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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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ネタバレ要素ありますので、自己責任において閲覧ください。














『逆転検事2』感想

クリアしました。結構、いやかなりのボリュームがあって満足です。大変面白かったです。
一作目はどうしてもこちらも、逆転裁判のノリを期待しますし、作り手側もそれをふまえての部分が多かったせいか、却って作品の印象が散漫になっていたような気がしましたが、今作に関しては非常に硬派な推理ゲームと言う印象が強かったです。

基本的に、私はまず主人公である御剣に特別萌えない(笑)上に、出てくる人物にも萌えをあまり感じなかったので、そのせいもあって推理や物語、ゲームの作りそのものに集中して遊べました。萌えの部分で上手くひっかかれば、よりいっそう楽しめる作品だと思います。


システムに関しては、相変わらず既読スキップがセーブしないときかないとか、基本的なメッセージスピードが遅いとか、まあ毎回どうして改善してくれないのかと思える部分はほったらかしです。
特に今回は、話運びが「ん?」というものが結構多くて、バックログはぜひとも実装してもらいたかったとことなのですが、それもなし。
うーん、確かに与えられた会話が、こちらの選択肢によって枝分かれしてしまう仕様はバックログしづらいのかもしれませんが、私は一回文章を読んだだけではわからず、しかも、DSの小さな台詞ウィンドウ表示のため「…文章の意味がわからないけどこの前でなんて言ってたんだっけ」というところが、場面によってはかなりあったので、バックログがないのはかなりの苦行でした。中断ではなく、章の始めからやり直しましたよ。


新しいシステム、ロジックチェスは、証拠を集める必要もなく、総当りでそのパート『だけ』で完結できるものなので、さして難易度には関わってこないと思います。やってみてこの選択肢が駄目だったから次ーという軽いノリでできるというか。失敗したところで別にゲームオーバーじゃありませんしね。
しかも、事件に関係している「新事実を明らかにする」んじゃなくて、相手の会話を上手く続けされるっていうスタンスなので、ただのロジックほどは難しくないと思います。


キャラクターに関しては、レギュラーメンバーは御剣以外ほぼ空気です。
ミクモちゃんは…なんだろう、ぬすみちゃんっていう過去の舞台を再現できるシステムのために存在しているとしか。
イトノコは自立しましたけどね!(笑) カッコよかったですが、イトノコがかっこいいのは元々(笑)なので、驚くに値しませんでした。ノコちゃんは前作だって、裁判シリーズだってカッコよかった!

一応御剣の行動理念に関わってきたりするのかもしれませんが、御剣と言うキャラクターが基本的に、自分の指針は自分で決めるスタンスの人間なので、どれだけ「影響された」といってもたかが知れている感じです。この、自分の主義主張って御剣だけがわりと自分の中で重要視している感じで、他のキャラクターたちもそれぞれ自己完結している人間の集まり(このゲームでは)なのが、わりと顕著な感じでした。
逆にそれが、出てくる人物の平均年齢が非常に高い、ってところも相まって、硬派な印象を受けました。御剣も四捨五入すれば三十歳だしね。

各々独立採算制のスタンス(笑)でかつ、「自分の主張は自分でする」っていう会話運びだと、あまり会話の掛け合いの楽しさっていうのは生まれないので、その辺の楽しさは今回あまり個人的には求めませんでした。気にならないというか、それこそ抜群のテキスト能力(製作者側の)を楽しむゲームでは「もうない」と個人的には思っているので。

イトノコ刑事とか、メイちゃんとか、必ず出演してくるお決まりキャラクターたちも、これもかなり個性が確立されているので、いるだけで非常にいい意味で安定感。悪い意味でもう新たな面が見えないという、印籠パターンに入っているので、逆に物語を純粋に楽しむことができました。今回は、もうキャラ萌えとかどうでもいい感じです私は。


