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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『蝶の毒 華の鎖』公式サイト(リンク先は18禁です)

久々に乙女ゲーやりましたが、大変面白かったです。
エロゲーとしても文句なしだし、グラフィックも音楽もいいし、シナリオもいいし、なんてったってキャラがいい。
基本的に18禁ゲームにおいては、18禁の部分ばっかりが気になって途中おざなりになってしまったりする事が多い(作りとしても己のテンションとしても。苦笑)んですが、今回はエロなしでも充分楽しめました。

システムに関しても、既読スキップの他にも、次の選択肢までシーンスキップもあり、Enterキー押しっぱなしでスキップにもなるしで、大変ストレスフリーでした。PCゲームですが、うちの瀕死のXPでも問題なく動きましたし、買ってよかった(苦笑)。

発売前の好み予想は、
斯波>秀雄>藤田>真嶋>瑞人
だったんですが(顔以外に判断できない)クリア後もまったくそれが変わらないという自分にしては珍しい結果となりました。
大体一人や二人は、「あれ?」っていうのが出て来るもんなんだけどなー。


内容としては、昼メロまっしぐらな華族の世界観とか、身分さとか、背徳さ加減を惜しみなく取り込んでいて好感触。
ステレオタイプな世界観であっても、それらをちゃんと書いているというのは、シリアスでもエロに関しても上手だなあと思いました。
その時代においての悲劇性(身分差とか貧困とか)もありの、犯罪が明朗ではない時代の裏社会においての卑猥さとかもありで、ちゃんと世界観を生かしている印象が強かったです。満足。
以下、キャラ紹介。一応反転もしますがネタバレしていると思いますので要注意でお願いいたします。








・主人公(姫様)
まあ基本的に嫌味なく(バッドEDで壊れてしまうのはまた別として)普通の主人公なんですが、グラフィックで「だから前髪さえあれば…」と思うこと多々(苦笑)。
いや、妙なひっつめ髪が嫌なんじゃなくて、女給のボブカットとか、人妻のアップとか、前髪あったほうが圧倒的に可愛いんだもん!
というか、パッケージとかキャラ紹介の立ち絵の姫様が一番アホみたいな顔で好きになれないというのがあってですね…。
蓋を開けてみれば高水準のグラフィックに、ド級に可愛いお嬢様でしたが。いや、このゲーム本当に主人公のスチルも可愛かった。

後上手いのが、この主人公「体から甘いにおいがする体質(性的な興奮があると)」っていう設定付けですね。
これ、要するにエロのための設定なんですが、なんていうかな、シリアスとしても「そんなものばかりを目当てにしてくる男なんて」という路線にも使えるし、エロとしては当然最大活用できる。
エロが増すし、何より男側の行動付けがしやすいと思うんですよね。
「こんな酷い事をしてしまうのも、貴方の匂いのせいだ」とか、心と下半身(苦笑)が乖離してますよ、っていう描写として使い易いというか。
そういう、気持ちとは真逆ですけど酷い行為に及びます、っていう酷さを生理現象的なもので薄めることができる、っていうのかなあ。
どうしても強姦描写的なモノって、紙一重というか使いづらいというか、受け入れられるられないにだいぶ個人差があると思うので、その上で、「気持ちの上では否定」してますけども、っていうスタンスを男側に持ってこれる(全部「貴方の匂いのせいです」)っていうのが、随分プレイしている側にとっても、そのやっている男に対しての嫌悪感が少なからず減らせるっていうのかな。

まあ、「何言い訳してやがる。理由はどうあれやってることは同じだろうがあ!」という見方も当然至極ですが(苦笑)。

この匂いですが、実際やってしまっている時(他に表現はないのか)にも使えますし、逆に、そんな匂いの百合子を「それでも」拒絶する、っていうある意味男を上げるっていうか、ストイック性というか、男が我慢して身もだえするっていう様にもフル活用できるので、この設定大変いいなあ、と思いました。
当人の意思と関係なく発生してしまうって言うのが、またいいですね!


・瑞人
主人公の兄。兄ィ!? と百戦錬磨の乙女ゲープレイヤーの皆様はすぐに思われたでしょうが、案の定(苦笑)。
個人的に外見とか、予想できた性格からしてストライクではなかったのですが、プレイした後の感想としては、「普通に働きな」の一言で片付いてしまいました。
どうしてこのゲーム、あれもこれも全部秘密にしておきたい奴ばっかりなんだよ(苦笑)
まあ、なんだろ、わりと序盤で(反転)実の兄妹じゃない(反転終了)ってことはわかってしまうので、じゃあどうするんだろうと思っていたら別にどうもならなかった、というか。
個人的に私の想像する近親相姦モノの醍醐味って、「お互いにいけないことと知りながらそれでも惹かれあう」みたいな部分に集約されてしまうので、それがこの二人にはないんですよね。
結局この男がどうして怠惰な生活を送っているのか、氏素性はどうなのか、それに主人公が共感できてその結果両思い、みたいな筋書きなんですが、この人別に裏の顔があったってなくたって性格がやる気ねえ人であるのは間違いないわけで、その辺に感情移入できるか否かでだいぶ違うと思います。まあ、シスコンっていう明確な立ち位置の人だからな…。

この人のBADEDが(反転)ことごとく心中(反転終了)っていうのが、実にらしくて笑えました。お前…倉が燃えているというのにそんなことしてる場合かよ…。
いえ、BADEDとしてはこれくらいやってくれた方が好みです。どうとでも取られるとか、妙に曖昧なまま終わるなら、極端に悪い方向に走ってる方が、BADの醍醐味だと思うので。
そのBADEDの印象が強くて、この人のスチル肌色成分が多いような気がしますが、偏見だろうか。いや、多分、秀雄君が酷いことされてる印象が強かったからだな…。


・秀雄
生真面目幼馴染で、普通ならこの人がデフォルトヒーローなのでしょうが、蓋を開けてみたら「いた?」くらいの印象になってしまいました。いえ、だってあまりに真っ当なルートだったもんでつい…。
個人的にこの生真面目さというか、初々しさっつうか、親同士のしがらみとか、婚約者の存在とかあって、進展しない二人みたいな王道さ加減は好みなので、やっていて楽しかったです。
特に二人並んで写真を撮っているスチルは泣けて笑えた…。二人ともくすりともせずに直立不動で映っている写真に泣けた…。
この人のED後、周囲の人たちの迷惑度は半端ないだろうな…。奥さん同伴で仕事かよ…。助手でもねえのに。
この人のBADED、感動モノとそうでない(苦笑)モノとあるんですが、個人的には倒錯したそうでないEDの方が良かったです。散々酷い事した挙句に泣き崩れる男って、そりゃー女の嗜虐心刺激するし、結局主導権が女の側にあるっていうのがいいよね。
あ、あとこいつは眼鏡してない方がいいと思います。眼鏡軍服の醍醐味は正直BADEDでしか味わえないんじゃないかなあ(苦笑)


