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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』感想その3

移植作品なのでネタバレには配慮しておりません。




そうこうしている間に、第八章突入し、眼前に広がる世界の広大さに唖然と立ち尽くしているところです。
おまけに、ちょうと世代交代で若者しかいないのに、こういう時に限ってレベル上げも人間関係もどうにもできないくらい、まっさらな大地が…(敵が何処を探してもいません)。

この後は、特筆するようなものもなくクリア。およそ55時間ほどでした。放置時間も含めますのでもっと短くてもクリアできると思いますが。
結局、八章のマップがメインになりますので、ゲームとしての面白さのピークも八章ですね。その後は、子作りレベル上げの繰り返しですし、サブイベントも強制ではないので正直見なくなってしまいました。見たとしてもこのゲームの印象が劇的に変わるものがあるわけでもなし。

そして、このゲーム何気にシステムが不便です。
まず、セーブが自由じゃない。指定された場所でないとできません。
これ、本当に辛くて章によってはマップ移動ゼロで、ダンジョン要素の強いものもあるわけです。入り口が章の始まりで出口にたどり着くと章が終わる、というような。そなると、セーブがその入り口でしかできない。
連戦の上にセーブもできず、死んだら最初からやり直し。死ぬのは実力不足だからやり直すのは致し方ないにしても、そのセーブの始まりが戦闘の始まりではなく、全く飛ばせないイベント会話だったりするのが、本気で苦痛でした。
ひたすらメッセージ速度が遅い上に強制も、既読もスキップがないってどういうことなんだよ………。

個人的には、ムービーだろうがスチルだろうが、こちらの自由意志でスキップが効かない機能は嫌いなので、その辺終始イライラしっぱなしでした。そんな仕様にしてくれなくたって、ゲームとして面白ければちゃんと飛ばさないで全部見ますよイベント!
予言の書が読まれるたびに、トイレ休憩でした私は。

物語と関係のない部分では、人間関係に頭を悩ませるのがほぼメインシステムなのに、その情報閲覧がやりづらい。親の名前とか、一番肝心なところが見えない上に、相関図がビー玉転がってるだけで、ほぼ意味不明。
キャンセルの配置もアレだし、装備変更も不便。自分が装備している品物の詳細がいちいち外さないとわからないってどういうことなのそれ。

時折起こるクエストは引き受けられる数が限られているのですが、どれかをキャンセルしようと思っても、制限日数しかわからない。問題はそのクエストの内容だろ?
そんなで、クエストも殆どやらなくなりました。やってもやらなくても自軍の戦力増強には大差ないしね。

メッセージスピードが最速でももっさり。音声飛ばせない。読み込みが場面展開の度に起こるので音声と文字がずれる。イベントスキップできない、既読、強制スキップきかない。

メインのキャラクターの葬式をやったのにも関わらず、その息子に「会いに行けばいい」とか言っちゃう(これは笑えた)。

とまあ、思いつくままに挙げてみましたが、これシステム本気でどうにかならなかったのか…。
途中まで子作りに必死であまり気にしてなかったんですが、スコンとやることがなくなると色々気になります。少なくともスムーズではないです。特に人間関係の相関図酷いですよ。あれ意味を成してない。


話としては…話別にないっつうか、これやっぱりお使いゲーというか、私のやっている子々孫々を残してユニットを鍛えるのを「楽しむ」ゲームなんだと思います。災厄のたびに強制イベントが起きますが、正直そんな大したもんじゃないです。
新しい仲間が加わるか、誰を外すかとか、そればかりが問題で別に話は…。なんちゅうこともなく…。
数年後とに起きると予言されている災厄を止める、というのがメインなのですが、結局やってる側として問題なのは、「五年後に起こる災厄が一体何か」ではなく「自軍を育てるまでのタイムリミットが五年」というところに集約されてしまうことなんですね。
だってどんな災厄が起きようが、たどり着く先は「何年間の間に育てたユニットで敵を撃破する」っていう一つしかないわけで。
時折村を訪れると、強制的にイベントが起きたりするんですが、うーん、こう、プレイヤーの視点が物語じゃない方向に向いていると、とってつけたような人間模様に入り込めないというか…。その結果自軍に入団したとしても、別段使えなかったりすると意味ないし。

八章に入る前の強制的に進むイベントとか、初期の軍団作りましょうレベルのほうが話としてはまとまりがありました。最終回に向けて失速する感じです、物語は。

戦闘も、メンバーから外せない強制ユニットがねえ、フリーは最強だったんですけど、アレフとかレオとかユニとかその辺が使えなくて…。使えない上に外せないんでお蔭様でせっかく生まれた子供たちを泣く泣く切るという…。勘弁して。
ただ、その頭を悩ませる個性的な戦闘とか、子作りシステムは非常に楽しいです。
弱い奴ばっかりでも、その敵の個性が「リーダーを狙う」だと、主人公だけを狙ってくるのでユニットの弱さ関係ないとか、敵の特性、味方の特性を生かした戦闘で頭を悩ませるのが楽しいです。勿論完全無欠のパーティーならそんなことないんでしょうけど、世代交代がある上に、一度にストック(笑)できる子供の数が限られているので、どうしても穴は出ます。結婚しても子作りストックの空きがなくて子供ないとかね。

逆にそれらの子々孫々を作ったところで、別にイベントも何もないので別にやらなきゃやらないでクリアできると思います。
最終章は特に子供を作る必要性が全くなくなる(タイムリミットまでに如何に既存メンバーをピークに持っていくかだけを気にしていればいい)ので、凄く楽でした。ラスボスも瞬殺でしたし。

登場人物に関してはうーん可もなく不可もなく。特別思い入れができるほどのキャラはいません。イベントあってすぐ入団してすぐ使わなくなっちゃう(弱いから)という流れが殆どなので。強制入団、強制退場ならいいんですけど、強制入場、自由退団だともう、後者の思い入れなくなっちゃいますよね。

序盤はシステムや、戦闘が楽しくて非常に面白かったのですが、中盤から終盤にかけて中だるみ、システム面での不親切さも相まって失速した印象の強いゲームでした。物語のアレコレ考えず戦闘だけに特化したり、逆にサブイベント全部制覇(物語とは全く関係がない)したいな、と思えばやりごたえは充分だと思います。
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『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』感想その2

