『街』PSP版
私の中でチュンソフトといえば、弟切草よりもこちらのイメージが強いのですが、その割には遊んでいなかったセガサターンのソフト。
遊んでみた感想としては、明らかに『428』の方が出来がよろしいかと。
まず、それぞれの物語に符号性がないのは(それぞれが面白ければ)いいとしても、結局オチもなければヤマもなく終わる登場人物の話が殆どであること。
そうなると、本気で「サウンドノベル」である以上、その物語そのものが面白ければ意味がなくなるわけで、その上で評価すると微妙、という感じでした。物語の面白さそのものは、個人の感性に関わってくるので、あくまで好みの問題ですが。
ウマ編、ウシ編は、顔がそっくりな俳優とヤクザが間違われてという、よくあるドタバタ物で、しっかりオチもつくので物語としても面白かったですし、ゲームとしてもシンクロして楽しかったのですが、それを除くと、他のシナリオ半分以上、ダイエットするしないをひたすら眺めたり、頭のおかしい作家の妄想を眺めたり、自分探しの外人部隊の葛藤を眺めたりと、まあ正直それを五日間も引っ張られてもね、という感じでした。
おまけに基本的にどの話のオチも後味が悪いというか、爽快感が無いというか、放り投げっぱなしの感が強いので、どうしてもゲームをクリアして「面白かった」と素直に思えない印象が強かったです。
おまけシナリオも個人的には「何が楽しくて頭が沸いた男と地味な女の結婚サギ的な顛末を読まねばならんのだ」とうんざりしてしまいましたし、外人部隊の父親の話も「またこういう実は不器用な父親で、っていい話っぽくしようとする…」と遠い目になったので、純粋にこのシナリオ書いた方といまいち感性が合わなかったという話なのだと思います。
シナリオの好みは別としても、ゲーム性と言う面では明らかに低い(それぞれのシナリオに飛んだりしても、そこに偶然の必然性がない)ので、ある意味このソフトの完成形が『428』なのかなあ、と思いました。
個人的に、ウマ、ウシ編以外だと「できちゃった」の馬鹿馬鹿しさ加減は面白かったです。
『流行り神PORTABLE 警視庁怪異事件ファイル』
個人的にはイマイチ。
同じシナリオが選択肢によっては、科学的なルートか、オカルト的なルートに別れる仕様なのですが、結局どちらを選んでもオチは同じだったり、どちらのルートをクリアしても、不可解なことは残ったままだったりするので、結局「売り」なのはオカルトルートなんじゃん…とやっていて、ちょっと気持ちが盛り上がりませんでした。
せっかく、正反対なものを選んでいるのであれば、正反対のオチがつくくらいじゃないと。
あと、オカルト的なものを選んでも、科学的なものを選んでも、推理ロジックで「どちらとも取れる」とか平気で言っちゃうのもマイナス。どちらとも取れるなら、どちらでもいいだろ………。
しかも、隠しルートの最終話で、完全に東京魔人学園に突入してしまうので、「結局はオカルトなんじゃねえか」とげんなりしてしまいました。
だから、科学的ルートが添え物になっちゃったら、存在する意味ないんだってば。
元々、オカルト的なものに対して懐疑的なのではなく、興味がないので、ホラー要素も正直全く怖くないですし、ボリュームとしてもさしてないし、結局は選択肢があっても劇的な変化があるわけでもなく、話を読み進めるだけなので、ゲーム性も薄いです。
この手の、都市伝説的なちょっぴり怖い話? を純粋に楽しむ分にはお手軽でいいんじゃないでしょうか。
出てくるキャラクターは皆魅力的です。主人公のアニキがワイルド痩せぎすの大学講師のあまりに二枚目でびびった…。
個人的に可愛らしい小暮君と、胡散臭い道明寺君(正体不明)が一番好きです。
2は正直1がいまいちツボにはまらなかったので買わないと思うんですが、2でゆうかちゃんのビジュアルがあまりにあまりになっていたので余計に買う気が失せました。確かにやせててボーイッシュな子だったけど、あくまで可愛い女の子だから可愛かった(苦笑)のであって、完全に少年になっちゃったら意味ないんだってば…。
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私の中でチュンソフトといえば、弟切草よりもこちらのイメージが強いのですが、その割には遊んでいなかったセガサターンのソフト。
遊んでみた感想としては、明らかに『428』の方が出来がよろしいかと。
まず、それぞれの物語に符号性がないのは(それぞれが面白ければ)いいとしても、結局オチもなければヤマもなく終わる登場人物の話が殆どであること。
そうなると、本気で「サウンドノベル」である以上、その物語そのものが面白ければ意味がなくなるわけで、その上で評価すると微妙、という感じでした。物語の面白さそのものは、個人の感性に関わってくるので、あくまで好みの問題ですが。