・真嶋
私は一番最初に瑞人ルートをクリアしてしまったので、その時点で、両親の謎とか、桔梗の花の意味とか、真嶋の存在とかが漠然と(かつはっきりと)わかってしまったので、正体に対しての驚きはなかったんですが、それにしてもあれだな、やっぱり私の中での(反転)近親相姦モノのイメージ(反転終了)とはちょっと違ったなあ。
この人何個かEDがありますが、(反転)一番いいEDでも、百合子は真嶋が兄であることを知らないし、BADでも、知らされれば関係性は兄妹のままだし、残りも百合子が知らないまま、なので結局、お互いに背徳性を背負うっていう部分が決定的に欠けているんですよね。
勿体無いとまではいいませんが、なんていうか、片方だけが苦しみ悩むっていうのは、別にあのネタでなくともできるわけで、双方が秘密を共有した上で救われないっていうオチも欲しかったな、というか。
そこに至るまでは悶々としているけれど、いざそうなると、恋愛としては普通にカラっとした関係になっちゃいますしね。
身分さとかは、主人公がどうでもいいと吹っ切れてしまえばどうでもいいものになっちゃうわけで(大体身分さネタの担当は藤田であって)当人たちの意思とは全く関係なく、そしてどうあがいてもどうにもならないもの、っていうのが例のネタの真骨頂な気がするしなあ。

ただこの人の人形オチは大変好物で、かつスチルが美麗だったので満足です。裏ボス的な位置づけの人なので、スチルも優遇されていた気がするなあ。


・藤田
変態だ! 変態がいるぞ!
他の人もBADEDではすべからく変態になってしまいますが、それらがまだ性格破綻的な変態に対して、この人性癖破綻っていうのがなんとも…。まさかのおっぱい…というか、乳(飲む方)専門の方だったとはね…深いわこのゲーム…。
お嬢様イケイケルートなので、それに応えるべく徹底的にへたれ属性っていうのがなんともはや。
凄く面白かったというのは覚えているんですが、何分BADEDのふっきれぶりが凄すぎてそちらの印象しか残ってない…。

あ、CGになるとお嬢様との肌色が完全に違うのが萌えでした。顔色悪い顔色っていうのがね。
やたらに、体も下もでかいっていう設定があるせいか、そのせいでHシーンの痛がり方がやたらに突出してました。でも体格さ萌えの私としては無問題。

でも、実際に過去付き合っていた人を盗られていたりとか、複数人と関係していたりとか、普通にフラれていじけていたりとか、乙女ゲーの対象キャラクターとしては結構珍しいシーンの描写が多くて新鮮でした。
当人をカッコよく見せるために過去の女が出てくるのは珍しくないけれど、こいつのどーしようもない過去としてただ出てくるのが妙にリアル。


・斯波
萌えました。
ツイッターではへらっと書きましたが実際クリアした今、斯波のことしか考えられないので困り物です。斯波ーッッ!
やる前は、その強面オールバックやたらにガタイがいいくせにスーツにベストにメンズスカーフっていう組み合わせに、完璧に外見惚れだったんですが、やった後もその外見惚れに狂いなし! 外見惚れに外れなし! 外見さえ好みであれば多少性格がアレでも大丈夫! なんかロイエンタールみたいと思ったのは秘密だ!

個人的な好みとして、肌色成分がやたらに少ない(ような印象が強い)のも大好物。着衣プレイですか! 斯波さん! 女が脱いでいても男は脱いでいないプレイは大好物ですよ斯波さん!(笑)

斯波はある意味主人公を神格化していて、その上生来の性格が暴君な上に小心者なんで、やっていてお前が素直にこういう恩義がありますので娘さんを頂きたいといえば全てが丸く収まったのに…と遠い目になることもしばしだったのですが、それを払拭する萌えがあふれすぎていて困りものでした。

この人基本的に主人公の気持ちを慮る気がまるでないので、その上で勝手に傷ついたり喜んだり一喜一憂するんですが、なんだろうな、大切にしたくて幸せにしたくて世界で一番大切なのに、傷つけちゃうっていうアンビバレンツさを、惜しげもなく全面に押し出してくるのがわりと好印象でした。

凶暴性を出し惜しみするんじゃなくって、そういう自分の上で俺に惚れろ、っつうの?
普通なら無理だの一言ですが、それが逆に萌えるのが、二次元ならではって感じがしますね。本当に現実なら警察事件かつ初対面でアウトな人だよ。

個人的に、主人公を取り巻く人間がどうしても、自分ひとりで食い扶持すら稼げない華族様っていうのが多いので、そういう人に比べて裸一貫で成り上がった斯波に対して、初っ端から好印象っていうのがありますねえ。
別に金を稼ぐために必死になるのは悪い事じゃないし、そういう斯波を毛嫌いする主人公に対して、そういう斯波を応援したくなっちゃうプレイヤーっていうんですか。
そうなると、斯波のやることに対して肩入れして、ある程度人でなし(ある程度…?)な行動をしても、こっちが嫌いにならないっていうのは強みでしたね。

斯波は大体あれだよ。
斯波は主人公に許してもらいたいとか一切思っていないわりには、嫌われたくないっていうのがなあ。
無理だろそれ…。
どの面下げてそばにいて欲しいとか言ってんの…。萌えるからいいけどさ…。

主人公に対して、初手から「好きだ好きだ愛してる女として見ている」光線を発しているだけで、他のキャラクターとは完全に立ち位置が違うので、変なかけひきとか、もやもやがなくて、主人公も男としての魅力(過去とか抱えているもの関係なく(惚れる分にはね))を認識すればいい、わかりやすいルートで、わかりやすくはまったのは私でした。

いやあ、だって外見が…外見が…。見下す目線とか、片方の眉だけつりあげるとか、目を見開く図とか大好物なんだもん…。帽子も卑怯だしさ…。

この人のBADEDも泣けるのと、そうでないのとあるんですが、泣けるEDの方が本当に泣けて参りました。
これも「だからお前普通に事情を説明すればこんなことには」と思わずにはいられないのですが、責任の一端が自分にあると思い込んでいて、その上ここで斯波の相手の気持ちを慮る性質がないっていうのが災いして、とにかく自分のそばにいてくれればそれでいいっていう歪んだ関係性からの悲劇が泣けました。
相手の気持ちを一切考えないから、あのラストで全てをわかっていた上で「幸せだった」とか言えちゃうんだよ…。やめろあのスチル本当に泣けるからやめろ確かにお前は本当に幸せなんだろうけどさ…。

斯波がお姫様に求めているのって、自分のそばに感情ゼロでいて欲しい、っていうんじゃなく、何でもいいから自分に対して感情を向けた上でそばにいて欲しいっていうのが、業が深いよなあ。
その感情が好意であっても憎しみであっても、それでいいっていうのがね。
相手の思うとおりにさせるって言うのは思いやりじゃないっつうのを理解してないっつうかさ。