移植作品なのでネタバレには配慮しておりません。




第四章で、すっかり四捨五入すれば三十歳になったフリーの大人っぷりが見違えるようです。大体攻撃力一番強いしね。主人公超えて最強の座に。
上から目線の女神様の正体もバレたところで、ブラッドの不老不死の秘密も明らかになりますが、「予言を止めるために貴方の三百年はあった」とか言われちゃうと、「いや、それどうなん」と言いたくなりました。
ちなみに、元々若めのパーティーを組んでいたんですが、今いる連中が年齢関係なく攻撃力が低い奴らばかりなので困りものです。
ブラッドと、フリーと、もう一人の始めのターンでやれなければすべてがやばいという(笑)
かといって、防御力のある奴とか、HPが高いユニット(職業)がいないのがなんとも…。あの吟遊詩人(冒険者)と、侍のHPの低さはなんですか。魔女にも負けてるっつーねん。
第五章に入り、新しい街で、露出狂のヴィヴィに出会います。女神といい、やたらにセクシーな衣装流行ってるんでしょうか。
このゲームキャラデザがうすぼんやりと怖い(全体的に細くて顔色悪くてデフォルメが妙な方向に効いてるというか)ので、別にエロくもなんともないんですが…。
ここでやっと、待望の子作りシステムが! ヤッホイ!
FE聖戦でも、どれだけ脳みそを費やしたか俺の子作り!(笑)
まあ、このゲームは子供よりもその場のパーティーの強さ優先なので、上手くいくかはちょっと不安なのですが…。すぐに入れ替えしちゃうからな、私。
説明も読んだんですがこの親密度の上げ方がいまいちわかっておりません。
せっかくクノイチとサムライがいるから、カップリングにしようと思ったのに、いつの間にかクノイチはFFの黒魔道士みたいな幻術士と結婚して、サムライは騎士と固い友情を結んでしまいましたよ。
なんのこっちゃいな。
ただこの二組が偶然上手くいっただけのようで、それ以外の人間関係はうんともすんとも動きません。
おかしいなあ。何がいけないのだろう(世界の終末そっちのけでパーティーメンバーに四苦八苦する団長)


災厄を防ぐと章が進むというシステムで、第六章まで進んだのですが、正直、パーティーメンバーの人間関係にばかり気が向いていて魔物討伐は二の次です。
知らない間に章が進んでる、という感じでもうこっちは魔術師と、巫女をどうやってくっつけるかとか! ヴァルキリーと戦士が一回隣り合っただけなのに結婚まで発展しちゃったよとか! 気になることが多すぎてああもう!
これどうも、親密度が上がる要因がよくわからないんですよね。横並びも縦並び(基本的に戦闘時の関わり方で親密度が上がります)でも上がるらしいんだけど、横並びの方が上げ幅が大きいのか…? でもかかわりってやっぱり縦並びでのフォローがメインだからなあ…。

最近、超主戦力だったフリーが、ピーク時を残していきなり脱退(悲鳴)して、若い子がちっとも酒場に来てくれない(ピークを過ぎているのに来てる奴らとかなんぞいらんわ)ので、ちょっとパーティーの10年後が怪しくなってきました。おまけに、子育てを考えると、衰退期に入ると子供が生まれなくなるので、そこまでの成長期、ピーク時がどれだけ長いか、がますます勝負になってまいりました。
以前は、衰退期に入ったら二軍の掟がありましたが、現在では、子供三人生んだら二軍(最大数)という掟も追加されました。
ああ、フリー…! 女神じゃなくたって後十年も最盛期があったのに! と言いたくもなりますよ!

別に無理やり結婚しなくたっていいんですが、同姓で友情結んじゃうとそれっきりですしねえ。いえ、実際友情関係になった方が、ダメージが桁違いな召還獣が生まれるので戦力的にはそっちのほうが助かるんですが。

今とにかく、パーティーの人間関係しか頭にありません。魔物退治は二の次です。大体、女神が「アレは臆病だから要らない」とか言ってきたってそれこそ、それまで預言書に書いてあるんですか?  と言いたくなっちゃうし、夫婦の片方が弱いから脱退させて、もう一人を使うったってもう一人が気力が萎えちゃって結果的に役に立たなくなったら意味ないじゃんとか、まあ基本的に理不尽なことばかり言ってくるので、どうでもいい感じです。今の私の頭の中には、仲人と子作りの二つしかない…。


『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』感想その1

移植作品なのでネタバレには配慮しておりません。




現在、第三章まで。
一、二章はインターミッションみたいなものなので、実質フリーウェイに歩き回れる(笑)のはここからが本番、ってところでしょうか。
とにかく、マップ画面で一ミリ移動するだけで、ドカドカドカッ! と日数が減るので戦々恐々です。岩とか林につっかかって何百日単位で一年が過ぎた時には思わず悲鳴。
寿命がそれぞれのユニットに存在していて、若い頃、青年期、もう駄目期という三段階にわかれているため、ブラッド・井原・ボアル軍ではもう駄目期(老年期)に入ると速攻二軍落ちという鉄の掟が存在しております。
戦闘システムがほぼ自動で、こちらは見ているだけ。
最初の編成ですべてが決まってしまうゲームなので、慣れるまで多少時間がかかるかもしれません。未だによくわかってないというせいもありますが…。自由度がありそうに見えて、HPが低い奴を背後にいるユニットがそれぞれの特徴に合わせて守る、っていうのが基本編成なので、実際ユニットの配置そのものはあまり代わり映えしないような気がするんですが。
致し方ないです。HP低い奴は本当に低くて、普通に一撃当たると死ぬし、かといって回復役は必須だし、回復がいらないユニットばかりをそろえたとしても、来年はもう死ぬとか、そんななので、必然的にローテーションと編成に頭を悩ませる時間が八割、というデキになっております。この辺、確かに人を選びそうではありますが、戦闘ユニットが固定じゃない分、それぞれのユニットに思い入れができるエピソードが「ない」(仲間は基本的に酒場に勝手に集まってきます)ので、私は逆に楽しめている感じです。