ウマ編、ウシ編は、顔がそっくりな俳優とヤクザが間違われてという、よくあるドタバタ物で、しっかりオチもつくので物語としても面白かったですし、ゲームとしてもシンクロして楽しかったのですが、それを除くと、他のシナリオ半分以上、ダイエットするしないをひたすら眺めたり、頭のおかしい作家の妄想を眺めたり、自分探しの外人部隊の葛藤を眺めたりと、まあ正直それを五日間も引っ張られてもね、という感じでした。
おまけに基本的にどの話のオチも後味が悪いというか、爽快感が無いというか、放り投げっぱなしの感が強いので、どうしてもゲームをクリアして「面白かった」と素直に思えない印象が強かったです。
おまけシナリオも個人的には「何が楽しくて頭が沸いた男と地味な女の結婚サギ的な顛末を読まねばならんのだ」とうんざりしてしまいましたし、外人部隊の父親の話も「またこういう実は不器用な父親で、っていい話っぽくしようとする…」と遠い目になったので、純粋にこのシナリオ書いた方といまいち感性が合わなかったという話なのだと思います。
シナリオの好みは別としても、ゲーム性と言う面では明らかに低い(それぞれのシナリオに飛んだりしても、そこに偶然の必然性がない)ので、ある意味このソフトの完成形が『428』なのかなあ、と思いました。
個人的に、ウマ、ウシ編以外だと「できちゃった」の馬鹿馬鹿しさ加減は面白かったです。
『流行り神PORTABLE 警視庁怪異事件ファイル』
個人的にはイマイチ。
同じシナリオが選択肢によっては、科学的なルートか、オカルト的なルートに別れる仕様なのですが、結局どちらを選んでもオチは同じだったり、どちらのルートをクリアしても、不可解なことは残ったままだったりするので、結局「売り」なのはオカルトルートなんじゃん…とやっていて、ちょっと気持ちが盛り上がりませんでした。
せっかく、正反対なものを選んでいるのであれば、正反対のオチがつくくらいじゃないと。
あと、オカルト的なものを選んでも、科学的なものを選んでも、推理ロジックで「どちらとも取れる」とか平気で言っちゃうのもマイナス。どちらとも取れるなら、どちらでもいいだろ………。
しかも、隠しルートの最終話で、完全に東京魔人学園に突入してしまうので、「結局はオカルトなんじゃねえか」とげんなりしてしまいました。
だから、科学的ルートが添え物になっちゃったら、存在する意味ないんだってば。
元々、オカルト的なものに対して懐疑的なのではなく、興味がないので、ホラー要素も正直全く怖くないですし、ボリュームとしてもさしてないし、結局は選択肢があっても劇的な変化があるわけでもなく、話を読み進めるだけなので、ゲーム性も薄いです。
この手の、都市伝説的なちょっぴり怖い話? を純粋に楽しむ分にはお手軽でいいんじゃないでしょうか。
出てくるキャラクターは皆魅力的です。主人公のアニキがワイルド痩せぎすの大学講師のあまりに二枚目でびびった…。
個人的に可愛らしい小暮君と、胡散臭い道明寺君(正体不明)が一番好きです。
2は正直1がいまいちツボにはまらなかったので買わないと思うんですが、2でゆうかちゃんのビジュアルがあまりにあまりになっていたので余計に買う気が失せました。確かにやせててボーイッシュな子だったけど、あくまで可愛い女の子だから可愛かった(苦笑)のであって、完全に少年になっちゃったら意味ないんだってば…。
ブログがトロイの木馬にやられました。
こちらのPCは無事ですが、閲覧された方(すぐに発見できた上に、アクセス解析上ではその時間殆ど閲覧された方はいらっしゃらなかったのですが)に多大なご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ありません。
アカウント消す前にどっか別のブログに引っ越してりゃ良かったんだ、と思いついたのは5MB以上のログをエクスポートした後で、おまけに忍者ブログは500KBずつインポートできないという意味不明仕様。
一瞬手作業でメモ帳に500KBずつ分けなきゃならないのかと意識を失いそうになったのですが、なんとか分割ツールを使ってクリア。
ですがまあ、二十個くらいのファイルを延々インポートするはめになったわけですが…。面倒だった…。
本気でブログもどうにかせんと、日記cgiにしようかなとか思ったんですがもう、cgi設置も正直面倒で。
ログを残しておくなら、以前みたいにサイト上にアップしておくのが一番いいんでしょうが、もうそれもねえ。めんどくさいめんどくさい息をするのもめんどくさい。
とまあ、そういうことですので(どういうこと)これからもよろしくお願いいたします。適度にアドレスが変わったり形態が変わったりするかもしれませんが、通常運営です。