キャラ萌えに関しては、外見中身話の展開性格全部それぞれ立っている(オチは一緒)なので、大変満足です。面白かった!
「あなたは誰?」と「嘘はつかない」と「暗闇と無音」と「幸せですか?」のスチルが好きでした。
百合ED的なものもありますが、相手の女性が嫌味がないっていうか、実にストレートで分かりやすい人なので全く嫌な気分にはなりませんでした。百合っつうかなんだろ、愛玩EDっつうか。

以下、ツイッター抜粋になりますが、この作品二次創作しづらいだろうなあ。
いや、18禁であるっていうジャンル関係なくね。
あまりにそれぞれが「百合子」に対する執着が明確すぎて、かつ、現在過去未来(幸せなED含む)全部にそれなりの関係性があると時間軸の上でも想像をさしはさむ余地が厳しいっつうか。
後このゲームは最初から疑う余地なく男側が完全に「百合子がいないと生きていけない」状態で始まってるっていうのが。
好きになる「過程」的なものが一番心象描写を妄想するには向いてると思うので。
百合子が相手を好きになる過程はゲームでやってるし、まあそれはいいんだよ別にどうでも。乙女ゲーなんだから男が女に惚れる過程を妄想するのが二次創作の醍醐味であってさ(苦笑)


後今更なんですが、こういうゲームってちゃんとパッケージ表記されていて、例えば購入に際し身分証の提示が必要であっても、普通に据え置き機で出せない理由ってなんなんでしょうね?
いえ、勿論れっきとした理由があるんでしょうが、なんかピンとこないなあと思いまして。
例えば、アダルトビデオなんかは普通に店頭で買えたり、レンタルできて、その上DVDデッキで再生できるわけじゃないですか。そのデッキが別に18禁仕様であるわけがないし。
どうしてもPCゲーはスペックの不安とか、プレイ中にしんどい(苦笑)とか弊害があるので、なるたけPSPでもPS3でも、「ゲーム機」で遊べた方が、ただ遊ぶ分には絶対に楽なんですが、駄目な明確な理由ってなんなんでしょうね?


とまあ、大変面白いゲームでした。
こういう絵柄で、ちゃんとがっちり男性の体つき、顔つきした(顔はちゃんと少女漫画ですが、悪い顔が描けているので)乙女ゲームコンシューマで出してくれないかなあ。
昨今の乙女ゲームの絵はもう、男も女も誰だかわかんねえ上に表情のバリエーションも乏しくて体も針金みたいで困ったらギャグ顔にオノマトペ入れとけばいいみたいな絵柄ばかりで全く食指が動きません。
頼むから、悪い顔、歪んだ顔、鬼の形相が上手い絵師さん連れてきて…!

FDが出たら絶対購入しますが、その場合この本編ディスクって必要なんですかね。積荷を燃やして箱に入れておくのがちょっと忍びない(苦笑)。
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『ノーラと刻の工房 霧の森の魔女』公式サイト
アトリエシリーズの流れを組む作品。
主人公ノーラが、魔女と疑われても、村の人々の信頼を得るために三年間頑張る話です。

物の分解、加工、導刻といった調合一つに流れがある作品ですが、基本的にやるべきことは、物を集め、分けて、新しい物質を作り出すというわかりやすいものなので、作業ゲーとしてはよくできていると思います。

ただ、こちらがやるべきことをすぐに把握できても、そのやらなければならないことのシステム面が弱いのが難点。
依頼を受けても物ができるかすぐにわからない、とか、アイテムの数がどれだけ増えても検索が非常にしづらいとか、「導刻」という作業に必要な化合物が必要な数があらかじめ全く分からない(足りないことはわかっても)とか、繰り返しプレイ前提の作業ゲーにしては、肝心の作業の部分のシステムが非常に弱いのが気になりました。

やはり、作業ゲーの醍醐味は、新たな物質を見つけ、作る、という部分に特化していると思うので、他の何をおろそかにしても肝心の部分だけは、ストレスフリーであって欲しかったところ。他には、OPが飛ばせないとか細かな部分はありますが、他はストレスを感じるほどのシステムは一切なかっただけに、残念でした。

アトリエシリーズの意を汲むところでは、採取地での採取などがありますが、これが、どれだけ遠方に出向いてもかかる時間は全く同じ、そして採取作業を行わなければ時間経過しない(街に行ったりする分にはいくら出入りしても自由)という、大変潔い作りは大感謝。
本当にねえ、行って帰ってくるだけで二ヶ月経過するとかそれイベントのためだけに行くのかよ…と遠い目になったシリーズもありましたが、このゲームは一切そういうのありません。すんげえ気持ち的に楽。
ただ、採取地で取れるものがランダムなのはいいんですが、採取アイコンをクリックして魔物が増えるコマンドが出たら即終了みたいなのは厳しいですかね。
鉱物が増えちゃうとか、植物が増えちゃうアイコンならまだしも、魔物が増えるアイコンを踏んだらもう、採取作業は諦めて帰宅したほうがいいです(苦笑)。

このゲームの時間経過ですが、採取作業を一回行う=一日経過ですので、鉱物目当てで行ったら、一回目で敵が増えた、のなら、もうその時点で帰ったほうがいいわけです。
粘ったって、敵が出て日数が経過するだけムダなので。
おまけに、シャッフルアイコンでせっかくのものが入れ替わっちゃったりするので、本当に効率のいいプレイをしたければ、採取場所で一回採取を行う⇒帰る、を繰り返した方がいいことになります。粘るだけムダというか。
それだけ手間ったらそうなんですが、このゲーム何気に敵が強くて、結構普通に死ねるので、万全を期すなら帰宅したほうが無難。


グラフィックはとにかく可愛いです。
キャラクターの表情もころころ変わるし、街中の様子も、自分の家の庭も可愛い。
生えてくる草花も可愛いし、基本的にキャラデザが二頭身目玉大きい系なので、その可愛さにひたすらもだえろ、といったところでしょうか。

主人公ノーラは頑張りやさんで、一生懸命。嫌味のない職人気質(笑)の主人公で好感度高し。それぞれ、出てくるキャラクターにも個別EDがありますが、恋愛EDではないのでその点がっかりするかもしれませんが、ノーラはなんというか、やっぱり職人(笑)なので、個人的にはその手の描写なくても大丈夫でした。あくまで、導刻術師として三年間を過ごすのがメインというか。

細かなキャラクターの台詞バリエーションはとにかく豊富で、ノーラに対する言葉遣いもそうですが、仲間内でも、戦闘時の組み合わせによってもかなり違いますし、採取場所でも違います。仲良くなってくれば当然違うし、イベントも豊富です。
キャラEDがありますので、それぞれの好感度も存在するのですが、惜しいのがゲームをやっていて、好感度が上がっている感が「ぱっと見」でわかりづらい、というのはあるかもしれません。
個別イベントが進んでいくので、ああ、仲良くなってるんだろうなというのは(数値含めて)わかるんですが、通常時にそれを感じ取れないというか。
ネオロマで言う、相手が頬を染めて台詞が変わったときの達成感とか、アトリエシリーズみたいに、どんどん雇える金額が安くなってくるとか、そういうのがいまいちわからないのが勿体無いかなあ、とは思いました。

