忍者ブログ
日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

それなりにネタバレ(明確に言及しているわけではありませんが)していると思いますので、ご注意ください。









『極限脱出 9時間9人9の扉』公式サイト

進法さえなければ…。
私の感想はこの一言に尽きる感じです。もうねえ、駄目なんだ数学は決して嫌いじゃなかったけれど決して覚えがいいほうではなかったのに、次から次へと数字とアルファベットの置き換えを迫られたときは泣きました。速攻攻略サイト様に走ってしまいましたが。

ですがそれを差し引くと、初回プレイのなんだかな感は薄れて非常に良作なゲームでした。
まあ投げっぱなしな部分も多くありましたが。
シナリオも「いい」というよりは「練られている」印象が強くて、実際全部のEDを見た後になってはなるほどねえ、と納得する事の方が多かったです。
ただし、実際のオチや根本的な「設定」は賛否両論というか…サスペンス物かと思いきやSFだったというか…。
私自身は嫌いじゃないと言うか、どうしてもこの手の設定にすると、物語上で齟齬があったり、理解や納得できない方がいても致し方ないとは思うので、設定そのものの評価は割れると思いますが、それを差し引いてもシナリオは大変上手でした。


・システム。
これはある理由があって繰り返しプレイを強要される(しなくたっていいけどベストEDは見られない)のですが、そのための機能が実装されていないというのは大きなマイナスです。
会話パートと、実際探索をして閉じ込められた場所からの脱出を求められるパートの二つに分かれるのですが、まず既読スキップが永遠に方向キーの右を押していなければならないというトンデモ仕様には目をむきました。今まで見たことねえぞそんな仕様。
押し続けなければいけない、っていうのはまだありましたが、よもや右とはねえ。
確かにこのゲーム限りなくタッチペン仕様なので、方向キー使わないったら使わないんですが………それにしても、全部でBADも含めれば6個EDがあって、そのどれも最初から遊ばないといけないというのに、この仕様はキツすぎます。
メッセージ速度も遅いですし、基本的な部分でイラっときました。

探索、推理パートも飛ばせませんが、これは一度クリアすればまあぶっ飛ばせるレベルなのでなんとか。
この探索パートも繰り返す理由が、物語上あるったらあるけどないったらない、程度のものなので(繰り返される事には意味があるが、探索パートだけを選り抜いて繰り返す意味はない)飛ばせても「物語上」の弊害もないような気がするんですけどね。


このゲーム、序盤で電卓の機能が渡されます。
物語の肝として、数字の書かれた扉があり、1から9までの数字が浮かび上がった腕輪を身につけた9人の人物がいて、それらの数字を「数字根」で足し算して扉の数字と合ったら先に進めるというものがあるのですが、当然そのために使うんだと思ったわけです。

例えば、「6」の扉があったとしたら、
1+2+3=6
の三人で入ろうかなとか、
4+6+7+8=15=1+5(一の位と十の位は足される)=6
の四人で入ろうかなとか、
その計算のために電卓っていう機能があるんだろうなと。自分で電卓を使ってどの扉に行くとか、誰を選ぶとか、そういう用途のためにあるんだと思ったんですよね。
ところがこれ、全然違いまして、このゲーム途中で扉を選ぶ選択肢は、どの扉を選らぶかだけこちらが選択できて、後は別に一本道なんですよね。
電卓使ってプレイヤーが道や人を選ぶ余地、一切ありません。
主人公以外の連中が、「これこれこうなるから、この三つの扉のどれかを選べ」とわざわざ言ってきてくれるので、こっちは「はいそうですか」とばかりに選ぶだけなので、この電卓の機能クリアした今となっても正直必要だったのかよくわかりません。
この数字根はゲーム中で「勘弁してください」とばかりに多様されますし、探索画面でもそれが暗号になっていたりすることもあるのですが、基本的に登場人物たちが解説してくれるためにあるので、こちらがその数字について頭を悩ませることもなく、「この組み合わせしかないから誰か一人死ぬしかない」とかそういうのも物語の進行上全部「自動」で行われます。
ただ、それが悪いというのではなく、その数字根そのものも犯人を特定するために役立ったりするので、物語の中における使い方としては「頭使ってるなあ!」と素直に思えます。


ただ、それ以上に私が頭を悩ませたのが、進法…です。
16だとか32だとか言われても完璧に理解できませんでした。
厨房で露出狂のババアが一回説明したくらいで理解できるかよ!
要するにアルファベットと数字の置き換えなんですが………むしろ、電卓なんぞいらねえからこの置き換え表欲しかったよ! と半泣きにならずにはいられませんでした。途中で考える事を放棄して全部攻略サイト様見ましたが…見た今となってもよくわからない…。
他にも元素記号知ってないとアウトとか、知らなきゃわからんみたいな物を謎解きで使われると結構キッツイものがあります。
まだ、行き当たりばったりぐるぐる物を回せばオッケーとか、室内をしらみつぶしに探せば脱出のカードが見つかる、とかそういうものなら良かったんですが………。
私クリアした今となっても、進法だけは本当に何も理解できてません。駄目だこりゃ。



・物語

腕に取り付けられたバングル。体内に飲み込まれさせれた爆弾。九人の人物は互いの素性も知らぬまま、沈みゆく船から脱出するすべを試みる。
純然たる脱出サスペンスなのかと思ったら、違った印象の強いゲームでした。

それが悪いとか、いいとかいうことではなく、序盤での登場人物たちの妙なウンチク合戦が始まったとき「そんなものはあるわけがない。すべては嘘だ」的なオチで使われるのかと思いきや、真逆だったというか。
その「ありえない」部分をオチに持ってくるところは斬新なのかもしれません。

どうしても脱出物って、究極の現実物だと思うのですが、そうでなかったのは意外でした。
ある意味、自分の頭脳を駆使して「非現実的」な世界から「現実世界」へ戻るのが主題なわけですが、このゲームは非現実から始まり非現実に帰るとか、そんな印象のゲームです。

設定抜きにすると、推理モノでよくある「怪しいけれど潔白」も「潔白そうだけど黒幕」もどちらも用意されていて、それが意表をつくことなく当然のように使われている部分は王道でした。これはとっかかりやすいので、設定からして受け入れづらいこのゲームの中では好印象です。
誰しもが一番に思う、「本当に死んだのか?」とか「黒幕はこの中にいるのか?」とか、そのあたりをちゃんとわかっててやっていて物語そのものはスムーズに理解できます。私自身、オチや数字根の組み合わせなんかはおいておいて、物語そのものは非常にわかりやすくて王道だと思いました。特別奇をてらったものではありません。九人の登場人物の役割や、正体も違うルートを選んで遊べばすぐに看破できるレベルです。


システム部分で「繰り返しプレイを強要される」と書きましたが、実際ベストEDを見るためには、二周遊べばいけます。
ただ、それ以外の「理由なく閉じ込められた面々の脱出」を味わうには、どうしてもBADや他のEDを見たほうが物語として楽しめるのは事実です。
最終的なベストEDに至ってはこれも前述した通り、設定が受け付けられない方もいらっしゃるでしょうから、物語の最後に近づけば近づくほど興ざめしてしまうのであれば、それ以外の密室の恐怖や、おかしくなっていく人々、八方塞の中で絶望しか見えない状態、のほうが面白いのは確かです。
私は攻略サイト様を見ていたので、当然ベストEDは他のEDを網羅してからいったのですが、ベストEDよりもBADの方が、このゲームの主題にしたかったであろう閉鎖空間や、恐怖体験は味わえました。
ベストEDはどうしても、恐怖体験を抜き(それ以前に恐怖は味わいつくしてしまっているわけで)を抜きにした「動機」や「犯人」が主題になってくるので、それはちょっともうサスペンス物とは違いますしね。