こちらのPCは無事ですが、閲覧された方(すぐに発見できた上に、アクセス解析上ではその時間殆ど閲覧された方はいらっしゃらなかったのですが)に多大なご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ありません。
アカウント消す前にどっか別のブログに引っ越してりゃ良かったんだ、と思いついたのは5MB以上のログをエクスポートした後で、おまけに忍者ブログは500KBずつインポートできないという意味不明仕様。
一瞬手作業でメモ帳に500KBずつ分けなきゃならないのかと意識を失いそうになったのですが、なんとか分割ツールを使ってクリア。
ですがまあ、二十個くらいのファイルを延々インポートするはめになったわけですが…。面倒だった…。
本気でブログもどうにかせんと、日記cgiにしようかなとか思ったんですがもう、cgi設置も正直面倒で。
ログを残しておくなら、以前みたいにサイト上にアップしておくのが一番いいんでしょうが、もうそれもねえ。めんどくさいめんどくさい息をするのもめんどくさい。
とまあ、そういうことですので(どういうこと)これからもよろしくお願いいたします。適度にアドレスが変わったり形態が変わったりするかもしれませんが、通常運営です。
『長谷川潔』展
横浜美術館で、4月29日から、6月26日まで開催されている版画展です。
有名なのは、「マニエール・ノワール」(メゾチント)と呼ばれる技法を編み出してからの作品、大体後期からだと思うのですが、日本で活動をされていたときは当然木版が多いので、皆さんなじみがある、「版画」もたくさん見られます。
個人的には、よりシャープになった銅版画よりも、木版画の方が好みなので、初期の同人誌の表紙など最高でした。
あまり作品が巨大すぎないのもいいですね。
本当に名刺サイズの作品も山ほどあって、それだけに、ただ単品での作品ではなく、依頼されて作った本の表紙であったり、挿絵だったりする「職業絵」であるところが非常に好感が持てます。
ただ作者の本能の赴くままの作品もいいですが、金銭を目的とした商業作品にも、その作者のセンスを出す上手さっていうのは絶対に存在していて、私はその商業作品のセンスを見るのがとても好きなので、初期作品も大変眼福でした。
後期になると収容所生活も含めて(第二次大戦中の画家さんです)精神世界に没入するようになっていくのですが、その上でも描かれた作品が「意味不明」ってことはないので、その態度も好感度高いです。
作品名も「柳」とか「鳥と花瓶」とか、あ、多分作品名どうでもいいんだな的な態度がまたたまりません。
私どうしても芸術家で、自分の作品に気取った名前とか付けているのをみると失笑を禁じえないので。
道具の展示もあって面白かったです。特別な道具を使っているわけではないのでしょうが、プロが使っていたのかと思うとなにやら凄そうな………(笑)。
原版(銅版)も展示してあるのですが、もう、はっきりと彫られているものはわかっても、メゾチントのような細かい技法になっちゃうと、もう肉眼でとらえるの不可能なんじゃ…と思わずにはいられません。あれ、手彫りでどうやってんの? 多分、見る角度によってははっきり判別できるんでしょうけど。
個人的には、しおりが売っていた「柳」と、「開かれた窓」(シリーズ)が良かったです。エコバッグに使われていた鳥も良かったなあ。ちなみに、柳と鳥は葉書大サイズです。可愛いですとても。
長谷川潔さんは生き様も中々カッコよくて、始まりは金持ちのボンボン(おい)なのですが、美術を本格的に始めたのも19歳の頃なので、ある意味遅咲きの人なのですね。油絵を習ったりしている最中に、どうして「自分には版画である」と思ったのかが、とても他人から見ると不思議なのですが…。
芸術家の人が、自らの表現方法を「一つ」に絞るのって、一体どんなきっかけか、インスピレーションがあったのだろうなあといつも思います。
その後、渡仏し生涯フランスで過ごします。フランスから勲章をもらっておりますし、亡くなられたのもフランスだし、奥様もフランス人。うーん、あの時代の人にしては爆裂的におしゃれさんで革新的。
インタビューに答えて、
「メゾチントは凄い技術なのに、作られた作品はつまらない」
とか言い切っちゃうのが凄いよ…。超かっこいいよ…。
その凄い技術を復活させ、芸術作品にまで昇華したものの自負っていうんでしょうかね。
この人も典型的な「海外で先に評価された」方なんだと思いますが、こうやって作品を見ることができて幸せです。
で、その後常設展示を見てウロウロしていたんですが、あまりの寒さに撃沈。
さーむーいー!