それらを踏まえても、ノーラは別に皆と特別な関係になりたいわけじゃなくて、迫害されていた立場から、あくまで対等な人間関係に持っていくまでがゴールのゲームなんだと思います。


アトリエシリーズのような、物を作る作業ゲーが好きならば買って充分楽しめます。数回プレイしてもコンプできなかった(それはお前が下手なだけだ)ので、やり応えも充分なのではないかと。

キャラクターで好きなのは、圧倒的に酒場のダビーさん…(笑)男と女に花を贈るイベントを教えてもらった時とか、「くっそ、このオヤジは狙ってやがるのか…!」と歯を食いしばりながら、花をたたきつけた(気持ちの中で)りしましたよ! わかったわかったオヤジがイケメンなのはわかった!
ただし、ダビーさんはオヤジという年齢なのかちょっと謎。
絵柄が可愛らしいので全員年齢不詳っていうのもあるんですが、声が…櫻井なんだぜ…どういうことだ…。
ただ私は、粗野な櫻井ボイスも大好物なので、問題なし、でした。ヤッホー、ダビーさん萌えるよー!
戦闘中の台詞が面白いのは妖精のケケ。ケケはもう一人のスナフキン妖精の影が濃すぎて薄い印象でしたが、やっぱり可愛い。
女のキャラクターもなんていうか、出てくるのが皆、妙に頑固一徹みたいな、男形無しの女性ばかりなので、それもファニーで可愛かったです。鉱物にしか興味がない幼女とか…。人の役に立つっていうのはお約束だけど布団を担いで淡々と歩く少女とか…ずれている…ここでの美少女の価値観が…。
それに反比例するかのように、基本男がへたれっていうのもこのゲームの特徴でしょうか。へたれっつうか、オトメっていうか…。可愛い坊ちゃんとか、お前歯を食いしばれみたいな風来坊とか、ピュアっ子の自警団とか、あれ? なんか逆じゃね? という可愛さがあります。というか、基本的に出てくる人物みんな可愛いんだけどね。

後、地味に音楽がいい。初回版?でついてきたサウンドトラックのオルゴールバージョンは良かったです。後、個人的にゲームで遊ぶ上で一番長く聞く曲がいい作品は、いい(RPGでいうマップ上の曲的な)という法則があるので、ノーラのアトリエ内BGMはヘビロテに耐えられるいい曲でした。



「三国恋戦記 オトメの兵法!」公式サイト

ずっと「こいせんき」なのかと思ってましたが「れんせんき」でした。


PCで絶大な評判を得たゲームの移植作。
作品名の通り三国志モノですが、個人的には三国志知らなくても全く構わないと思います。むしろ知らないくらいでちょうどいいかもしれません。
どうしても三国志っていうとそれぞれ知っている知識が偏るので(苦笑)。私の場合は横山三国志になっちゃいますしね。
知っていたとしても、作中で「ああこの作戦知ってる」とかそんなもんなので、別に史実の個性に照らし合わせてにやりとする、という類のゲームではありません。
大体それじゃあ、三国志知らない人が楽しめないわけだから、個人的には三国志を知らない人前提にゲーム作りしてますよ、というスタンスは大歓迎です。

設定は、異世界に飛ばされた主人公が、その世界の歴史が見られる本を持って、右往左往(笑)する、というお話。
甘さとしてはキャラクターにもよりますが、結構控えめ。
というか、主要三キャラ(三国君主)のシナリオが優遇されていて、後は波がある感じです。

共通ルートが申し訳ないけれどかなり長いので、シーンそのものをスキップできる潔い機能を使っても時間がかかります。
戦闘シーンというか、やはり三国志モノなので戦闘描写が結構な割合で出てくるのですが、それはあくまで、戦闘が上手くいくかどうかを見守るだけのもの、なのでそこに各キャラの萌えがあるかというと、というのがちょっと勿体無いかな、とは思いました。
逆に言えば、萌えはないのでその手のシーンが始まったら強制スキップでも別に問題ないといえばそれまでなんですが。
その戦闘シーンに至るまでと、至った後では少なからず乙女ゲー要素はありますが、逆にせっかくの戦闘シーンが勿体無いなあとは思います。
個別ルートに入ってからの戦闘シーンは特に、共通ルートで世界観を理解してもらうためににあるわけではないのですから、その戦闘シーンも萌えに生かすだけの工夫が欲しいな、というか。
個別ルートの緊迫感を出すためではなく、そうしないと本の記述が埋まらないから(物語が終わらないから)戦闘シーンがある、だとこっちはもう、個別EDに向けてやる気満々(笑)なのに、興がそがれるんですよね。


主人公は恋愛重視ではなく、自分はこの世界で何ができるのか、また何をしてはいけないのか、をしっかり考えられるいい子ちゃんなので、乙女ゲーの主人公としては全く問題なし。変な無邪気キャラではなく、物事しっかり考えられるいい子です。
ただ、名前デフォルトでも呼んでもらえないのはちょっと…。主人公にデフォルト名がついているのは、そのためだけといっても過言ではないのに。実に勿体無いです。


玄徳
他のキャラクターだと有名名前じゃない方が起用(笑)されているのですが、玄徳はそのまんまなので、個人的には入りやすかったです。
実に王道。頼れるいいおにいちゃんでビジュアルも優遇。主人公の不思議な本の能力を知ってから、
「あまり、その本を使うな」(全部本の中身が埋まっちゃうと主人公が帰っちゃうから)
とか、何気に嫉妬深いシーンも多めで楽しめました。
主人公を気にするが故にすれ違うとか、距離をおくとか、まさに王道。この世界では男女二人だけはNGだから、と主人公も距離をおこうとすれば、
「…妻にすればいいのか? 妻にすればお前は…」
とか、男側が苦悩する様は大変萌えですな! ハハハハ!(笑)
このルートだと、主人公も常に必死で、最終的には
「何で優しくするんですか。玄徳さんなんて好きにならなければ良かった」
と非常に可愛く泣くシーン(その後、怒涛の甘いEDになる)もあって、大変いいルートでした。
王道(デフォルトヒーローというか)だけあって、戦闘シーンや戦略描写が割合多いのも特徴的。


雲長
開始五分で正体もオチも丸分かりだったときは、さすがに遠い目になりましたが、個人的に自分のバックボーンで精一杯で、他人を慮る余裕もない上に、自分の不幸に酔ってる感バリバリなので、個人的には大変ボーク(苦笑)。
芙蓉姫(玄徳軍にいる可愛いおねえちゃん)が雲長を指しての、
「不幸ぶるっていうか孤独ぶるっていう感じがいや」
に腹抱えて笑いました。まさしくそんな感じ。恋愛対象にしなければわりと言っていることもまともですし、芙蓉姫との料理合戦とか、翼徳との会話のやりとりも面白いんですけどね。