犯人の動機がわかっても、その犯人に感情移入できるかは甚だ怪しい(苦笑)ですが………。
かなりの人でなし加減です、犯人は。
まあ確かに大切なものを取り戻すために何でもやろうというのは別に嫌いじゃないですが、巻き込む人間に「それを隠す」必要が果たしてあったかどうか…。
隠さなきゃならない奴なんて、それこそ三人で充分なんじゃないのか、というか。



・絵、音楽

ちょっとレベルが低いかな~とは思います。
せっかくの西村キヌデザインなのでもう少し登場人物丁寧に描いてくれてもよかったなとは思うんですが、まあDSですから。
見るに耐えないとかそんなデザインではないです。
個人的にはせっかく密室船内なのですからもっとグロい絵でも良かった気がしますが、これは好みですし。まあ残虐シーンも普通に流せるレベルです。
音楽は全く印象に残っていないので割愛。



・登場人物

主人公(5)
語り部であり最後はスーパーマンになる。
言葉遣いも割りと乱暴でがさつな印象が強い。突然お笑いに走ったりするが、それは他の奴らにも言えるのでなんとも。
最初から最後まで理由はあるが完全に巻き込まれ役の主人公の面目躍如。気の毒ったら本当に気の毒だ。

一宮(1)
紳士的なおっさん。だが、閉じ込められた九人の中で年少者ではないという時点で身バレしてしまっている気がしてならない。
大病室での一連の行動を見た瞬間、私の中でこいつの立ち位置は一瞬で看破された。

ニルス(2)
盲目で線の細い青年。この物語のヒロイン。ヒロイン要素をすべて兼ね備えておりあまりの完璧さ加減に笑った。多分この人はわかりやすい(反転)ミスリードのためにいる(反転終了)んだと思う。妹とは相思相愛。互いがいなければ生きていけないレベル。

サンタ(3)
銀髪で粗野な少年というか青年なのかよくわからん。クリアする前と後では印象が百八十度くらい違う気がする。個人的にはもうちょっとなんとかなっただろうにという印象が強く、あまり頭がいい感じではない。

四葉(4)
ニルスの妹。やっぱりこの物語のヒロイン。今流行の妹でツンデレでヤンデレで兄がいないと生きていけないレベル。あまりにお約束で参った。この兄妹は完全に王道キャラクターで、物語の進行上一切のひねりもなにもないが、そのあたりの割り切り方がとても好きだ。それでも後半になってくると主人公にちょっとだけデレてきたりしてそれはそれでとても可愛い。ただ別に主人公が入り込む余地なんて物は何処にもない。

紫(6)
主人公の幼馴染。突然熱でぶっ倒れたりするのもある意味伏線。実際この人がどうのというよりは、この人の一連の行動を見てハラハラしていたであろう奴を想像するとニヤニヤできる感じ。こいつ自体には特別思い入れはない。

セブン(7)
いかつい大男。意外にインテリ。物語の中での良心といってもいいレベルで実際にその通り。最後の意味深な笑顔は何を指しているのかちょっと謎。どのようにでも解釈してください的な笑顔なんだとは思うが。

八代(8)
出だしからしてビッチな子持ちおばさん。性格に難アリのインテリ。頭の回転が非常に速いため、数字関連の会話や物語の根幹に関わるウンチク披露はこいつから生まれる。会話が長くて長くて仕方がないためスキップで飛ばされるのが最も多い人物。最後のほうで妙にいい人になっちゃったのでがっかり。この人は最初から最後まで利己的でよかったんだと思う。実行犯が利己的の極みなんだから、おばさんもそれでいいじゃないか。

(9)
初っ端でえらいことになってしまう男。しかし、断末魔の叫びはもう少しなんとかならなかったのか。あの叫び声だけはどう考えても不自然だろう。



一番最初にも書きましたが、進法(私が馬鹿だとして)さえなければ推理やパズル物としての難易度もそこそこで楽しめたんじゃないかと思います。
序盤の時折挟まれるウンチクとか、その辺非常にうっとうしいったらそうなんですが、このゲーム違うルートを選べば選んだだけ、唐突にそれぞれの会話が始まるので、始まったら「ああ、これフラグなんだな」と思えば間違いないレベルです。
さりげない会話の中に謎をちりばめるとかそういうことは一切ない、潔さと、それでも「行動」の中には謎があると言うのは、いい配分だったと思います。突然しゃべりだす「わかりやすい」謎に気をとられている背後で、行われている「行動」の表し方が見事でした。
繰り返しプレイも苦にならないデキですが、最後のオチらへんはご自身で判断ください、ということで。
私はその犯人を「特定」するまでの過程が見事だったので、あまり気になりませんでしたが。
数字を使ったギミックなどが好きな方にはお勧め。後で調べてみたらこれ『Ever17』とか書いた方だったんですね…。知ってたらもっと早くにこのオチわかってたかもな…。
PR
『遥かなる時空の中で 夢浮橋』
PS2に移植されたのを遊んだんですが、なんかこれもう、ファンディスクですらないというゲームでした。
私の場合、2が一番好きでして、1と2の頃の物語性のない、回数さえこなせばご褒美がもらえますよという作りのゲームが好きだったのでまだ初回の2キャラ狙いの時は、とんでもなく楽しめたんですが、それが過ぎさってしまえばもうどうしたらいいのか。
まず、イベントは全部同じです。
ヒロインが選べるのは、それによって落とせる連中が違う(同じ時代のキャラしか落とせない)というポイントがあるのですが、それ以外の奴らは全部イベント使いまわしというとんでもないデキでした。
つまり、私のように2ヒロインで始めると、まあ落とせる連中のイベント八個見ますよね。
で、それ以外の1と3のキャラの友情イベント見ますよね。
それでもう出きっちゃうので、次に1を選ぼうが、3を選ぼうが、自分のキャライベント以外見るもん本当になくなっちゃうんですよ。強いて言えば時代の違う八葉同士の絡みがあるくらいで、あとはスキップで全部飛ばせるレベル。
で、肝心のキャライベントも、「あれ? これ本編ディスクで見たことがあるような気がする?」というものから、「これ恋愛イベントじゃねーよ!」と絶叫してしまうものまで、ちょっとレベルが低いんですよねえ。
好きなキャラならまだ台詞一つで許せるものから、好きだけにもうちょっと頑張ってもらいたいと思うのも乙女心であって。
通常の恋愛イベントならば、本編で完遂されているわけですから、個人的には友情イベントとかせっかく相容れない八葉同士が集まったのでそれらのイベントが充実していた方が嬉しかったですね。

このゲームのキモである、八葉同士の会話は本当に楽しかったです。
もう歴代百虎に囲まれて胃を痛くする景時とか、以外に女慣れしている眼鏡ズが譲にアドバイスとか。

どうしても私は2を一番にやって、故にその初回プレイは凄く楽しめたのでその記憶しか残っていないのですが、このゲームやはり、好きなヒロインを選択して落とす、というような工夫をこちらでしないと楽しめないような気がします。
好きな野郎を選ぶというよりは、ヒロインを選ばないと厳しいというか。
そういう意味では、本当に「初めて」選んだヒロインだけは楽しめると思います。
それ以外は正直微妙。

グラフィックはゲーム内で以前使われたものは流用、音楽も以下同文なのですが、これに関しては遥かシリーズのグラフィック、そして音楽は何気に高水準を保っているので問題なし。
個人的には2の音楽や映像が見られて嬉しかったくらいで。
塗りや造詣に関しても、舞台や設定が明確に変わった3以前のものが好きなので、思い出補正があるんでしょうねきっと。
ただ書き下ろしスチルに関しては、あからさまに水野スチルであるものとそうでないものの差や、「誰だお前」レベルのものもあり、せっかくグラフィックが売りのゲームなのですから、イベントの内容含めてもう少しこちらも底上げが欲しかったところです。
イベントが駄目でも、スチルや台詞だけで「元取った」と言わしめるのも、乙女ゲームの特徴なので。