どうでもいいとか言っておきながら、新規参入キャラに関しては、シガラキさんが滅多やたらに渋いのはそりゃ倒れました。声も渋けりゃアクションも渋い。地味に茶系のシャツに水色のネクタイというファッションセンスに超萌えました。なんなんだよあのオッサン…!
御剣は生まれてこの方非常に上司に恵まれていない(笑)ので、自分よりも目上の立場で尊敬できる人間がいたってことがもう驚きです。上の人間は犯罪者か、同年代では青いギザギザとうさんくさい絵描きとしか交流を深めていられないし。

シガラキさんがまた人間的にとてもできておる哉…であって、若い頃は御剣のお父さんと一緒に懸命に働いて、そして御剣がある意味父親から離反した後も、事務所を、御剣が「帰ってこられる場所」をずっと守っていたのかと思うと、なんだか涙が出そうです。
何をしても受け入れるのではなく、御剣がこの場所を「思い出すか」見守っている風なのがたまりません。
シガラキさんは盲目な人間ではないので、御剣が道を踏み外したのを勿論「良し」とはしていないけれど、御剣の生き様や主張を見て、ちゃんと、「わかってくれる」っていう、ひっじょうに大人な人間なのです。
多分今までのシリーズにこんな大人いなかった。(いたけどいなくなっちゃう。苦笑)

それだけに、あまりゲーム内容そのものに関わってこなかったのが残念…というか、遊んでいる方の十中八九は、いつシガラキさんがあんなことやこんなことになっちゃうのか戦々恐々だったと思います。
実際シガラキさんがどうなっちゃうのかは、それぞれお確かめください(笑)。


後は新キャラでレギュラーになりそうな、イチリュウ君は個人的に大変可愛かったです。いやあ、年取ってきてこういうキャラクターに体性がついたんでしょうか。というよりも、水鏡裁判長が言った通りに、彼は仕事に対して前向きでちゃんと仕事をやろうっていう意識があるからだと思います。仕事に手を抜こうとか、そういう意識がないのであれば、多少天然であってもわりと微笑ましく見られるというか…如何にも小物臭が漂っていたので、生暖かく見守れたというか…。イチリュウ君は、それこそ文字通り最初から最後までちゃんと頑張っていたので、個人的には好きなキャラクターです。

さて、肝とも呼べる水鏡さんですが、大した印象を受けないまま終わりました。最終章で印象変わるかなあと思ったんですが、そんなこともなく。大体この人、序盤から別段御剣の敵でもなんでもないので、なんつうか特別感銘を受ける受けないっていう立場の人間じゃないんですよね。それこそ、弁護士に敵対する検事、っていう位置づけでもありませんし。
鎚を振りかぶるモーションがカッコよくてそれは好きでした。まあ、いい人だったねっていう感じでしょうか。それほど個性がぶっ飛んでいるわけでもないですし。


シリーズ共通のキャラクターも出てきて、それも凄く楽しかったです。
個人的に、ニボシさんがまた出てきてくれたのが嬉しい(笑)彼、普通にいい人なので。
そして、まさかの裁判シリーズ最初の犯人までもが!(爆笑)相変わらずで安心しました。
コロシヤさんは…第一章のスチルがあまりにかっこいいので悲鳴を上げました。あの人の年齢設定いくつなんですが…。六十歳とかじゃないんですかあのスタイルのよさなんなの…! まあコロシヤさんはいついかなる時もラスボス扱いと言うか、絶対に誰にも捕まらない不変の存在なので、年齢不詳くらいでちょうどいいのかもしれませんね。ひたすらかっこいいです。
しかし私、御剣が「私が捕まえた盲目の…」とか言い出したとき、本気で、「ゴドー!?」と思ってしまいました。いえ、別にゴドーは盲目じゃないし…大体、あのポジションをゴドーさんがやるわけはないんですけども、錯乱してしまいましたよかなり…。だって刑務所内でそういうこと言うからさあ!(この段階ではゴドーの事件はまだなのかな? 時間軸がちょっとわからないです)


