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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『スーパーマンリターンズ』公式サイト
また何故このさくひ…おっと、ジェームズ・マーズデンの出番はそこまでだ。
ということで、全くスーパーマンの知識がないまま鑑賞しました。なんだか旧作では地球の自転を操って女が生き返ったのは覚えているんですが…。

で、蝋人形みたいなハンサムが、蝋人形みたいな肉体で、蝋人形みたいにツルッパゲな悪役と戦う映画だったんですが、スーパーマンの立ち位置が大変気持ち悪くて「これがアメコミヒーローの力かよ…」と大変遠い目になりました。

スーパーマンって力が強くて空が飛べるだけなのかと思いきや、なんと超聴覚や透視能力も持っていて、好きな女が住んでいる住まいを宙に浮かんだまま透視というストーカー行動に走るヒーローだなんて、斬新…。いえ、なんとかとは紙一重と申しますが。

何せ、スーパーマンが一番映えるシーンであろう、「空を飛んで人命救助」までかかる時間が40分(思わず確かめた)ですからね。
テンポの悪い作品だなあとは思いました。
クラーク・ケントとして新聞社に復活してから人命救助事件が起こるのではなく、事件が起こってから出社すりゃあもう少しテンポよく見られたのに…。

実際、スーパーマンにかける時間と、悪役レックス・ルーサーにかける時間ほぼ半々くらい(それに対しては文句はない)で、キャラクターとしては圧倒的にレックスの妙に性根のせこい悪役が目立っているので、スーパーマンの個性は善人以外埋没している印象が強いです。

実際、その埋没さかげんというか、大変ステレオタイプな「善人」設定そのものは、スーパーマンとして満点なんだとは思います。
目立ちはしないし、魅力的ではないけれど、アメリカが体現する公平なヒーロー。
大切な人を守る力があるし、その危機に際して駆けつけるのは勿論なんだけど、それは「恋人」の役目であって、ヒーローの役目ではない。
ヒーローは、社会全ての人間を守るのが仕事なのだ。
という不文律をしっかり守って、愛しい人が危機に瀕しても、助けに行くのは恋敵であるダンナであって、スーパーマンはその場に直行しない。
混乱する街で、倒れるビルから、燃え上がる炎から「人々」を助けてから、愛する人の下へ向かう。

これ、ちょっと印象的でした。ようするに、スーパーマンっていうのは我々が想像するヒーローの体現者であり、そこに「ヒーロー」以外の個性は存在しないわけです。
だからこそ、顔も能面みたいだし、悩んでも人間的に見苦しく嘆いたり、他者を羨むような表現は一切ない。
ゆえに「個人の個性」は存在しない。あくまで「公人」なわけです。

スーパーマンは愛する人に選ばれずとも、その息子に父親だと名乗れずとも、それでも、世界が救えればそれでいい。
だからこそ、愛する相手に「いつでも会える」と言って去っていく。
去らなきゃならないわけです。
彼はみんなのヒーローであって、誰か一人のものであったら、それはヒーロではないから。

映画としてはわりと退屈…というか単調な話でしたし、勧善懲悪というノリでもない(どちらかといえばコメディ?)中途半端な印象が強いですが、「ヒーローとはこういうものだ」という紋切り型映画だと思えば、そのお約束っぷりを楽しめるかもしれません。

またスーパーマン役の役者さんが、笑顔怒り顔全部ひっくるめて蝋人形みたいなので、ある意味「ぴったりだ、色気も何もないが…」と感心しました。
そらあ、今の恋人役のジェームズ・マーズデンのほうが何倍もかっこいいですよ、役者としても。
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