の回転も速く、冷静で常に物語をひっぱる立場の、非常に責任感の強いできた人間。
彼女の服の色合いとデザインと羽は正直凄すぎると思いました。(パフスリーブにちょうちんブルマにピンクと緑の羽だぜ)
色々抱えるものが多すぎて、彼女の発言にはいつもびくびくさせられます。
基本、頭のいい世渡りも上手い女の子なので、言動が不快になることはありません。
わりと、立場も性格もできすぎ感が漂うので、感情移入は難しいかもしれませんが、外見や時折見せる仕草が子供っぽいので、それで相殺されている感じでしょうか。
「 ひとり夜の底を行く我らを、 海よ、いざないたまえ…」
数年前に、邪神復活の夢を見てから、それを阻止すべくまい進する彼女ですが、実際その夢の内容を聞かされた時は、思わずぐっときました。
それは………確かに切ないなあ………。かまいたくもなるよなあ………。
◆ギバリ
元騎士の現在漁師。
立場としては、できた大人といったところでしょうか。
性格そのものは、あっけらかんとしていて豪快な親父なのですが、義を重んじ、弱きを助け強気をくじく、頼りになる男というわかりやすい人間の体現です。
こういうキャラクターが一人いると、物語が進めやすいですね。
どんな時でもストッパーになってくれるし、GOサインも出してくれる。
安心感があるキャラクターです。根っこはバカっぽいですが。
◆リュード
基本毎日後ろ向きな元帝国軍人。
真面目で優しいのはいいんですが、いい加減独り立ちしなさいといつも思います。
キャラクターのルックスとしては凄く好きだったんですが、なにぶん攻撃力が弱いというか、攻撃力の強い武器が全く集まらなかったので(恐ろしいほどに)すばやさを生かして回復に専念させてました。
気弱なわりには、必殺技が強くなればなるほど、直接的な暴力っていうのが、彼の病んでる感を現していると思います。
大体、ラスト近くのそれぞれのサブイベントで、こいつだけですよ、おかしな精神世界に連れて行かれたの。
延々「僕はどうすれば」タイムが始まった時は、「こっちが教えて欲しいよ」と真剣に思いました。
武器は何故か楽器。
ホルンやらトランペットやらで敵を殴る様は、どうかしてると思わないでもないですが、かっこよかったです。
リュードの必殺技はどれもモーションがシンプルで好みでした。
◆サヴィナ
無口で感情の起伏にかけた殺し屋。
ギバリとカップリングなんだろうなあとは思うんですが、そんな描写ミジンコくらいしかないので、どうなるんだろうと思いきや、かつての上司であるアザーとも怪しかったりして、結果、どっちでもいいや。
攻撃力が強いのはいいんですが、攻撃デッキが完全に炎と水で打ち消しあうものなので、使い勝手が悪かったです。すぐにタイムアップが来ちゃうから、連鎖もできないし。
ただ、戦闘開始時に、それぞれの心の羽が具現化するんですが(この世界では誰でも羽を持っている)それがまあ、すっげえかっこよくて。
戦闘と同時に、黒髪の美女の背中から現れるのが、孔雀の羽ですよ! このビジュアルだけで、サヴィナはそれでいいと思ってしまいました。
ギバリがなんだかんだ言いながら進むのに対し、サヴィナは「そんなもん行ってみればわかる」で一蹴してしまうポジションです。
お、女のキャラクターでコレをやるか! 斬新!
◆ミズチ
常に仮面を被りおかしな音声と発音でしゃべる少女。
この中で、割と何も背負ってない少女なせいか、印象が薄いです。
どうしても魔法の強さとしてはシェラの方が使い勝手がいいし、戦闘でのしゃべり方がいらっとくるので、あまり使ってませんでした。
◆ジャコモ・エイメ・フォロン
顔が濃い三人組。
ジャコモはゲーム中、お前は一体何歳なんだと出てくるたびに思いました。キャラデザが個性的なのも考え物です。
このジャコモも、色々あるわりには、その色々を自分の中で重く捉えていないというか、こいつもカラスと同じく目的のためなら手段を選ばないタイプの人間なので、決して嫌いではありませんでしたが、何がしたいんだろうなあと言う空しさが点いてまわる感じでした。
◆レイドカーン
ギバリが元々使えていた王様。
銀髪のすんげえ美形。
キャラデザの妙か、今回私にしては天変地異的に珍しく、リュードといい、レイドカーンといい、ロン毛のキャラクターにぞっこんです。
いや、レイドカーンの正統派美形っぷりは他の追随を許さないよ!
大体、主人公のカラスと、ヒロインのシェラからして、顔そのものは微妙なのに!
それなのに、脇役にこの美形を持ってくる辺り、わかってるなと思いました。
文武両道の超美形にも関わらず、何処となくおぼっちゃんの発言が可愛いという、凄いスキルの持ち主です。結婚して。
◆ゲルドブレイム
濃すぎる王様。
声優さんの、茶風林氏の本領発揮でした。凄すぎる。
◆ミローディア
………まさかRPGで初潮描写があるとは………。
でも、あの「女」になった生々しさは必要だったよな。
物語における謎や、問いはすべてちゃんと回収されます。
細かな部分や、世界の謎や、小動物のハテナも全部オチがつきます。
このゲームで好きなところは、誰しも仕方のないことから逃げない、ということです。
誰かが世界のために死なねばならない。それが嫌なら食い止めればいい。
けれど、世界のために誰かが死ななければならないと決まっているのであれば、それは受け入れるべきことだ。
感情の起伏はあれど、それらの事実に目を背けない、大人は「仕方がない」と受け止め、大人ではない人間も「仕方がない」と受け止める。
受け止めるだけの信頼関係を、互いの間に築いた上での結論が、印象的なゲームでした。
総プレイ時間60時間オーバー。
続編既に購入済み。
届くのが超楽しみ。これが届くまで死ねない。会社やめられない。
そうそう、ミニゲーム的なアイテム収集も、凄く燃えます。
私は、一族集めも、星図完成も、動物収集も、全部コンプリートしました。
マグナスは、何の役にも立たない物が戦闘時で使うと、別なものに変身したり、紙と鉛筆を合わせると別なものになったりと、遊び心満載です。
戦闘でマグナス(物をチェックすると全て物はカード化される)を集める楽しみもありますし、あっちで取った林檎をこっちで渡すとアレがもらえる、というお使い的な楽しみも随所にあるので、新しい目的地が増えると本当に嬉しかったものです。
万人にお勧めできる王道RPGでした。やって損なし! ぜひwiiで!