翼徳
体のでかい童顔という新たな萌えの新境地ここにあり…!
主人公の正体知って、酔っ払って、
「お前は俺を置いていなくなるんだ。帰るって、言っただろ。行くなよ。俺お前と離れたくない」
とか顔一切見せずに頭頂部のアップで、熊が獲物を抱え込むみたいにして主人公を抱きつぶすスチルで、禿げ萌えました。
基本は脳筋ポジションなので、頭のいい会話(苦笑)はできずとも、他人の心の機微を無意識に察知できるので、
「あいつ、時々寂しそうにしてるから」
とお見舞いに来てくれたりとか、何気にお気遣い紳士です。ありがとうございます。
その後自分も病気になって、
「俺、次目を覚ましたとき、お前がいなかったら寂しくなると思う…」
とか甘えられたときは、大型犬を可愛がるのはこんな気持ちなのだろうかとにやにやしました。
一緒にいたい、だけではなく、「一緒にいてくれると嬉しい」までいえるのが、こいつの男前さですなあ。「離れたくない」とかね。やきもちやくにしても、内に向かわないからハレの印象が強いんですな。個人的にはちゃんと「ごめんなさい」が言える男は好きです。言い訳めいた台詞の前にまず謝罪!(苦笑)
主人公が帰ると決まっても、ちゃんと後押ししてくれますしね。
「俺も寂しいけど、我慢するよ。お前もちょっとだけ我慢すればいい。家族と会えたら、きっと大丈夫だよ。お前が幸せになれるなら、それでいい」
とかね! 苦しい気持ちも全部大切だから笑って見送ろうっていうスタンスが男前。
まあ、結局「お前と一番仲がいいのは俺がいい。ずっと一緒にいたい」と号泣なわけですが、この時点では既に「可愛い奴だなお前!」と何故か父の目線になってしまいます(笑)
個人的に奴の人気がないのは、意味不明な萌え袖が原因なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。あれは、男のシャツをパジャマ代わりにして微笑む女の子だからいいのであって、体のでけえ男がやる服装ではないよ! むしろ筋肉をさらけ出す方向で一つ!


・子龍
主人公の裸を見てしまった後、気合もろとも頭を大木に打ちつけ、
「見ましたが、思い出せません」
という記憶の失い方が笑えました。基本的にピュアっ子というか、多分正統派ショタ枠なのであまり感心はなく。ただ、EDの入り方といい優遇されているのはよく伝わってきました。
というか、CV石田の女子声があまりに違和感がないので倒れた。オカマボイスで笑えるとか言うレベルじゃないよ。
三国君主以外のサブキャラは、あからさまに玄徳軍の三人が恵まれてます。文若とか公瑾は正直薄いので。


・孔明
頑張って萌えようとしたんですが、無理でした。
物語としてはタイムパラドックスに関係していて、ドラマティックなんですが、なんつうか孔明が主人公の事をずっと思い続けているのは自由(勝手というか)なんですが、主人公が孔明に惚れる要素があまりない、というか。
結局過去とか出会い方がどうあれ、現実世界で奇人変人だとキツい(苦笑)
実際孔明が仲間になって(ルートに入っていたとしても)実質乙女ゲー的な展開になるのが、かなり後の方なので、それならそれで物凄い糖度をぶちかましてもらいたかった、というこちらの願望が過ぎたのかもしれませんね。
設定としては
「不思議な本を持った女の子は、不思議な光に導かれて帰りました」
という自分の思いを最初から最後まで押し隠した、っていうような設定です。


・仲謀
等身大つっぱり小僧で、大変萌えました。今回私的なダークホース(笑)。いやあ、てっきり線目とか地味服に萌えるかと思いきや…!
こう、同じ年頃の子が手が触れちゃっただけで右往左往する様を見てにやにや。ああもう、完全に主人公と等身大の目線なんかでゲームやってられっか!(苦笑)
そして確信。私は森久保声のツッパリ小僧に弱い…。いや、わかってたさ…。前から薄々は、な…。

特に元々呉ひいきというのもありますが、仲謀含めてアットホームな孫家が非常にやっていて楽しかったです。
仲謀自身は俺様性格ですが、基本的に名君主であり自由奔放な孟徳や、君主というには正直立場が軽い元徳に比べて、圧倒的に守らなければならないものが大きくて、重いことをはなから自覚しているのも好男子。なんか、若いのに一番大人としてしっかりしてる感じ。口調がやんちゃ小僧なだけで。
仲謀相手だと、主人公もぽんぽん言いたい事が言えるので、主人公とセットで可愛いです。
酒をわざとこぼしてぬらした挙句、
「この人の頭がアンパンでできていればよかったのに」
とか思っちゃうのが笑えた。
挙句の果てに連行されて、
「ヤンキーに絡まれて連れて行かれるような展開だ…」
とか、主人公タフすぎるだろ。

主人公をおんぶして、
「重いのはわかってんだよ。人間一人分なんだから、重いのは当たり前だろ」
とかは、ちょっと泣けた…。若造が言っているのかと思うと余計に…。
「…あんまりくっつくな! しがみつかないで、つかまっていればいいだろ!」
ケエエエエエエエ!(照れ)
その後の背中合わせスチルでは、片方長袖、片方袖なしの痛い衣装の仲謀よりも、パンチラぎりぎりで体育座りする主人公に目が釘付けでした。ゴチソウサマ! いい太もも!(そして仲謀の衣装は本気で謎だ…。どうなってんだあのビジュアル服)

とにかく乙女ゲーイベントが微笑ましいです。手を繋ぎゃあ、
「なんだよ? べ、別にいいだろ手くらい」
とか、お前は…お前…! やきもちイベントがふんだんに盛り込まれているのもいいですね。病んでる方向にいかずに、健全なやきもちっつうか。衣装を贈る際にも、
「玄徳のは着られて、俺のは着られないってのか? それ、そのまま着てろ、一生脱ぐな!」
とかねえ。お前、本当に可愛いな!

このゲームで、告白がオチにならないのは仲謀だけなので、それも新鮮でした。
「好きか、嫌いかくらい分かるだろ! どっちなんだよ」
「き、嫌いじゃないよ」
「じゃあ、好きってことにしとけよ」
のくだりは禿げ萌えました。他にもスチルにはない勘違いイベントとか、要所要所のやきもちイベントは仲謀が一番多いと思います。故にシーン回想がスチルシーンしかないのが惜しい! 仲謀初夜勘違いイベントにはスチルないしね!

