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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『大神伝』公式サイト

以下、ネタバレあります。反転もありますが、配慮しきれていない部分もあります。あくまで自己責任において閲覧ください。
ちなみに私は前作を遊んでいますので、それふまえての感想になります。









チビテラス可愛いよ可愛い! 超可愛い!

おっと、失礼。
続編としてみなければ良作。
続編としてみれば微妙、といったデキの作品でした。
ですが、前作が評判が良かったわりにセールスが奮わなかったのに対し、今作はDS媒体で発表されたということもあり、前作が良作であったという評判を考慮して購入された方も含めて、実際単品で遊ばれた方も多いのではないかと思います。
続編と銘打ってセールスを期待するには、あまりに発売後年月が経ち過ぎましたし。

そんな中、ガッツリ前作を遊んだ身とあっては、話はともかくシステム上でもちょっとひっかかる部分が多かったので、まずそちらから。


・システム
まず、イベントはオートです。
ムービーといっても、別にFFレベルの「誰?」というムービーが流れるわけではなく、ただ画面上で勝手に進むという仕様なのですが、これ個人的に激しくマイナスです。読みきれないメッセージがあっても勝手に進むし、もっと見ていたい場面が出てきても勝手に進む。
この「勝手」仕様は個人的に一番がっかりでした。
勝手に進むからといって、それが例えば後で思い出として振り返ることができるわけではないので、一旦流れてしまったらどんなに嘆いてもそれで終わり。

おまけにこのイベント類、完全にフルオートかと思えば実はそうでもない。
多分戦闘がかぶっているようなものは、オートではなくちゃんとこちらのボタン次第でどうとでもできるんですね。
だったら全部そうしてくれよと。
繰り返しますが、この大神伝は全編同じグラフィックで攻めてきて、またそれが素晴らしいので、別段オートで流してもらう必要性ないんですよ。
むしろ、ちゃんとデザインされた動きを含めて味わいたいし、それを味わえるようなイベントもあるのに、何でフルオート「多め」なのかちょっとよくわかりません。

まあDSなので折りたたんでしまえば、トイレにも行けないよという仕様ではないのですが。

それと、地味にキツかったのが、マップも、戦闘も視点切り替えが不便。
最初は切り替えできないのかと思っていたのですが、後々、下画面の「▲」矢印で動かせる事が判明しました。
ですがこれ、やっぱり中途半端なので、視点の切り替えができたりできなかったりとやっていていい加減にせいよ、と思ってしまいました。できるならできる! できないならできないでどっちかにして!

大体、普通にDSを両手で握ってやっていた場合、左手十字キーで埋まっていたら、どうやって下画面なんてタッチできるのかと。
右手も当然攻撃やジャンプでいっぱいいっぱいですよ!
だったらせめて、Rキー、Lキー両方とも筆しらべ起動設定を片方だけにして、残った方を視点切り替えキーにしてくれれば良かったのに、と、これもやっていてかなりのストレスでした。

実際、遊ぶのに実害があるというわけではなく、気にしない人は気にしないでいけるのでしょうが、前作をやった身分となると、大神の肝である、世界観の構築がかなり、この不便さで味わいにくくなっているような気がしてなりません。

前作は、「何もしなくても平原をひたすら走り回っているだけで楽しい」というキー設定があり、それは、アマテラス(前作主人公)が縦横無尽にありとあらゆる場所を散策できる、「舞台」と「視点」があった故なのですが、今回はこの「舞台」はあっても「自由な視点」がないんですね。
大神においての視点は「自由ありき」であって、走り回るアマテラスを後ろから見るも、横から愛でるもよし、だったのですが、それができないと、「世界を自由に走り回っている」のではなく「走りまわされている」感がどうしても強くなってしまうのです。
何故なら、文字通り「自由にできない」から。
その自由さがないと、せっかくの世界観が台無しになってしまうほどに、前作はただの大地ですら素晴らしかったのですが、今回はそれがキー設定や、オートムービーのおかげで、随分割を食ってしまっているような気がしました。

それプラス、私の中で決定的に「ない」と思ったのが、主人公自体の動作設定の甘さでした。
例えば視点以外でも、キャラクターがジャンプをする→飛べる範囲を見極める→つまり飛べない高さや距離を理解する、という流れがあると思うのですが、それがどうも符号が取れていないようなのです。
ダンジョンではジャンプで飛び越えられるのに、平原では無理とか。
平原でも平地ではいけるのに、ただつながっているだけの渡り橋は何故かジャンプしても駄目で、わざわざ真正面から行かないと駄目とか。
このあたりの、動きのチグハグさが、私やっていて本当に気になりまして。
基本的に「今回は色々できない」もんだと思って、平地を飛び回っていてダンジョンに侵入し、ジャンプでただ飛び越えるだけの部分で、それに気づかずつんだ時には、本気で「ああ~」と思いました。