一、二章で一緒だった初期の山賊団メンバーは、固定グラフィックがあって物語にも多少絡んできますが、あくまで多少ですし、彼らにも当然寿命が存在するのでいついなくなってもいい心構えだけはしておこうかと。多分、もういなくなる…。

突然現れるわりには常にそばにいる不死身のブラッド団長に、厳しいことを言ってくるストーカー女性は、偉そうを通り越してあまりに唐突なので、こう、銀行のATMの一方的な会話を思い出してしまいました。
「通帳をおとりください」「カードをおとりください」「現金をおとりください」みたいな(笑)これが敬語じゃない、っていうだけの話です。

物語としては、女の人が世界が滅ぶから頑張れ、と言って来ているだけの段階なので今のところ不明。
ブラッド団長の、三百何歳という年齢表記だけが謎ですが、特別説明もなく。
しかし、このゴーレム山賊団、村に住んでいて昼行灯と呼ばれていて特別役にも立っていなかった集団らしいのですが、何故山賊団なのかこれが一番不明です。山賊…の定義ってなんだっけか…。(意味・山の中を本拠地にして通行人を襲う盗賊)

キャラクターとしてはフリーが地味に強いのでひいき。ユニットグラフィックも、ひょろっと背が高くて萌えます。それになんてったって弓兵ですから!(鼻息)
ウォルラスとの師弟関係いいんですが、どうやって僧侶と弓兵が手合わせしているのかは謎。
あと、ガレフとリリーの甘酸っぱさには悶絶。そりゃあ、最初はちょっと陰のある二枚目団長にクラっとくるかもしれないけれど、結局いつもそばにいて気を遣ってくれる優しい同僚が本星にならあな!(ムードのカケラもない)
ガレフ「川の水は冷たい。手が荒れるから軟膏をぬっておけ」
リリー「大丈夫よ。慣れてるから」
ガレフ「軟膏を塗っておけ」
の会話で悶絶しました。親切なんだけど男らしい(若干上から目線)というシチュエーションは萌えますねえ!
結果的に、二人は結ばれる(子供の名前はコレか)んですが、その前の、リリーがブラッドを吹っ切る台詞が凄い。

「ブラッド…私、歳を取ったわ」

あばばばばばばばばばばばば!

お、重ッ! 重い!
実際その時点でリリーは29歳とかなので、歳? と私から見るといいたくもなるのですが、女の人がこういう事を口に出したらそれはもう、最終宣告ですよね。

そして、老兵は去り若者が生まれる、と。


ネタバレ要素ありますので、自己責任において閲覧ください。














『逆転検事2』感想

クリアしました。結構、いやかなりのボリュームがあって満足です。大変面白かったです。
一作目はどうしてもこちらも、逆転裁判のノリを期待しますし、作り手側もそれをふまえての部分が多かったせいか、却って作品の印象が散漫になっていたような気がしましたが、今作に関しては非常に硬派な推理ゲームと言う印象が強かったです。

基本的に、私はまず主人公である御剣に特別萌えない(笑)上に、出てくる人物にも萌えをあまり感じなかったので、そのせいもあって推理や物語、ゲームの作りそのものに集中して遊べました。萌えの部分で上手くひっかかれば、よりいっそう楽しめる作品だと思います。


システムに関しては、相変わらず既読スキップがセーブしないときかないとか、基本的なメッセージスピードが遅いとか、まあ毎回どうして改善してくれないのかと思える部分はほったらかしです。
特に今回は、話運びが「ん?」というものが結構多くて、バックログはぜひとも実装してもらいたかったとことなのですが、それもなし。
うーん、確かに与えられた会話が、こちらの選択肢によって枝分かれしてしまう仕様はバックログしづらいのかもしれませんが、私は一回文章を読んだだけではわからず、しかも、DSの小さな台詞ウィンドウ表示のため「…文章の意味がわからないけどこの前でなんて言ってたんだっけ」というところが、場面によってはかなりあったので、バックログがないのはかなりの苦行でした。中断ではなく、章の始めからやり直しましたよ。


新しいシステム、ロジックチェスは、証拠を集める必要もなく、総当りでそのパート『だけ』で完結できるものなので、さして難易度には関わってこないと思います。やってみてこの選択肢が駄目だったから次ーという軽いノリでできるというか。失敗したところで別にゲームオーバーじゃありませんしね。
しかも、事件に関係している「新事実を明らかにする」んじゃなくて、相手の会話を上手く続けされるっていうスタンスなので、ただのロジックほどは難しくないと思います。


キャラクターに関しては、レギュラーメンバーは御剣以外ほぼ空気です。
ミクモちゃんは…なんだろう、ぬすみちゃんっていう過去の舞台を再現できるシステムのために存在しているとしか。
イトノコは自立しましたけどね!(笑) カッコよかったですが、イトノコがかっこいいのは元々(笑)なので、驚くに値しませんでした。ノコちゃんは前作だって、裁判シリーズだってカッコよかった!

一応御剣の行動理念に関わってきたりするのかもしれませんが、御剣と言うキャラクターが基本的に、自分の指針は自分で決めるスタンスの人間なので、どれだけ「影響された」といってもたかが知れている感じです。この、自分の主義主張って御剣だけがわりと自分の中で重要視している感じで、他のキャラクターたちもそれぞれ自己完結している人間の集まり(このゲームでは)なのが、わりと顕著な感じでした。
逆にそれが、出てくる人物の平均年齢が非常に高い、ってところも相まって、硬派な印象を受けました。御剣も四捨五入すれば三十歳だしね。

各々独立採算制のスタンス(笑)でかつ、「自分の主張は自分でする」っていう会話運びだと、あまり会話の掛け合いの楽しさっていうのは生まれないので、その辺の楽しさは今回あまり個人的には求めませんでした。気にならないというか、それこそ抜群のテキスト能力(製作者側の)を楽しむゲームでは「もうない」と個人的には思っているので。

イトノコ刑事とか、メイちゃんとか、必ず出演してくるお決まりキャラクターたちも、これもかなり個性が確立されているので、いるだけで非常にいい意味で安定感。悪い意味でもう新たな面が見えないという、印籠パターンに入っているので、逆に物語を純粋に楽しむことができました。今回は、もうキャラ萌えとかどうでもいい感じです私は。