他の連中は、最終的に告白しあって終わり、なんですが仲謀はそれ以降もちゃんと話が続きます。
くっついでどうこう、ではなく互いにやること全部成し遂げてからちゃんとくっつく、っていうのが非常に潔い感じでした。

主要三人は、シナリオに恵まれているというより「尺に恵まれている」ので、乙女ゲー的イベントも段階踏んで、たくさん盛り込まれている印象が強いです。サブキャラはどうしても、前半バックボーンの説明、後半怒涛のたたみかけ、になるのでどうしても忙しい印象が強いですし。


・公瑾
最初線目で腹黒だから絶対萌えると思ったんだけどねー(遠い目)。思いがけず萌えませんでした。
やっぱりこの人も主人公以外に大切なものがありすぎる、からだと思います。それに主人公が入り込む余地正直ないのよね、というか。
入り込まないなら、入り込まない部分で恋愛感情抱く(実質愛人的なノリで)ならいいんでしょうが、やはりこの主人公はあくまで「軍師」ポジションであって、世の中をどうこうしたい、どうこうしたくない、っていうスタンスからこちらも離れられないので、純粋に、イケメンと美少女が恋愛っていうスタンスにはどうしてもなれないのが、この場合裏目に出た、って感じでしょうか。
仲謀はある意味、仕事とプライベートしっかり分けられる大人であったのに対し、公瑾は仕事もプライベートも完全に合致しちゃってどうにもならない子供、っていう印象が強かったです。
一番主人公がカウンセラー、というか。お前の過去のトラウマに付き合うほどこっちは暇じゃない。オマケに八つ当たりかこの野郎。

ただ、主人公ご執心イベント(笑)で、主人公の発言に一喜一憂して琵琶の音色が変わる、っていうのは非常に笑えました。音色は口ほどにものを言う、って奴ですな!
最終的には主人公の押しに負けて「…もういいです」と諦めちゃうのは可愛かった。この人、トラウマ過ぎはちゃんと乙女ゲーイベントなんですが、それが=EDになっちゃうので、どうしても甘さとかそういうのには欠けますね。
「まあ、貴方が帰りたいというのであれば、引き止める理由などどこにもありませんけど」
ど、ってなんだ、ど、って!(大喜び)


・孟徳
俺様ポジションなのかと思いきや、俺様ポジションは仲謀の方で、この人どちらかといえば孤高ポジションでした。孤独の塊っつうか、覇王ポジションっていうか。その割りに野心家アピールでもないし、望まぬ天才ポジションっていうんでしょうかね。才能なんてものあったとしてもそんなもの欲しいと思ったことはただの一度もない、っていうやつ(BY BANANAFISH)。
嘘をついているかどうかがわかっちゃう、っていうの、かなりの個性ですよねえ。才能もある男が、しゃべっている相手の嘘を常に見抜いていると思ってゲームをやってると中々台詞一つも深読みできて面白いです。
しかしまあ、声優さんって偉大だなあ。森川ボイスの恩恵かなり受けてるというか、常に砕けた口調で、でも言ってる内容は常に辛らつってこうなんつうかわさびアイスクリームの典型というかとても萌える。
このくだけた口調っていうのが、タメ口ではなくフランクな敬語というか。

「じゃあ、これから頑張ろう。これから俺のことを知ってもらえるように」

とか独語で言われると、ムハッ、となります(笑)
そして、基本優しい。後、最初から最後まで主人公を女の子として扱っているので、見ているこっちはニヤニヤですよ。別にこれ、裏があろうがなかろうが関係ないんですよね。実際腹黒であろうが、常に紳士的な態度(ただし、セクハラ含む。笑)ってのはやっぱり貴重! ツンは人を傷つけないからこそのツン!
ただ常に人を食った優しさ態度なので、主人公側がどれだけ好きだ好きだ言われても、「物珍しいからなんだろうな」と思ってしまうすれ違いがまた萌えます。混じりけなしの好意を向けても、孟徳は将軍なのでそこから逸脱することはないし。

「…俺が怖い?」

とか、森川声で言われると倒れますねどうしたらいいんだどうしたら!
このルート、基本的に主人公の心の機微が描かれることが多いので、そういう意味での萌えにたどり着くのはちょっとスパンが長いかもしれません。後述しますが、「その場面を抜き出しただけで萌えられる」っていうシーンが少ない、っていうのかなあ…。
主人公が色々考えて、その目線で孟徳の行動を判断するシーンが多いって言えばいいのかな。

しかし魏軍は文若もそうですが、玄譲もほんと可愛いですね!(笑)
孟徳との会話で常に被害をこうむる玄譲。あの隻眼を何故落とせないのかメーカー側がFDで補完してくれると思えばいいのかチクショウ。
基本的にも孟徳と主人公の恋のさやあてに巻き込まれて、口では厳しく心では舌打ちしながらもあふれるお人よし個性が止まらないのが玄譲です。
主人公に「会えて嬉しいです!」と言われて
「…そんなに喜ばれる理由がわからんが、まあ元気そうで何よりだな」
と答える玄譲は大変萌えですね。
主人公に泣かれて、
「あああ、ここで泣くな」
とか言われると、何故落とせないのかと血反吐。
実は文若よりも常識者ポジションだという玄譲…。実は私、玄譲が落とせないと知ってPC版買わなかったという過去すらあります。落とせるものだと…思い込んでいたんだあのときは…。
他にも文若をひたすらからかう孟徳とか、魏軍ルートもひたすら部下連中との会話が楽しいですね。呉軍は楽しい家族的な和み要素がありましたが、魏は大人の男連中の個性がそれぞれ面白い、という感じでこちらはこちらで好みです。


・文若
はい、外見惚れ! むすっとした顔に細い目に、眉間のしわ! なんてったって墨色の服装ですよ! この地味野郎! 大好きだ!(笑)
文官で堅物でその通りなんですが、以外に順応性があるというかサバイバル能力に長けている器用者。要するにお前は人付き合いにだけ特化して能力が欠落してるんだろう…クッソ、萌える。
このキャラについては、完全完璧に外見萌え、口調萌え、声優萌え(笑)なので、実際の内容が薄いとかそういうのはあまり気にせず遊べました。少なくとも変な自分のトラウマに主人公を巻き込むことはないですし、玄徳軍以外のルートでの展開として、主人公が帰ってしまうかもしれない恐怖心っていうものがあまり強調されない(こいつ自身が他にやることいっぱいあるので)ので、変にベッタベッタしていないのも良かったです。
自分の主義主張や、ゆるぎないものがちゃんとありすぎて、そこで身動き取れないんだけど、それに他人を巻き込むつもりはないっていうのが大人のスタンスですな。愚痴こぼしたりしないしね。
後、自分の発言で相手を黙らせる気がない(黙って欲しいときは「黙れ」と言う)ので、こっちの一に十返って来て、それにこっちが二十で答えてもおかしくない会話が主人公ともども可愛い。
「大体私は枕がかわると眠れない性質なのだ」
「今は枕そのものがありませんよ」
とか、ぶつくさ言う男にこっちが間髪いれずツッコミする図式が可愛い。

やっぱり政治屋と武将とか将軍とかの恋愛とはちょっと毛色が違いますね。全体的にトーンが重い。いわゆる見せ場としての戦闘シーンが文官だと使えない(その場にいるわけがない)ので、凄く生々しい描写が増えるというか。
その中で主人公が文若を大切にしたいと思っても口に出せない何かがあるというか。そらそうだ。
結局主人公を帰したくないっていう気持ちがある上で、帰らせようとするのではなく、その前に「好きだから帰るな」と言える文若は結構恋愛ごとにおいて押しが強いんだなあ、と思いました。その後ちゃんと謝ってますし、帰らせようと無理してへんにこじらせないストレートさがあるというか。自分の気持ちに気づいたら真っ向勝負っていうか。その裏表のなさが萌える。

