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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
中々面白かったです。若干長いですが。
クリストファー・ウォーケン祭り。
実は私、レオナルド・ディカプリオが出演している映画を、殆ど見たことがないんですが、わりと普通の俳優さんなんですね。どうしても『タイタニック』の印象が強くて(ちなみに見てません)イケメン俳優というイメージが強かったんですが、実際それはちょっと損をしている誇張に見えました。別段顔も二枚目ではない。(私の美に対する基準はずれておりますが)
内容も案外シリアスで、でもそれを父と息子の関係に集約しているところが、さらっと見られました。これがまた、母と息子になってしまうと、どうしても擁護的でくどくなってしまいますが、父と息子の場合は、敬愛が先にたつので、見ていてドロドロしないんですね。
全く立ち位置は違いますが、この、匂いのしない男性同士の関係こそが、父と息子にせよ、赤の他人同士にせよ、異性があこがれる要因なのかな、と思いました。

話はそれましたが、詐欺師の話なので、キモはいかにして未成年のディカプリオが、小切手サギを働いていくか、になります。アメリカってああも小切手世界なんですねえ。なんかもう、それだけ偽造されるなら、やめちまえよ小切手のシステムそのものをと思わないでもないんですが。

パイロットを名乗り、医者を名乗り、検事を名乗り(しかも実力で司法試験に受かり)最終的に得たものは友人であり、そして、サギ時代よりも遥かに額が上の金だった。
シュールですね。本来ならばその友人の席や、息子を更生させるきっかけになるべきだったのは、クリストファー・ウォーケン演じる、愛すべき父親なのでしょうが、それが脱落してしまった以上、トム・ハンクス演じるFBI捜査官になってしまったのは、ある意味必然だったのかもしれません。
彼に必要だったのは父親であり、友人であり、母親ではない。
彼にとって母親は、母ではなく、尊敬する父の妻であることに価値があったのでしょうし。

サギを働く一連のシーンは、見ごたえたっぷりです。やっぱりあれだよね、女をくどく才能がなければ金は手に入らないよね。
くどく、までいくと大げさですが、女に対する手間隙を惜しまないっていうのは、アメリカ男のステータスであって、それを下地にして行っていく悪事っていうのは、凄く生々しかったです。
何かお願いをして欲しいときに、ただプレゼントをするのではなく、
「これ、駐車場に落ちてたんだけど、君のだろう?」
と、当人が覚えのないネックレスを、そうと決め付けてプレゼントするなんて、お前それどんだけおしゃれなんだよ!

散々怒られて泣いている看護師に向かって、
「君は無能なんかじゃないよ。◎◎氏のカルテを調べてくれ、って言われたら? すぐできるだろう?」
「できるわ。この方は骨折で入院した人ね」
「ほら、君は優秀だ。駄目なんかじゃない」
とかさ! 勿論カルテの内容を知りたいっていうのが本音なんですが、ただ甘い言葉で慰めるんじゃなく、ちゃんと、相手の仕事としての尊厳も回復させるって言うのが、言葉選びの上手さなんですなあ。

この最初のサギともいえる手段は、父親から受け継いだものなので、やっぱりこの物語は父に始まり父に終わる、という印象が強かったです。

レオナルド・ディカプリオは好演。
クリストファー・ウォーケンはこんぐらい年取った役のほうがいいですねえ。あと、そうは見えないけど実は黒幕みたいな役のほうがらしいです。
『ニック・オブ・タイム』では、ただただ乱暴者みたいで、逆に魅力が消えうせていた感がありましたが、今作は、勿論いい父親なんだけど、それ以上にいい男でもある父親、を演じていて凄くかっこよかったです。
「あんたも子供を持てばわかるさ。子供を売る親はいない」
あークリストファー・ウォーケンが親父だったら、そりゃあ、ああいう息子に育つよなあ!
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