というか今回やたらに、サブキャラのカップリング要素強いと思いませんか!(鼻息)
私、シガラキさんだってあのケーキ作りの助手さんと一瞬カップルなのかと思いましたよ! イトメイは当然だとしても、シモン君と撮影所のお姉さんとか、大統領とか、サブキャラの妙なカップリング臭が超気になる! 関わってこないのは御剣だけ!(笑)
ちなみにミクモちゃんは、もにゃもにゃの状態(ネタバレ)であれば、ギリギリで御剣とカップリングいけるかな、と思いました。通常運転だと駄目だあの二人は。
冷静に考えると、水鏡さんとゴーグルの人も結構なカップリング要素だよなあ。
そういう意味では、逆に誰とも要素が薄いイチリュウ君は偉いと思いました。そういう意味でも君はキャラが立ってる。


そして、ここにきて私的鉄の掟が今回も作動してしまいました。好みの顔の男が必ず死ぬ…(苦笑)。
私、(反転)内藤のルックス好きだったんですよね…。せめて…せめてあそこまで壮絶な人生を送った人間にはちょっと幸せになってもらいたかったなあ…。もう一人がそれなりに幸せ(と言うか少なくとも寄る辺はあったわけで)なのに、内藤がちょっと可哀相すぎるだろ…。なんだよあの死に様…。特に、通信チェスで「これで決まりだ!」とか嬉しそうに書き込んでいる字を思い出してマジ泣きしそうになりましたよ。(反転終了)


いわゆる悪役ポジションは、最終章の悪役はまあそれなりに。
その前の相手が、本当にもう、何を言っているのかよくわからなかったので、最終章のすっきりとしたまとまり加減がむしろさわやかにすら思えました。


さて、ゲームの肝である、会話の矛盾をつきつけろ、っていうシステムは勿論今回も健在で、それによって相手を叩きのめしていくんですが、今回、第四話、そして第三話の後半などが非常にキツかったです。
なんていうか、矛盾にこちらが「気づけない」とか、気づいても「突きつける事柄がわからない」っていうのは、推理ゲームに置いて特別価値を下げる要因にはならないわけです。自分の脳の働きが悪いだけ、っていうことですし、逆にわからないからこそ「そうだったのか!」っていう知る驚きが味わえるわけですから、わかるだけが面白さではない。勿論、わかっても面白いわけですけど。

ところが、四章の後半って自分が一体何を証明して、何を論破しようとしているのかよくわかんなくなってきちゃうんですよね、やってて。これが、前述したバックログ欲しいな部分でもあったんですが、大体まず、因縁つけてくる相手(笑)が初手から「これはどうでもいいんだよ。とにかく有罪。理由なんか要らないはいはい」っていうスタンスなもんですから、それに一体どう筋の通ったツッコミしろっていうのと、やっていてすべてにおいてつっこみの爽快感に欠けてしまうんですよね。

そして文章運びというか、文章とこちら側の「知りたいことの軋轢」というか、例えば、
・凶器の矛盾を暴こう!
・あの凶器は違う!
・そう、犯人は犯行時間いなかった!
・あれ!? 凶器の話してたんじゃなかったっけ!?
という、こっちが言われて(指定されて)必死でつきつけた矛盾から導き出される答えが、なんかこう、全部予想外だったんですよね。嬉しい予想外じゃなくって、「ええ!? 今その話してたっけ!?」というか。

これ、要するに「凶器の矛盾を暴け!」と初めから「指示されていなければ」違和感を感じないのかもしれませんが、某かを暴きなさいって、ヒントでも指示されちゃっているのに、実際暴く部分は違うし、暴かれた後のリアクションも「今その話必要!? というか凶器の話は!?」っていうものが多かったのが、凄く文章としてひっかかりました。

「御剣と相手はわかっている」から、文章として省略して(結果として導き出された答えは別に「間違っている」わけではないので)正しい答えにたどり着いたとしても、その省略しちゃっている部分が一番こちらとしてはちゃんと説明してもらいたいところであったという、理解力不足というよりは、互いの理解力がすれ違っている印象が凄く強かったです。


推理物によくある(このシリーズでは結構前から何度も言っている)「この矛盾でこの証拠品じゃどうして駄目なの?」的なものならまだ、その場だけの疑問ですむのですが、ここまで「いや、それ聞かれてたの!?」だと、ちょっとやっていて辛かったです。

