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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『バスカヴィルの獣犬』
ムーラン・ルージュで変態貴族を演じて、凄くかっこよかったリチャード・ロクスバーグが出ているというので借りてみたんですが、あれ? ずっと違う人だと思ってたよ………。
私がリチャード・ロクスバーグだと思っていた、ワトソン役はイアン・ハートでした。
そして、リチャード・ロクスバーグは凛々しく男前であごがっちりのホームズでした。
あ、あの変態貴族の面影は何処に!?
いや、ホームズだってかなりの変態でおまけにヤク中だけどさ。
私は別に、ホームズファンではないので(名探偵ホームズは大好きだ)帽子とパイプがないから違和感、ということも全くなく、普通にシルクハットに巻きタバコのホームズを受け入れられました。
舞台がその時代のイギリスで、広大な自然と町並みが非常におしゃれです。おしゃれというか、想像できるよきイギリスの都会と田舎というか。薄いトーストをかじり、紅茶を飲み、不味そうな卵を食べて、男性は常にシルクハットに黒のロングコートにベスト。様式美的な美しさがそこにあります。
基本的に、ホームズシリーズは推理小説だとはあまり思っていないので、この映画もサスペンス物という捕らえ方で間違いないかと。
私は前述したとおり、イギリスの世界観や、衣装などを含めた映像としては楽しめましたが、話としてはまあ普通、という感じでしょうか。
特別怖くもなければ、ホームズが劇的に活躍するわけでもなく。
ホームズよりも主人公がワトソンなのは、個人的には嬉しい限りです。どう考えたって、他人の心の機微全くわからない男より、人情派なんだけど基本紳士で、行動力もあって、かつインテリ(医者だぜ)のワトソンのほうが好みです。ヘイスティングスとは違った可愛さがあるよね。
結局、最初から最後までまるで報われないワトソンが見所なのではないかと。
ホームズはーうーん、テレビシリーズのほうが病んでる感が強くて、こっちのホームズはただ性格が悪いだけに見えました。推理もまあアレだし、大体、依頼人を一ミリも大切にしないのってどうなの。
イギリスの文化と、ワトソンの可愛さを楽しむ、くらいのまったりした気持ちで見ればいいのではないかと思います。


『ラスト・マップ/真実を探して 特別版』
クリストファー・ウォーケンと、マイケル・ケインが出ていて、見ないわけにはいかないだろう、と鼻息荒くしてみました。
世間の評判は並で、短いとか色々言われているみたいなんですが、個人的にはこれくらいのドライ感が流れる親子物のほうが好みでした。
主人公が幼い頃に出て行った父親が急に戻り、祖父が急に亡くなり、そして祖父の遺言に従って、父親、主人公、その息子の三人で車の旅が始まる。散骨をしながら家族の交流が描かれるのですが、その描かれ方が非常にシャープというか、家族だけどそれぞれの領域にはあくまで踏み込まないというスタンスが非常にリアルでした。
これが女同士ならそうもいかないのかもしれませんが、男同士だとその微妙な距離感が凄く感情移入できました。

また、祖父(曽祖父になるのかな)の遺言がカッコいいんだ。
ケンタッキーフライドチキンの紙袋に、散骨して欲しい場所の地図と、開いて欲しい順番に詰められた青とピンク色の付箋。
がさがさ紙袋を開けながら、いちいち遺言どおりに、まず目的地に向かい、そして必ず食事をして、指定場所で散骨する。
見ているこっちは、その家庭でずっと離れていた父息子間の絆が深まるのかな、と思いきや、そうでもないんですね。
息子はじぶんをほっておいた父親を尊敬できないし(そりゃそうだ)父は父で「今まで何も頼んだことのなかった父が頼んでいるからやっているんだ。そうでなかったらこんなことするか」とはっきり言ってしまうんですね。またそれは前半の台詞なんですが、後半でも別にその発言を覆すわけではありません。
それでも、息子と父はなんとなく話をして、いさかいを起こし、話せなかったことを話すようになっていく。

また、クリストファー・ウォーケン演じる、初老の無精ひげの男がカッコいいんだまた! 饒舌じゃないんだけど無口じゃないんだけどハンサムじゃないんだけど、女にすげえもてる。
いや、わかるよ! こういう男が魅力的なのはさ!
散骨のための銀のスプーンも、友人と称する女が買ってくれるんですよ。いや、友人なのかもしれませんが、凄い親しい友人であるのは間違いないし、祖父を看病していた看護師とも関係しちゃうしで、おま、お前………。

そして、旅を続ける間に、最終目的地が近づき、父は何故かいなくなってしまいます。
息子は別居している妻から、父親が刑務所の病院で透析の最中に脱走し、そして余命いくばくもないことを知ります。
最後の目的地はある町の階段。父親と息子、母が暮らした場所でした。その場所で一体何があったのかと問い詰める息子。
「親子の交流を深める旅かと思っていたが、結局、これはヘンリーから俺への腹いせだったんだ」
「話してくれ。僕へのメモにはこうあった。「許してやれ」と」

母が亡くなり、麻薬に溺れた父親。
「自分を落としたのか」と問う息子。
「落としたんじゃない。投げ捨てたんだ」と答える父。
もう少し現実的に救いがあるのかと思っていたのですが、これ、許す許さないの時限を越えて酷い過去でした。
これが原因で今まで刑務所に入って………いたのかな?
ここでのクリストファー・ウォーケンは、それまでの枯れた男ではなく、急にギラギラとしたどうしようもないやるせなさを抱えた、男の顔になって、凄く迫力がありました。

息子は、父親を車に乗せて、結局父親が本当に行きたがっていた場所へ向かいます。
その最中、車中が映るんですが、延々無音なんですよね。
腎臓が全く機能していない父親が、もう意識混濁で、朦朧としているわけですよ。
それに気づき、必死で話しかけたり、身体をゆすったりして、今までになく自分から積極的になる息子。
父親はそんな息子の腕をたたき、息子は黙ります。
この間の「わかったから」「大丈夫だから」という父と息子のやりとりで、もう号泣。
無音なので、何を話しているのかはわからないんですが、息子が必死で笑ってるのも悲しいし、力なく声を出さずに反応する父親がもう。

結局、父親は車中で亡くなります。
その後、本来の父親の目的地に散骨されるところで話は終わります。

面白かったです。
あー私も、息子を持ってフライドチキンの袋に遺言詰めて、遺言執行してもらいたいなあ。父親として(無理だろ!)
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