後他の連中だと、どうしてもはなから主人公特別扱い(異世界人で孔明の弟子で女の子で)なのに対し、文若は初めから主人公を疑いの目で見ているので、その上で好意を持ってもらえると、純粋に主人公の態度というか行いを評価してくれているようなので、それが非常に好感度高かったです。
文若は主人公が異世界人でなくとも、特別な本を持っていなくても、それこそ特別な関係にならなくても、ちゃんと相手のやっていることを評価してくれる人だというか。社会人になるとこういう人の貴重さがすんげえよくわかる(苦笑)。
この人、声優さんの演技が地味に乙女ゲーに慣れてない(いや、竹本さんはいっぱい乙女ゲー出てますけど)せいか、常に抑揚のないトーンで、かつ常にささやいてるので、聞き取れない台詞が多いのがちょっと難点でした。


CGはどれも高いレベル。アクが強くなくて、立ち絵も素敵で大変好みでした。スチルも全体的なレベル高いし、満足です。ただ、公瑾だけはスチルと立ち絵明らかに別人ですけどね…。惜しいなあ、スチルの外見だったらなあ(苦笑)。

そして、シーン回想が網羅されていないのが非常に納得いきません。スチル未使用のイベントならともかく、CGリストにちゃんと入っているイベントはいくらなんでもシーン回想用意しておいて欲しかったよ…。後で振り返ってシーン回想がないと知ったときの「…またやり直してセーブとっとけってか」的なやさぐれ感は最早オトメではない(苦笑)。


全体的に見て非常に良作だと思うんですが、どうしても物語が勝ちがちな乙女ゲームは、その手のシーンだけより抜いて萌えるっていうのが中々難しいのが個人的には難点です。
例えば、孟徳が急に豹変するシーンがあるのですが、無論、それだけ抜き出しても萌えるんですが、あくまでそれは「今まで主人公が選んできた行動の結果」であって、「それあっての孟徳の行動」だからこその萌え、なわけです。

そうなると、その萌えを味わうには、今まで主人公が選んできた行動の結果の「シナリオ」を全部覚えていなくちゃならない、というような記憶力との戦いみたいになってしまうというか。

シーンだけ抜粋すると、実際その手の行動を起こしてからの回想になってしまいますが、そこに至るまで主人公は、延々考え混んだりしているわけで(主人公の心象描写がこの作品とても多いので)、どうしても「お手軽な萌え」にならないんですよね。

そんなんだったら、毎朝とにかく会いに行けば「同じ顔で同じ台詞で笑ってくれる」っていう、そのゲームを十年間忘れていて、たまたま立ち上げたその瞬間に味わえる萌え、の方が、なんつうか乙女ゲーの真髄っていう気がします。まあこれは以前から重ねて言っている好みの問題ですが…。


最終的な萌えランキング(凄い言葉だ。笑)
仲謀>孟徳>翼徳>文若>玄徳>公瑾>孔明>子龍>雲長>実はいる隠しキャラ(苦笑)
でした。
仲謀はなんつうか、大変正統派乙女ゲーの主人公で、一番恋愛過程がわかりやすい上に、仲謀自身が大変男前なので二重丸。
孟徳はシナリオとしてはいいし、萌えるんですが、初対面での一目惚れ要素はいい加減おばさんには受け入れ難いです(苦笑)。ただ、孟徳は別にその一目惚れ要素が真骨頂ではないので、それ以外は非常に乙女ゲーとしては、病んでる要素含めて満足。
翼徳が上位に入っているのを見て、我ながら「年取ったな…」と思わずにはいられません(苦笑)が、純粋に主人公に好意を向けてくれて、混じりけなしに善意を向けてくれる人っていうのは貴重です。翼徳の場合は自分の過去とか変なトラウマあまり全面に出してこないっていうのがミソ。
文若はキャラとしては大変萌えるんですが、如何せん戦い要素ではなく政治要素が強い人との恋愛は中々難しいなーってことで。ただお前の外見は愛している。その眉間のしわごと。

後、実は地味に声優さんが凄い。いえ、地味って言うのは変ですが、やはり乙女ゲームに起用される声優さんにも流行り廃りというものがあるものですし、昨今はどうしても新人さん起用(勿論それはそれでいいことです)に比重が置かれがちですが、このゲームガチで声優さんが凄い。
中堅どころと言うよりも、ベテランだけ抜粋してお届け、という作りも大変好感度高かったです。演技の安定感は不安材料消し飛ばしてくれますしね。
久しぶりに経験のある声優さんたちの揃った乙女ゲーを遊べた、という意味でも非常に満足。いやー森川、三木ボイスの乙女ゲーなんて贅沢の極みだよなあ、と声優買いしない私ですら思いました。
『銃声とダイヤモンド』公式サイト

大変面白かったです。
交渉役の主人公になって、事件の解決に挑むわけですが、その会話のセンスが秀逸。
ゲームの難易度としてはそれなりに高いです。
クリアするだけなら、失敗を繰り返してある意味総当りで選択肢を選べばいいのですが、特定の交渉でAランクを取らないと真EDは迎えられません。
それを意識して遊ぶと中々歯ごたえがあります。
真EDを迎えられないと唐突に物語が終わってしまいますので、なんとしてもAランクを取らねばと必死になるわけですが、そうなると交渉時のシステムがちょっと弱いです。
交渉中は会話が自動進行で進んでいき、その会話内容に応じて、ボタンに割り振られたツッコミをしていくわけですが、その進行速度が変えられないので、何度も繰り返す遊び方には向いてないんですね。
例えば、最後の最後で選択肢を間違えて、リプレイしなければならなくなると、最初から延々自動進行の会話を見守ってなければならないわけです。
ただ、これ途中の選択肢にも時間経過が設定されているので「スルー」するという選択を考えると、確かにスキップ機能を適応するのは難しいなあとも思います。
せめて、交渉中の会話速度調整が設定として変えられる、なら良かったのですが。
ちなみに交渉中以外の物語進行はちゃんとスキップ機能がききますし、やり直しにもチャプター選択、交渉開始の先頭から開始、などの配慮もちゃんとありますので、リプレイそのものに不便さはありません。

事件は様々な形で起こるので、立てこもり犯人の説得が主ですが、それ以外の電話交渉や、実際に鬼塚が電話で話している間に「それ以外」が事件解決のために何をやるか、というのも物語の主題なので、交渉以外の読み進める部分もとても楽しめました。
あくまで組織として犯罪者に立ち向かわなければならない悲哀というか、不自由さのリアリティというか。

登場人物は全員魅力的です。シニカルなわりに熱血漢の主人公鬼塚は名前だけ聞いて笑ったのですが、基本的には大変大人なのでやっていて嫌味がありません。
パートナーの神埼との関係も喧嘩しつつ仲良しで大人なので、にやにやするよりは、リアルな社会人の会話が楽しめます。
神崎は熱血漢で真っ直ぐな女子なので、台詞回しの一つ一つが「わかる…わかるけど上司に恵まれて本当によかったな…」と思わず羨望の眼差し(笑)。
勿論ちゃんとした大人なので、謝罪も反省もしっかり出てきます。

上司の片桐さんは思わず「こんな上司がいたら…」と涙で前が見えないほど男前で大人です。キレ者で警視総監と深い関係があって、部下の不始末もちゃんと責任を取って、それでも行動派で最後は
「なんだ、今生の別れじゃないんだから、大丈夫だ」
と心配そうな部下にねぎらいの言葉をかけて自ら突入というまさに完璧な上司でした。おっさんだしね!

