『バイオハザード』
結構グロかった!
私はホラーものに耐性があると、『ミスト』なんかでもわかったのですが、これは結構「うへえ」となりました。
どうも、未知の物体であればあるほど、恐怖心が薄れるようです。
例えソンビ化してしまっていても、元々人間であったモノのほうが見ていて怖いし、「あんなんなっちゃって」という悲壮感もあるので、恐怖心倍増、というところでしょうか。
でもこの映画で一番「ぎええ」と思ったのは、ゾンビに集団で囲まれるシーンでも、突入部隊がレーザーで滅多切りになる場面でもなく、初っ端、エレベーターに閉じ込められた女の人が、抜け出そうとして途中で引っかかり、『断裂』するシーンでした。
アレは怖い! アレはグロい! 実際のシーンが映ってなくても、もう、女の人が抜け出そうとするだけで「お前それはやめろ!」と先の展開が読めるだけにより怖い!
実際の恐怖って、噛み付かれるとか、撃たれるとか、そういうことじゃなく、『密室に閉じ込められる』、『何物かが追ってくる』、『抜け出せるタイムリミットが迫る』とか、そういう場面的なシチュエーションそのものだったりするので、それは概ね全部味わえたかと思います。
元になったゲームは、一つもプレイしていないのでわかりませんが、いわゆる、静的な恐怖を味わうものではなく、目に見えて怖いもの、目に見えてカッコイイ主人公、というわかりやすい路線をアピールしたのは、逆に良かったのではないかと。
映画で、あまりに静的なものを主題におくと、そこにはかっこよさが生まれにくいし、主人公の魅力を出すのが難しいから。
文章であれば、その静の中にも、何千文字と割けるでしょうが、映像であれば(しかも限られた時間の)そうもいかないわけで。
主演の、ミラ・ジョヴォヴィッチは鉄の女を好演。あの鶏がらボディの何処に筋肉があるんだと問い詰めたい気もしますが、赤いスカートなびかせて戦う様は圧巻。
人のよさそうな刑事役、エリック・メビウスも如何にもちょっと尻にしかれそうなナイスガイだし、地味にすぐ死んじゃう特殊部隊の面々もいいしで、役者陣は安定して見られるのではないかと。
ラストは、全く完結してないといえばしてないのですが、(続編の匂いプンプンという意味で)結果、捕らえられ、目覚めた主人公が、必死の思い出病院を抜け出してくると、そこは生きているものが誰もいない、廃墟が広がるばかりだった―という終わり方は、最後まで絶望という意味で、凄く良かったと思います。
個人的には、「仲間連中と必死に逃げるんだけど、もう少しこう、逃げる様にドロドロ感と絶望感があった、エイリアンの………あれ、何作目だっけ?」と、妙な違和感が残る作品になりました(バイオハザード関係ない)。
『バイオハザード II アポカリプス』
その二作目。ホラー物の面影全くなく普通のアクション映画でした。
まあ、一作目も特筆するほどホラー物ではなかったのですが、今回は、ゾンビの集団や化物や犬に襲われるとはいっても、それはビジュアルとして前作で見てしまっているのですから、新たな恐怖、というものは全くありません。
かといって、原初の恐怖というような、密室でわけのわからないまま閉じ込められてあいつらはなんだ、というじわじわくる恐怖感もないので、本当にただのアクション映画でした。
ただ、見せ方が上手かったり、ドンパチシーンの迫力があったりと、つまらないわけではありません。
カッコイイ女性が、己の肢体を武器にして拳銃をぶっ放したり、バイクで突っ込んだりする、様式美的な楽しみ方は健在。
今回は、アリスではなく、黒髪短髪(スピンオフ的な出演)のジルがかっこよかったですね。ノースリーブにホルスターっていうファッションが健康的にエロい。
今回もやはり、なんちゃってタイマンは健在で、本当に見せ場にこれをもってくる辺り、「向こうの国の人たちは本当にこういう演出好きだよな」としみじみします。