寒いったらないよ! 寒すぎる!
冷房のききすぎで、完全に体調を崩す始末でした。死にそうになった。
後はそうですねえ、ともかく、「真夜中の太陽」なんて名前がつけられたミミズみたいなオブジェには仰天しました。
知り合いはその作者が、イサムノグチであったことに仰天してました。
知り合い「ああいうのって、値段なんてあってないようなもんだから、250万円とか言われたら払うんだろうね」
私「私250円でもいらないけどね。玄関から入らないよ、大体」
知り合い「若い頃は、ルネ・マグリットとか、シュールな作品とかって眉間にしわを寄せてでも見なきゃ、って気になったんだけど、歳とってからだと逆にどーでもよくなるわー」
私「ずっとシリアスな作品作ってて、たまに笑える作品を作りたくなる気持ちは凄くよくわかるけど、ずーっとシュールな作品しか作らない人ってやっぱりなんか変なんだろうなあとは思うよ」
知り合い「シュールっていうだけで全てが許されちゃうというか、技術とかそれこそデッサン的に上手い下手もよくわかんないしね」
私「私全部おんなじように見えるよ」
結論からして、シュールはよくわからん、という域に達しました。
日本画のゾーンは面白かったです。
特に、中村岳陵の「砂浜」っていう作品が大変オシャレでした。
屏風なんですけど、砂浜に小鳥が三羽っていうそれだけなんですけど、色合いが絶妙。空の青さが美しいのです。
どうやら写真にも力を入れているらしく、写真のゾーンも充実してました。その頃にはもう頭痛と寒さで息も絶え絶えだったのであまりよく覚えてません。
その代わり、目の前をあるいていたおじいさんおじさん(微妙な年齢)が息を呑むほどのハンサムだったので、凍りつきました。
思わず遠くにいた知り合いを読んでしまったほどの二枚目でしたが、いかん、そんな感想で終わってしまう。
ともかく、横浜美術館はあの寒さをどうにかすべきだと思いました。落ち着いて見られるかい。
横浜美術館で、4月29日から、6月26日まで開催されている版画展です。
有名なのは、「マニエール・ノワール」(メゾチント)と呼ばれる技法を編み出してからの作品、大体後期からだと思うのですが、日本で活動をされていたときは当然木版が多いので、皆さんなじみがある、「版画」もたくさん見られます。
個人的には、よりシャープになった銅版画よりも、木版画の方が好みなので、初期の同人誌の表紙など最高でした。
あまり作品が巨大すぎないのもいいですね。
本当に名刺サイズの作品も山ほどあって、それだけに、ただ単品での作品ではなく、依頼されて作った本の表紙であったり、挿絵だったりする「職業絵」であるところが非常に好感が持てます。
ただ作者の本能の赴くままの作品もいいですが、金銭を目的とした商業作品にも、その作者のセンスを出す上手さっていうのは絶対に存在していて、私はその商業作品のセンスを見るのがとても好きなので、初期作品も大変眼福でした。
後期になると収容所生活も含めて(第二次大戦中の画家さんです)精神世界に没入するようになっていくのですが、その上でも描かれた作品が「意味不明」ってことはないので、その態度も好感度高いです。
作品名も「柳」とか「鳥と花瓶」とか、あ、多分作品名どうでもいいんだな的な態度がまたたまりません。
私どうしても芸術家で、自分の作品に気取った名前とか付けているのをみると失笑を禁じえないので。
道具の展示もあって面白かったです。特別な道具を使っているわけではないのでしょうが、プロが使っていたのかと思うとなにやら凄そうな………(笑)。
原版(銅版)も展示してあるのですが、もう、はっきりと彫られているものはわかっても、メゾチントのような細かい技法になっちゃうと、もう肉眼でとらえるの不可能なんじゃ…と思わずにはいられません。あれ、手彫りでどうやってんの? 多分、見る角度によってははっきり判別できるんでしょうけど。
個人的には、しおりが売っていた「柳」と、「開かれた窓」(シリーズ)が良かったです。エコバッグに使われていた鳥も良かったなあ。ちなみに、柳と鳥は葉書大サイズです。可愛いですとても。
長谷川潔さんは生き様も中々カッコよくて、始まりは金持ちのボンボン(おい)なのですが、美術を本格的に始めたのも19歳の頃なので、ある意味遅咲きの人なのですね。油絵を習ったりしている最中に、どうして「自分には版画である」と思ったのかが、とても他人から見ると不思議なのですが…。
芸術家の人が、自らの表現方法を「一つ」に絞るのって、一体どんなきっかけか、インスピレーションがあったのだろうなあといつも思います。
その後、渡仏し生涯フランスで過ごします。フランスから勲章をもらっておりますし、亡くなられたのもフランスだし、奥様もフランス人。うーん、あの時代の人にしては爆裂的におしゃれさんで革新的。
インタビューに答えて、
「メゾチントは凄い技術なのに、作られた作品はつまらない」
とか言い切っちゃうのが凄いよ…。超かっこいいよ…。
その凄い技術を復活させ、芸術作品にまで昇華したものの自負っていうんでしょうかね。
この人も典型的な「海外で先に評価された」方なんだと思いますが、こうやって作品を見ることができて幸せです。
で、その後常設展示を見てウロウロしていたんですが、あまりの寒さに撃沈。
さーむーいー!
