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『X-MEN ファーストジェネレーション』

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大変面白かったです。アクションあり、キャラクターの能力の魅せ方含め一級品。

結論から言えば、当時からエリックのチャールズに対する片思いが過ぎるという映画でした。
前作も「だから私は言ったんだ!」とチャールズが利用されそうになれば、半泣きで絶叫するというエリック(マグニートー)の愛がやたらにあふれていたものですが、今回もそんな感じ。

能力者たちのバトルも見ごたえがありますし、エリックの強いんだけど脆い弱弱しさとか眼福でした。あれは卑怯だ。
敵側の、ショウの能力者たちはとにかく、外見も能力も特化していて見ていて楽しいです。体ダイヤモンドのセクシー姉さんとか、いかにも悪魔みたいな体つきをした、テレポートできるアザゼルさんとか。
唯一、竜巻使い(?)の男の人だけが、外見が凄く場末のホストみたいで、出てくるたびに微妙な気持ちになったものでした。他の奴らに比べて明らかに浮いている感があるのは何故だ…。

後は、思っていたよりもずっとチャールズの能力が万能で驚いたのと、毛むくじゃらが凄く普通の青年だったってことでしょうか。
あの、マッチョでワイルド(そりゃあね)で頭も切れる青いけむくじゃらの若い頃ってこんなだったのか…。うん、年取ってからのほうが遥かに好みだ(笑)

ミスティークはヒロインというか、ある意味主役なのでいいとこ取り、といった感じでした。共感という意味ではミスティーク一番身近な感じです。

エリックは、とにかく、悲惨な過去持ちなんだけど基本的にはナイーブで、初めて優しくしてくれた人が運命の人でした…を地でいく乙女っぷりでした。
本当に、エリックの思いが報われなさ過ぎて辛い…。
エリックがグレた(笑)のは、半分以上チャールズに責任があるような気がしてなりません。というか、チャールズが結構アレだった。


チャールズがわりと高みからの目線で物を言う(偉そうと言うよりは、個人に肩入れしてどうこうという印象ではない)のに対し、エリックは悲惨な過去も含めて大変人間くさいので、「人望」という点では、エリックのほうが遥かに上っていうのは見ていてよくわかりました。

ラストで、エリックについていくか、チャールズについていくかの選択を、他のミュータントたちは迫られるわけですが、エリックを選ぶ側は、「エリックだから」選ぶのに対し、チャールズ側に残ったのは、エリックには着いていけないからチャールズというような、消去法で残った印象が凄く強いんですよね。

多分、エリック側(正確にはチャールズに敵対する側)のミュータントたちは、明らかに外見に人とは違う特徴があって、どう頑張っても差別される側にあり、エリックはその苦しみを受け止めて「何とかしてくれる」のに対し、チャールズはあくまで「自分たちが歩み寄ろう」という目線で、特別迫害されたわけでもない、外見普通のミュータントたちが集ったという、同種でも越えられない壁がそこにあったのだろうなあ、
大体、チャールズからして金持ちのボンボンで頭も良くて、使い方によっては最悪最強(テレパス故に人の意思を自分でどのようにでもできる)という、大変チートな能力者だけに、個人の心の機微には疎いというか、大儀的なものの見方をするので、ミュータントの味方ではなく正しいものの味方であり、さらに、「個人」の味方にはなってくれないだろうなあというのが非常に顕著なので、指導者としての人望正直どうなん? と思いました。個人の好き嫌い関係ないところで動いている人間に、個人的に好意を持ったところで全く報われないという。

そりゃあ、ミスティークだって自分を「一個人」として見てくれる男のそばに行くわなあ。永遠に「妹」なんて位置づけて煮え切らない男のそば(そのくせ社会的な相棒の地位があるわけでもない)になんて、いたって仕方がないものなあ。

大本からして、チャールズがミュータントを集めるのって、ともかく勝手なんですよね。
こう、エリック(正確には違うんですが)側は初めから「人間なんてクソだぜ」というポリシーのミュータントたちが集まって決起しているわけですから、打倒人間という目的があるのに際し、チャールズは「自分と同じような能力者がきっと他にもいるんだぜ!」という喜びのままに集めて、そしてどうする? というか。
迫害されていたミュータントの保護、ではなく、普通に一市民として生活している人間の元に行って「やあ、君は特別だからうちこない?」と言われたって、そりゃあ「消えな、坊主」って言うよウルヴァリンも。
個人的にも「ほっといてやれよ…」とあのスカウトシーンは思いました。
たとえ何かに困っていたとしても、それが能力と関係ないのなら、それはその人の困難であって、別にミュータントとか人間とか関係ない。
「君たちは超人間なんだから素晴らしい」と賛美するわりには、ミスティークには人間の姿でいろと言ったり、人間たちに平和を愛する種族だと見せろとか言われても、その人間がまず平和を愛してもいないわけであって、そりゃあ、エリックじゃなくても「勝手な」と思いますわな。
おまけに勝手に集めた挙句、ちょっとはめを外すと「失望した」とか言われてもねえ…。
チャールズが欲しいのは清く正しいミュータントであって、そうでないミュータントは価値がないっていうのが明らかになってしまうので。

多分、この辺のチャールズの共感できなさは意図的にやってるんだと思います。
大儀のために己を捨てろ、じゃないけれど、そういう集団の中でしか一個人を認識できない人に対し、あくまで個を大切にするエリックのほうが、キャラクターの造詣としてはあきらかに魅力的なので。だからこそ、着いてくミュータントは山ほどいるわけで、それは前シリーズでもそうでしたもんね。

一応これも三部作らしいので、続きが楽しみです。
役者陣はとくにはずれなし。エリック役のミヒャエル・ファスベンダーは強いんだけど気質脆い青年をやっていて好印象。
そして、ケビン・ベーコンはああいう役が多すぎるので、あまりの安定感に言うことなし。あの人が出てくるだけでどういう役回りかわかってしまうよ…(笑)。
唯一、そのケビン・ベーコンの演じたショウの能力だけが、見栄えはするんだけど正直よくわからん、という印象が強かったです。
やっぱり「鉄を動かす」っていう単純だけど最強なマグニートーのカッコよさにつきますね。
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