前作で仲間だったマットが、化物になってしまい、それに気づき必死で「ごめんなさい」と傷つけたことを謝るアリスとか、正気を取り戻してアリスのために身を投げ出すマットとか、お約束はお約束としてそれなりに感動できました。
話の内容は特にないんですが、この二作品は、キャラクターの配置と見せ方が上手いので、人を選ばず素直に面白い、と思える要素満載という意味で、いい映画だと思います。面白さがわかりやすい、っていうのは凄く大切なことですので。
『あぁ、結婚生活』
クリス・クーパー主演の夫婦間の物語を描いた作品。
見終わった後、何のカタルシスも得られない物語にびっくり。すっきりもしなければ、後味がすげえ悪いわけでもないし、かといって盛り上がるわけでもないし、でもいい話では絶対にないというか。
実際の夫婦なんてこんなもんですよ、と言われてしまえば、リアルな話なのかもしれませんが、これは別に映画で見たくもないなあ。
個人的に、シュっとした中年(壮年)である(笑)クリス・クーパーは大好きなんですが、今回は不倫した挙句に「妻を苦しめるくらいなら殺そう」とか思い立っちゃってすったもんだあった挙句、結局親友に愛人を取られて、めそめそしながら、慌てて自分が殺そうとした奥さんを助けに行った挙句、結局奥さんの不倫も目撃しちゃって、でも口には出せなくて「君を愛してる。君が必要なんだ」とか言って最終的にはそれぞれ夫婦を営んでます、みたいな(長い)本当に、利己的でどうしようもない男で、げんなりしました。
かっこよさが何処にもないっていうか。情けない男なら情けない男で、情けない男萌えって絶対にあると思うんですが、クリス・クーパー演じるハリーは、ただただガキくさいっていうか、本当に自分のことしか考えてないって言うか。
愛人が結局如何なる理由で別れを切り出そうが(別に親友のことを好きになったから別れたい、であったとしても、自分が女房と別れもせず不倫している時点で、ハリーに何かを言う資格はない)ショックを受けることすら、アホらしいというか。
その挙句、妻に見捨てられたらどうしようもないのは自分のほうであって。その情けなさに涙するあたり、別に悪い人じゃないのかもしれませんが………って、妻殺しの練習に飼い犬殺すような男の何処がいい人なんだよ! 犬、ただただ可哀相。
個人的には、親友の愛人を紹介されてデキちゃうピアーズ・ブロズナン(この人はこれくらいのギスギス程度でちょうどいいですね。もうあんまりフェロモン全開だと笑える)は特別嫌な奴だなあ、とは思わなかったり。
あえて、夫婦の秘密(W不倫・笑)を知っても自分が愛人とくっつきたいから、わざと黙ってるとか、腹黒いところはあるんですが、それでも、ピアーズ・ブロズナンと愛人は互いにフリーなわけで。
別に付き合うことが法に触れるわけでもなく、ただ、好きな人がいたけどもっと好きな人ができたから、恋人同士になりたいわ、そのための努力をしたわ、というそれだけのように思えました。まあ、だからといって彼ら二人に好感がもてるというと、そんなこともないんですが。
どちらにせよ、どの登場人物にせよ、とことん、自分を正当化したいので、自己犠牲を炸裂されてどんな言い訳を並べたところで、結局自分大事の欺瞞よね、という印象で終わった映画でした。
「他人の幸せの上に幸せを築くことはできないわ。良心が痛んで苦しいだけよ」
とは、ほぼ全部の登場人物が口にすることなんですが、お前らそれ、全員あてはまってる。
でも、そうまでして誰かと常に一緒にいたいですかねえ。いいじゃんもう、それこそ一人でだってさあ。
DVDを借りるようになって、DVDにも金銭的な縛りがあるんだなあ、としみじみ思います。特に金がないところが作っているDVDは、とにかくメニューが不親切だったり、デザインのかけらもなかったりして、今作も凄く見づらかったです。
『やわらかい手』も吹き替え音声すらついてなかったし、このへんは、やっぱり資本の大きいところが作っているDVDのほうが、見やすいし、見ごたえありますね。
結構グロかった!
