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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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「たいようのマキバオー 8巻」
第22回 ダービーグランプリ。マキバオーは4着という結果に終わった。
来るべき、アマゾンスピリットとの対決、「ジャパンカップダート(JCD)」を目指すために、奮起する文太の前に立ちふさがったのは、屈腱炎という病だった。
再発のために、三ヶ月の休養を余儀なくされる文太。
その間、11月のJCDに向けて、10月の「武蔵野S」に帳尻を合わせて調整を重ねていくアマゾンスピリット。
同じくJCDを狙うアイキュアとの併せ馬にも熱が入る。
正騎手正木のダービーグランプリ視察をあざ笑うアマゾンスピリットだったが、正木は一言「行った甲斐があった」とだけ答えた。
何故地方競馬から急に、府中の「武蔵野S」を選んだのか、という記者の問いに、アマゾンは明確に答えた。

「いいかこれだけは覚えておけ。オレは中央を目指したりなんかしてねえし、地方にこだわりなんかも、ありゃしねえんだ。オレは、オレが走るべきレースを走るだけだ………」

周囲に敬意を払わぬアマゾンの態度は、反感を買うものばかりだった。

「いよいよ来週初めての中央チャレンジだけど、いっそやられてくればいいんだ」
「ああ思い知るべきかもな。しょせんは井の中の蛙だってことを」

武蔵野Sでいらつくアマゾンを見て、周囲が酷評する中、オーナーは憮然として答える。

「あいつが胸に抱いているのは、ダートホースとしての誇りだ。アマゾンは、芝至上主義の象徴を、このダートに見ているんだろう」

始まるレース。居並ぶ馬も、芝適性の高いものばかりで、途中で芝からダートへ移るこのレースに、文句が耐えない。

「まったくだぜ。走れる芝の距離が違いすぎる」
「おいおい、ピントがずれてるぜ、あんたら。芝を走る距離がどうのという問題か? そもそもダート競走なんだぜ!?」

「芝で勝てないからダートで走る。そういった流れの馬は多い。どこかでダートホースは皆、芝で走れなかった馬、そう、芝くずれの馬であるかのように思われている。だからね………このくらいの相手には負けないよ。アマゾンは………あいつは、プロフェッショナルのダートホースだからね」

「一体ダートレースは何のために存在しているんだ? 芝のレースの落伍者を救済するためか? 芝コースを休ませるためか? 観客の目を飽きさせないためのバリエーションか? そうじゃねえだろ。俺たちは俺たちで、頂点決めんだろうが!?」

そして、直線一気。最後尾からのムチの追い上げで、アマゾンは居並ぶ馬たちを最後尾から抜き去ります。

『外から、アマゾンスピリットだ。公営の三歳馬が砂塵を巻き上げてやってきた! なんという切れ味! これがダートのレースか!? これは本物だ! アマゾンスピリット完勝!』

何かある、何かあるとずっと思い続けてきたアマゾンスピリットですが、やってくれたぜ己の心意気!!
ただのチンピラとは言わせない!
オレはダートで頂点(てっぺん)を取る! ダートレースのプロフェッショナルとして、決して芝くずれの連中になど負けやしないという、その気概に惚れた!!

いやあ、やっとアマゾンの心中も明らかになり、大盛り上がりの私でした。

そして後半、武蔵野Sと同時期に開催される、「JBCクラシック」へ移ります。

文太は出られず、ゴールデンバットもなんと最下位。
もう、三歳と走る時期は終わり、もっと上を目指さなければならないという言葉を受け、文太は東京競馬場の視察へ向うことに。

そこには、芝の王者、ジャパンカップのフィールオーライの話題でもちきりだった。
同時期に開催される、JCダートは注目度は薄いものの、混迷が予想されていた。
カスケードの血をひくトータルケイオス。
バットが惨敗したJBC二着のキングアナコンダ。
そして、アマゾンスピリットに、山本菅助騎乗のマウンテンロック。
海外の様々なレースに対応できるように、と、様々なレースに出るマウンテンロックがJCダートを選んだのは、鬼の末足を持つ、アマゾンスピリットの実力に触れるためだった。

「正直まだ海外など考えもしなかったが、王者にそう言われたのなら、考えなくてはいかんかな………」

ちょ、アマゾン海外!?
早! 早すぎるよ! アマゾンいなくなったら何を楽しみにこの漫画読んでいいのかわからない! バットこのまま消えそうだし!