そして一番謎なのが、プロファイラーの中村さん。顔はつんとすました眼鏡の及川ミッチーみたいなのですが、常に嫌味のない上から目線というのが何かこう、新しいジャンルで新鮮でしたとても…(笑)。
鬼塚が常に敬語なので、立場的にも年齢的にも上なのはわかるんですが、中村自体が調べ物の専門家で実質職業なんなのかよくわからんまま(プロファイラーなんですけど)終わるので、私の中では謎個性でした。全く感情の触れ幅がないしね。

主要メンバー以外にも、声のでかい井上さんとか、片桐さんと同期(たまらなく萌えです)の狙撃部隊の北村さんとか、本当にお前バカだなという鯨岡さんとか、警察内部の個性はよりどりみどりです。
他にもとにかく出てくるのが全く萌えない中年たちだったりするのが、逆に萌え、というおかしな現象を確認しました(意味不明)。
元々萌えゲーでは勿論ありませんし、鬼塚と神埼、神崎と井上さん(マル暴の刑事さん)の本当にかみ合わない会話などの、日常描写が本当に秀逸なので、「面白い会話はより面白く」「不愉快な会話はより不愉快に」が強調された物語でした。

使命でもなんでもなく、職業交渉人の鬼塚と、国家公務員という組織のしがらみの中で、事件を解決しなければ「ならない」警察の人たちの関係性が楽しめるゲームでした。
ある意味立てこもって要求してくる犯人はとても自由であって、その自由さに、突入一つ、狙撃一つ、自分以外の第三者に「絶対にお伺いを立てて許可をもらわなければならない」しがらみのある主人公たちが、どう対応するか、という一連の流れが楽しい作品です。


最後に、バッドEDをコンプリートするとおまけが見られるのですが、そのおまけが酷いのでPSPを投げ捨てそうになりました。
いい意味の酷い(笑)ではなく、個人的には俺の二時間返せレベルの酷さでした。いや、確かにシュールで世界観には合っているのかもしれないけれど、これはご褒美じゃない…! いや、バッドEDのコンプだと思えば妥当なのか…?
『街』PSP版
私の中でチュンソフトといえば、弟切草よりもこちらのイメージが強いのですが、その割には遊んでいなかったセガサターンのソフト。
遊んでみた感想としては、明らかに『428』の方が出来がよろしいかと。
まず、それぞれの物語に符号性がないのは(それぞれが面白ければ)いいとしても、結局オチもなければヤマもなく終わる登場人物の話が殆どであること。
そうなると、本気で「サウンドノベル」である以上、その物語そのものが面白ければ意味がなくなるわけで、その上で評価すると微妙、という感じでした。物語の面白さそのものは、個人の感性に関わってくるので、あくまで好みの問題ですが。

ウマ編、ウシ編は、顔がそっくりな俳優とヤクザが間違われてという、よくあるドタバタ物で、しっかりオチもつくので物語としても面白かったですし、ゲームとしてもシンクロして楽しかったのですが、それを除くと、他のシナリオ半分以上、ダイエットするしないをひたすら眺めたり、頭のおかしい作家の妄想を眺めたり、自分探しの外人部隊の葛藤を眺めたりと、まあ正直それを五日間も引っ張られてもね、という感じでした。
おまけに基本的にどの話のオチも後味が悪いというか、爽快感が無いというか、放り投げっぱなしの感が強いので、どうしてもゲームをクリアして「面白かった」と素直に思えない印象が強かったです。

おまけシナリオも個人的には「何が楽しくて頭が沸いた男と地味な女の結婚サギ的な顛末を読まねばならんのだ」とうんざりしてしまいましたし、外人部隊の父親の話も「またこういう実は不器用な父親で、っていい話っぽくしようとする…」と遠い目になったので、純粋にこのシナリオ書いた方といまいち感性が合わなかったという話なのだと思います。

シナリオの好みは別としても、ゲーム性と言う面では明らかに低い(それぞれのシナリオに飛んだりしても、そこに偶然の必然性がない)ので、ある意味このソフトの完成形が『428』なのかなあ、と思いました。

個人的に、ウマ、ウシ編以外だと「できちゃった」の馬鹿馬鹿しさ加減は面白かったです。


『流行り神PORTABLE 警視庁怪異事件ファイル』
個人的にはイマイチ。
同じシナリオが選択肢によっては、科学的なルートか、オカルト的なルートに別れる仕様なのですが、結局どちらを選んでもオチは同じだったり、どちらのルートをクリアしても、不可解なことは残ったままだったりするので、結局「売り」なのはオカルトルートなんじゃん…とやっていて、ちょっと気持ちが盛り上がりませんでした。
せっかく、正反対なものを選んでいるのであれば、正反対のオチがつくくらいじゃないと。
あと、オカルト的なものを選んでも、科学的なものを選んでも、推理ロジックで「どちらとも取れる」とか平気で言っちゃうのもマイナス。どちらとも取れるなら、どちらでもいいだろ………。
しかも、隠しルートの最終話で、完全に東京魔人学園に突入してしまうので、「結局はオカルトなんじゃねえか」とげんなりしてしまいました。
だから、科学的ルートが添え物になっちゃったら、存在する意味ないんだってば。

元々、オカルト的なものに対して懐疑的なのではなく、興味がないので、ホラー要素も正直全く怖くないですし、ボリュームとしてもさしてないし、結局は選択肢があっても劇的な変化があるわけでもなく、話を読み進めるだけなので、ゲーム性も薄いです。
この手の、都市伝説的なちょっぴり怖い話? を純粋に楽しむ分にはお手軽でいいんじゃないでしょうか。
出てくるキャラクターは皆魅力的です。主人公のアニキがワイルド痩せぎすの大学講師のあまりに二枚目でびびった…。
個人的に可愛らしい小暮君と、胡散臭い道明寺君(正体不明)が一番好きです。
2は正直1がいまいちツボにはまらなかったので買わないと思うんですが、2でゆうかちゃんのビジュアルがあまりにあまりになっていたので余計に買う気が失せました。確かにやせててボーイッシュな子だったけど、あくまで可愛い女の子だから可愛かった(苦笑)のであって、完全に少年になっちゃったら意味ないんだってば…。
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