忍者ブログ
日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
[94] [93] [92] [91] [90] [89] [88] [87] [86] [85] [84]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『たいようのマキバオー3巻』
ジョッキーたちが、サトミアマゾンをべた誉めするところから始まる3巻(語弊があります)。
くちぐちに、
「サトミアマゾンはカッコよかった」
と誉めてくれるのですが、
「無敵で弱いものいじめするよりよっぽど男だぜ」
とか評価されているのにちょっと違和感。
なんていうか、アマゾンはもっとストイックな感じがします(怖い)。
なんだろう、勿論「中央の馬に勝利する」という目標があるのは当然なんだけど、そうではなく「地方馬の勝利を見せる」という意識のほうが強かったんじゃないかと。
結果としては同じなんですが、念頭にあるのは中央を打ち負かすとか、そういうことじゃなく、地方の馬がどれだけ強いか、どれだけの力をもつものがいるのか、それを見せ付ける、という意識が強かったからこそ、
「勝負から逃げるのは………それ以下じゃねえか!」
逃げない走りで、最後の中央を終えた。
中央の馬に勝利するだけなら、ぶっちゃけ、一位でなくてもいいわけです。他の馬が惨敗する可能性もあるわけですし。
でもそうではなく、地方馬である自分の強さと意地を固持したいからこそ、「二位」ではなく「一位」を求めた。
そんなところが、船橋という枠組みの中からの視点が、逆にカッコよく思っていたのです。

とまあ、私の長いサトミアマゾン妄想(苦笑)はさておき、その息子であるアマゾンスピリットもどうやら、意図的に中央を狙っていないようで、なにやら裏がありそうですね。
アマゾンの子どもが、中央を怖いから逃げたり、弱い地方で勝利を重ねることに愉悦を感じる性格であるわけがない。

しかし、3巻の主役は、鳥なき島のコウモリ、ゴールデンバット!
ボギーが好きな貴方ならお勧め! お勧めですよ!
ボギーよりおっさんくさい風貌と性格ですが、これまた非常にカッコイイ。
今まで土佐での勝利だけで満足していたバットですが、勝利すら許されないマキバオーの姿を見て、決意します。
必死に隠れて悔し涙を流していたマキバオーの気持ちを思い、うなだれるシーンはこちらも感涙。
「高知競馬がどうの、文太がどうのということだけやなしに、おれ自身の問題として出ていかねえとならねえのさ」
実際金のない高知競馬からは、馬運車の代金すら出ません。
中央のレースに遠征して、勝てる見込みは殆どなく、その賞金目当てで借金をするなど、あまりに無謀。
ですが、バットは断言します。
「飛び切り豪華な馬運車借りといてくれや。高知のスターにふさわしいやつを。きっちり賞金で元とっちゃるき!」

カッケェェ!

おっさんが言ってるだけに、メロメロも二倍です。
マキバオーの醍醐味、明らかに脇役なのにあまりにもカッコイイバット。
『みどりのマキバオー』も、実際、マキバオーとカスケードが主役で、あんなにカッコイイ、ワクチンやアマゾン、それこそピーター?ですら脇役ですが、それは問題ではないのです。

遠征先には、文太(マキバオー)の姿はありません。
完全にアウェーの状態でレースは開始されます。
そこで、バットに蘇るのは、高知競馬で中央の馬に惨敗をきっした事実。

「悔しかったぜ………。いや、悔しがることさえできていないのかもな………。
悔しいとは言いながらも、リベンジのため高知を出て、こっちへ乗り込もうとは思わなかったんだ………。
文太の涙を見るまでな。
情けねえ話さ。あいつが………文太が毎日悔し涙を流して守っていた高知で、よそ者に惨敗しながらもへらへら毎日走ってたんだぜ。
あいつに教わらねえと悔しいの意味もわからねえで、何が土佐の帝王だよ」
その意思に、ジョッキーハヤトも応えます。
「まったくだ。俺も同じ気持ちだよ。文太に恥じない走りを………あの涙に報いるレースをしねえとな!」

その場に文太はいない。それどころか、バットがレースに出ていることも知らない。
けれど、文太の行動は確実に、負けることに慣れかけていたバットと、ハヤトを変えた。
自分はただ懸命に、時にはみっともない姿をさらして転がるマキバオー。
だがその姿は、確実に他者を変える力がある。
これが、マキバオーの血統でしょうねえ。
また、かっこいいのが、それに応えるバットの漢気!
そして、そんなバットの「走り」を見て、お前など知らないと言っていた、以前バットに勝利したグラインドハウスも、思い出します。
「なるほど。あいつか。確かに………思い出したぜ。ゴールデンバット」
このあたりのレースの応酬、吐くほどカッコイイです。
バットも勿論カッコイイですが、走りを見て思い出すグラインドハウスもカッコイイ。
私はサトミアマゾンのように地方を背負ったり、モーリアローのように金を背負って走る馬も好きですが、純粋に、勝利のみを目指す馬も勿論大好きです。
サラブレッドは、走るために生まれてきた馬だものな。


結果、バットは一位になることはできず、新たに気持ちをひきしめます。
ですが結果として、その奮起は高知競馬の他の馬にも広がり、マキバオーが客寄せとして無理な発走をせずにすむ結果を生みつつあります。

マキバオー自体は、全力をつくしたレースは未だなく、3巻ではその決着がどうなるのか、というところで、終わってるんだよこれが………。
くそ、腸が切れそう。
やはり、魅力的な馬たちがでてきてこそのマキバオーですね。
今後とも是非バットさんには頑張ってもらいたいです。
ついでに、バット×コナツはたいよう界の超王道だと思ってます。
このカップリングは、チュウ兵衛とアンカルジアと同じくらい鉄板だよ!
PR
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ツイッター
ブログ内検索
メモ

公式サイト11月10日発売予定








ファンタスティックMr.FOX
アリス・クリードの失踪
4デイズ


美術系
・氷見晃堂(石川県立美術館)
・佐々木象堂(佐渡歴史伝説館)
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright (c) 雑記 All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]