どうでもいいとか言っておきながら、新規参入キャラに関しては、シガラキさんが滅多やたらに渋いのはそりゃ倒れました。声も渋けりゃアクションも渋い。地味に茶系のシャツに水色のネクタイというファッションセンスに超萌えました。なんなんだよあのオッサン…!
御剣は生まれてこの方非常に上司に恵まれていない(笑)ので、自分よりも目上の立場で尊敬できる人間がいたってことがもう驚きです。上の人間は犯罪者か、同年代では青いギザギザとうさんくさい絵描きとしか交流を深めていられないし。

シガラキさんがまた人間的にとてもできておる哉…であって、若い頃は御剣のお父さんと一緒に懸命に働いて、そして御剣がある意味父親から離反した後も、事務所を、御剣が「帰ってこられる場所」をずっと守っていたのかと思うと、なんだか涙が出そうです。
何をしても受け入れるのではなく、御剣がこの場所を「思い出すか」見守っている風なのがたまりません。
シガラキさんは盲目な人間ではないので、御剣が道を踏み外したのを勿論「良し」とはしていないけれど、御剣の生き様や主張を見て、ちゃんと、「わかってくれる」っていう、ひっじょうに大人な人間なのです。
多分今までのシリーズにこんな大人いなかった。(いたけどいなくなっちゃう。苦笑)

それだけに、あまりゲーム内容そのものに関わってこなかったのが残念…というか、遊んでいる方の十中八九は、いつシガラキさんがあんなことやこんなことになっちゃうのか戦々恐々だったと思います。
実際シガラキさんがどうなっちゃうのかは、それぞれお確かめください(笑)。


後は新キャラでレギュラーになりそうな、イチリュウ君は個人的に大変可愛かったです。いやあ、年取ってきてこういうキャラクターに体性がついたんでしょうか。というよりも、水鏡裁判長が言った通りに、彼は仕事に対して前向きでちゃんと仕事をやろうっていう意識があるからだと思います。仕事に手を抜こうとか、そういう意識がないのであれば、多少天然であってもわりと微笑ましく見られるというか…如何にも小物臭が漂っていたので、生暖かく見守れたというか…。イチリュウ君は、それこそ文字通り最初から最後までちゃんと頑張っていたので、個人的には好きなキャラクターです。

さて、肝とも呼べる水鏡さんですが、大した印象を受けないまま終わりました。最終章で印象変わるかなあと思ったんですが、そんなこともなく。大体この人、序盤から別段御剣の敵でもなんでもないので、なんつうか特別感銘を受ける受けないっていう立場の人間じゃないんですよね。それこそ、弁護士に敵対する検事、っていう位置づけでもありませんし。
鎚を振りかぶるモーションがカッコよくてそれは好きでした。まあ、いい人だったねっていう感じでしょうか。それほど個性がぶっ飛んでいるわけでもないですし。


シリーズ共通のキャラクターも出てきて、それも凄く楽しかったです。
個人的に、ニボシさんがまた出てきてくれたのが嬉しい(笑)彼、普通にいい人なので。
そして、まさかの裁判シリーズ最初の犯人までもが!(爆笑)相変わらずで安心しました。
コロシヤさんは…第一章のスチルがあまりにかっこいいので悲鳴を上げました。あの人の年齢設定いくつなんですが…。六十歳とかじゃないんですかあのスタイルのよさなんなの…! まあコロシヤさんはいついかなる時もラスボス扱いと言うか、絶対に誰にも捕まらない不変の存在なので、年齢不詳くらいでちょうどいいのかもしれませんね。ひたすらかっこいいです。
しかし私、御剣が「私が捕まえた盲目の…」とか言い出したとき、本気で、「ゴドー!?」と思ってしまいました。いえ、別にゴドーは盲目じゃないし…大体、あのポジションをゴドーさんがやるわけはないんですけども、錯乱してしまいましたよかなり…。だって刑務所内でそういうこと言うからさあ!(この段階ではゴドーの事件はまだなのかな? 時間軸がちょっとわからないです)


というか今回やたらに、サブキャラのカップリング要素強いと思いませんか!(鼻息)
私、シガラキさんだってあのケーキ作りの助手さんと一瞬カップルなのかと思いましたよ! イトメイは当然だとしても、シモン君と撮影所のお姉さんとか、大統領とか、サブキャラの妙なカップリング臭が超気になる! 関わってこないのは御剣だけ!(笑)
ちなみにミクモちゃんは、もにゃもにゃの状態(ネタバレ)であれば、ギリギリで御剣とカップリングいけるかな、と思いました。通常運転だと駄目だあの二人は。
冷静に考えると、水鏡さんとゴーグルの人も結構なカップリング要素だよなあ。
そういう意味では、逆に誰とも要素が薄いイチリュウ君は偉いと思いました。そういう意味でも君はキャラが立ってる。


そして、ここにきて私的鉄の掟が今回も作動してしまいました。好みの顔の男が必ず死ぬ…(苦笑)。
私、(反転)内藤のルックス好きだったんですよね…。せめて…せめてあそこまで壮絶な人生を送った人間にはちょっと幸せになってもらいたかったなあ…。もう一人がそれなりに幸せ(と言うか少なくとも寄る辺はあったわけで)なのに、内藤がちょっと可哀相すぎるだろ…。なんだよあの死に様…。特に、通信チェスで「これで決まりだ!」とか嬉しそうに書き込んでいる字を思い出してマジ泣きしそうになりましたよ。(反転終了)


いわゆる悪役ポジションは、最終章の悪役はまあそれなりに。
その前の相手が、本当にもう、何を言っているのかよくわからなかったので、最終章のすっきりとしたまとまり加減がむしろさわやかにすら思えました。


さて、ゲームの肝である、会話の矛盾をつきつけろ、っていうシステムは勿論今回も健在で、それによって相手を叩きのめしていくんですが、今回、第四話、そして第三話の後半などが非常にキツかったです。
なんていうか、矛盾にこちらが「気づけない」とか、気づいても「突きつける事柄がわからない」っていうのは、推理ゲームに置いて特別価値を下げる要因にはならないわけです。自分の脳の働きが悪いだけ、っていうことですし、逆にわからないからこそ「そうだったのか!」っていう知る驚きが味わえるわけですから、わかるだけが面白さではない。勿論、わかっても面白いわけですけど。