以下、ツイッターから抜粋されたコメントになります。2しかないですが。

・「天から降りたった私の姫君にさぞかしお似合いだろうから」…やっぱり海賊の破壊力ハンパねえな!(悔しい)

・花梨との仲について歴代青龍にアドバイスを受ける勝真。天真は普通に「女のリアクションを期待してお化け屋敷」だったが九郎には聞くこと自体間違ってると思う。そして答えもやっぱりそんなだった。

・いい雰囲気だなと言われて「そうか?俺としてはかなり後れをとっているような気がする」と言った勝真に超萌えた。

・「菊花の香、あのゆかしい香りは僕の天女によく似合うかもしれません」本当に彰紋の破壊力もハンパないな! 何気に海賊よりも泉水とか彰紋とかのほうがさらっと凄いことを言ってる2。

・エロい声の白虎たちに囲まれて翡翠への気持ちを問いただされる花梨ちゃん。
ただひたすらに物凄い集団に圧倒されて萌えまでたどり着かなかった(笑)
こういう集うはずがない奴らの会話超楽しい。

・「キュートなお嬢さんどうかお手を」「恋愛と戦争ではすべてがフェアという諺もあるくらいですから」 「神子殿がそうやって頬を染めているところはまるで花のようですね。花と言えばこんなフレーズを思い出しました。薔薇は赤く、菫は青い、砂糖は甘くあなたは優しい…貴方にふさわしい言葉だと思いませんか?」 「こういう言葉をささやくのは貴方の耳にだけです」
………信じられるかこれおかっぱ眼鏡が言ってるんだぜ…。
超萌えた…。
そう言われればこいつ飛び級で留学してんだよな…。
2眼鏡はその他にも、譲に対してもキスだのハグだの言いたい放題言ってました。スキル高いな!

・しかもこれを見ていた他の眼鏡白虎たちが「人格障害」とか「天界は油断がならない」とか言ってるのも凄く笑えました。白虎眼鏡の連中って譲以外の二人は正直普通に女慣れしてるよなあ。

・「私は神子に甘い言葉を言うことを求められている そもそも言葉とは味覚で表せるものではないと思う」こういうボケボケしい奏継は萌える。そしてそれに対するリズの答えが「名前を呼べばいい。それが甘い言葉だ」ってお前は何か他の玄武の奴らと違いすぎる!(笑)

・奏継に向かって「甘い言葉を言ってください」と言っちゃう花梨ちゃんが俺は好きだ。花梨ちゃんは基本的にノリツッコミの人間で性格に何処となくずぼらさとか図太さがあるので大好きだ。
でも正直スチルのばらつき感は否めないところ。
八葉連中はともかく花梨ちゃんまで安定していない(髪形すらボブっぽかったりする)のはどういうこっちゃ。
花梨ちゃんはあのショートカットが可愛いのにい! 美しい長い髪っていう誉め言葉が「ない」のが彼女の真骨頂なのにい!


2は凄く楽しめました。これに関してだけは元取ったと胸を張っていえます。
しかし1は正直2とヒロインと八葉の「設定」そのものが似通っているのでなんとも…。ただ、落とせるキャラクターがオリキャラなので、まだおまけ要素としては満足です。
2はアクラムのイメチェンには大笑いして楽しめました。
おかしなホストみたいな格好で出てきておまけに「他の乗客の迷惑になるから電車の中では静かにしろ」と言われたときは倒れそうになった(笑いで)
アクラムってなんか私の中でやる事なす事全部暴投してくるから対処に困ります。アクラムに対している時の花梨ちゃんは、クールなツッコミ上手になるので好きなんだけど。
3では隠しキャラである平家兄弟が酷すぎました。
スチルもイベントもそうですが、正直声優さんが演技忘れすぎてて唖然とした。
演技忘れてるシリーズは、結構他のキャラクターにもあてはまるんですが…。まあ1とか2なんて何年も前の話だしな…。
少なくとも宮田さんは当ててたキャラ全員別人でした(苦笑)

ファンディスクとしてもあまり親切ではないですが、声優さんファンは音声のおまけが山ほど入っているので楽しめるのかもしれません。
あくまでゲームをクリアした後のものなので、個人的にはあまり高い評価にはならないのですが。大体おまけボイス充実させるなら本編フルボイスにするべきであって。
少なくとも、これを定価で買ったら暴動を起こしていたな程度のゲームですが、思い出に代金を払ったと思えば悔しくもないのかな、と。


『華ヤカ哉、我ガ一族』公式サイト



発売後時間経過しておりますので、特別ネタバレには配慮しておりません。




・システム
結構かったるいです。
基本一周一人がデフォルト仕様なのは致し方ないとしても、せっかく充実しているアイテム集めや、コンプのご褒美を阻む基本的なシステムの弱さはちょっと目につきます。
移動速度がまず草花コンプをしないとできなかったり(そんなものは初めから速くしてくれ)、場所部屋移動の際に、いちいち丸ボタンを押さないとできなかったり(隣接した時点で勝手に移動先に飛んでくれ)とか。
アイテムを集めよう、おまけ的なゲームである依頼をクリアしようとなると、とにかく縦横無尽に町を往復しなければならなくなるのですが、そのMAPが無意味に広大だったり、違う扉(使用人寄宿舎)から出てきたはずなのに同じ場所(本宅一階)にワープされる謎な屋敷の構造だったり。
しかも、アイテムコンプには特定のキャラクターの好感度が必須(屋敷内の扉の鍵がもらえないため)とか、せっかく充実させてくれているおまけ的な要素に、自分で弊害を持ってきている感じです。なんでこんな勿体無いことするのか。
おまけ要素は別にぶっ飛ばせば済む話なのでしょうし、やるもやらないも勝手なのはわかるんですが、作り手として「やれるように作ってある」のであったら、それを「やってもらう」側のプレイヤーにストレスを感じさせない作りにするのは当たり前のような気がするんですよね。
どうしてもその部分で弱い部分を見つけてしまうと「やりたい人がやっているんだからこれくらい」みたいな態度に思えてしまって、ちょっとなんだかなあと思いました。

あとなんでしょう、最初の頃お母さんズの声がオフにできないんですが、これ私だけなんでしょうか。
データインストールしたせいなのか、二週目だからなのかはわかりませんが、一週目でオフにする選択肢そのものがなかったのは間違いないので、一体どうなっているのかちょっと気になります。 後根本的なところなんですが、うーん、どうしてもPSPだとじーじー読み込むのが本当に気になるんですよね。
読み込んでると画面と音声にどうしても誤差が出るし。
データインストールしても正直何処が早くなったのかよくわかりません。
既読スキップで、選択肢後もスキップ機能が続くのは素晴らしいです。初めから読む気がないためのスキップなので、選択肢後また機能を選ぶことすら面倒だったりするので。

後イベントとしては、一週間単位で進むのですが、個別ルートに入ってもその前の共通ルートであったとしても、一週間に一度ちゃんとイベントを持ってくるのは大したものです。やっぱり飽きてきますしね、延々パラメーター上げるだけでは。
ただその分、リプレイに時間が非常にかかるのは痛し痒しといったところでしょうか。
股がけできない、依頼などのミニゲームを無視しても結構な時間がかかります。一週間のパラメーター上げもチビキャラの動きがゆっくりだったりする(Rボタンで多少は速くなる)ので、時間がかかるのがちょっとなあ。
個人的には一瞬で過ぎ去ってもいいくらいの間なんですが、こういうのに時間を必ずとるのは、その部分が「ゲーム性」に関わってくるからなんでしょうかね。