そして、JCダート当日。
居並ぶ馬たちの中で、ひときわ輝くのは、砂の魔人マウンテンロック。王の帰還と称され、その立ち居振る舞いはまさに圧巻。
ゲートに入る前の、馬たちのせめぎあいが、個性炸裂で、最高に面白いです。
全部抜粋するとキリがないんですが、相変わらず、ニトロニクスの血を引くグラインドハウスが喧嘩っ早かったり、四歳馬で結構こわもてのキンゴアナコンダが、世話焼きだったり。
「そろそろ止めねえと本当に取っ組み合いが始まるぜ。ここは一つG1馬の貫禄見せてくれよ、レイス。びしっと止めちゃってくれよ」
で、言われたほうのハーリーレイスは、無視して行っちゃうわけですが、
「ちょ、あんたハウスと同期だろ!?」
とうろたえるコブラが超可愛い。
その争いは結局、外国産馬四歳のイースタンプロミスが制するのですが、そこはかとなく、アポーの匂いがしてくるので惚れそうです。よ、世慣れてるだけじゃなく、あのすさんだ感じがたまらない!
「女子供もいるんだぜ。気を遣えよ」が、絶対に親切心からじゃなくただ引き合いに出しただけっていうのが、また最高。
そして、トータルケイオスも、冷静に分析しています。カスケードの子供なのに、何故こうも、お前は微妙に扱いが悪いのか。

レースが始まり、グラインドハウスが一気につっかかります。
「入れ込み上等よ。最強世代の喧嘩番長の血が流れているんだから。あの血の沸点は物凄く低いんだよ。その爆発力は、物凄い武器でもあるんだから」

レースは、ハウス、トルク、アナコンダの順に続き、アマゾンは最後尾から二番手。そして最後尾は、喧嘩を止めたイースタンプロミスが。
中央には砂の魔人ロックを中心に集団ができており、そのままの状態でレースは進む。

ハイペースに仕掛けられない中盤の馬たち。アマゾンとプロミスの末足を気にして、こう着状態が続いていく。

「何故行かない? 放っておいても前は自滅するとふんでいるのか」
「いや、そうやない。怖いのさ。後ろのあの二頭がな………」

「ありがてえ………このまま誰も来ないのなら、こいつはオレのレースだ」
ひとりほくそ笑むアナコンダ。
魔人ロックが中央から一人抜け出て、前の三頭を追う。
アマゾン、そしてプロミスは未だ動かず。

『勝負は、ロックまでに絞られた!』

果たして、アナコンダが勝利を収めるのか。それともロックが追撃するのか。そして、アマゾンの末足はいかに。

すんごく盛り上がったJCダートでした。
いやあ、もう、やっぱりそれぞれの個性が際立つ馬たちが居並ぶ様は最高だな。

マウンテンロックが、外見凄くきらきらした美形の馬なんですが(それは馬に対して使っていいものなのですか)(いいんです)、騎手山本との信頼関係が、あふれ過ぎていて大変。
何で地方とかのレースにばっかりですのか、もう少し大事に使ってやらないと、という記者に対し、
「大事にされているかどうかは、あんたらが決めることじゃないだろ」
とか言っちゃうロックの愛がたまらない。
おまけにレース中も、こう、山本と超互いの酸いも甘いもわかってる大人のツーカーっぷりがナイス。
マキバオーとはまた違った、大人の信頼関係が凄く萌えました。
うわあ、ロック惚れそう。砂の魔人っていうコピーに(それだけ!?)。
今回はとにかく、今までずっと謎だったアマゾンの心中がわかっただけでも、大満足でした。うわあ、早く次が読みたい。プレミアはどうでもいい。
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