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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『薄桜鬼』


落とした順番の感想その2

・沖田
勝手に納得したところで、沖田です。私は昔っから、天才肌とか享楽的な人間に毛ほどの興味もないので、落とす順番色々考えたんですが、まあ新選組で有名な人を後に残すという順序でいったらこうなりました。
わりと普通な乙女ゲームっぽかったです。侍としての主義主張とかそういうの一切取っ払って、サナトリウム的な労咳ノリが表に出ているせいでしょうか。対になる鬼の薫も、限りなく私怨バリバリだったので、色々捕らわれないもの同士ちょうど良かったのではないかと(苦笑)。
この場合、相手が乙女っぽいと主人公もより乙女っぽくなるので、
「私が思ったりしたから沖田さんが狙われた」
と主人公が唐突にのたまったときには、「おい」とちょっと思いました。
というかこの薫、一体どこをどうみて、主人公の本命が沖田だと知ったのだろう…。

他の連中が、わりと一緒に暮らしていて恩義を感じて恋愛、という流れが明確なのに対し、沖田相手の主人公って、同情が横滑りして愛情とか、「この人には私がついていなくちゃ駄目なの」「この人の秘密を知っているのは私だけなの」的な、如何にも女性面が現れるので、わりと他のルートと印象が違います。
まあ、他のルートでもぶっ飛んだ個性は今のところ主人公には現れない(強いて言うなら、原田ルートは何もかも自分ひとりで抱えて突っ走る系のイベントが多かった)ので、生易しい個性といったらそうなんですが。

私的には、沖田ルートは馬鹿ップルの悲喜こもごもという感じで中々面白かったです。
一緒に行くと、照れる主人公に「風邪でもひいたの? 顔が真っ赤だ。熱でもあるなら連れていけないなあ」とか、わかった上でからかってる様がにやにやできます。
時代的な思想云々で深められない以上、
「僕はこの子と生きなくちゃいけない。だから絶対に負けられない。それだけだ」
と、明確に化け物であることを自覚して生きる、っていうのは浮世離れした沖田が言うと、より信憑性がありますし。
このルートでは、やっと主人公の鬼たる所以の話し運びがあるんですが…あるんですが…元々鬼の人間が羅刹になることがどういうことなのか、いまいちピンとこなかったので残念。
狂いそうになる相手を主人公が救済する(血を与える)っていうのは、どのルートでも鉄板であるんですが、主人公も血の衝動におびえてでも、貴方がそばにいてくれるならって、こう精神論で我慢で来ちゃうと、他の連中の面目丸つぶれのような気が。
その耐性そのものが、鬼の特権って言われりゃそうなんでしょうけど、うーん、どうもこの「主人公が鬼である必然性」みたいなものが、どのルートをやっても伝わってきませんでした。
少なくとも、主人公が鬼であるが故に、「精神的」に物語に起伏が生まれたってことはなさそうですし。

沖田ルートは特にEDが良かったなあ。こう、前向きに生きていこう感ではなく、刹那的な幸せが前面に出ていて、BADEDもHAPPYENDも中々良かったです。個人的には乙女ゲームとしては満足できたルートでした。斉藤の次にやったからか?
「君に寂しい思いをさせたくない。だから信じて。僕の心はずっと変わらない」
って、その先がない男に言われるとさすがになあ…(泣笑)


・土方
今のところどのルートを見ても、オカマに見えてしまうのは私の目が腐っているからなのでしょうか。いえ、言葉遣いじゃなくって、純粋に外見がオネエっぽいんですがこちらの方…。お、女の子みたいなのは貴方なのでは。
このルートでは、源さんの最期にひたすら泣いた。
土方ルートだけに、きっと源さんとか新選組初期組が関わってくれるとは思っていましたが、ちょっ、源さん貴方いい人すぎる…!
井上さんは史実だと当たり前に剣術も出来るのですが、このルートだと主人公と同じような剣は扱えないけれどポジションになっているのが、ちょっと悲しくもあり。でもそれでも「自分に出来ることがある」と自分と相手を信じている発言が泣ける。
「親が子よりも先に死ぬのは当たり前だろう」とかどんだけ貴方いい人…!
源さんを侮辱した風間に対して、主人公が憤りをあらわにするのが、地味に嬉しくて、主人公の好感度うなぎのぼりしました(笑)
でも、恋愛対象じゃないそれでも大切だった人のために、真剣に怒れるのって凄く人間味が出てていいですね。
源さんは共通ルートで寺を追い出されるときの「ほう、それは凄い。よほど我々に出て行ってもらいたいとみえる」という、人を食ったようなキレモノ発言とか、要所要所で惚れ直す要素満載でした。

わかっちゃいるのですが、土方ルートはわりと五臓六腑に堪える(苦笑)ものが多く、山崎さんも悲しいし、奔走する姿も悲しいし、でも丁寧にそれぞれが描かれていて、さすが王道ルートと思わずに入られません。
尺取りすぎだもんなあ、一人で。
話運びは大体斉藤と同じなんだけど、思っていたよりは政治よりではなく、仲間とかあくまで新選組っていう組織に基づく感性が前面に出ていたので、嫌味なく読めた感じです。
主人公との恋愛の持って生き方も、新選組ありき、というスタンスが徹底的に貫かれていたのでこれも好感触。
原田と違って、どちらかを天秤にかけて女を取るんじゃなく、新選組っていう土方の一部ごと、まるごと主人公が愛して、土方もそうだったっていう、めぞん一刻スタイルだったのが、感動より二倍。
こう書くと、原田が悪いみたいですが、そんなことは全くなく、私は人格も生き方も圧倒的に原田の方が好きですが、土方の生き方や通ってきた道を考えると、あれが一番いい形に落ち着いたんだろうなあと思います。女子供にうつつを抜かすんじゃなくて、自分の大切なものがいっぱいあってその中にはたまたま主人公がいた、くらいな。
同時進行できない人っていうか。「よし、こっちで燃え尽きた! じゃ、次!」っていうか(苦笑)。大切のベクトルは一緒なので、責めるに責められないというか。