・絵
好みはあるかもしれませんが、大変キレイです。
魔法少女かと思うほどにそれぞれが衣装チェンジしてくれます。さすが六兄弟。さすが金持ち。
正装に、和装に、それぞれの仕事着や普段着など、いちいちまあ立ち絵がころころ変わるので、超満足です。
特に、進のサスペンダー、超萌えました。
長男もサスペンダーしてるんですけど、進は普段着でサスペンダー仕様なのがたまりませんでした。あいついちいち立ち絵のバリエーションがずるいよな!
スチルもキレイですが画面が暗い? のか絵柄のせいなのか細部まで読み取れないような印象が強いです。線がぼんやりしているというか。
あと、若干別人も何人かいるというかスチルによっても差がある印象は強いです。
立ち絵のレベルがとても高いので、その分スチルで存しているのかもしれませんね。


以下、キャラ感想。


・正
とにかくダントツで言動が可愛い長男。
バスローブに前髪ありで出てきた瞬間に、「イメチェンすぎる…どうなってんだ」と仰天しました。
全く陰険な様子はなく、ちょっとなんかあればすぐにいいリアクションをしてくれて、いつも進とは別方向で被害をこうむっている苦労性は見ていて素直で楽しいです。進は素直というか付き合っているだけなのに対し、長男全力投球というか。
主人公に対しても雇用主としてわりと当たり前のことを言っておりますし、当たりは非常に真っ当に思えました。他の連中の個性が振り切れいているだけに、ある種常識人な長男は、それだけで優遇されているなあというのがよくわかります。
「ならば長男としてお前が使用人として仕事ができるよう協力してやろう」
とかねえ。こういい意味で人の上に立つ教育されてるなあというか。結果として「この恩は仕事で示せ」とかかっこいいなあ。
はるちゃんに対して、わりとお兄さん的な立場で接してくれるので、博覧会に行ってはるちゃんが寝てしまっても、
「未婚の男女がこんなふうに一緒にいるなんて一昔前では考えられない」
とかぶつぶつ言いつつも、
「五分だけ寝かせておいてやるか………」
「むにゃむにゃ………」
「………十分にしてやる」
おっとこいつはゲロ甘だぜ!
で、他の使用人にやっかまれるはるちゃんをかばったたえちゃん(「私はここに仕事に来てるの。仲良しになるためじゃないの」痺れるぜたえちゃん!)のせいで落ち込むはるちゃんに対して、
「主が使用人のことを把握していなくてどうする? 話してみろ」
といってくれた挙句、その足で嫌がらせをしていた使用人にカツを入れて、たえちゃんに
「今後も仕事に励め」
とか言っちゃう正が本気で男前でなんだか泣きそうになった私は病気でしょうか。
いや、だってこういう頼りがいがあるのって本気で泣きたくならないか!? はるちゃんを庇うのは多分に私情が入っちゃうから微妙だとしても、それこそただの使用人であるたえちゃんに対しても、がっつりと「仕事」がちゃんとできるように取り計らってくれるなんて、そうないよ! 上に立つものの鏡だよ! 泣ける!
私は正を落としたいんじゃなく、正みたいな男の下で働きたいなー。他の会社の連中を見る限りかなり人望もありそうだし、率先して自分で先陣きって働いてるしなー。

「私は主でお前は使用人だ。だが互いに理解しあいたいと思う」
とかさあ! あまりに真っ当に男前なんでびっくりだよ!

最後も兄弟仲よくオチで、かなり強引でしたがまあいいんじゃないかと。
個人的には別に彼の生き様を「立てる」ためにはるちゃんがいたわけじゃないから、縁談云々は全部いらないとは思うけどねえ。普通に縁談は受けるけど即当主になって離婚してお前とも結婚する、でいいじゃんっつうか。

最後の方で、とらわれのはるちゃんを助けるために奔走して、帰ってきたはるちゃんをハグとか、禿げ萌えました。こう、相手の迷惑顧みない馬鹿力ハグってすげえ萌える。


・勇
誕生日プレゼントがかたつむりだったのは、嫌がらせなのでしょうか。多分そうだな。
やたらに可愛くてロマンチストな次男坊は、他のルートで徹頭徹尾オチ役に使われているのが泣けますが、萌えます。なんだかんだで、主人公のダンスの練習に付き合ってあげようとしてくれたりと、世話焼きの本領発揮。
花火イベントも探しにきた挙句に、頭に手をやって花火を見せたり、「俺の足が速いのであればお前が先に歩け!」とか言いつつ「遅い!」ときたもんだ。でも結局主人公が転ぶのでため息をついて並んで歩くっていうのがたまりませんな。お兄ちゃんと妹って感じで。
縁談を断る過程もあまりにまともなので、逆に「えっ、これって正か進の役割じゃないの?」と呆然としてしまう始末でした。
中身がドSというより、普通に向上心のある人間は優遇するって感じなので、別に使用人であろうと懸命な奴は応援するっていう感じがちょっと理想の上司っぽくてなんだか悔しい。
しかしこのルートだとたえちゃん可哀相だなあ。というか、勇がたえちゃんに対して酷すぎるんだよ。だったら素直にはるちゃんに興味があるから、たえちゃんにはちゃんと「理想の主人」として接しないと。比べて物足りないとかどうのとか言っちゃあ、それはちょっとなあ。
使用人頭の千富までも「専属が駄目じゃなく、たえが合わなかった」とかとてつもなく酷いこと言ってるし…。それこそ使用人って合うとか合わないとか関係あるのかよ…。普通の社会人ならともかく、使用される側に求められるのは有能であるかどうかだけだろ…。
それ以外は、勇はわりとフツーの人でした。
専属になってから、「貴様俺の専属であることを忘れたか!? 貴様は俺のためだけに尽くせと言ったであろうが!」とか無茶言うなばりの独占欲丸出し加減も可愛いですしね。
勇ルートはツンとデレと、主と使用人っていう立場の変化のメリハリがあって、非常に物語として完成されていた感じでよかったです。
お母さんも超素敵だしね。子供のために頭を下げるって中々できないよなあ。
使用人だけど独占したい→独占したいのは特別な人間だからだ→お前を捨ててまでるものに価値はない(跪き告白)、という王道ルートで、甘さもあったのでやっていて楽しかったです。
そして何より、兄弟たちの仲良し感、半端ない。
わかってたけどさあ! お前らの前評判と外れた予期せぬ仲良し設定って、潤いなんだか失敗なんだか判断つきかねるよ!