寒いったらないよ! 寒すぎる!
冷房のききすぎで、完全に体調を崩す始末でした。死にそうになった。
後はそうですねえ、ともかく、「真夜中の太陽」なんて名前がつけられたミミズみたいなオブジェには仰天しました。
知り合いはその作者が、イサムノグチであったことに仰天してました。
知り合い「ああいうのって、値段なんてあってないようなもんだから、250万円とか言われたら払うんだろうね」
私「私250円でもいらないけどね。玄関から入らないよ、大体」
知り合い「若い頃は、ルネ・マグリットとか、シュールな作品とかって眉間にしわを寄せてでも見なきゃ、って気になったんだけど、歳とってからだと逆にどーでもよくなるわー」
私「ずっとシリアスな作品作ってて、たまに笑える作品を作りたくなる気持ちは凄くよくわかるけど、ずーっとシュールな作品しか作らない人ってやっぱりなんか変なんだろうなあとは思うよ」
知り合い「シュールっていうだけで全てが許されちゃうというか、技術とかそれこそデッサン的に上手い下手もよくわかんないしね」
私「私全部おんなじように見えるよ」
結論からして、シュールはよくわからん、という域に達しました。
日本画のゾーンは面白かったです。
特に、中村岳陵の「砂浜」っていう作品が大変オシャレでした。
屏風なんですけど、砂浜に小鳥が三羽っていうそれだけなんですけど、色合いが絶妙。空の青さが美しいのです。
どうやら写真にも力を入れているらしく、写真のゾーンも充実してました。その頃にはもう頭痛と寒さで息も絶え絶えだったのであまりよく覚えてません。
その代わり、目の前をあるいていたおじいさんおじさん(微妙な年齢)が息を呑むほどのハンサムだったので、凍りつきました。
思わず遠くにいた知り合いを読んでしまったほどの二枚目でしたが、いかん、そんな感想で終わってしまう。
ともかく、横浜美術館はあの寒さをどうにかすべきだと思いました。落ち着いて見られるかい。
『狼たちの午後』
アル・パチーノが普通に二枚目…だと…?
最初から最後まで地味な作品で、効果音もBGMもないところが、妙に緊迫感があります。
ドジな強盗犯ソニー役のアル・パチーノが「ああ、若い頃って普通に二枚目だったんだ…」と思わず遠い目になりますが、イケメンです。
人を殺すという選択肢がはなからなくて、「皆が無事で解決できるように必死で努力してるんだから、大丈夫、上手くいくさ」とか人質に言っちゃう人の良さがあります。
その分、何を考えているのかよくわからない、敬虔なクリスチャンであろう、相棒のサル(という名前の男性)の精神的な余裕の無さが、対比して見ていてドキドキします。
ソニーの行いがある意味間抜けな分、こっちは安心して見ていられるわけですが、その分語られない一方的に追い詰められていくサルの固まった顔が怖い。
基本的には、ソニーのお人よしの行動や、それぞれをとりまく人間関係が軸に進んでいくわけですが、全てが銀行強盗の始まりと終わりの域から脱するわけではないので、どんでん返しとは無縁の映画です。
一つの事件が始まり、そして終わるべくして終わる。
ソニーと、そしてサルの結末も想像できてしかるべきものだし、ある意味交友関係にあるとも呼べる人質も、解放されてしまえば、ただの赤の他人でしかない。
しかし、ソニーが連れてこいと言った恋人が男性(つまり同性愛)だったのは別にどうでもいいのですが、それに乗じて周囲の野次馬が同性愛の検知を主張しだしたりするのが、如何にもアメリカ的ですねえ。
銀行強盗の犯人がたまたまゲイだったというだけで、何故それが社会的アピールになるのか意味不明ですが、犯人を取り巻く全てが、なんていうかとってもアメリカ的でした。
半ドキュメンタリーのようなものなので、それを踏まえてみれば中々の佳作だと思います。
しかしこれ、どうして『狼たちの午後』なんていう邦題なんだろうと思ったら、原題が「DOG DAYS」だからなんですね。
………それがどうして狼たち、なんてことになるんだよ………。DOG DAYSの意味全然違うだろ………。