『有罪×無罪』公式サイト
地味ですが、非常に真面目に作られた良質ゲームでした。
お気楽極楽に動く探偵や、調べることが当然である警察ではなく、一介の小市民が突如人を裁くことになったら、という始まり方に、おちゃらけさは一切ありません。
笑いの要素もなく、始まる事件概要や、おもしろおかしく誇張させるマスコミなどは、説明を聞いているだけで背筋が凍る思いがします。
プレイヤーが裁くのは人間であり、事件ではなく犯罪という、現実的な部分を強調しているだけに、全体に流れる雰囲気は非常に重苦しいです。
ですが、それを真正面から描く姿に好感触。
このゲームは裁判員制度を元にして作られており、人の人生を左右する裁判に笑いの要素などあるわけがないという割り切り方が、非常に誠実な印象を受けました。
ゲームは基本的に証言や、証拠を元に討論していく形で進みます。
こちらが質問したり、否定したり、肯定することで、新たな展開が生まれたり、いや、そうは言ってないけどそうなるの!? というような「会話」のリアル感があり、やっていて緊張感が常に漂います。
やり直しがきくといっても、やり直しても結論が同じであったり、新たな発見がなかった場合「これでいいのか」と常に思いながら進まなければならないことが多く、完全に「これでいいんだ」と思えるのは稀だからです。
特に最初のほうは曖昧な判断が多く、既にもう取り返しがつかないんじゃないかと思いながら進めるのは、かなりドキドキします。
裁判や証言を考察するシーンは、基本論破して進んでいくわけではないので、ひたすら情報を集めることに特化しています。
その辺が、「かったるい」と思えるかもしれませんが、逆に、どんなことが動機になるかわからないともいえます。
このゲームは別に、告訴されている人間がその時点で、「犯人であるか」を見極めるわけではなく、あくまで告訴されている内容にそぐわないかどうか、を判断していくことになります。
殺人か殺人でないか、ではなく、「保険金殺人といわれているけれどそうなのか」という具体的な判断をするわけです。
つまり、殺人ではあるが果たして保険金目当てなのか、という捕らえ方であって、吟味する内容も、「その程度では保険金殺人の動機にならない」という、曖昧なものなのです。
その曖昧さを積み重ねていくことによって、あくまで話し合いで結論を下す、という爽快感のなさが、物凄くリアルでした。
論破して新しい証言が出てくるわけでもない。
劇的に場面が変わるわけでもない。
証言者は当たり前のことしか話さず、裁判員たちも当たり前の会話しかしない。
その当たり前さ加減が、凄く真面目に作られていて、おちゃらけムードがかけらもない(多少会話の中でありますが、あくまで会話なので、作品の質そのものが笑いのスタンスではない)ことが、このゲームの質を上げていると思います。
操作としては、文章を読んでいくだけのものなので、ゲーム性は薄いかもしれません。
ですが、人の人生に関わることだと何度も念押しされる時点で、常に緊張感が漂うわけです。その上で自分が何かリアクションをしなくても話が進んでしまうので、終始緊張感は持続し続けます。
サスペンスやアドベンチャーもので、緊張感を持続させるのは中々難しいことですが、最終的な見通しが何も立たない(無罪だから終わり、有罪だから終わりではない)状態で延々すすめられてしまうのは、非常に上手いつくりだといえましょう。
おまけに、最後量刑までこちらが決めなければならないとあっては、ゲームなのに責任重大です。
ここにきてやっと、物語の背景がなんだったかはわかりますが、話はそこで終わりではなく、あくまで、罪の有無に関係なく刑を処するところまでやるというのは、中々面白い終わり方でした。
犯人を「当てる」ゲームではなく「罪を決める」ゲームなわけですから。
ただの推理ものや、サスペンス法廷物とは違い、自分が他人の人生を左右する中立な立場で挑まねばならない意欲作として、非常によくできていたゲームでした。
最近発売されて遊んだ中では、単品としてトップレベル。
ですが、果たして売れるかどうかは。
まあ絵柄からして非常に地味ですし、萌え要素はかけらもありませんし。この世界観にむしろ、萌えなんてあってたまるかというのが本音ですが、よほど硬派な推理ゲームファンくらいしか購入しないのではないかと、いらぬ心配をしたくなります。
音楽は重厚で迫力があって凄くいいんですが。ゲーム音楽というよりは、サスペンスドラマ風ですね。
シナリオもよく練られていて面白かったです。奇をてらったものはないのですが、無罪、有罪を決める過程や、シナリオ配置の順番、ラストのどんでん返しも含めて、各話に直接的なつながりはないものの、第一話は最初に、最終話は最後に持ってくる理由がちゃんとあります。
途中までの各話は難易度としてもそれほど難しくありませんが、最終話はやることや証明することが多くて、中々難しかったです。
操作性に関しても、特筆するようなものはないのですが、証言や証拠がどんどん一方的にストックされてしまうので(ほぼ無差別に)閲覧時に不便を感じました。
またやり直す際や読み進める際のスキップも遅く、繰り返し遊ぶ作りにはなっていないように思えます。
こちらは証言を聞く立場なので、会話のキャッチボールもなく、延々シナリオを読み進めるだけなので。
シナリオもボリュームももう少しあれば嬉しかったところですが、あくまで、「面白かったのでもう少し長いと嬉しかったな」程度です。
むしろ、操作そのものは難しくないので、ゲーム初心者にお勧めしたいデキです。裁判員制度というものを、ゲームと言う媒介を通してわかりやすく理解できるないようでした。
まあ私は、井原裁判長とか、検察側の人とか、裁判補佐の人とか、最終話のフリーターとか、被告人とか、普通にルックスいけましたが。(最後に最低な感想)
でも、プレイヤーはあくまで中立。裁判員同士とも、検察とも弁護人とも、勿論証人とも被告とも、絶対に交わらない。
心の交流などゲームで存在しません。
だからこその裁判員なのだ、という立ち位置は、凄くストイックで良かったです。半端な萌えなどお呼びじゃないよ、という感じが。
このゲーム、主人公の名前決められるんですが、井原が使われてしまっていたので、中古にそのまま入っていた名前で遊びました。ちなみに五條さん。
………二次元にいたかなあ、五條さん………。悟浄さんならいるだろうけど。(オリジナルの名前だと想像できない業の深さ)
あと、こんなこと今更言っても本当に意味のないことなんですが、良質ゲームを中古で引き当てると、ちょっとした罪悪感に襲われますね。
いや、これがもう定価で手に入らない昔のソフト、とかならいいんですが、このゲームなんてまだ普通に密林とかで購入できるわけで。