・茂
享楽的に生きてる男の人の理由って、大体傍で聞いている分には「ハハハ」っていう感じだったりするものですが、この人もそんな感じでした。
どうしても小市民の私は「いやなら自立すりゃいいだろ」と思ってしまうので、父親を憎んだり境遇を憎んだりした挙句、最終的な手段を用いろうとして「できなかった」ところまでは実に現実的に臆病でよかったのに、主人公にすがった挙句「同情はいらない」とか言い放っちゃうお前の思考が好みじゃありません。(長い。苦笑)
よく「同情はいらない」とかありますけど、じゃあ何が欲しいんだよっつーか、現実には同情してもらえるっていうのはどれだけありがたいことかお前はわかってないのだよ。だからそう、同情が不純な感情だみたいな表現すんだよ。
「俺は君に甘えているのかもしれない」甘えてんだよ!
と、この人なんつうかキャラとしては、弱音を吐露するポジションなんでしょうけど、個人的にはなんでもダラダラ垂れ流せばいいってものでもないというか、それを主人公に言うか、独白か、第三者に言うかで随分価値が違ってくると思うので、なんでも主人公に言えばそれで「許される」とか「自分がすっきりする」っていうスタンスの彼はちょっと好みじゃないです。言われたおはるちゃんどうすりゃいいのよ、というか。
というか、謝罪を言えない人間は好みじゃないので。
「甘えているのかもしれない。迷惑かけてごめん」まで言えばまあなんとか(苦笑)。
挙句の果てにさぞ自分はこういう刹那的な生き方しかできないんだとでもいいたげに、誕生日プレゼントを放り投げたときは、27歳にもなって厨二病かてめえ! とマジギレしそうになりました。
「自分でした事だからごめんとは言わない。でも受け取ったって事。それだけ言いたかったんだ」
自分でした事だから自分で謝るんだろうが! 何言ってんだこいつは…五歳の子供だってできるぞてめえ!
逆に謝らないのであれば受け取った報告なんてもってのほかだと思ってしまう私は心が狭いのでしょうか。かもな。
まあこういう人に使えてもらうのに慣れてる人に怒っても仕方がないんでしょうが、こいつの悪いところは使用人じゃなくてもこういうことしただろうな、っていう性格でしょうか。
まあその後の展開一つとっても、互いの心の距離を縮めている過程というよりは、相手の駄々に付き合っているという感じで、この人は人として尊敬できないという印象のまま終わりました。逐一言うことがイライラします。自分にひたってるとしか思えんな。
人格的にアレでも、まだ「使用者」として使用人を上手く使っている、というのであれば割り切って萌えられもしたんでしょうが、こいつは人を使うこともまともにできんのか………。

私はもうこういう性格に「かわいそうに」とかそれこそ同情するには、年を現実的に食いすぎました(苦笑)。一人で勝手に生きろお前は。ていうか可哀相要素も正直全くないよこいつは…! 全部自業自得! 身から出たさび! 自分でまいた種を刈り取ることもしないで、他人に八つ当たりで自分可哀相ってお前もそれ未成年のうちに卒業していて当然だろ!? 私は未成年でも許さないけどね!

もう私は「自分探し」アレルギーでもあるのでしょうか。
この単語が飛び出た瞬間、そいつのことを嫌いになってしまう自信がある…。本当に懸命に生きている人はそんなもんいちいち探さないし、探す暇もないし、探す必要もないんじゃい! そして大概の人はそう生きてるのだよ。それをお前は………。
本当は途中で真剣に嫌いになった(苦笑)のですが、具体的につらつら書いても仕方がないので省きます。結局最後まで浮上する要素何処にもなかったこの人。


・進
顔立ちとしては一番甘い二枚目だと信じて疑わない。髪の毛の微妙な短髪(重要)ウェーブ具合とか! 大体、警察官の制服からしてなんかこう西洋の香り漂うエロさがあるんだもん! 軍服とはまた違ったエロさがあの制服にはあるんだもん! 腕の装飾とかさあ!(細かい)
着こなしからしてサスペンダーを己のものにする姿とか、只者ではないと思わずにはいられません。
兄弟の中では珍しく癒し系で、常にまあまあとフォローする姿に、「こいつ、何かあるな」とすぐ思ってしまうのは過去の遺産が発動しすぎでしょうか。乙女ゲーから離れて久しい私から見てもこいつはある種の匂いがぷんぷんするぜ。
そして、舞踏会での一人称俺に倒れる私。
「相手も退屈だろうし、俺も退屈だ」とかあの低くて渋い声で言われると…!
ちなみに私は声質として進の声が一番好きです。萌える! 七夕イベントでドレスを英国から取り寄せたときの、
「だってさ。………どう? 気に入った?」
では悶絶。結局好みの顔と声であればなんだっていい罠! それこそが乙女ゲー!
ちなみにそのときのはるちゃんの、「なんて素敵な夢!」には爆笑しました。
海水浴イベントでも「自分は何のために来たんでしょう」というはるに対して「ですから、自分と海を歩くためですよ」とかさらっと言っちゃう進…。
わかった、お前女に優しいとかじゃなくて、他の兄弟と比べて圧倒的に女慣れしてるんだよ! 他の連中多かれ少なかれ対人関係全滅なところから開始なんだもん! そりゃ目立つはずだよお前の言動が逆に!
花火をはるちゃんと見ていて、もっと感動をあらわにした方が良いと言われて、
「わ、わあ、すご………」
花火イベント可愛すぎる…! その後「聞こえているじゃないですか!」と逆ギレする進とかももう超可愛い。いいんだよ年下なんだから! 正の物まねとかも逆に超萌えた。
そしてまさかの半裸イベントIN撒き割り。
お、お前惜しげもなくさらけ出すイベントをまさか撒き割りで…! その時のはるちゃんの「どうもありがとうございました。素敵なものまで拝見してしまいまして」にも爆笑。間違いなくはるちゃんとプレイヤーの心が通じ合った瞬間でした………。でも、個人的には普段のサスペンダー胸元ちらりのほうが萌えるけどね!

後半豹変というか元の性格に戻ってからのルートは、微妙ったら微妙なんですが、私が感じている微妙って別に、誰彼優しくできる事は別段悪いことでもなんでもないし、その実他人のことをなんとも思っていなかったとしても、それは全く悪い事ではないと思うからです。
逆に喜怒哀楽激しければ他人に迷惑かけてもいいのかってことになりますし、情が深いからってすべての人間に手を出して泣かせていたりしたら、それはいい人でもなんでもないわけですから。
当人にとっちゃ、他人に関心を持てないことは重要なのかもしれませんが、現実的に別に進がそこまで悩む事ないんじゃないかな~と思ってしまうというか。
どちらにせよ、他人の花嫁奪って逃げるほどの積極性や、「非常識さ」は本来の自分を自覚しようがしまいが、なかったちゅうことなんでしょうな。だからこそ、非常識な行動(殺傷)のときは記憶がないわけですし。
個人的に進ルートではっきりと不足しているのが、他兄弟の事を進むがぎゃふんといわせるシーンがないっつうことですな!(完全に己の好み)
いや、私進ルートで勇が借りてた本をなくしたとか、本気でキレそうになりましたし。
せっかく豹変イベントがあるのであれば、「そうなんですよねえ。警察では的が大きいから胴体を狙うように言われてまして…。今度からは気をつけて頭を狙うようにしますよ」とか、「他人のことはどうでもいいから優しくできたんです。あ、勿論兄さんたちもそれに含まれてまして、だから命が惜しければあまり俺に近づかない方がいいですよ」とか、進にぞっとする五兄弟のイベントとか超見たかったなあ!(それ、ぎゃふんと言わせてるんですか?)
どのルートでも、結構酷い扱いの進がちょっと残念でした。茂なんかは飄々としてる分一目置かれてるっぽいんですが、進はなあ~。

ですが、たえちゃんが可愛かったのでこのルート満足しました。三治とか! くっそうなんだよあのケンカばっかりのかっわいいカップル! 率先的に応援しちゃうねこれは! 主人公の恋なんてどうでもいいよ!