ちなみに盛夏、停滞期などという意味です。私も偉そうなこといってますが、『MASTERキートン』なしでは知りえませんでした。
『アタックナンバーハーフ』
タイのオカマのチームがバレーボールで、差別と戦いながら勝利していく話。
あれだけ有名な国でも、いわゆる同性愛者とか、オカマ(他にどういう表現をしていいのかわからないのですが)に対して偏見とかあるのか、と驚いた映画でした。
というか、監督さんがオナベ(この表現もどうかと思うのですが)っていうほうが億倍驚きというか………。
内容としては割と普通です。
オカマがどうのというよりは、オカマだからって全員が化粧にこだわりがあったり、ショービジネスの世界にいるわけではないと思うんですが、その「そうではない」人の数が物凄い少ないっていうのが意外ったら意外でした。
多分、色々あの世界でもあるんだろうなあーという感じ。
当然彼女たちは頑張っているので、それに相対するバレー協会のトップの女卑的態度の方が億倍腹立つけどね。多分、オカマとかと関係ない部分で普通に嫌な奴だからなんだろうけど。
『ベスト・キッド』
ジャッキー・チェンの奴です。
途中でカンフーに飽きたというか、あれはなんつうか、やっぱり様式美の世界だなあ、というか。
普通の世界観にあてはめちゃ駄目だからこその、ブルース・リーというか。
アル・パチーノが普通に二枚目…だと…?
最初から最後まで地味な作品で、効果音もBGMもないところが、妙に緊迫感があります。
ドジな強盗犯ソニー役のアル・パチーノが「ああ、若い頃って普通に二枚目だったんだ…」と思わず遠い目になりますが、イケメンです。
人を殺すという選択肢がはなからなくて、「皆が無事で解決できるように必死で努力してるんだから、大丈夫、上手くいくさ」とか人質に言っちゃう人の良さがあります。
その分、何を考えているのかよくわからない、敬虔なクリスチャンであろう、相棒のサル(という名前の男性)の精神的な余裕の無さが、対比して見ていてドキドキします。
ソニーの行いがある意味間抜けな分、こっちは安心して見ていられるわけですが、その分語られない一方的に追い詰められていくサルの固まった顔が怖い。
基本的には、ソニーのお人よしの行動や、それぞれをとりまく人間関係が軸に進んでいくわけですが、全てが銀行強盗の始まりと終わりの域から脱するわけではないので、どんでん返しとは無縁の映画です。
一つの事件が始まり、そして終わるべくして終わる。
ソニーと、そしてサルの結末も想像できてしかるべきものだし、ある意味交友関係にあるとも呼べる人質も、解放されてしまえば、ただの赤の他人でしかない。
しかし、ソニーが連れてこいと言った恋人が男性(つまり同性愛)だったのは別にどうでもいいのですが、それに乗じて周囲の野次馬が同性愛の検知を主張しだしたりするのが、如何にもアメリカ的ですねえ。
銀行強盗の犯人がたまたまゲイだったというだけで、何故それが社会的アピールになるのか意味不明ですが、犯人を取り巻く全てが、なんていうかとってもアメリカ的でした。
半ドキュメンタリーのようなものなので、それを踏まえてみれば中々の佳作だと思います。
しかしこれ、どうして『狼たちの午後』なんていう邦題なんだろうと思ったら、原題が「DOG DAYS」だからなんですね。
………それがどうして狼たち、なんてことになるんだよ………。DOG DAYSの意味全然違うだろ………。
ちなみに盛夏、停滞期などという意味です。私も偉そうなこといってますが、『MASTERキートン』なしでは知りえませんでした。
『アタックナンバーハーフ』
タイのオカマのチームがバレーボールで、差別と戦いながら勝利していく話。
あれだけ有名な国でも、いわゆる同性愛者とか、オカマ(他にどういう表現をしていいのかわからないのですが)に対して偏見とかあるのか、と驚いた映画でした。
というか、監督さんがオナベ(この表現もどうかと思うのですが)っていうほうが億倍驚きというか………。