大体、主人公も「幸せがなくても構わない」とか言っちゃいますしねえ。愛されるんじゃなく役に立ちたいっていう図式は、個人的には凄く共感できるのですが、乙女ゲームだからなあ、これ。

ここだと山南さんの扱いも凄く良くて(私は「どっち」の山南さんでも凄く萌えます。笑)そういう意味でもとても泣けました。
ああ、別ルートだと最期までガッツガツに生きようとしていた山南さんが…(でもどっちでも萌えます。笑)。
山南さん、洋装も凄く…色っぽいです…。土方が同じようなデザインでもストイック(永倉はどうなんだ。笑)なのに、山南さんが着ると…途端に…ジェントルエロいです…。
ここでも、藤堂君が割り食っていたというか、忠実に男前でした。えらいよ本当に。

土方のあのべらんめえ口調に最初はどうも違和感があったのですが、途中からあれは世話焼きオカン口調なんだと自然にスライドできるようになりました。まあ乱暴ったって、ここまでわかりやすい人はツンデレの部類に入らないよね。私的にはツンツンしている要素もそんなになかったんですけど。
髪型もばっさり短くなってからは凄く好みだったのですが、スチルが全員別人なのはどうにかならないのか。
土方は完全完璧にデフォルトヒーローなわりに、スチルのデキにばらつきが多かったような気がしたので、それは残念でした。

しかし、最終的にやってみてこれって別に野郎どもとの恋愛を楽しむんじゃなく、野郎どもの生き様を垣間見るっていうゲームだなと実感しました。
別に主人公いてもいなくても、彼らのやることは変わらないし、だからこそ主人公はついていったのだというか。
ノーマルEDのスチルを見ると、しみじみそう思いました。あのスチル本当に良かったですね。衣装一つとっても後姿でちゃんと個性が現れてたし、あの場面では近藤さん超カッコよく見えた(笑)。




最終的な好み
山南(別格)>藤堂>原田>永倉>土方>沖田>斉藤>風間
ってところでしょうか。
山南はなんていうか、人としてのモロさが露見しすぎてほっとけない感がありありで参ります。
藤堂は、他の連中のように羅刹になる選択肢すら自分で選べなかった(勝ち負け関係なく生命の危機に瀕して飲んだ)、というところから始まっているのに、あの真の強さに惚れました。実際、羅刹になってからマトモに新選組として戦えているのって、藤堂だけなんだよなあ。あと、個人的に洋装が一番カッコよかったし(結局外見)。
原田は純粋に男前なのと、生活能力がありそうなので。
永倉はいや、もはや何も言うまい。共通ルートでカマをかける一連の行動を見ると、その知将っぷりをもっと見たかったと思わずにはいられません。さらっと拷問シーンとか引き受けてたしな…。
沖田はキャラクターとしてではなく、EDが良かったのと、乙女ゲームとしてのメリハリが一番あったので。
土方はあまりに優遇されすぎてちょっと普通に物語に感動してしまったので、萌えにまでたどり着けなかったのが逆に痛い。
斉藤はなんだかよくわかんなかったです。
風間はもっとよくわかんなかったです。


硬派な乙女ゲームで面白かったです。乙女ゲームとしては糖度は薄い(遅い? 低いっつうか)ですが、キャラクターとしてはそれぞれ魅力的なので、あとは二次妄想で、といったところでしょうか。
逆にあそこまで、がっつり史実的な要素が強いと、同人界とかどうなってるんだろう。


一番最後まで謎だったのが、例の吸血行動とかそのへん。
なんでこの設定が羅刹になっちゃった連中に必要だったかと言うと、エロっぽいシーンのためだけに存在しているに決まっていて、それはそれで、とても良いこと(なきゃ困る)なんですが、それによる主人公の弊害が一つもないのが、凄く意外でした。
私このゲーム始める前、ベストEDに行くのは、「吸血行動を我慢させる」のが正しいのかと思ってたんですよね。「化け物にはさせないわ」的な。
でも結果として、吸血行動すらも受け入れて、死人になった相手を愛するっていう表現の仕方だったので、それはそれでよかったんですが、そうなるとやっぱり、ただ鬼で傷も治りゃ血も無尽蔵みたいな主人公設定が、なんかこう、勿体無いっつうか。
愛する相手が化け物になった。血を与えてでも助けたい。だけど主人公は血を与えるたびに疲弊する、とかそういう流れなしに、主人公に「肉体的」ハンデがないと、何度も吸血シーンが出てきても盛り上がらないというか。
異常な行動は、お互いの立場がそれぞれにリスクを負うほうが、盛り上がるんじゃないかというか。
一つのルートで何回も吸血シーンが出てくるのは、それだけ「化け物になってしまったアピール」なんでしょうが、彼らが非情なまでに血を求める欲求に対し、主人公が血を差し出す行動の重さが不釣合いだというか。
ともかく、やっぱりこの主人公鬼設定っていうのが、一番物語としてしっくり来ないかなあ、という気はしました。
てっきり、風間ルートで凄くエロいことになるとか、鬼同士の争いがもっと激化するとかあるのかと思いきや、そんな気配ミジンコもなかったしなあ。
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