ちなみに立ち絵でも、進のあごに手を当てて考え込む姿が一番好きです。超好み。正のバスローブと同じくらい好み(同じなのか)。


・博
同年代ですし、最初から主人公に対して好意的に接してくれるので別に嫌な気持ちにはなりませんが、所詮は金持ちの甘ったれというところで。
親に留学の手続きをさせられて、家から離れられて嬉しいものの、結局手のひらで踊らされているだけだと荒れる博に、進が一言。
「まるで子供だな。世の中に自分の好きなように生きている人がどれだけいると思ってる? お父さんやお祖父様に束縛された人生は嫌か? だったら一人で生きてみろ。自分で汗水たらして稼ぎ、自分で生活してみろ。まだ学生だから働けないか? だったら学校なんか辞めればいい。そして好きなことをすればいいだろ?」
良くぞ言ってくれた進!
これ、他のルートで他のキャラクターに惚れ直すって、結構普通にアリですね。やっぱり魅力的なキャラクターは主人公「以外」と付き合っていてもかっこいいっていうのがあるとないとでは違います。
ただ叱るだけじゃなく、その後も「好きなことがしたいんじゃなく逆らいたいだけだろ? 焦って決めることはない。何処に言っても自分がしっかりしていればいいんだ」とちゃんとフォローまでしてくれます。偉いよ進…。
博は好きとか嫌いとか以前の前に、人間の感情のすれ違いがあって恋愛描写としては、描き方が秀逸でした。
好きな人に喜んでもらいたい、自分がしたことは喜んでもらえるものだと信じて疑わない博。
身分は違うわ、数ヵ月後にはいない人間と親しくといわれても困るし、もし次に縁談がきたら断れるわけがないし、と色々抱える主人公、という徹底的に「わかりあえない」二人の感情のすれ違いと申しましょうか。
別にどっちが悪いっていうんじゃないんでしょうが、主人公が「会いたいときに会えないし、これ以上親しくなると辛くなる」って言われても、博にはその感情が理解できないわけですよ。鉄壁の自信(無自覚)があるから。
自分は変わらないから相手も変わらないだろう、自分は会いたいのだから相手もそうだろう、っていうあくまで自分本位の考え方しかできない博は、なんかこう、ツンデレポジションの末っ子雅よりもお坊ちゃん気質なんだと思います。他人の気持ちを慮るっていう発想がはなから欠けてるんだな。
まあそれも若さゆえと申しましょうか。悪意から来ていないだけにたちが悪いと申しましょうか。
博自体は別に嫌いじゃないんですが、二人を取り持った喜助が男前過ぎて…!
なんだこのルート。喜助といい進といい、そして雅といい、博以外の奴が輝きすぎだろう!
でも「男なら態度で示さないと! 雅とは踊らせないぞ!」と決意表明をする博はちょっと可愛かったです(笑)
その後逃げて「ずっとやりたかったことができたからね! 手をつなぐ事だよ!」とか、まあなんてそれ青春。
このルートでおまけの『家政婦は見た!』を見てしまい、正の前髪ありバスローブ姿に変な声が出ました。
おおおお前それ私に対する挑戦か!?(また博の話題じゃないという)
EDに至る過程や、オチは非常にキレイでしたがちょっと乙女ゲームとしてはぬるいかなあ。普通の物語ならああいう終わりもいいでしょうが、乙女ゲームはとことん突き詰めてこそだと思うので、好みは分かれるかもしれません。


・雅
最初っからツン全開。デレる気配微塵もない末っ子ですが、意外にキレ者。
現実にいたらしばいてやると思いますが、キャラクターとしては中々デレないので、それはそれで満足です。全く最近の若いもんはデレるのが速すぎて…。
普通に進めていると普通に嫌な奴なので、特別萌えポイントがありません。
「御飯…美味しかったかも。そう、言っといて」
あの人の始めてのデレは、母親に向けてでした。
わかってたけどさ! こういう奴がマザコンなのはさあ!
しかし私の実年齢と照らし合わせると、母親でもおかしくない悲しい現実が。
そうか、だから以前まで興味のなかったショタっ子を最近生暖かい目で見守る事ができるようになったのか………。

その後、唐突にデレる雅。
風邪ひいた主人公の寄宿舎にわざわざ果物を届けにきた挙句、「夜になったら他の兄弟たちも来るだろうから夜になる前に治すように」とか言っちゃってお前………お前さあ!
こういう、決まった事件をきっかけに距離が縮まるっていうのはなかなかいいですな。当人は別になんとも思っていなくても、「あいつが気にかけている奴が気になる」的な関心の持ち方もあるわけで。
その後、雅に慣れてきた主人公が、「はいはい、失礼します」といきなりあしらいなれるのが笑えます。
ダンスパーティーでのちょっとした事故に、正が「あいつ何やってるんだ!? あそこまでするのか!?」と超うろたえていたのが可愛い。お前歳いくつなんだよ。お前が一番純情な反応だったぞ。

このルートだと母親との確執が結構根深いのですが、まあ致し方ないよな。
雅の場合子供だからといって無条件で愛されると思ったうえでの悪態ついて、親に嫌われるのはそりゃそうだろと思います。ショックを受ける方が間違ってる。これに関してだけいえば。 何処の誰が顔を見合わせるたびに侮辱される人間を好きになるかっつー話で。しかもそれこそ使用人でもないのに。自分で自分の首を絞めた結果ですな。
ただまあ雅ルートは雅がキレ者というか、ルートの物語としては非常に灰色なので、恋愛しているという感じじゃないですね。
あくまで、雅のツンデレリアクションを楽しむだけのものという気がします。
というか、雅ルートって話の展開とか、雅の性格設定そのものがキャラゲー超えて秀逸(ただし萌えはしない)な気がしました。
主と使用人の許されざる恋、とかそんなんじゃない次元で色々起こる感じです。ちょっと意外だ。というか別に初めから恋をしようとか、そういう目的のために動いている二人じゃないからな。って、おかしい、乙女ゲームだったはずなのに。
まあ私はいかなる理由があろうとも、癇癪で人の命を平気で殺せとか言っちゃう人間は嫌いです。


主人公に関しては、普通にボケで妄想でたえちゃんとにぎやかにやっている根性のある可愛い娘さん…のときはいいんですが、ルートによってはとんでもなくピュアっ子になってしまうので、それはちょっと好き嫌いが分かれるかもなとは思いました。
基本的には嫌味がない可愛い女の子です。たえちゃんっていう同僚の女の子も超ツンデレで最高に可愛いです。


全体的な物語の共通点として、どうしても最後がダレぎみっていうのはあります。
やはり物語の面白さとしては、使用人である主人公がそれを思い知らされる前半と、妙な感情をもてあます主人が見られる中盤までが勝負でしょうか。
後半の個別ルートに入ると逆に、物語が進んでいるんだかいないんだか、みたいな状況になるので個人的にはちょっと盛り上がりに欠けました。
ゆるぎない主軸がないというか、当主争いも、するしないをすぐ撤回したりするので、そんなにふらふら動かれてもこっちはその当主戦が、「どれだけ凄いか」ということに感情移入できなくなってしまいますし。
挙句の果てには全部オチ投げっぱなしの印象が強い。
どうなるのかなーと思ったらどうにもならずにEDとか。特に後半は、継ぐの継がないの、好きだのどうして好きじゃないのだのの、テーマが繰り返されるだけなので。
親父をどうにかする=オチっていう発想の私が悪いような気もするけど。
結局、それぞれの精神的な自立の話なんでしょうなあ。自分らしく生きる手伝いをこっちがしているというか。
でもこの展開を繰り返す加減というか何も起こらないのに話が進んでいく感は非常に少女漫画だ。「薔薇のために」を読んだ時の印象に近いかも。物語が回るじゃなく自分の感情だけが回っている感じ。
例えば博の問題である「留学するかしないか」で盛り上げておいて結局それはオチに使われないというか。じゃあ別にそれ延々引きずる必要なかったじゃんか、とつっこみをしたくなってしまうんですよね。
そして、結局お前ら主人公の事どうしたいんだよ!? という一言に尽きるのですが。
なんでしょうね、試練を与える存在が全部親父主導なのが駄目なのかな。結局、それに対して誰も明確に「勝利」することができないわけで。親父は何の報いも受けずそれでも生活は続いていく、みたいな。誰も親父をやりこめて去っていくわけじゃないんだものな。親父が自主的に退場するだけであって。そうなると、具体的に何をしたわけでもないけれど精神的には成長しました、っていう目に見えないオチになっちゃうからアレなのかもなあ。
ちょっと上手く説明できませんが、どうももにょもにょした印象が強かったです。