こんなに面白かったのなら、ちゃんと定価で購入してメーカーにちょっとでも還元したかったなあ、と思ってしまいました。
続編が出たらちゃんと予約購入します。
地味ですが、非常に真面目に作られた良質ゲームでした。
お気楽極楽に動く探偵や、調べることが当然である警察ではなく、一介の小市民が突如人を裁くことになったら、という始まり方に、おちゃらけさは一切ありません。
笑いの要素もなく、始まる事件概要や、おもしろおかしく誇張させるマスコミなどは、説明を聞いているだけで背筋が凍る思いがします。
プレイヤーが裁くのは人間であり、事件ではなく犯罪という、現実的な部分を強調しているだけに、全体に流れる雰囲気は非常に重苦しいです。
ですが、それを真正面から描く姿に好感触。
このゲームは裁判員制度を元にして作られており、人の人生を左右する裁判に笑いの要素などあるわけがないという割り切り方が、非常に誠実な印象を受けました。
ゲームは基本的に証言や、証拠を元に討論していく形で進みます。
こちらが質問したり、否定したり、肯定することで、新たな展開が生まれたり、いや、そうは言ってないけどそうなるの!? というような「会話」のリアル感があり、やっていて緊張感が常に漂います。
やり直しがきくといっても、やり直しても結論が同じであったり、新たな発見がなかった場合「これでいいのか」と常に思いながら進まなければならないことが多く、完全に「これでいいんだ」と思えるのは稀だからです。
特に最初のほうは曖昧な判断が多く、既にもう取り返しがつかないんじゃないかと思いながら進めるのは、かなりドキドキします。
裁判や証言を考察するシーンは、基本論破して進んでいくわけではないので、ひたすら情報を集めることに特化しています。
その辺が、「かったるい」と思えるかもしれませんが、逆に、どんなことが動機になるかわからないともいえます。
このゲームは別に、告訴されている人間がその時点で、「犯人であるか」を見極めるわけではなく、あくまで告訴されている内容にそぐわないかどうか、を判断していくことになります。
殺人か殺人でないか、ではなく、「保険金殺人といわれているけれどそうなのか」という具体的な判断をするわけです。
つまり、殺人ではあるが果たして保険金目当てなのか、という捕らえ方であって、吟味する内容も、「その程度では保険金殺人の動機にならない」という、曖昧なものなのです。
その曖昧さを積み重ねていくことによって、あくまで話し合いで結論を下す、という爽快感のなさが、物凄くリアルでした。
論破して新しい証言が出てくるわけでもない。
劇的に場面が変わるわけでもない。
証言者は当たり前のことしか話さず、裁判員たちも当たり前の会話しかしない。
その当たり前さ加減が、凄く真面目に作られていて、おちゃらけムードがかけらもない(多少会話の中でありますが、あくまで会話なので、作品の質そのものが笑いのスタンスではない)ことが、このゲームの質を上げていると思います。
操作としては、文章を読んでいくだけのものなので、ゲーム性は薄いかもしれません。
ですが、人の人生に関わることだと何度も念押しされる時点で、常に緊張感が漂うわけです。その上で自分が何かリアクションをしなくても話が進んでしまうので、終始緊張感は持続し続けます。
サスペンスやアドベンチャーもので、緊張感を持続させるのは中々難しいことですが、最終的な見通しが何も立たない(無罪だから終わり、有罪だから終わりではない)状態で延々すすめられてしまうのは、非常に上手いつくりだといえましょう。
おまけに、最後量刑までこちらが決めなければならないとあっては、ゲームなのに責任重大です。
ここにきてやっと、物語の背景がなんだったかはわかりますが、話はそこで終わりではなく、あくまで、罪の有無に関係なく刑を処するところまでやるというのは、中々面白い終わり方でした。
犯人を「当てる」ゲームではなく「罪を決める」ゲームなわけですから。
ただの推理ものや、サスペンス法廷物とは違い、自分が他人の人生を左右する中立な立場で挑まねばならない意欲作として、非常によくできていたゲームでした。
最近発売されて遊んだ中では、単品としてトップレベル。
ですが、果たして売れるかどうかは。
まあ絵柄からして非常に地味ですし、萌え要素はかけらもありませんし。この世界観にむしろ、萌えなんてあってたまるかというのが本音ですが、よほど硬派な推理ゲームファンくらいしか購入しないのではないかと、いらぬ心配をしたくなります。
音楽は重厚で迫力があって凄くいいんですが。ゲーム音楽というよりは、サスペンスドラマ風ですね。
シナリオもよく練られていて面白かったです。奇をてらったものはないのですが、無罪、有罪を決める過程や、シナリオ配置の順番、ラストのどんでん返しも含めて、各話に直接的なつながりはないものの、第一話は最初に、最終話は最後に持ってくる理由がちゃんとあります。
途中までの各話は難易度としてもそれほど難しくありませんが、最終話はやることや証明することが多くて、中々難しかったです。
操作性に関しても、特筆するようなものはないのですが、証言や証拠がどんどん一方的にストックされてしまうので(ほぼ無差別に)閲覧時に不便を感じました。
またやり直す際や読み進める際のスキップも遅く、繰り返し遊ぶ作りにはなっていないように思えます。
こちらは証言を聞く立場なので、会話のキャッチボールもなく、延々シナリオを読み進めるだけなので。
シナリオもボリュームももう少しあれば嬉しかったところですが、あくまで、「面白かったのでもう少し長いと嬉しかったな」程度です。
むしろ、操作そのものは難しくないので、ゲーム初心者にお勧めしたいデキです。裁判員制度というものを、ゲームと言う媒介を通してわかりやすく理解できるないようでした。
まあ私は、井原裁判長とか、検察側の人とか、裁判補佐の人とか、最終話のフリーターとか、被告人とか、普通にルックスいけましたが。(最後に最低な感想)
でも、プレイヤーはあくまで中立。裁判員同士とも、検察とも弁護人とも、勿論証人とも被告とも、絶対に交わらない。
心の交流などゲームで存在しません。
だからこその裁判員なのだ、という立ち位置は、凄くストイックで良かったです。半端な萌えなどお呼びじゃないよ、という感じが。
このゲーム、主人公の名前決められるんですが、井原が使われてしまっていたので、中古にそのまま入っていた名前で遊びました。ちなみに五條さん。
………二次元にいたかなあ、五條さん………。悟浄さんならいるだろうけど。(オリジナルの名前だと想像できない業の深さ)
あと、こんなこと今更言っても本当に意味のないことなんですが、良質ゲームを中古で引き当てると、ちょっとした罪悪感に襲われますね。