ところが、四章の後半って自分が一体何を証明して、何を論破しようとしているのかよくわかんなくなってきちゃうんですよね、やってて。これが、前述したバックログ欲しいな部分でもあったんですが、大体まず、因縁つけてくる相手(笑)が初手から「これはどうでもいいんだよ。とにかく有罪。理由なんか要らないはいはい」っていうスタンスなもんですから、それに一体どう筋の通ったツッコミしろっていうのと、やっていてすべてにおいてつっこみの爽快感に欠けてしまうんですよね。

そして文章運びというか、文章とこちら側の「知りたいことの軋轢」というか、例えば、
・凶器の矛盾を暴こう!
・あの凶器は違う!
・そう、犯人は犯行時間いなかった!
・あれ!? 凶器の話してたんじゃなかったっけ!?
という、こっちが言われて(指定されて)必死でつきつけた矛盾から導き出される答えが、なんかこう、全部予想外だったんですよね。嬉しい予想外じゃなくって、「ええ!? 今その話してたっけ!?」というか。

これ、要するに「凶器の矛盾を暴け!」と初めから「指示されていなければ」違和感を感じないのかもしれませんが、某かを暴きなさいって、ヒントでも指示されちゃっているのに、実際暴く部分は違うし、暴かれた後のリアクションも「今その話必要!? というか凶器の話は!?」っていうものが多かったのが、凄く文章としてひっかかりました。

「御剣と相手はわかっている」から、文章として省略して(結果として導き出された答えは別に「間違っている」わけではないので)正しい答えにたどり着いたとしても、その省略しちゃっている部分が一番こちらとしてはちゃんと説明してもらいたいところであったという、理解力不足というよりは、互いの理解力がすれ違っている印象が凄く強かったです。


推理物によくある(このシリーズでは結構前から何度も言っている)「この矛盾でこの証拠品じゃどうして駄目なの?」的なものならまだ、その場だけの疑問ですむのですが、ここまで「いや、それ聞かれてたの!?」だと、ちょっとやっていて辛かったです。

具体的に言ってしまば、(反転) 第四章の後半、「事件直後の被害者に息があった証拠」を現すのに、「赤いレインコート」ってこれ質問の仕方がおかしいよね。 だってこれで結果わかる事って、別に屋上まで生きていた事がわかる、んじゃなくって、キズのついた順番がわかるのであって、結局水鏡の質問というか、御剣が「生きていた証拠を提示しなければ…」っていう質問そのものがおかしくなるし。
これ、ミスリードにしては酷すぎるんじゃないかなあ。明らかに、質問とは関係のない答えで煙に巻いてる。
で、結局御剣が出す結論って、「息があった証拠」じゃなくって、「検視結果のキズのついた順番が違う」とか言い出しちゃうので、こっちが一生懸命「息があった証拠」を考えていてバカみたいと思ってしまうのですよ。
実際私は「頭のキズが先」っていう御剣の唐突発現も、すんごい「何でそうなるんだ…?」と随分悩んで、結局やり直したんですが。
多分、あの後姿で既に手に血がついているんだけど、その時点では胸を刺されていない(その時にレインコートを「ボタンを開けて着ていた」らどうすんだとは思いましたが)んだから、頭のキズが先っていう結論なんだろうと思うんですが、それ御剣がゲーム中で一切説明してくれないんだよね…
(反転終了)


もう一つは、これ三章とか二章でも実はちょっと思ったんですけど、会話や捜査においてわかったことを解決する順番の相違というか。
随分前からわかっていることがあるのに、それをほったらかして、違う事実を結局見つけて何故かその後わかっていたことを解決しようとするとか。これ、前作のバベルインクの時とかもあったなあ。

前述の「文章運び」もそうなんですが、
・凶器の血について説明するから!
・なるほど、そうだったのか! じゃあその血は…
・で、次は死体について!
・え!? さっきわかった血については!? ま、まあそういうなら死体について…。
・死体についてわかった!  じゃ、次はアリバイ! 状況!
・…結局何について調べてたんだっけ………?

という、次々にわかること、新しいことを表示する順番がチグハグっていうか。結局こっちは何がわかって何が解決されて、何が残っているのか順序良く理解できないっていうか。
こっちとしては「おかしいな?」と思える謎ほったらかし、っていうのも結構ありました。
御剣自身が(反転)第三章のノミとか「看守がそのノミを見て勘違いして殺人を犯した」っていうところまで解明するのに、肝心の、「そのノミ結局本来何の目的でそこにあったの?」っていうのは素通りとかね。それはまあ、最終章で明らかになるったらなるんですけど、それは、あくまで最終章まで進まなきゃわからないわけですから、その「三章の事件」で放置していい部分ではないよなあ。せめて、実際このノミは…? っていう謎提起があったわけではないんだし。(反転終了)


今回は、推理云々と言うより、その推理にたどり着くまでの文章力が、ゲームの難易度を上げようとして文章そのものが「わかりづらい」という部分だけが特に残念でした。
それさえなければ、キャラクターの役割もはっきりしていたし、御剣のスタンスも明らかになって、推理物としてはかなり珠玉のデキだと思うのですが。 特に、あの謎を知りたいとか、お得意の最初から最後に至るまでの、物語の収束は非常に爽快感がありましたし、キャラクターだって基本的に出てくる人物全員魅力的ですよ。テンカイチさんとか若くても年取っててもかっこよすぎるだろ(笑)

第一作目はそれなりに不安なできでしたが、第二作目で、確固たる推理ゲームとして確立して、いい進化を遂げたシリーズだと思います。多分、次で終わりだと思うんですが(誰かがグレる寸前らしいし。笑)そちらも期待です。


ちなみに私、なるほどはちゃんと見つけました(笑)偶然ですけど、やっぱりいると嬉しいですね。ちゃんと奴らしいことしてましたし。
そして、御剣の俺俺主張(笑)を見るたびに、なるほどの全く俺主張しないスタンスは異色だったんだなあとしみじみ思いました。なるほどは、実際「全く笑わない」っていう、完全無欠に鉄壁な奴だったんだよなあ…。



