『ペルソナ4』公式
■8月2日
とりあえず、「麻生は私と話してんの。入ってこないでよ」とあいに言われた後で、「今日は楽しくなりそうだ」と出る俺の神経が信じられない。
■8月3日
「ニワトリみたいな頭にしてくるわ………」
この手の発言こそ、オカンの面目躍如だと思った。
他の人間が言ったら、ぶん殴られてるところだけど、愛があってこそだな。な、完二!(いない)
■8月9日
「お前の言うことのほうが、素直に聞くだろ。お前が言ってやってくれないか。俺は、菜々子が無事ならそれでいい」
ブチッ。
この、へたれ親父が!
実はちょっと前から、この叔父に関しては、本当にへたれというか、何処まで向き合わなきゃいけないことに対して逃げ腰なんだというか、ぶっちゃけ萌えを通り越して憤りすら感じていたんだが(天の声はすでにこいつには萌えなくなりました)、ここまできて………ここまできて、娘に声すらかけられない叔父に愕然。
この、阿呆! 嫌われても、逃げられても、ここで声をかけるのは俺じゃない! お前の役目だろうが! 父親の役目ってのは、こういうことだろうが! 嫌われても家族でありたいのなら、親密度の濃さじゃなく、どうしたいのか、仲良くなりたいのなら、わかりあいたいのなら、お前が! お前! お前がー!!(錯乱)
ここで必死に、「落ち着け、落ち着くんだ俺。これは菜々子のイベントなんだから、俺が出張ってきて当然なんだ」と自分を落ち着かせた。落ち着かんが!
■8月10日
そんな次の日に起こる、部活イベント。
一条と長瀬がそろって遊びに来る。様子を見に来た菜々子に、すぐ「一緒に遊ぶか」と言える一条。「宿題みてやるよ。一条が」と言える長瀬。
お前らの親切が痛い。(暖かいものを感じながら)
■8月12日
ここでキツネコミュマスターに。初めてのマスターが獣だったことに、なんら後悔はない。むしろ、もふもふしたい気持ちで一杯だ。
隠者のペルソナがどうのより、菜々子と叔父の関係をどうにかしてくれないものかと祈りたくなる。
だが、どうせどうにかするのは俺だと我に返ったのだった。空しい。
■8月13日
犯人が捕まった祝いで、足立が飯を食いに来る。まるでイベントとリンクしている(三人だと気まずいので足立を呼んだ)かのようなタイミングだったので、凄く驚いた。
菜々子はワサビを抜いてもらってご満悦。
………家族って、こういうものだよな。前の日に喧嘩しても次の日はなんともなく過ごせるというか………過ごす努力を互いにするというか。
■8月14日
「そういえば、お前この前の試験でトップ取ったんだって? 菜々子の面倒まで見てもらってんのに、お前は人一倍頑張る奴だな………」
くっ、そんな笑顔で俺を懐柔しようったって無駄だ!
菜々子を呼びに行って戻ってくると、叔父がケーキを準備していた。
「ケーキ! 丸いのだ!」
うっわ、すげえよくわかるこの感想!
確かに子供の頃は、ケーキが丸いだけで特別な日で、大興奮したものだったな………。大人になってしまえば、そんなに食えないかつ、色々な味が楽しめるカットケーキのほうがいい、かつ、丸いケーキを一緒に食べてくれる相手もいないのコンボで攻め立てられるからな………。
「俺と、麻生と、菜々子が家族になる記念日だ」
という叔父に、
「じゃあ、今までは?」
と、なかなか突っ込みの厳しい菜々子。うろたえる叔父が可愛い。
「俺はな怖かったんだよ。だから俺は仇討ちを言い訳にあの子と向き合うことから逃げたんだ」
気づくのが遅い!
世の親父どもは、それでも毎日生きてるのに!
と、また叔父の告白にイラっとしないでもなかったが、叔父の絶対に失わせないという決意を目の当たりにして、俺もせめてその力になろうと思ったのだった。
まあ要するにこの叔父は、結構ネガティブ野郎なんだな(ゲーム一の美中年を捕まえてこの言い草)。
■8月15日
陽介からバイトしないかと連絡が入る。
勇んで駆けつけた先には、元気に働く千枝とクマの姿が。
■8月19日
バイト最終日。クマの動きが怪しい。
一番の功労者はあいつだと思う。あの根性は俺も見習わなければ。
■8月20日
夏祭り当日。
女子が集団で浴衣を着てきたことより、それに一番に気づいたのがクマであり、「ナナチャン、可愛いよ。クマゾッコン」と素直に誉めているのもクマであり、クマと菜々子の交際を真剣に考えた俺自身に一番驚いた。
いや、クマは男前だと思うんだ俺は。
その上、口八丁手八丁で完二はおろか、女性陣まで丸め込むクマ。女総取り。
やるな、クマ! 元々好きだったけど、見直したぜ!
■8月23日
自分の宿題そっちのけで菜々子の宿題を見てやることに。凄い量で家族で頑張りなさい、ということらしいのだが、純粋に、親御さんがいないとか、忙しいとかいう家庭はどうすればいいのだ………。
微妙な雰囲気になったのだが、毎晩、陽介たちが来てくれて、菜々子も楽しそうに宿題ができた。
その間、千枝と恋人同士になり、コミュニティがMAXになった。
………後ろめたい………!
しかし、完二とりせは妙なカップリングだな。互いに意識せずいい関係だと思うが。
図画工作が苦手な面々の前で、黙々と小学生とは思えない課題を作ってしまう凝り性な完二。賞でも取ったら菜々子の言い訳が大変そうだな。
■8月29日
「お兄ちゃんたちが………いっぱいしゅくだいを………てつだってくれました………。やさしいから………だいすきです………。あ、み、見ちゃだめ!」
この、常軌を逸した可愛さはなんなのだろう。
あの可愛さは何処から来るのだろう………。俺が完二だったら辺り一帯血の海だろうにな………。
■8月31日
宿題も無事終わり、自宅でスイカパーティーをやることになった。丸々一つ持って帰って来るという叔父の言葉に、スイカ割りだと期待は高まるが、見事隣家に切り分けられた状態だった………。
「まさか、割るっていう発想はなかったんだよ」
という叔父。
俺としては、割らないという発想しかできない叔父の貧困さ加減をどうにかしたい。
若い面々集めて、菜々子がいて、割らないわけないだろうが………。
来年また、スイカ割りをしようと約束してお開きになった。
………来年か。来年俺はもうここにはいないだろうにな。
ちなみにこのイベントで一番面白かったのが、叔父が帰宅した際の「ただいまー………うぉっ、すげえ靴だな」だった。凄くよくわかる。
ノスタルジーにひたりながら、9月へ進む。