いや、これがもう定価で手に入らない昔のソフト、とかならいいんですが、このゲームなんてまだ普通に密林とかで購入できるわけで。
こんなに面白かったのなら、ちゃんと定価で購入してメーカーにちょっとでも還元したかったなあ、と思ってしまいました。
続編が出たらちゃんと予約購入します。
『マリオ&ルイージRPG2』
シリーズの3がとても評判がいいので、その前哨戦だと思って購入してみたところ、甘かった。
プレイ中の感想も、プレイ後の感想も、ただ一言、必死の一言につきました。
アクションRPGなので、とにかくキー操作が肝になってきます。一瞬たりとも気が抜けません。雑魚敵であろうが、常に戦闘に全力投球しないとすぐ死にます。ダンジョンも、パズル要素が強いので、それほど難しくはないものの、頭を使ってぐるぐる回るシーンが山ほどです。
子供向けと侮るなかれ、どっこい難易度の高いRPGでした。
ただこれは、私のように反射神経が衰退した大人がやっての難しさであって、逆に順応性の高い子供がやったら、もっとすんなり楽しめるんじゃないかと思います。とにかく、キー操作さえ己のものにしてしまえば、なんとかなるわけですから。
まず、Aがマリオ。Bがルイージ。Xがベビィマリオ。Yがベビィルイージという振り分けができています。固定です。どうにもなりません。
戦闘が開始されると、その四つのボタンを駆使して、マリオたちを操るのですが、これがまた難しい。
基本の攻撃は、ハンマーかジャンプかの二択なんですが、攻撃を当てようと思うと、まず敵に対してタイミングよくボタンを押さねばなりません。おまけに、ジャンプとハンマーでは、ボタンを押す順番が違います。
ハンマーはマリオ・ベビィマリオの順。ジャンプはベビィマリオ・マリオの順で当てないと、上手くダメージが増加しません。
この指を覚えるまでが本当に一苦労で。やっと攻撃を覚えたと思ったら、今度は敵の攻撃も同じくボタン操作でかわさねばなりません。それがまたタイミングをつかむのが本当に難しくて。相手の攻撃も千差万別ですし、ジャンプでかわす場合もあれば、ハンマーも叩き返す場合もあり。もう、正直右手の指がつりそうになります。
敵の攻撃も、DSを生かした二面構成になっており、上部の画面まで敵の攻撃がはみ出て、タイミングが掴めないようになっていたり、上空からの攻撃とか、演出そのものは凄く出来がいいです。パーフェクト。エフェクト一つ、キャラクターの動き一つとっても、本当に一級品で、その姿を見ているだけで楽しめる………と言いたいところですが戦闘中は必死でそれどころじゃありませんでした。
アクションRPGになると、また四つのボタンを駆使するはめになります。
場合によって、マリオたちとベビィを分離する必要があるんですが(それぞれできる能力が違う)、そのキーコントロールが泣きそう。
今までの常識と言うか、一般として覚えている指の動きが通用しないので、ほぼストレートに願った動きができたことがありません。
普通、R2とか押してマリオとベビィにわけてから、次の動作に移ったりするんでしょうが、それがまず「X」か「Y」ボタンなわけです。Xで分離して、その後に改めてR2を押して、通常のジャンプではなく、他のプラスアルファの動作を選ぶ。その動作を実行するのも、また「X」か「Y」かを選び、終わるのも「X」か「Y」を押す。そしてまたジャンプに戻りたかったらR2を押さねばならないし、マリオたちを動かしたいと思うのならば「A」か「B」を押さねばならない。
もうねえ、指と脳が常に混乱ですよ。私は戦闘よりもこの操作性で本当に泣きました。辛くなりました。雑魚であっても気が抜けない戦闘が正直苦痛でした。
なので、これは子供向けなのです。いちいち「指が! 指が! 脳が! 脳が!」と叫びたくなる、固まっちゃった大人ではなく、自然に順応できる子供たちがやって楽しむものなのだと思います。
音楽はどれも楽しいです。アップテンポで、コインやキノコなど、マリオシリーズのお約束は全て制覇しているので、効果音一つとっても懐かしくてたまりません。
グラフィックはまさに天上の虹。
完璧でした。こんな可愛い二次元グラフィック見たことないです。カラーリングが原色しようというか、とにかく明るい色でそろえており、ダンジョン一つ、敵のデザイン一つとっても、さすが任天堂! と基本スペックの高さを感じずにはいられません。
そしてキャラクターのモーションが神がかってます。これ、ゲーム作っているプロの方たちがやっても、相当勉強になるんじゃないのかなあ。
動きにバリエーションがあるのは勿論なんですが、それらを、キャラクターごとに当てはめての動きの作り方が素晴らしいのです。
例えば、右腕を上げる動作があるとします。それは、ただ腕を上げるというだけの画ですが、使い方と使う人間にとっては、それは個性になるわけです。
電話をしている動作に見立てる、挨拶をする、頭をかく、敵になぐられる、無数の動作を「腕を上げる」という動作にあてはめて演出できるわけです。ですがそれは、人の動きがどれだけあってどのように演出できるかということがわかっていなければ、できない仕様であって、その辺が、少ない動作のバリエーションでどのように魅せるか、という上手さを熟知したプロの仕事なのだと思います。
勿論、このゲームはキャラクターごとのモーションがうなるほどあって、それも見ていて楽しいのですが、個性の出し方の上手さは、少ないモーションであっても変わらない上手さがありました。
マリオは頼りがいがベビィマリオと上手くやってて高い高いも上手。
ルイージはとにかく情けなくて、へっぴり腰で、すぐ泣くし情けないし、ドジっ子だし、ベビィルイージに対しても大人気ない。
書き忘れましたが、このゲームで実はマリオたちは一切しゃべりません。
時折、「マリオ」とか「ルイージ」とか「ベビィ」とか「~~ゴ~!」(多分、レッツゴーなんだと思う)とか、なんだか異次元語を口にしますが、殆ど単語です。会話するのは相手であって、動かす四人は殆ど意味が理解できない「音」を口にするだけなのです。
それでも、豊富なモーションで完全に会話が四人の間に成立している。笑いもあれば、シリアスな要素までどんとこい。
それが、上手さであり、レベルの高さなのです。
いやあ、このモーションの多彩さと、使い方の上手さだけでも、このゲームやった甲斐がありました。キャラ立ちを会話一切なしでここまで現せるとは………。やはり、音あり、絵あり、言葉ありと、全てが複合技でできているゲームの面目躍如という感じのゲームは、やっていて楽しいですし、応援したくなりますね。
総プレイ時間は20時間切る程度です。レベルも30いかないでクリアできるのではないかと。
萌えっていうのとは違う、想像力が入り込む余地が多いにある、面白いゲームでした。