内容としては割と普通です。
オカマがどうのというよりは、オカマだからって全員が化粧にこだわりがあったり、ショービジネスの世界にいるわけではないと思うんですが、その「そうではない」人の数が物凄い少ないっていうのが意外ったら意外でした。
多分、色々あの世界でもあるんだろうなあーという感じ。
当然彼女たちは頑張っているので、それに相対するバレー協会のトップの女卑的態度の方が億倍腹立つけどね。多分、オカマとかと関係ない部分で普通に嫌な奴だからなんだろうけど。
『ベスト・キッド』
ジャッキー・チェンの奴です。
途中でカンフーに飽きたというか、あれはなんつうか、やっぱり様式美の世界だなあ、というか。
普通の世界観にあてはめちゃ駄目だからこその、ブルース・リーというか。
元々、『なんでも鑑定団』は好きでよく見ているのですが、いやーたまにすんごい目玉飛び出そうな作品が出てくるから侮れません。食い入るように見ているのが赤いちゃんちゃんこ世代だけとは勿体無い。
私は再放送で見ることが多いのですが、人形作家の四谷シモンさんの紹介で出てきた、ポーランドの人形作家、ハンス・ベルメールの「人形」とか凄かった…。
これは人形の造詣だけが凄いのではなく、関節稼動ができる人形を、どれだけ「バラバラ」にして「組み立て」て、かつ、それを「如何様にして写真におさめるか」というすべてが混在となった物凄い作品でした。
この「人形」という作品は写真であって、創造された人形「だけ」を指すものではないのですが、まあこの「写真」はオタクをやっていれば誰しも一度や二度は見たことがあると思います。画像検索かければグーグル先生が一杯出してくれます。
一番有名というか、思い出せるのが『攻殻機動隊』の映画で、ロボットの製造過程でしょうし、続編とも呼べる『イノセンス』では写真がそのまま使われていますのでご存知の方も大勢いらっしゃると思うのですが、私それ以外にも見たことがあるような気がするんだよなあ…。
多分、逆にあまりに多くの人たちにインスパイアされていて、どれか一つにしぼれないっていうくらい、様々な影響を与えているのだと思います。 お名前も私が無知で今まで知らなかった、というだけで非常に有名な方でしょうし。
人形そのものは正直あまり興味がない、というかどちらかといえば気持ち悪いなあ、という思いが強いのですが、これが写真という枠を通すと、また別の作品になって非常に印象が強かったです。
というか、市松人形のように不動なものではなく「人形(にんぎょう)は人形(ひとがた)である」と称されたように、球体関節の部分や、不必要なほどに膨らんだ腹、指先など、一皮むいた人間の中身がモロに出されたようで、今まで知らなかった衝撃でした。
で、この再放送の回は、他にも大変私好みの芸術家が紹介されまして。佐々木象堂さんとおっしゃる蝋型鋳金に生涯をかけた方なのですが、これが、半端ないセンス。
小磯良平の時も思ったのですが、このセンスはもう時代超えてますね。新しいとか、古いとか関係ない。
花瓶にせよ、置物にせよ、温かみとデザインが卓越しすぎていてもうなんと言ったらいいのか。
【鋳銀孔雀香炉】とか、ゴテゴテしたデザインではない、崇高なまでの美しさ(と番組で称された)はもう圧巻。
西洋のモダニズムとの融合といっても、それが昇華されなければ意味がないわけで。
最高賞をとった瑞鳥(ずいちょう)も、なんというか、もうセンスの塊と言うか。機能だけ見れば羽ばたくはずもないデザインなのに、まさに天高く飛び去ってしまいそうな、圧倒的な高揚感にびっくりというか。
番組を見終わった後「この人の作品は何処に展示されてるんだろう」と調べてみたところ、佐渡。
佐渡………佐渡って、佐渡島のことだよね………。
ちょ、っと、遠いよ佐渡は………!
仕事帰りに電車に乗っていけるような場所じゃない! 佐渡………というか、他に佐渡って金山くらいしか思い浮かばないんだけど。後、佐渡って日帰りできるの? え、というか佐渡ってどうやって行けばいいの? 船? 飛行機で行けるの?