『ラジアント・ヒストリア』公式サイト

久しぶりに純然たるRPGをやった、という印象でした。
システムもシナリオも音楽も非常に硬派で、そういう意味で遊びとかゆとりとかがない作品なので、逆に今の流行であるあふれる心理描写が好みの方は辛いかもしれませんが、個人的には大満足です。

・システム
基本的なRPGなので、アイテムや会話などは問題なし。DSソフトですがタッチペンは一回も使わずにクリアできましたし、我慢して使う必要もありません。
戦闘に関してですが、敵が常に横スクロールの状態で、9マスの上に点在して出現します。それを、例えば後ろに追いやるとダメージが減ったり、あらかじめ罠を仕掛けておいた場所に敵を誘導したりして、殲滅するというのがいわゆる戦略的に頭を使うところです。
ただこの設定、生きてくるのがほぼ後半になってからなんですね。
まず序盤は戦闘固定メンバーで、マスメを活用できるほど自分のスキルがない。スキルがない上にこのゲーム回復手段が殆どないアイテム食いゲーですので、正直攻撃にスキルポイント割くなら、回復に使うよという始末。

おまけに攻撃も敵に三人連続で攻撃をし、例えば二人目で死んだとしても、三人目は同じ敵に攻撃をします。その分、コンボが繋がってダメージ倍増(もらえるお金が多少増える)するんですが、これ初めて見た時は「すげー。FC時代のDQ3みたい」と本気で思いました。普通に死ねば次に勝手に三人目は攻撃してくれるのかと…。
その代わり、オート戦闘にすると二人目で倒れた次は、他の残存している敵に三人目は攻撃してくれるので、序盤はオート戦闘が楽かもしれません。
状態変化攻撃(毒とか)もかなり便利ですが、たとえ毒の自動ダメージで致死ダメージを与えたとしても、敵は死なないので、その辺の謎仕様も要注意で。誰か人物が止めを刺さないと敵は絶対に倒れません。

これがスキルがそろってくる後半になると、自軍の行動パターンを移動させて(チェンジというコマンドでパーティー内の行動順を変更できる)戦略を駆使する楽しみができあがるので、中々やりがいがあって面白いです。
1・格闘→2・魔法
みたいなキャラの順番だったのを、チェンジで逆にして、
1・魔法(罠)→2・格闘(で罠にすっ飛ばす)
とか、単純にいけばこういうことですが、これは通常に攻撃するよりもかなり大きいダメージが与えられます。
パーティーメンバーがそろったり、スキルが揃うまで戦闘は我慢の子で進みましょう。

戦闘システムとは違いますが、このRPG回復手段が非常にシビアで、強制的に連戦とかザラにあります。この場合、バトルが連続して続くのではなく、特定の目的地に向かう過程に足を踏み入れると、Uターンできない仕様だったりするんですね。そうなると結構普通に死ねます。回復アイテム、特に状態変化回復アイテムはがっつり買っておきましょう。相手にも毒のダメージはでかく効きますが、こっちも同じです。

・グラフィック
おにゃのこのキャラデザがやっためたらに可愛いです。
というか、おとこのこも可愛いです。
つうか、出てくる人物ほぼ全員可愛いです。
なんてこったい。
こにしひろしさん、という方らしいんですが私、プリメの人なのかとずっと思ってました…。
まあそんくらい出てくるキャラ全員可愛いです。
おっさんも可愛いんですが、これは外見が可愛いというよりは、おっさんたちの性格設定がむやみやたらに可愛いので、アリだと思います。いやあ、眼福。
私はロリショタ系の絵柄は正直苦手なのですが、このゲームは全くそういう印象じゃありません。どちらかといえば民族デザインぽいというか。クロノクロスを現代風にアレンジしてあるというか。クセがある感じですが実際ゲームの内容もなんちゃって中世みたいな剣と魔法と獣の世界なので、この辺の否リアルさのほうが入り込みやすいと思います。
女子は当然全員ハイレグ仕様ですが、何か? というか。

マップや戦闘時はごくごく普通なDSレベルでしょうか。ただ、このゲームマップや街中が何故か非常に広いというか、「ひらけている」ので結構迷います。こう細い道が何本にも分かれていて迷いやすい、というのではなく、ただ全面がつかめないのにだだっ広い荒野が続く、という作りが多くてこちらの方が図として迷いやすいです。


・物語
要するにタイムパラドックス物というか、時間を行き来して最良の未来のために主人公が頑張る、という話なんですが、これすんごく面白いんですが途中で完全完璧に自分がなにをしているのかわからなくなります。
例えばコレが、一本軸の時間の中で、
・親は三年前に死んだので、遺産のありかがわからない。
・親が生きている時代まで戻って遺産のありかを知る。
・現代に戻って遺産を得る。
なら自分が「どんな立場」にいて、「何をしようとしている」のか別に迷わないんですが、このゲーム完璧に違う二つの平行世界を行き来しなければならず、しかもその行き来も「強制的」なものと、そうでないものがあるので、もうこの時点で自分が「どちら側」の何をしようとしてここにいるんだっけ、そして自分を取り巻くキャラクターは、「この世界ではどういうポジションなんだっけ」というのが、本気で理解できません。
物語の概要というか、自分の足跡みたいなものはちゃんとコマンドで確認できるのですが、それはあくまであらすじ程度のものしか書いていないので、それを見たところで正直「そうだったっけか」くらいにしか思えません。

この辺の自分や周囲が「今どうだったか」というのは、なにせ、世界が分かれているだけで、出てくる人物出てくる場所出てくる事柄同じなものですから、余計に混乱します。初っ端で、主人公が二つの世界を作り出す分岐があるんですが、別れても別に登場人物が劇的に変わる(例えば死ぬとか、顔かたちは同じでも違う人になって出てくる)ということはないので、私は最終的にその辺を理解するのは諦めました。

混乱に陥りがちになるのは、主人公はそのワールドスリップに慣れちゃってる(笑)ので、別に
「あっちの世界ではああだったけど、こっちの世界ではああなんだな」
みたいなリアクション、殆どしないんですよね。
すんごいたまにしてくれますが、個人的には毎回してもらってもいいくらいですよ(苦笑)