手軽に、というわりには、右手指と脳とのリンク機能を強化する必要がありますが、マリオたちの世界観を味わいたい方はぜひどうぞ。
シリーズの3がとても評判がいいので、その前哨戦だと思って購入してみたところ、甘かった。
プレイ中の感想も、プレイ後の感想も、ただ一言、必死の一言につきました。
アクションRPGなので、とにかくキー操作が肝になってきます。一瞬たりとも気が抜けません。雑魚敵であろうが、常に戦闘に全力投球しないとすぐ死にます。ダンジョンも、パズル要素が強いので、それほど難しくはないものの、頭を使ってぐるぐる回るシーンが山ほどです。
子供向けと侮るなかれ、どっこい難易度の高いRPGでした。
ただこれは、私のように反射神経が衰退した大人がやっての難しさであって、逆に順応性の高い子供がやったら、もっとすんなり楽しめるんじゃないかと思います。とにかく、キー操作さえ己のものにしてしまえば、なんとかなるわけですから。
まず、Aがマリオ。Bがルイージ。Xがベビィマリオ。Yがベビィルイージという振り分けができています。固定です。どうにもなりません。
戦闘が開始されると、その四つのボタンを駆使して、マリオたちを操るのですが、これがまた難しい。
基本の攻撃は、ハンマーかジャンプかの二択なんですが、攻撃を当てようと思うと、まず敵に対してタイミングよくボタンを押さねばなりません。おまけに、ジャンプとハンマーでは、ボタンを押す順番が違います。
ハンマーはマリオ・ベビィマリオの順。ジャンプはベビィマリオ・マリオの順で当てないと、上手くダメージが増加しません。
この指を覚えるまでが本当に一苦労で。やっと攻撃を覚えたと思ったら、今度は敵の攻撃も同じくボタン操作でかわさねばなりません。それがまたタイミングをつかむのが本当に難しくて。相手の攻撃も千差万別ですし、ジャンプでかわす場合もあれば、ハンマーも叩き返す場合もあり。もう、正直右手の指がつりそうになります。
敵の攻撃も、DSを生かした二面構成になっており、上部の画面まで敵の攻撃がはみ出て、タイミングが掴めないようになっていたり、上空からの攻撃とか、演出そのものは凄く出来がいいです。パーフェクト。エフェクト一つ、キャラクターの動き一つとっても、本当に一級品で、その姿を見ているだけで楽しめる………と言いたいところですが戦闘中は必死でそれどころじゃありませんでした。
アクションRPGになると、また四つのボタンを駆使するはめになります。
場合によって、マリオたちとベビィを分離する必要があるんですが(それぞれできる能力が違う)、そのキーコントロールが泣きそう。
今までの常識と言うか、一般として覚えている指の動きが通用しないので、ほぼストレートに願った動きができたことがありません。
普通、R2とか押してマリオとベビィにわけてから、次の動作に移ったりするんでしょうが、それがまず「X」か「Y」ボタンなわけです。Xで分離して、その後に改めてR2を押して、通常のジャンプではなく、他のプラスアルファの動作を選ぶ。その動作を実行するのも、また「X」か「Y」かを選び、終わるのも「X」か「Y」を押す。そしてまたジャンプに戻りたかったらR2を押さねばならないし、マリオたちを動かしたいと思うのならば「A」か「B」を押さねばならない。
もうねえ、指と脳が常に混乱ですよ。私は戦闘よりもこの操作性で本当に泣きました。辛くなりました。雑魚であっても気が抜けない戦闘が正直苦痛でした。
なので、これは子供向けなのです。いちいち「指が! 指が! 脳が! 脳が!」と叫びたくなる、固まっちゃった大人ではなく、自然に順応できる子供たちがやって楽しむものなのだと思います。
音楽はどれも楽しいです。アップテンポで、コインやキノコなど、マリオシリーズのお約束は全て制覇しているので、効果音一つとっても懐かしくてたまりません。
グラフィックはまさに天上の虹。
完璧でした。こんな可愛い二次元グラフィック見たことないです。カラーリングが原色しようというか、とにかく明るい色でそろえており、ダンジョン一つ、敵のデザイン一つとっても、さすが任天堂! と基本スペックの高さを感じずにはいられません。
そしてキャラクターのモーションが神がかってます。これ、ゲーム作っているプロの方たちがやっても、相当勉強になるんじゃないのかなあ。
動きにバリエーションがあるのは勿論なんですが、それらを、キャラクターごとに当てはめての動きの作り方が素晴らしいのです。
例えば、右腕を上げる動作があるとします。それは、ただ腕を上げるというだけの画ですが、使い方と使う人間にとっては、それは個性になるわけです。
電話をしている動作に見立てる、挨拶をする、頭をかく、敵になぐられる、無数の動作を「腕を上げる」という動作にあてはめて演出できるわけです。ですがそれは、人の動きがどれだけあってどのように演出できるかということがわかっていなければ、できない仕様であって、その辺が、少ない動作のバリエーションでどのように魅せるか、という上手さを熟知したプロの仕事なのだと思います。
勿論、このゲームはキャラクターごとのモーションがうなるほどあって、それも見ていて楽しいのですが、個性の出し方の上手さは、少ないモーションであっても変わらない上手さがありました。
マリオは頼りがいがベビィマリオと上手くやってて高い高いも上手。
ルイージはとにかく情けなくて、へっぴり腰で、すぐ泣くし情けないし、ドジっ子だし、ベビィルイージに対しても大人気ない。
書き忘れましたが、このゲームで実はマリオたちは一切しゃべりません。
時折、「マリオ」とか「ルイージ」とか「ベビィ」とか「~~ゴ~!」(多分、レッツゴーなんだと思う)とか、なんだか異次元語を口にしますが、殆ど単語です。会話するのは相手であって、動かす四人は殆ど意味が理解できない「音」を口にするだけなのです。
それでも、豊富なモーションで完全に会話が四人の間に成立している。笑いもあれば、シリアスな要素までどんとこい。
それが、上手さであり、レベルの高さなのです。
いやあ、このモーションの多彩さと、使い方の上手さだけでも、このゲームやった甲斐がありました。キャラ立ちを会話一切なしでここまで現せるとは………。やはり、音あり、絵あり、言葉ありと、全てが複合技でできているゲームの面目躍如という感じのゲームは、やっていて楽しいですし、応援したくなりますね。
総プレイ時間は20時間切る程度です。レベルも30いかないでクリアできるのではないかと。
萌えっていうのとは違う、想像力が入り込む余地が多いにある、面白いゲームでした。
手軽に、というわりには、右手指と脳とのリンク機能を強化する必要がありますが、マリオたちの世界観を味わいたい方はぜひどうぞ。
『逆転検事』公式サイト