で、隠しキャラをやって確信したのですが、どうしてもこの物語、互いが成長しましょう=距離を起きましょうっていう設定が好きなんですな。
ある意味それはキレイなのでしょうが、なんだろうな、そういうプレイヤーと関係のないところで物語上で年月を置くっていうのって、ちょっとずるい気もするんですよね。そこで描かなきゃいけないはずの物語や、オチを放棄したというか。
その間に重ねられた年月で一度物語をリセットしてその間に何が起きていてもまた起きなくても「不思議じゃない」っていう手段のために、距離を置いて時間を置くっていうのは、あまり多様されると乗り切れないというか。

ただ隠しキャラに関しては当人がはっきりと、「お前と過ごす時間が殺意を薄れさせた。だから一緒にいてくれ」ってはっきり自分から「すごしている時間の大切さ」を明言してくれるので、それはそれで一気に年月が飛んでも構わないんですが。


最後に、大正ロマンの世界観はいいんですが、当初想像していたよりもずっとドロドロ感は薄いし、むしろ兄弟仲良しだしで、腹違いの兄弟の酒池肉林(笑)みたいなものは一切ないので、そういう意味でキレイな乙女向けゲームでした。
まあ、ドロドロ要素前面に出すとコンシューマでは出せねえか(笑)
『魔装機神』公式サイト


やっと全部のED見られました。
まあ、EDそのものはそれほど大差ないというか、エンディングAだけがちょっと特殊で、後は胸のでっかいロリ顔の二十九歳がラスボスで出てきちゃうという、ちょっと釈然としないEDなのですが。
その途中経過は、本当に些細なことなんですけど、どの人物にスポットを当てているかで中々違いがあって面白いです。
胸以外のラスボスとして出張ってくるラセツの転落のさまを楽しむもよし。
ロドニーとエリスのいちゃいちゃを楽しむもよし。
ロリコン…もとい、紳士なジノがバゴニアに半期を翻す過程を楽しむもよし。
ラセツはどのルートでも徹底的に敵(黒幕ではない)なので、やっていて非常に安定感がありますね。
それでも愛国心は人一倍で、軍事企業を裏に抱える自国の大統領を暗殺し、
「シュテドニアにはもう軍事企業は必要ないのだよ。戦争が終わった後、そんなものはいらない。それを理解できない貴方はもう用がない」
とか、普通に言っちゃうあたり、悪役って言う印象は皆無です。仲間内にも慕われているし、例え上から目線だったとしても、シモーヌを初めとして、部下のジョグに対しても非常に理解があります。
最期も、
「私は自分のやったことを後悔していない。中々いい死に様だろう?」
とか、爆死する時はしびれました。
なんか、凄く一人の人間として優遇されているキャラクターだなあ。
ロドニーとかの、実は切れ者おちゃらけキャラも、確かに美味しいったらそうなんですが、それでも具体的な実力の見せ方とかはラセツのほうが優遇されている印象が強いです。ロドニーがラセツを蹴落とすのも、あくまで結果として出てくるだけであって、どうやったかとかはあまり語られないものなあ。
これもルートによっては「世界征服」とか言い出しちゃうんですけど、個人的にはあくまでシュテドニアという国をラングラン皇国の支配から脱却させる、っていう祖国愛の印象のほうが強いです。
大体あいつ、あの世界観の中で最高に顔が派手なんでズルイです。ほかのキャラクターも地味に書き起こされているっぽいんですが、ラセツはあからさまに顔の力の入れようが違う。
白黒漫画だったら、ツヤベタが嵐のように舞っているレベルで違う。


私の妄想はさておき、ゲームとして評価するとまあまあのデキ、ってところでしょうか。
物語や、キャラクター造詣は私的に満点。
途中で裏切ったりする奴も、別に悪者だから裏切るわけでもない。
徹頭徹尾敵なラセツも、悪役っていうよりは、戦う相手という印象が強く、心底嫌な奴というのはとても少ないです。
キ印の錬金術者くらいでしょうか。でもあいつもにぎやかし程度だからなあ。ルートによっては人道的な行動(フロントミッションのオチような)に走るんですが、魔装機神の登場人物は、マサキを筆頭に、それほどその事実を引きずったりしないので、ひとつの出来事として流せる感じです。
これも物語の統合が取れているからなんでしょうね。
ある特定の出来事だけさらっと流されたら「おい」とも思いますが、全部のテンションが概ね一緒だと、その流れもおかしく感じない。
逆に、特定の出来事にだけ長くて強い執着を見せたら、それは「特別」ってことですしね。

キャラクターも美女、ロリ、美少年、美青年、色物も含めて目白押しです。
ただ、これ『セイクリッドブレイズ』と同じで、だからって好きな人物でユニットそろえてクリアできるか、っていうと忍耐と努力が必要ですっていう仕様にはなっちゃってるんですよね。
魔装機神っていう、四体のロボットはレギュラーとしても、そのほかは、多くても三体までしか出せない。戦力を考えるとたぶんリューネ(っていう女の子がいる)は決まりでしょうし、そうなると二人しか育てられない。
戦闘の効率だけを求めるなら、その二人は精神コマンド『激励』が使える奴、っていうと、選べるキャラクターに幅があるようでないというか。
おかげで、私は何度やり直してもプレシアっていうロリの子常に一軍でしたよ…(嫌いじゃないが不本意)。
まあ、それを無視して育てるのもまた一興ですが。


戦闘そのもののシステムとしては、三すくみ的な要素が大事なのは無改造の序盤だけで、ユニットを一定段階まで改造してしまえば、正直どうでもよくなります。そんな点だけでいえば、頭を使わないと大変っていうことはないですね。改造しすぎて、レベルの低い奴に敵を残しておきたいのに倒しちゃう、とか、シミュレーションにはお決まりの悩みを抱えながら、こつこつ進んでいけばまず間違いないと思います。
この、ラスボスが近くなればなるほど、こっちの改造やレベルがありすぎて戦闘が楽になるっていうのは、大体どのシミュレーションも、RPGも同じようなものなので、個人気には流せました。
改造さえ上手くやっていれば、ひたすら突っ込んでいくだけでもマップクリアは可能なレベルです。


グラフィックは若干演出べた、ってところでしょうか。
FEだってオフにしていたのに、その倍くらい映像を見せられるので、最初から最後までONにして楽しんでいた方はかなりの猛者だと思います。
汚くはないですが、ずっと見ていたいほどきれいではないというか。
個人的にDSに画像のきれいさはあまり求めていないので、この辺はマイナスにはなりませんでした。


音楽は、超絶思い出補正がかかっているので、判断全くできません。音源そのものはやはりSFC時代からのものなので、それほど特筆するレベルではないんじゃないかと思います。私なんかはもう、キャラBGMで高揚、武器BGMで高揚、シュウが出てくればイラッと、音楽だけでも感情の上下が半端なかったです。


とにかくキーレスポンスがもっさりしてます。
一番戦闘画面を長く見るのに、そのあたりは是非改善が欲しかったところですが、これも何週もしているうちに慣れました。
少なくとも「やってられねえよ」レベルで悪いってことはないです。
他がよかったので私は乗り切れました。


SFC時代のカセット(若い子は絶対にわからないであろうこの呼び方)を、完全に変な脚色なく移植した作品でした。
『真・紋章の謎』のように、新たなキャラとかイベントとかも一切ありませんしね。
あの時代はなんとかいけたけど、今は駄目という台詞の改変はあるらしいですが。
SFCで遊んでいた頃は、ラセツなんて目もくれずにヤンロンの尻ばかり追いかけていたんですが、いざ蓋を開けてみれば味方以上に敵役の演出が上手いソフトでした。
この辺、OGシリーズにも引き継がれているのかなあ。
個人的に今のOGシリーズは敵の言っていることすら一ミリも理解できない異次元の人がラスボスな事が多いので、是非また、国対国の争いもクローズアップして欲しいなあと思いました。
『魔装機神』公式サイト