かつこのRPG、時代、世界によって移動できる場所や、戦えるメンバーが決められていますので、ほいほいワープもできないのです。
いや、したっていいんですけど、してみたら「あの場所に行けるけどあいつがいない」とか「あいつはいるし、あの場所にもいけるけど、時間がかかる」というようなワープの便利さがカケラもないので、こっちは一番いいポイントを見つけるために、時空を右往左往するはめになります。
後述になってしまいましたが、このワープも、あらかじめ指定された場所(時間)にしか飛べません。
どれだけこっちが「いや、この後二つ目のエピソードに戻りたいんだよ」と思っても、そこにポイントがなければ、二つ前の「ワープできるポイント」に飛んで、そこからそれこそ、延々ダンジョンを抜けて進まなければならないのです。

ある意味自由のきかなさがリアルともいえますが、このゲームサブクエストの数が半端じゃないので、そのために二つの世界の様々な時間にワープを繰り返していると、そりゃもう本筋なんだったかなんて忘却の彼方ですよ。

サブクエストを追いかけないとしても、結構行き来がありますし、これRPGの弊害として、物語を読むよりも戦闘や移動にかけるシーンの方がはるかに「長い」わけですから、
・物語(5分)→レベル上げなどの戦闘(5時間)→物語(五分) ☆ワープの必要アリ
・物語(5分)→レベル上げなどの戦闘(5時間)→物語(五分) ★ワーして一つ目の世界に戻る
なんて順番でストレートに進んだとしても、飛ぶきっかけになった出来事なんて、十時間前とかになっちゃうわけです。
そら覚えてませんよね。
サブキャラなんて尚更ですよ。私知らない間に死んでたとか、「あいつ出てこないけど、もう死んだんだっけ? これから出てくるんだっけ?」とか思いながらよく進んでました。

この辺、主人公が時空を正すという絶対使命の元に動いているから致し方ないんですが、せめて外見で特徴を変えてもらえるとか、そういうぱっと見でわかりやすい配慮があったら、もっと良かったのになあと思います。
同じ人が同じ格好で同じような事をしていると、せっかくの世界が二つ設定が勿体無いような気がするんですよね。


このあたりは、私の脳髄が働いていないかもしれないだけなので、根本的な物語の面白さはかなりのものです。
やはり、タイム・ワールドスリップの面白さである、「こっちの世界では駄目だったけれどあっちの世界では上手くいく」「過去に、未来に戻ってやり直す」っていうのは、やっていて楽しいですし。新たな課題のようなものが出されれば「おっけー! すぐ過去に戻ってあいつを止めるよ!」とか気づく喜びと、結果として「よし! いい方向に未来が進んだよ!」っていう二度喜びが味わえますしね。

物語も結構骨太です。というか暗い。
主人公が異端であるというのは、時空を行き来できる能力を持つというだけで「何かあるな」臭プンプンなのですが、特定のキャラクターが見せるリアクションが徹頭徹尾明るくないので、やっていて未来が想像できるのが辛くなります。

このゲーム基本的に「子供」はいません。精神的な自立を主体とした話じゃありませんし、色恋の話でも全くありません。サブキャラにあることはありますが、あくまでサブであって別にメインでもなんでもないし。

じゃあ何かっていうと、結局は国家間の争いに介入していく話なんですね。
主人公は特殊能力を使って、自国のために戦う。
勿論それは勝利を得るためであってそこには当然犠牲もある。
そして国のために戦っていても国は腐敗し主人公の本来の目的「世界を正しい歴史に導く」という主題からはずれてしまう。
そこで主人公は決断しなければならないわけです。国を捨てて世界を救うために。
その後も別に主人公がびっくり能力で直接的に世界を救うわけではなく、国という枠組みから抜け出した主人公が、世界の再生のために活動する人物と行動を共にして、やはり国同士の争いを止めるために活動していく。
終始、変な特定の超能力者が、超能力バトルを繰り広げるのではなく、あくまで主人公は「戦乱が続けば世界は滅びる」という確固たる一念で戦い続けていて、そのために行動しています。だから同行者のために新たな国へ同盟をお願いしたり、それこそ、腐敗している政府の要人を暗殺しに行ったりとか、そういう「争い」の話なのです。
主人公は時空を超えられますが、これはいってしまえば「システム的」なものであって、主人公そのものは自分の正体に思い悩む事は殆どないし、周囲に関心を向けることもあまりありません。心理描写は極力カットされていて、これはサブキャラも同じで、この辺の個人の感情の省き方が「歴史」物として非常にデキが良かったと思います。
大体において、時空を飛び越えられるのは主人公だけなので、それ以外のパーティーメンバーや首脳陣は、それぞれにそれぞれの世界で懸命に生きているだけなのです。だから主人公が異能であることは、それらにおいて全く問題にならない。なるのは、如何にして勝つか、逃げるか、っていうことだけで突破口を開くのは主人公であっても、各自それぞれやれることをちゃんとやっている、大人たちの物語という感じでした。

極力心理描写が少ないのは、多分主人公だけが無口無愛想だと差しさわりがある(苦笑)からっていうのもあるんでしょうが、それ以上に精神年齢が全員大人だから、っていうのはあるでしょうね。通常メンバーの二人も事実上傭兵から暗殺まで請け負ういわば「プロ」ですし、その後仲間になる王女様もやるべきことをやる大人だし、主人公の友人も仲間になる獣人も、それぞれ抱えるものがあるれっきとした「大人」です。遊び半分で渡り歩いているわけではないし、だからこそ、余分は感情いらねえのよね、という作りが潔いといいましょうか。
ゆえに、主人公に個人的な執着を見せる唯一のキャラクターであるアトは、メリハリがきいてていいですね。これが全部政治なれした大人だとやりきれないんですが、他の何も関係ない主人公の命が一番大事、っていうキャラクターがいると、他の人物の感情吐露もしやすいですから。

そのキャラクターの個性を演出するためのイベントがちゃんと各自用意されていて、それ以降は国家間の争いにシフトする、っていう流れが上手かったんだと思います。キャラクターそのものが無味乾燥になっていたらそれこそ個人が歴史のために奔走するっていう意味が薄れますし。