ネタバレに過剰な配慮はしておりませんが、それほどつっこんで書いているわけじゃないので、流せるレベルなんじゃないかと思います。ただこれも個人差がありますので、未プレイの方やネタバレ絶対回避したい方は、自己責任において閲覧ください。
どうせなら、何とかの台詞に萌えとか、何とかのキャラクターに萌えとか、言いたかったんですけどね。
私は『逆転裁判』シリーズを全部プレイしていますが、何を隠そう御剣に全く関心がありませんでした。
ああ、成歩堂の友人……もとい、「お互いに」一方的に固執していた相手ね、くらいの印象です。
友人っていうなら、矢張のほうがよっぽど二人の友人ですし。
第一話 逆転の来訪者
「私にクツジョクを与えたこと、必ずコウカイさせてやる」
自分の執務室で殺人が起こり、銃を突きつけられた御剣はご立腹ですが、その頭の悪いカタカナ変換は一体なんなのでしょう。外国暮らし長さのアピールでしょうか。
とりあえず殺人事件現場の調査に入ります。トノサマンについての知識をナチュラルに披露してしまう御剣の業の深さがここに。
「自分拳銃は好きじゃないっす。危ないっすから」
というイトノコギリ刑事が可愛くて仕方がありません。
捜査はわりとサクサクすすみますが、下画面の部屋の図面みたいなものの存在がよくわかりません。あれ見て御剣動かしたりしないだろうし。
あと、これ逆裁シリーズ全部のアンケートに書いたんですが、メッセージスピードが遅いのでストレスが溜まります。Aボタン連打で何故速くできないのだ。
イトノコ刑事、マコちゃんと立て続けに身内が疑われ、心中穏やかではない御剣。
こちらは、マコちゃんのカジュアルな服装にハァハァしていてそれどころじゃありませんでした。
「スズキさん。私やイトノコギリ刑事の心配をする必要はない。無論、君も。この事件は私が解決する」
御剣のくせにカッコイイじゃないか!(酷い)
私の萌えツボとして、苗字呼びというものがあるので、御剣が「スズキさん」とマコちゃんのことを呼ぶの、すっごく萌えますね。社会人同士はこうでないと。
事件は解決し、大泥棒ヤタガラスの存在も明らかに。
ヤタガラス………渋めのおっさんとかだったら萌えられる気がする………(それはコロシヤさんや、やあれ! の人でもう使ってるから………)。
第二話 逆転エアライン
いきなり好みの顔の男が死んでる!
しかし、御剣のエレベータートラウマとか、前シリーズやってない人にとっては唐突なだけなのでは。まあこの作品から入る人がいるとも思えませんが………いや、あのテレビCFだったらいるかもな。
ここで、殺人現場のつきつけるで、ヒモの位置がずれてNGになること数回。酷すぎるだろうこれ! わざわざ携帯の位置指定したのに!
そして、積荷のトリックあたりで、だからそれはわかってるんだってばこの証拠品先でもいいだろうがとNGになること数回。
これ、以前にもこういうことあったような。
二話は、色々事実が明らかになり、二転三転する物語がなかなか面白かったです。犯人の素性ばれした後、もう少しリアクション上手だったらもっと良かったのに。
それにしても御剣はあれですね。女運まっしぐらだったら友人と比べて、女運がとことんないですね。コノミチさんに「私の趣味を理解できない人など興味ありません」と言われたときは腹抱えて笑った。
冥ちゃんは個人的に好きなキャラクターなのですが、こう素直になれない女の子らしさが最大限にアピールできるのは、青い服の頭のとがった弁護士とのカップリング一押しなので、御剣とは兄妹どまりでいて欲しいと思います。
いやあ、純粋にカップリングとして考えるなら、イトメイも充分ありだけどね。
第二話の総括としては、被害者の男性のルックスがとにかくとことん好みだったにつきると思います。私も所詮人の子だったか………(意味不明)。
第三話 さらわれた逆転。
ヤタガラスは可愛い女の子ミクモちゃんでした。公式イラストでは可愛いのですが、ドットになると何故か顔が長くてかわいくありません。なんだこれ。
しかし御剣は短い間に事件に巻き込まれ、気絶すること二回。ある意味マコちゃん超えてるんじゃないかと思うんですが、どうなのでしょうか。
身代金の受け渡しに失敗し、同じく誘拐されてしまう御剣と、そこに居合わせたミクモちゃん。
なんとか脱出した先には、国際警察のロウ捜査官が。
「人には親からもらった名前があるんだ! 二番や三番じゃねえ! みんな一番なんだよ!」
世界に一つだけの花ですねわかります。
第二話の被害者と同期で、名刺交換をしてと、やたらに可愛いロウ捜査官。今回の萌えを一手に担う気がしてなりません。
第三話は、はっきりと事件の全貌を明らかにしていく、という点で中々純粋な推理モノとして面白かったです。二話は殺人犯を探しているんだか、密輸を操作してるんだかわからなかったし。
ただ、新たな証拠品が出てきたり、場面の状況が出てきた時点で、こっちはもうそれが「どんな」トリックに使われるか「わかる」のに、それを延々ひっぱられたりすると、気分が萎えます。そういうときに限って、突きつける証拠品がわりと曖昧だったりすると、気分的に盛り上がらないんですよね。
タイホクンの右手左手かぶりもの云々は、トリックとしてどういう使われ方をするのかわかるんですが、それにしたって、延々ひっぱりすぎというか。使っている場面が違っても、根本的なことは同じトリック(ロジック)を二度、三度と暴くのは爽快感がありません。
あとねえ、やっぱりここぞ、という時以外のキャラクターのリアクション待ちが鬱陶しいです。
何で成金親父の「まあまあ」みたいな萌えも何もないリアクションのために、新しいメッセージが停滞しなきゃならないんだ。
これ、御剣とかロウ捜査官みたいに、ビシ、っと台詞とアクションが同時に決まって出る、くらいの立場のキャラクター以外は正直あまり動かなくてもいいのでは、と思いました。
その動きは、こちらが暴いた時にとっておけ。
ロウ刑事に「女性はいくつになってもお姫様なのさ」と言われたときは、ニヤっとしました。(え? そりゃ嬉しいですよ。現実で言われないからね! 笑)
第四話 過ぎ去りし逆転。
若御剣には何の興味もありませんが、師匠登場ー!
狩魔! 狩魔! その渋いご尊顔をもう一度見られて嬉しいです!
言ってることは極端ですが、やっぱり萌えますねえ。
この力技でねじ伏せる感がたまりません。
幼い頃のミクモちゃんに「………どうした、娘」とか一応声をかける様を見ると、この人、逆に検事じゃなかったらまともなんだろうな、と思ったり思わなかったり。
しかし、狩魔検事がうろたえる様とか見られるとは思わなかったなあ。御剣と結構ごく普通に話しているさまも、なんかこう、歪んだ師弟愛が根底にあるのかと思うと、すんごいゾクゾクしますね!(笑)
そして、多分ミクモちゃんの父親であろう、枯れた風貌の一条検事もすげえ顔好み! このゲーム被害者に好みの顔多すぎるよ!