いつかお金を貯めて行ってみたいです。
富岡鉄斎もねえ、変幻自在で、ある意味無節操なその絵柄が最高にカッコよかった! こう、色味ではなく存在が派手というか、おおらかな絵柄で見ていて大変気持ちがいいです。威圧感を感じるのではなく、朗らかに高笑いしたくなる絵柄というか。
当人がまるで仙人というか、彩雲国のユラ漫画のじいさんみたいな格好を素でやって、旅から旅へ諸国を渡り歩いて、勝手気ままに生きて、その挙句が大往生ですからね。なんちゅう生き様カッコよさ。
この人は、清荒神清澄寺という兵庫県宝塚市に美術館があるらしいのですが…。宝塚市なら日帰りなんとか行けるかな…(何故そこまで日帰りにこだわるのか)。
今月、長谷川潔展を横浜美術館に見に行くんだー。エコバッグまだ売ってるかな。
私は再放送で見ることが多いのですが、人形作家の四谷シモンさんの紹介で出てきた、ポーランドの人形作家、ハンス・ベルメールの「人形」とか凄かった…。
これは人形の造詣だけが凄いのではなく、関節稼動ができる人形を、どれだけ「バラバラ」にして「組み立て」て、かつ、それを「如何様にして写真におさめるか」というすべてが混在となった物凄い作品でした。
この「人形」という作品は写真であって、創造された人形「だけ」を指すものではないのですが、まあこの「写真」はオタクをやっていれば誰しも一度や二度は見たことがあると思います。画像検索かければグーグル先生が一杯出してくれます。
一番有名というか、思い出せるのが『攻殻機動隊』の映画で、ロボットの製造過程でしょうし、続編とも呼べる『イノセンス』では写真がそのまま使われていますのでご存知の方も大勢いらっしゃると思うのですが、私それ以外にも見たことがあるような気がするんだよなあ…。
多分、逆にあまりに多くの人たちにインスパイアされていて、どれか一つにしぼれないっていうくらい、様々な影響を与えているのだと思います。 お名前も私が無知で今まで知らなかった、というだけで非常に有名な方でしょうし。
人形そのものは正直あまり興味がない、というかどちらかといえば気持ち悪いなあ、という思いが強いのですが、これが写真という枠を通すと、また別の作品になって非常に印象が強かったです。
というか、市松人形のように不動なものではなく「人形(にんぎょう)は人形(ひとがた)である」と称されたように、球体関節の部分や、不必要なほどに膨らんだ腹、指先など、一皮むいた人間の中身がモロに出されたようで、今まで知らなかった衝撃でした。
で、この再放送の回は、他にも大変私好みの芸術家が紹介されまして。佐々木象堂さんとおっしゃる蝋型鋳金に生涯をかけた方なのですが、これが、半端ないセンス。
小磯良平の時も思ったのですが、このセンスはもう時代超えてますね。新しいとか、古いとか関係ない。
花瓶にせよ、置物にせよ、温かみとデザインが卓越しすぎていてもうなんと言ったらいいのか。
【鋳銀孔雀香炉】とか、ゴテゴテしたデザインではない、崇高なまでの美しさ(と番組で称された)はもう圧巻。
西洋のモダニズムとの融合といっても、それが昇華されなければ意味がないわけで。
最高賞をとった瑞鳥(ずいちょう)も、なんというか、もうセンスの塊と言うか。機能だけ見れば羽ばたくはずもないデザインなのに、まさに天高く飛び去ってしまいそうな、圧倒的な高揚感にびっくりというか。
番組を見終わった後「この人の作品は何処に展示されてるんだろう」と調べてみたところ、佐渡。
佐渡………佐渡って、佐渡島のことだよね………。
ちょ、っと、遠いよ佐渡は………!
仕事帰りに電車に乗っていけるような場所じゃない! 佐渡………というか、他に佐渡って金山くらいしか思い浮かばないんだけど。後、佐渡って日帰りできるの? え、というか佐渡ってどうやって行けばいいの? 船? 飛行機で行けるの?
いつかお金を貯めて行ってみたいです。
富岡鉄斎もねえ、変幻自在で、ある意味無節操なその絵柄が最高にカッコよかった! こう、色味ではなく存在が派手というか、おおらかな絵柄で見ていて大変気持ちがいいです。威圧感を感じるのではなく、朗らかに高笑いしたくなる絵柄というか。
当人がまるで仙人というか、彩雲国のユラ漫画のじいさんみたいな格好を素でやって、旅から旅へ諸国を渡り歩いて、勝手気ままに生きて、その挙句が大往生ですからね。なんちゅう生き様カッコよさ。
この人は、清荒神清澄寺という兵庫県宝塚市に美術館があるらしいのですが…。宝塚市なら日帰りなんとか行けるかな…(何故そこまで日帰りにこだわるのか)。
今月、長谷川潔展を横浜美術館に見に行くんだー。エコバッグまだ売ってるかな。