物語に関して合う合わないは、感性その他があるかと思いますが、システムまでもがただ不便ではなく、世界観をちぐはぐにさせていると、ちょっと物語以前の問題という気がします。

DSおなじみのタッチペンですが、基本的には筆しらべというアクション的なものでしか使わないので、これに関しては特別ストレスは感じません。
様々な筆しらべを見つけたら色々使ってみたくなりますし、ダンジョン以外でも、街中で使ったりと、楽しめる要素は満載です。
枯れ木に花を咲かせるもよし、岩壁を破壊するもよし、風を吹かせて住民を驚かせるもよし。
大神おろしと呼ばれる世界の演出は、DSになっても圧巻でした。


・グラフィック。
まさにこのゲームの肝と読んでもいい映像部分ですが、DSLLでやっていても特別粗は見当たりませんでした。
毛筆で描いたようなデザインに、ころころ動く可愛い小さな登場人物たちは、何処を切り取っても可愛さしか見当たりません。
というか、チビテラス可愛いよチビテラス! の一言に尽きます。
いちいち動きのモーションが可愛くて、出てくるたびに悶絶でした。
移動しないで静止しているときも、背中に乗っているキャラクターたちが踊ってくれたり、チビテラスの頭を撫でてくれたりと、「キャラクターの動き」に関しては、細かな動きをとても魅せてくれます。
これ、いちいち書き出していたらきりがないくらい、とにかくひったすらキャラクターたちはいちいち可愛いので、是非やってみてくださいとしか。
実際、この動きや可愛さがなければこのゲームは価値がない、というくらい、ある意味「絵ゲー」ともいえます。

EDの(反転)ちびっ子たちが勢ぞろいして歩く図は、ほんっとうに可愛かったあ! 最高だった!(反転終了)


・物語。
前作から九ヶ月経ったナカツクニが舞台。
アマテラスが救った世界にまたしても起きる怪異を静めるために、チビテラスが走り回るというのが大まかな流れなんですが、個人的に一番気になったのが、過去への介入、でしょうか。
最初のうちは、ちびっ子たちが自分のできることを必死でやろうという様が、本当にいじらしくて誰も彼もが一所懸命で、やっていて凄くお使い的な要素も楽しかったのですが、過去のエピソードが介入されるあたりからちょっと怪しくなってきた…というか。
過去のエピソードが断続的に「これこれこういうことがありました」と誰かの口から語られる(当事者とか)のならまだしも、実際に前作で完全に完結された「事象」に必要以上に介入するのは、正直どうなのと。
これが本当に一滴程度に、直接関わってはこないけれど、そっと後押ししたくらいだったらまだいいんですが、本気で介入されてしまうと、過去にあんなに一生懸命だった奴らの立場がない。

筆しらべも、前作で「前作を遊んだ自分」が懸命に奮ったはずなのに、それを「今の自分」がやってしまうというのは正直興ざめなんですよね。その部分は逆に流してくれてよかったのに、というか。

では、前作を遊んでいない人にとってはどうなの、というと、それこそ、突然降って沸いた「前作のキャラクター」たちが、これでもかというくらい大盤振る舞いで出てくるので、感情移入できないどころの騒ぎではありません。

私最終決戦で、今までの仲間をさておき、(壮絶ネタバレにつき反転)イッシャクがパートナーになったときは本気で「ふざけるな!」と思いました。イッシャクなんて、前作だってある意味「過去の伝説」だったキャラにも関わらず、なんでそん大して思い入れのないやつなんて、頭に乗せて進まなきゃならないのかと! 別にこれ、イッシャクが嫌いだとかそういう事では全くなく、続編をやった人間にとっても、やったことがない人間にとっても、かなりの人選ミスだと思うのです。だって、忘れていたっておかしくないキャラなのに。(反転終了)

過去への介入も程ほどに、というか、過去に行くという事はどうしたって「前作のキャラ」を出さざるを得なくなるわけで。
その中で、前作で語られなかった部分をあまりに多く、自分たちが介入して実際の歴史にしてしまうと、彼らの立つ瀬がない。
登場人物たちに感情移入するか、というのは、別に自分たちが動かしていなくても、それが見えないところであっても、どれだけ彼らが必死であったか、成すべきことを成していたか、という部分に人は感動すると思うのですが、ある意味、それを「語りすぎる」ならともかく「なかったことにする」勢いでこちらが介入してしまっては、感動も半減です。

それこそ、前作でも実際殆ど語られなかった(反転)イッシャクや、そして白野威は語られなかったからといって、決して「空気のような存在」ではなかったはずです。表には出ず、主人公ではなかったけれど、成すべきことを「影」でやっていた彼らは、直鉄的にこちらが介入しなくても、そこからこちらは感動を得ることができていたはずなのに。(反転終了)