そういえばこのゲーム、今回個性的な顔立ちとか個性的な人って、誰もいませんね。
格好は奇抜かもしれませんが、顔そのものが個性的な人って全然いない。
一条検事も、バドウ刑事も、ごくごく普通の二枚目です。初期の、真宵ちゃんの微妙な正面顔が懐かしいなあ。御剣だって正直、第一作目に出た時は三白眼で美形だとは言いがたかった。
どんどん根深くなっていく、密輸団とのかかわり。
ミクモちゃんの父親に、義賊であったはずのヤタガラス。そして、何故バストアップの絵が出ないのだと血涙を流しそうになった、ロウ捜査官の制服姿。………見たかった………。(どうでもいいですが、ロウ捜査官って、狼には全く見えないんですが、それ私だけでしょうか。どちらかといえば、国のモデルも考えて、ドラゴンって感じが………衣装のガラとかさ………)
第四話もわりといや、だからそれはもうわかってるってばみたいなノリが結構ありました。
ラスト近くの第二待合室でのやりとりとか、それもう、どこをさしてどれを指摘するのかって、わざわざ説明いる………? と思ったし。
第五話 燃え上がる逆転。
ヤハリー!?
何を隠そう私はヤハリが大好きです。一番は成歩堂ですが二番はヤハリです。今回はトノサマンの着ぐるみを身につけて犯人扱いされています。
「そういえば、あなたの友人だったわね………これ」
「ああ、恐ろしいことにそうだ」
輝くメイちゃんと御剣の会話。今回のゲームに関してだけ言えば、イトノコ刑事よりもメイちゃんが相棒の方がテンポが良くて好きです。一応今回も御剣に捜査権限がない(そんなのばっかりだ)ので、メイちゃんの部下扱いなのですが、ヤハリがトノサマンの格好でぶつかってきた時、「私の部下になにをする!」とか、ウルトラツンデレでした。くそ………メイちゃん可愛いぜ………!
事の発端は、殺された密輸団のボスが、八年前に若御剣たちが関わった事件の容疑者だったということがわかり、元は一つの国だったものが、二つに分かれてしまって、それぞれの大使館を捜査する、というようなノリです。ミクモちゃんが犯人扱いされたりしたんですが、相変わらず妙に女性に優しいメイちゃん。
逆転裁判の時もかなり思ったけど、メイちゃんにはあれか、百合スキルがあるのか………?
当然ロウ捜査官も登場。年齢もキャリアも下なメイちゃんを「アネさん」と呼ぶのは凄く違和感があるのですが。
ともかく、ババル国で死んでいた被害者の凶器がアレバスト国のものであることがわかり、捜査に向かった御剣とメイちゃんの下に、ヤハリが現れたわけです。顔、違うな………(生意気に書き下ろされるとこれだ)。
そして、ヤハリ絡みの会話はどれもとても面白いです。
トノサマンの槍が偽者だと知り、素直に嘆く御剣に、
「お前のそういうとこ、嫌いじゃないぜ!」
「ですって。良かったわね、持つべきものは友達ね」
(クツジョクだっ!)
とかさあ! 何言ってんだ御剣、お前、逆にこういうヤハリが友達なのすげえ感謝すべきだよ!
サンタの話になれば、
「サンタさんが来るのは12月! 今は3月だ! このお調子ものめ!」
と、いつになく乱暴な御剣が見られます。ヤハリは周囲の人間の魅力を何倍にもしてくれる力を持つ………。
その後なんだかんだで、調査は進みます。
意外な人の正体がわかったり、意外な人物の関連がわかったり。実際、(反転)シーナがカズラだったというのは驚いたんですが、ヤタガラスが三人だったのは予想通りだったので、別段驚くこともなく。(反転終了)
ロウ捜査官がそれなりの見せ場があって、そして速攻退場していってしまいました。お前の見せ場がよくわからないなあ。密輸団を追うのであれば、別にもうメイちゃんだけでもいいんじゃ。
あと、ババル大使のダミアンさん、超好みです。
時折見せる、キリっとした表情がたまらない! 萌える! 今回笑いの要素なく萌える二枚目が多すぎる!
ロウ捜査官たちが退場し、事件はまだまだ続きます。
物語として、二点、三点はしませんが、黒幕を追い詰めてからが長すぎる。
そしてここでも、求められるものは強引な揚げ足取りではなく、確固たる証拠なので、そこに逆転要素はないわけです。
追い詰められる→新たな証拠が出てくる、証言が出てくる、という流れは逆転裁判でもおなじみですが、今回はそれが地に足が着いているのが特徴でしょうか。
でも、ヤハリとかオバチャン関連のラストは、あれもう、物語中盤で「どう使われるか」こっちは予想がついちゃっているわけで(思わせぶりに出てくる行動、品物が無関係であるわけがない)そうなると、使われるのがわかっているどんでん返しの、インパクトは薄いかな、と。
物語の流れとしては、大きな密輸団というものがあって、そして過去の事件があって、ミクモちゃんのことも片付いて、とすっきりまとまっていて良かったと思います。
ただ、新キャラとして出てくるミクモちゃん、ロウ捜査官、シーナはそれぞれ、影が薄かったです。
御剣がそんなに周囲の人間に固執するタイプじゃないし(勿論、身内は守るという意識はあるが、特定の人間の固執するという感じではない。こうなるといよいよ、こいつが青いギザギザに対して持っている感情が怪しくなるが)ミクモちゃんによって御剣が変わったとか、影響された、という感じでもない。どちらかといえば、親父さんの行動理念に考えるものがあるのでしょうが、それも別に物語のEDや流れを左右するものではありませんしね。
ロウ捜査官は結局、検事に対する憎しみとかなんだったんでしょうか。出てきましたっけそんな描写。格好とかやってることとかはそれなりにかっこよかったんですが、捜査官そのものが物語りに別に絡んでこないし、基本、御剣側の人間(弁護士でもなければ犯罪者でもない)なので、敵対しているといっても、張り合おうとか粉砕してやろうという立場の人間でもありませんし、わりと普通に頼もしい味方、という感じでした。
シーナは別にもう本当にいてもいなくても(以下略)。
既存のキャラクターたちは、ヤハリを筆頭にそれぞれ面白かったですが、そうなるといよいよファンサービス的なゲームになってしまいますし、どうせなら、それ以外のオリジナルキャラクターで頑張ってもらいたかったな、と思いました。
これ、4でも同じようなこと思ったな………。
このゲームをプレイする時、過去作品と比べてどうのという見方をしてしまう(至極当然として)と思っていたんですが、遊んでみたところ、そんな印象は全くありません。
元々御剣という主人公に関心がなかった、ということもありますが、世界観とシステムが同じであっても、やはり、話運びや絶妙な会話というものがこのゲームにはないのです。