現在二週目。
分岐を潰すにしても、選択肢からやり直すとしても、どの道、最初からやる必要は少なくとも三回はあるので、クリアデータ引き継いでやってます。
クリアデータロードで、資金大幅引継ぎだと、頭使わずに進めて楽ですね。
元々魔装機神は、スパロボほど脳みそを使って進むゲームではないですが、やっぱり初期状態と、改造しまくった状態で始めるのとは雲泥の差があります。かける時間に。

魔装機神は精霊を宿したマシンにそれぞれ搭乗しているので、その相性(武器の三すくみのよう)によってダメージが断然違ってくるのですが、ユニットデータでそれが一発で見られないのは面倒だなあ。
こちらがガチで改造していればそれほど気にならない部分なのですが、初期状態で進めると、敵の背後を取るには、取られないにはどうしたらいいかとか、水属性の奴に突っ込む火属性の奴を連れてこないととか、それなりに戦略的なものが面白さに繋がるので、こちらが頭を使うために必要な情報は、ユニットにカーソルを当てた途端に見られるとか、色々工夫が欲しかったです。

まあ、全体的なシステムも夏ばてしているソフトに、細かな配慮を求めるのは酷かもしれませんが………。

私「とにかくシステムがもっさりしててさあ」
「仕方がないよウィンキーだから。逆方向に次世代ソフトなんだよ」
そう弟が微笑みながら言うようなソフトだからな………。


しかし、キャラ萌えや、物語運びはさすがですね。
一週目はあまりそれぞれの国々に突っ込まないルート(邪神ルートというか)で、エンディングAを迎えたんですが、魔装機神の真骨頂は、やはり国と国との諍いなので、二週目ルートで「シュテドニア」(国名)中心になったとたんに、面白いこと面白いこと。
ラセツっていう独裁者的なキャラクターが元々好きなのですが、そこに絡んでくるシモーヌさんとか。
ラセツに失脚させられた、CV速水の関西弁(トロイアなまりとも言う)でヒゲでおちゃらけた切れ者のロドニーとか。シュテドニアは人材の宝庫だなあ。

大体からして、魔装機操者っていうのは、地上の人々が勝手に召還されてなるものであって(例外もいますが少ない)、それにラ・ギアス(魔装機神舞台の地球の裏側にあるとされている世界)の人々が、「支配されるんじゃないか」とか「他所から来てえらそうに」とか思うのは、ある意味当然なわけで。

その上で、権利が絶対不可侵である「魔装機神」(魔装機の上位にある、四体しかないロボットのこと)を抱くラングラン王国に、他の国々が反感を覚えるのも、無理ないことだし。
ラングラン王国も、絶対君主がいなくなってから魔装機操者は邪険にされるしで、根本的に主人公側は、勝手に呼び出されたわりに、むくわれない立場に居るっていうのが、物語としてメリハリが利いていていいですな。

その上で、「それでもこの国々を守ろうとするのは何故か」っていう部分に、各々の思いがあるわけで。
地上に居場所がなかったり(根本的に召還される地球人は総じて「地球で生きてきた頃の生活の繋がり」が薄い)、好きな人が出来たり、純粋に正義感であったり、より純粋な存在である「魔装機神」に選ばれたという誇りであったり。

そんな中、主人公のマサキが始めはそれなりにアホウだったのに、見る間に成長していって、誰に言われたわけでもないのに、一番風の魔装機神操者として、揺るぎない意思を持つっていうのが、凄く好感度高いわけです。
マサキに対しても、マサキがいい成長できた物語に対しても。
最初は権利とか、主義を主張するのは年長者であるテュッティであったり、堅物真面目のヤンロンであったりするんですが、二章に入るともうマサキしか政治的意思とか、決断を主張しませんからね。

マサキが至極真っ当に
「命は地球より重いんじゃない。地球は、命って言う大事なものを全部抱えているから、世界は重いんだ」
とか言われると、そりゃ惚れるよな! リューネ!

政治的な打算とか、そういうのに大して勘がいいのではなく、一人の人間として「ラセツは利用できるものは何でも利用する。だから、エリスは殺されない」とか確信を持って言われると、「ああ、こいつ裏表のない部分でキレ者なんだなあ」としみじみ思います。

キレ者っていうと、どうしても世の中の酸いも甘いもかみ分けた、含みのある人間って感じがしますが、マサキは一人の人間として様々なことを経験してきて、その上で状況判断が優れている、ってことなのでしょうな。
だから別に、非常な現実を見ても腐ったりしないし、凄く切り替えも早い。

こういう、真っ当な青年が主人公なゲームって、最近中々ないので、非常に新鮮です。SFC時代のゲームなのに新鮮って言うのも変ですが。
本当にマサキ、二章に入って男前になったなあ! 一章からぶっ続けでやると、特にそう思うわ。


ヤンロンやミオは、魔装機神操者の中でも政治的思惑から外れているポジション(ヤンロンは序盤や、ルートによってはそうでもないですが、奴の真骨頂は「スパロボEX」みたいなもんなので)で、テュッティと、マサキが政治的判断をせざるをえないポジション。
他の魔装機操者は、結構あっちこっちフラフラしている(苦笑)ので、ほぼにぎやかしポジションに二章ではなってしまうのですが、一章でそれぞれの個性はちゃんと描けているので満足。

サブキャラクターの描写だけ抜粋すれば、何度も出てくるけれど物語として、インターミッションには「出てこない」敵側のほうが、よほど描写が多いです。その描写も、ほぼ戦闘開始時の会話だけに特化しているのも、凄く好感触。
だらだら戦闘前後に会話が挿入されるのではなく、あくまで「戦場」で出会い、戦場で語られるっていうのが、演出として好みなのです。
FE初代や、「聖戦の系譜」が好みなのと、同じような理由で(FEシリーズも基本、戦闘マップ上で語られる物語が全てだと思っている)魔装機神の、敵対する側の物語の描かれ方は、非常に秀逸だと思います。

バゴニアにせよ、シュテドニアにせよ、出てくる登場人物は少ないので、必然的に敵ユニットとして出てくる回数が多くなり、結果として物語の上で「絡んでいる」っていうのが納得できる演出が上手いというか。
この手のシミュレーションゲームとしては、多分「名もある敵」の人数は少ないほうだと思うのよね。それゆえに感情移入できやすいというか。


で、そんな国々の争いと、国々の争いに関与しない魔装機操者の連中の絡みは凄く面白いのですが、やっぱり、シュウがイライラするので、あいつは本気で空気読め。
天上天下唯我独尊で、邪神がどうので、他人なんて知らねえよ、って奴が出てくると、物語破綻するんだってば! そういう奴いらねえのよ! せっかくそれぞれに抱えるものがある人間たちの物語なのに!
何度も遊んできたのに、未だに、シュウがゼオルートを倒すシーンは、マジ怒りがこみ上げてきます(苦笑)
い、いくら操られていたっていったって、今は違うったって、シュウとそれなりにノーマルな関係を築いているマサキたちが信じられません。俺は許さない。
現在、そのゼオルートが乗っていたギオラストに、ロドニーが搭乗したところまで進みました。よし、あと三日くらいでクリアできそうだ!(苦笑)
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ツイッター
ブログ内検索
メモ

公式サイト11月10日発売予定








ファンタスティックMr.FOX
アリス・クリードの失踪
4デイズ


美術系
・氷見晃堂(石川県立美術館)
・佐々木象堂(佐渡歴史伝説館)
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright (c) 雑記 All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]