彼らは頑張っていた。
そして、現在で私たちも頑張っていた。
それでいいんじゃないかな、と思うんですが。
しかも結局は、過去での決着のまま終わってしまいますしね。
主人公たちは現在に戻って平和になりましたとさ、という決着は、やはり過去ではなく今でつけてもらいたかったところです。


話の展開も結構苦しい、というか、クロウが出てきたあたりでやっぱりどうしても強引というか、ややこしくなってきてしまいます。
こっちは怪しげな異星人という時点で、「何かある」というのはどうしても想像がついてしまいますし、それ以降の物語の展開も、どうしてもクロウの持っているペンダントとかが急に教えてくれたりするので、ん? と思っている間に物語が進んでしまった印象が強いです。

人魚のナナミちゃんとか、巫女のカグラちゃんとか、お母さんを助けたいマンプク(彼の、マンマルというネーミングセンスは最高)とか、あくまで個人の中で悩み苦しんでいる連中の中で、浮いてクロウはあからさまに立ち位置が違いますしね。
このクロウっていうキャラクターに全部詰め込みすぎて、かつ、こいつのキャラクターがどうにも感情移入できない、というか。
最終的なラストに向けての行動理念も、不自然な印象が残りました。

クロウは、最初から最後まで美しい学者レディにぽやぽやしていて、それでいいと思うんだ。
それこそ(反転)ウシワカだって別に最後になってシリアスに走ったわけではなかったんだし。あいつも最初から最後まで変な奴だったけれど、その変さこそがウシワカだったのだし。

クロウは起承転結全部を引き受けなければいけなくて、自身の性格もそうですが、物語の上でも色々やらせすぎだったんじゃないかと。
正直、裏切るくだりも改心するくだりも決意するくだりも、あんまりよくわかんなかったです。
むしろ、その役目こそ最初から最後までクニヌシが引き受けていれば良かったのではないかと。
ずっと一緒にいて、それでも押し付けられた使命があって。器としてクロウが選ばれて、むしろそれを「正体不明の勇者」であるクニヌシが救う。
その方が、よほど二人の役割分担がはっきりしたのになあ。

極端な言い方をしてしまえば、ずっと一緒に旅していたクロウを犠牲にしてなんで序盤で退場してしまうクニヌシを助けなきゃいけないんだ、と思ってしまってもおかしくないくらい、クニヌシの物語の上での役割が薄すぎます。
最初で退場するとしても、むしろ、はっきりと「怪しい奴に囚われた」演出の後に、チビテラスが救うべく懸命になる、くらいでないと、チビテラスが「クニヌシ以外の奴と行動している時のクニヌシ」に感情移入ができないのです。
前作でいう、白野威とイッシャクも、プレイヤーの知らないところで世界を救っていたわけですが、それはちゃんと、劇的なことがあったと、それこそOPの時点でわかっていたわけですしね。ヤマタノオロチは討伐された当確固たる事実があるわけですから。
(反転終了)


おまけ要素や、アイテムコンプ要素は充実していますし、とにかく、チビテラスの可愛さは悶絶物ですので、純粋なアクションアドベンチャー…なのかRPGなのかよくわかりませんが、ゲームとしては楽しめると思います。
筆しらべを駆使したパズル要素が強いので、頭も使いますし、グラフィックもきれい。音楽もいいし、話も実際EDでは泣きましたしね、私。


ただ、前作も今作もあれですが、なんですか、このシリーズの伝統として、(反転) 主要人物のオチをつけずに終わる(反転終了)っていうのは固定なんですか(苦笑)。
まあ続編があるかと思えばそれもまたよし、なのかもしれませんが…。

あれですかねえ、(反転)クニヌシって一応イザナギの鎧装備できたみたいですし、今度の舞台はいよいよタカマガハラみたいですから、イザナギの始祖とかなんじゃないのかなあ。過去から未来へ飛んじゃったとかね。
ウシワカ関連を救うにはどうしてもタカマガハラが崩壊する「前」に行かなきゃいけないわけですから。
アマテラスはともかくとして、どうしてもチビテラスがどうやって生まれたかとかが謎なので、チビテラスが作られたのと同時期にクニヌシが作られたっていうのもアリかも。
白野威が「孫みたいなものだ」って言ってたから、チビテラスは少なくともアマテラスよりも後に生まれたのは間違いないと思うのよね。
(反転終了)


最後に、前作を遊んだ身として、一番感動して泣きそうになったのは、オトヒメの台詞でした。
「龍神はもはや、海の守り神にあらず」
この短いフレーズに、どれだけの悲しみと決意がこめられたいたかと思うと………! オトヒメ様………!
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