なので、法廷劇というよりは、純粋な刑事モノの推理ゲームを遊んでいる、という感覚に近く、4みたいにへんなノスタルジーを感じて立ち直れないほどへこむという気分には全くなりませんでした。
そんな点では、逆に続編であって続編でない、というような作り方は上手だったと思います。
勿論話のつながりとして、何でイノトコ刑事が御剣になついているのかとか、そういう過去話的なものも出てきますが、これは別に知っていたからといって(知らないからといって)彼ら二人の魅力がそがれるものではないので、深く追求するべきことでありませんし。
探偵パート、法廷パートと、きっちり間延びしないで犯人を追い詰めるのが逆転裁判の面白さでしたが、今回は探偵パートのまま犯人を追い詰める、という図式ですので、これが困ったことに、初っ端で犯人のめぼしが突いてしまうということもありえました。これ、気分的にという凄く曖昧なものなのですが、実際に証拠がなくとも、ゲームをやっている側は、こんなふうに進むんじゃないか、こんな犯人なんじゃないかと考えてしまう(推理と言うほど大げさなものではなく)のが当然であって、その気持ちを延々ひきずったまま、遊ぶのは少し高揚感にかけます。
かといって、犯人が物語上すぐわかっては、法廷パートと言う、犯人がわかった上で嘘を突き通そうとする人間を外堀から生めて追い詰めるという手段が使えないため、探偵パートという、要所要所で新たになる事実を除外する作業的なゲームの進め方をする上で、犯人が一番にわかってしまうのは、やはり興ざめですし。
現実的に、犯人がほぼ初っ端の事情聴取で想像ができてしまう、出揃ってしまうというのは、推理ゲームにおけるある種のアキレス腱なので、それをどう盛り上げるのか、が探偵パートしかないゲームにおいての課題でしょうか。
これが、動かすのが刑事だったら、最後はアクションでも盛り上げるんでしょうけど、なにぶん、御剣だからね………。
ただ、一つの大きな謎を第一話から一貫して追う、というのは、逆転シリーズの共通点かと。これを、うまく隠していたのと違い、前面に「国際的な密輸団」をぶち上げて、裁判に関わっていた人物全てがその関係者だった、というのは、密輸団の規模の大きさ、御剣が立ち向かっているもののデカさをアピールできて、中々良かったのではないかと。
犯罪者と立ち向かう成歩堂ではなく、犯罪と立ち向かう御剣というスタンスの違いがはっきりしていて、その辺面白かったです。
操作性に関しては、前述したとおりメッセージ速度が遅すぎる。飛ばせない上に、例えば一度プレイしてゲームオーバーになり、セーブ地点からやり直すことになったとして、一度見たはずの文章にスキップがきかないとか、拷問かと思いました。答えも何もかも知ってるのに、またいちいちこの遅さに耐えろってか。
登場人物のオーバーリアクションで会話がとまるのももう、ちょっといい加減飽きました。リアクションが見たいかどうか、見たいと思えるかどうかは、こっちの判断に任せてもらいたいところです。
ミクモちゃんのぬすみちゃんも、別になんだろう、やってることは探偵パートと同じなので、サイコロックのように解けた後の開放感とか、そういうものは別にありませんでした。探偵パートしかないゆえに、ちょっとワンクッション入れたかった、程度の演出なのではないかと。現に、ミクモちゃんがいない第四話では、普通にぬすみちゃんないまま捜査して、その物語の印象が変わったわけでもありませんしね。
捜査の段階になるといちいち人物を動かして調べる、っていうのはやはり面倒です。最初は人物画面を見ていたんですが、そのうち、下画面の調べるコマンドが出た場所を調べるみたいになってしまいました。しかもその下画面って本当にただのなんだ、図面ですらない四角いスペースみたいなものなので、あまり物事を調べている、という印象ではありませんでしたね
そのほかは特筆するシステムではありませんし、割愛。ただなあ、やっぱりセーブが一つしかできないって言うのはどうもなあ………。セーブを分けるほど難しいものではない、ということなのかもしれませんが、セーブは別に難易度のためだけにあるものじゃありませんしね。むしろ、他の用途で使うために100個は欲しいと思って当然というか。なんの用途かって? そりゃ、ベストショットですよ。
ロジックシステムに関しては基本間違えようがない、のですが、別にこれとこれを結び付けなくてもよかろうみたいな印象のものも結構あり、私はそれなりに間違えました。
ですが、あくまでこれはパズル要素ですし、多くても6個くらいのものでペアを作るわけですから、総当りで何とかなってしまうレベルです。
まあ、4のみぬくシステムよりはまし、くらいでしょうか。あってもなくてもいいような感じです。
問題はその、ロジックシステムの材料は、探偵パートでの捜査でしか手に入らないわけですから、何処を捜査しなければならないか、という点でもう作業要素が強くなってしまうところでしょうか。
キャラデザについて、四話で述べましたが、今回おちゃらけ雰囲気が若干薄い、おちゃらけからシリアスに移行するということが殆どなかった(強いて言えば四話のタイホ君とか、あのあたりのシュールさになるのかな?)ので、その意味もあって、わざとキャラデザの印象もそれほど奇抜なものではなかったのかな、と。
被害者にしても、犯人にしてもわりとごく普通でした。
ロウ捜査官だって見た目別におかしくありませんしね。ポーズも、笑い方だけで世のオッサン好きを震え上がらせた狩魔検事と比べると普通ですし。
でも、手のひらを上に向けての指差しと、拝みポーズは超萌えた。(結局萌えている)
いや、こういう細かいキャラクターの仕草って凄く大事ですよ。中身が伴っていなくとも、その動きだけ萌えるって絶対ありますし。
あと、やはり「逆転」する醍醐味、っていうのはないですね。前述しましたが純粋な刑事モノですから、ラストに近づくにあたり、着実に犯人に近づき、追い詰められる要素があってこそ、なんですよ。法廷でとにかくヤケクソ気味にゆさぶって、そこから思いがけない証言が出てきて、なんて、それこそ、刑事の捜査ではありえないなわけですから。ちゃんとした論証ができてこそ、次にいけるわけで。
常に有罪の状態から無罪にひっくり返す逆転と、ニュートラルなものを有罪にする、では基本流れる緊迫感が違います。
コツコツそのたびに、問題点を論破して、進む。至極真っ当な流れを進んでいくだけに、やはり、「逆転」の冠は薄くなっているといえましょう。