私はホラーものに耐性があると、『ミスト』なんかでもわかったのですが、これは結構「うへえ」となりました。
どうも、未知の物体であればあるほど、恐怖心が薄れるようです。
例えソンビ化してしまっていても、元々人間であったモノのほうが見ていて怖いし、「あんなんなっちゃって」という悲壮感もあるので、恐怖心倍増、というところでしょうか。
でもこの映画で一番「ぎええ」と思ったのは、ゾンビに集団で囲まれるシーンでも、突入部隊がレーザーで滅多切りになる場面でもなく、初っ端、エレベーターに閉じ込められた女の人が、抜け出そうとして途中で引っかかり、『断裂』するシーンでした。
アレは怖い! アレはグロい! 実際のシーンが映ってなくても、もう、女の人が抜け出そうとするだけで「お前それはやめろ!」と先の展開が読めるだけにより怖い!
実際の恐怖って、噛み付かれるとか、撃たれるとか、そういうことじゃなく、『密室に閉じ込められる』、『何物かが追ってくる』、『抜け出せるタイムリミットが迫る』とか、そういう場面的なシチュエーションそのものだったりするので、それは概ね全部味わえたかと思います。
元になったゲームは、一つもプレイしていないのでわかりませんが、いわゆる、静的な恐怖を味わうものではなく、目に見えて怖いもの、目に見えてカッコイイ主人公、というわかりやすい路線をアピールしたのは、逆に良かったのではないかと。
映画で、あまりに静的なものを主題におくと、そこにはかっこよさが生まれにくいし、主人公の魅力を出すのが難しいから。
文章であれば、その静の中にも、何千文字と割けるでしょうが、映像であれば(しかも限られた時間の)そうもいかないわけで。
主演の、ミラ・ジョヴォヴィッチは鉄の女を好演。あの鶏がらボディの何処に筋肉があるんだと問い詰めたい気もしますが、赤いスカートなびかせて戦う様は圧巻。
人のよさそうな刑事役、エリック・メビウスも如何にもちょっと尻にしかれそうなナイスガイだし、地味にすぐ死んじゃう特殊部隊の面々もいいしで、役者陣は安定して見られるのではないかと。
ラストは、全く完結してないといえばしてないのですが、(続編の匂いプンプンという意味で)結果、捕らえられ、目覚めた主人公が、必死の思い出病院を抜け出してくると、そこは生きているものが誰もいない、廃墟が広がるばかりだった―という終わり方は、最後まで絶望という意味で、凄く良かったと思います。
個人的には、「仲間連中と必死に逃げるんだけど、もう少しこう、逃げる様にドロドロ感と絶望感があった、エイリアンの………あれ、何作目だっけ?」と、妙な違和感が残る作品になりました(バイオハザード関係ない)。
『バイオハザード II アポカリプス』
その二作目。ホラー物の面影全くなく普通のアクション映画でした。
まあ、一作目も特筆するほどホラー物ではなかったのですが、今回は、ゾンビの集団や化物や犬に襲われるとはいっても、それはビジュアルとして前作で見てしまっているのですから、新たな恐怖、というものは全くありません。
かといって、原初の恐怖というような、密室でわけのわからないまま閉じ込められてあいつらはなんだ、というじわじわくる恐怖感もないので、本当にただのアクション映画でした。
ただ、見せ方が上手かったり、ドンパチシーンの迫力があったりと、つまらないわけではありません。
カッコイイ女性が、己の肢体を武器にして拳銃をぶっ放したり、バイクで突っ込んだりする、様式美的な楽しみ方は健在。
今回は、アリスではなく、黒髪短髪(スピンオフ的な出演)のジルがかっこよかったですね。ノースリーブにホルスターっていうファッションが健康的にエロい。
今回もやはり、なんちゃってタイマンは健在で、本当に見せ場にこれをもってくる辺り、「向こうの国の人たちは本当にこういう演出好きだよな」としみじみします。