具体的に言ってしまば、(反転) 第四章の後半、「事件直後の被害者に息があった証拠」を現すのに、「赤いレインコート」ってこれ質問の仕方がおかしいよね。 だってこれで結果わかる事って、別に屋上まで生きていた事がわかる、んじゃなくって、キズのついた順番がわかるのであって、結局水鏡の質問というか、御剣が「生きていた証拠を提示しなければ…」っていう質問そのものがおかしくなるし。
これ、ミスリードにしては酷すぎるんじゃないかなあ。明らかに、質問とは関係のない答えで煙に巻いてる。
で、結局御剣が出す結論って、「息があった証拠」じゃなくって、「検視結果のキズのついた順番が違う」とか言い出しちゃうので、こっちが一生懸命「息があった証拠」を考えていてバカみたいと思ってしまうのですよ。
実際私は「頭のキズが先」っていう御剣の唐突発現も、すんごい「何でそうなるんだ…?」と随分悩んで、結局やり直したんですが。
多分、あの後姿で既に手に血がついているんだけど、その時点では胸を刺されていない(その時にレインコートを「ボタンを開けて着ていた」らどうすんだとは思いましたが)んだから、頭のキズが先っていう結論なんだろうと思うんですが、それ御剣がゲーム中で一切説明してくれないんだよね…
(反転終了)


もう一つは、これ三章とか二章でも実はちょっと思ったんですけど、会話や捜査においてわかったことを解決する順番の相違というか。
随分前からわかっていることがあるのに、それをほったらかして、違う事実を結局見つけて何故かその後わかっていたことを解決しようとするとか。これ、前作のバベルインクの時とかもあったなあ。

前述の「文章運び」もそうなんですが、
・凶器の血について説明するから!
・なるほど、そうだったのか! じゃあその血は…
・で、次は死体について!
・え!? さっきわかった血については!? ま、まあそういうなら死体について…。
・死体についてわかった!  じゃ、次はアリバイ! 状況!
・…結局何について調べてたんだっけ………?

という、次々にわかること、新しいことを表示する順番がチグハグっていうか。結局こっちは何がわかって何が解決されて、何が残っているのか順序良く理解できないっていうか。
こっちとしては「おかしいな?」と思える謎ほったらかし、っていうのも結構ありました。
御剣自身が(反転)第三章のノミとか「看守がそのノミを見て勘違いして殺人を犯した」っていうところまで解明するのに、肝心の、「そのノミ結局本来何の目的でそこにあったの?」っていうのは素通りとかね。それはまあ、最終章で明らかになるったらなるんですけど、それは、あくまで最終章まで進まなきゃわからないわけですから、その「三章の事件」で放置していい部分ではないよなあ。せめて、実際このノミは…? っていう謎提起があったわけではないんだし。(反転終了)


今回は、推理云々と言うより、その推理にたどり着くまでの文章力が、ゲームの難易度を上げようとして文章そのものが「わかりづらい」という部分だけが特に残念でした。
それさえなければ、キャラクターの役割もはっきりしていたし、御剣のスタンスも明らかになって、推理物としてはかなり珠玉のデキだと思うのですが。 特に、あの謎を知りたいとか、お得意の最初から最後に至るまでの、物語の収束は非常に爽快感がありましたし、キャラクターだって基本的に出てくる人物全員魅力的ですよ。テンカイチさんとか若くても年取っててもかっこよすぎるだろ(笑)

第一作目はそれなりに不安なできでしたが、第二作目で、確固たる推理ゲームとして確立して、いい進化を遂げたシリーズだと思います。多分、次で終わりだと思うんですが(誰かがグレる寸前らしいし。笑)そちらも期待です。


ちなみに私、なるほどはちゃんと見つけました(笑)偶然ですけど、やっぱりいると嬉しいですね。ちゃんと奴らしいことしてましたし。
そして、御剣の俺俺主張(笑)を見るたびに、なるほどの全く俺主張しないスタンスは異色だったんだなあとしみじみ思いました。なるほどは、実際「全く笑わない」っていう、完全無欠に鉄壁な奴だったんだよなあ…。
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