個人的な趣味でいえば、主人公のストックが全く恋愛要素がない(サブクエでないわけではないですがどう考えても蛇足)のが良かったです(苦笑)
以前から主張して止まないのですが、主人公の恋愛ってはまれば盛り上がるんだけど、その二人をプレイヤーが愛せないと、あんなに苦痛なものはないので、個人的にはなくていい派です。
ストックはストックとして生まれ、そして生きて、選択した。
彼が「そういう性格」になったのはちゃんとした理由がある。けれどその理由と原因は最終的に「ストック」を救う結果になった。
ストックが何を選び、どう行動するのかが、イコールプレイヤーが頑張ってきた証の結果なのがまた上手い。
そんなハードな世界に女なんていらねえよ! とばかりにストックに周りにいるのって、ごつい親友とか、鷲鼻の老人とか、おかっぱの日和見将軍とか、肉体派の荒くれ親分とかですもんね。潤い? そんなもんいらねえよ! 俺にとっては鷲鼻のハイスがむしろピュアっ子で潤いだよ!
逆にこういうハードな世界に、取ってつけたようなお涙頂戴シーンはしらける要因になるので、個人的にはこの野郎比率には満足。勿論女の子もいますが、別にストックは女の子だからどうこう、っていうのではなく「あいつだからどうだ」とか、個人対個人の物の考え方をする、わりと朴念仁(頑固だが押しは弱い)なので、女子がいることによるやわらかさっていうのは、皆無でした。
まあ、このゲームに出てくる女の子って誰一人、恋愛目的で出てくる人物いないしな…(苦笑)

ストックに女の影(笑)はありませんが、サブキャラはうなるほどいます。
仲間にもなる、ストックの親友ロッシュと、医者(技師)のソニアなんてもう出てくるたびに、甘酸っぱくってたまりませんでした。
甘酸っぱいくせに、恋愛イベント殆どないってどういうこと!? 匂わせては、はいサヨナラってお前!? と二人が出てくるたびに画面の前で一人ズッコケでした。
「絶対に無事で帰ってきてくださいね」っていう女に対し「うん…まあ…努力はするよ」って答える男って何!? この二人の関係性なに!?
ちなみにこの二人にはサブクエがちゃんとあって、「兄貴代わりなんていつまでもやってられっか!」と逆ギレする男の姿が見られます。超満足。

他にも私、おかっぱ日和見将軍政治家のラウル(線が細い、銀英伝でいうとキャゼルノみたいな顔なんですが、ドットだと何故かごっついおっさんに見える…)は絶対にエルムっていう気の強い獣人(エルフみたいなもん)戦士とくっつくもんだと疑わなかったんですが、最終的には何にもないまま、同じく突然生まれた凡庸キャラに取って代わられたので、泣きました。
普通さあ! 最初は馬鹿にしていた人間が色々抱えてるってことがわかって(ラウルを逃がすために秘書が死んでる)、それで有能さもわかってきて、ツンデレの女戦士が「見直したぞ」とか言えばもうそれがフラグだって思うじゃん!
これはラウルがフラグをバッキバキにへし折ったってことなんでしょうか…。でもラウルって、戦女神のビオラ(このビオラっていう名前の響きが凄く女性的で好きでした。いい名前だ)とも若干関係がありそうな…いや、ないんですけど、ないところがいいんですけど、ビオラにもいわゆる相手がいないっていうのもちょっと寂しいしなあ…いや、その孤高の女神っぷりがビオラの真骨頂(なんつったって女性で銀髪碧眼でごつい鎧で色白よ。超美人)なんですけど、どうもビオラが不完全燃焼というか、扱われ方がわりと勿体無い(サブクエを埋めたとしても)なので、せめて誰か相手がいればと思ったのですが…。
いやもう、この際だからバノッサでもいいよ。(注・子持ちの獣人おっさん。ゲーム中での接点はほぼ皆無)

パーティーメンバーだと、色気のないレイニー(女子)はほぼ空気ですが、人間くさくていい感じです。普通の大人って感じ。
マルコは超年齢不詳なんですが、まああんた黒目しかない可愛い男子で…。パーティーの常識人としてイベントを実にスムーズに進めてくれるので好きだったんですが、サブクエ病んでました。
エルーカは王女様で、パッケージで一番デカデカと描かれていることに、最後の方まで全く気づきませんでした。あれ、ゲーム中と顔別人ですよね? ああ、パッケージの発注が早かったのか…。エルーカは一生懸命に大人です。ドライっていうんじゃないんだけど、決して逃げないしわがまま言わない我慢の子ですね。あくまでエルーカではなく、王女エルーカとして生き様を全うするというか。
アトはお子様ポジションで、実際このキャラクター一番不完全燃焼というか、唯一キャラ造詣が曖昧な印象が強いんですが、まあこれはこれで。
ガフカはただいるだけなのでよくわかりません。別に嫌いじゃないけども。


しかし最後まで解せなかったのが、主人公が一応属している国に敵対する、帝国に女王を操っている二人の将軍がいるんですよね。ディオスとセルバンでしたっけ。二人とも美形で凄く序盤思わせぶりなんですが、そいつら、結局何がしたかったの? ということであって…。え、純粋に実権を握りたかったの? ええ?
この辺はっきりいって、どうもバッサリ切られた感満載なので、このあたりはズッコケました。
せっかく顔グラついてて(このゲーム間に合わなかったのか何なのか、どう考えても顔グラいるだろ、というキャラクターが普通に凡庸キャラだったりするので非常に勿体無い)序盤、思いっきり何か裏事情知ってる風を吹かせていたので、個人的には一番気になって進めていたんですが、最後までわけがわからんまま終わりました。サブクエで補完されるのかと思ったらんなこともなかったし…。

音楽も非常に良かったです。全編明るい感じではないですが、叙情的で。
クリア時間はおよそ40時間ほど。サブクエ全部埋めて(埋めなくても別に大丈夫っぽい)これですから、主題だけをなぞれば30時間くらいなのかな?
久しぶりにがっつりRPGやって非常に満足しました。
世界を救うために個人が動く、のではなく、世界を救うために個人が国を動かす、という国家間の争いが主題の硬派なRPGでした。
プレイヤーキャラクターだけが頑張るのではなく、頑張った事によって「ゲームの中の人物たちも頑張ってくれる」という、つながりの描き方が上手い作品で満足です。お勧め。
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