前作で仲間だったマットが、化物になってしまい、それに気づき必死で「ごめんなさい」と傷つけたことを謝るアリスとか、正気を取り戻してアリスのために身を投げ出すマットとか、お約束はお約束としてそれなりに感動できました。
話の内容は特にないんですが、この二作品は、キャラクターの配置と見せ方が上手いので、人を選ばず素直に面白い、と思える要素満載という意味で、いい映画だと思います。面白さがわかりやすい、っていうのは凄く大切なことですので。
『あぁ、結婚生活』
クリス・クーパー主演の夫婦間の物語を描いた作品。
見終わった後、何のカタルシスも得られない物語にびっくり。すっきりもしなければ、後味がすげえ悪いわけでもないし、かといって盛り上がるわけでもないし、でもいい話では絶対にないというか。
実際の夫婦なんてこんなもんですよ、と言われてしまえば、リアルな話なのかもしれませんが、これは別に映画で見たくもないなあ。
個人的に、シュっとした中年(壮年)である(笑)クリス・クーパーは大好きなんですが、今回は不倫した挙句に「妻を苦しめるくらいなら殺そう」とか思い立っちゃってすったもんだあった挙句、結局親友に愛人を取られて、めそめそしながら、慌てて自分が殺そうとした奥さんを助けに行った挙句、結局奥さんの不倫も目撃しちゃって、でも口には出せなくて「君を愛してる。君が必要なんだ」とか言って最終的にはそれぞれ夫婦を営んでます、みたいな(長い)本当に、利己的でどうしようもない男で、げんなりしました。
かっこよさが何処にもないっていうか。情けない男なら情けない男で、情けない男萌えって絶対にあると思うんですが、クリス・クーパー演じるハリーは、ただただガキくさいっていうか、本当に自分のことしか考えてないって言うか。
愛人が結局如何なる理由で別れを切り出そうが(別に親友のことを好きになったから別れたい、であったとしても、自分が女房と別れもせず不倫している時点で、ハリーに何かを言う資格はない)ショックを受けることすら、アホらしいというか。
その挙句、妻に見捨てられたらどうしようもないのは自分のほうであって。その情けなさに涙するあたり、別に悪い人じゃないのかもしれませんが………って、妻殺しの練習に飼い犬殺すような男の何処がいい人なんだよ! 犬、ただただ可哀相。
個人的には、親友の愛人を紹介されてデキちゃうピアーズ・ブロズナン(この人はこれくらいのギスギス程度でちょうどいいですね。もうあんまりフェロモン全開だと笑える)は特別嫌な奴だなあ、とは思わなかったり。
あえて、夫婦の秘密(W不倫・笑)を知っても自分が愛人とくっつきたいから、わざと黙ってるとか、腹黒いところはあるんですが、それでも、ピアーズ・ブロズナンと愛人は互いにフリーなわけで。
別に付き合うことが法に触れるわけでもなく、ただ、好きな人がいたけどもっと好きな人ができたから、恋人同士になりたいわ、そのための努力をしたわ、というそれだけのように思えました。まあ、だからといって彼ら二人に好感がもてるというと、そんなこともないんですが。
どちらにせよ、どの登場人物にせよ、とことん、自分を正当化したいので、自己犠牲を炸裂されてどんな言い訳を並べたところで、結局自分大事の欺瞞よね、という印象で終わった映画でした。
「他人の幸せの上に幸せを築くことはできないわ。良心が痛んで苦しいだけよ」
とは、ほぼ全部の登場人物が口にすることなんですが、お前らそれ、全員あてはまってる。
でも、そうまでして誰かと常に一緒にいたいですかねえ。いいじゃんもう、それこそ一人でだってさあ。
DVDを借りるようになって、DVDにも金銭的な縛りがあるんだなあ、としみじみ思います。特に金がないところが作っているDVDは、とにかくメニューが不親切だったり、デザインのかけらもなかったりして、今作も凄く見づらかったです。
『やわらかい手』も吹き替え音声すらついてなかったし、このへんは、やっぱり資本の大きいところが作っているDVDのほうが、見やすいし、見ごたえありますね。
PR