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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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報告っていうのも変ですが、祖父が亡くなりました。
現実の時系列で日記を書いているわけではないので、既に通夜も葬式も済ませた後なのですが、入院してあっと言う間のことでした。
元々、延命は一切しないという確約の本入院していたので、これはヤバイ、という状態になってからそのまま旅立ったという感じでした。

私は入院してから何度か見舞いに行って、孫連中の近況を耳元で怒鳴ったり(耳が遠い)して刺激をしていたのですが、その時は、酸素マスクの下から何を言っているんだかわからないなりにも(入れ歯をしていない)返事をしてくれていたので、自分なりにお別れはちゃんとできたと思っています。

実際、危篤であるという電話が届いたときは、映画館のシートに座ろうとしていたのを、慌てて出てきて駆けつけたのですが、そのときも、祖父は私のことがわからないながらも、最後まで一緒にいられたので良かったです。

亡くなったのは夜中でした。
そう、何故か夜中なんだよなあ。潮の満ち引きと関係あるとか言いますが、まあ親が付き添っていたので、私は翌日家に戻った祖父と対面したという感じです。

見舞いに行った時は、祖父は耳が遠かったので、
「おじいちゃん! 井原!(無論下の本名を言っている。笑)」
と耳元で絶叫すれば、
「はーい」「はーい」と、両サイドのおじいちゃんたちが応えてくれる始末でした。
いや、違うから。 確かにおじいちゃんだけど!
と笑ってツッコミが出来るような、楽しい部屋で祖父も寂しくなかったと思います。両隣の人も、ちゃんと自分が呼ばれたと思って返事をしてくれているのですから、それを無下にする必要はありませんしね。
特に隣の方は絶好調で、祖父が亡くなった夜もずっと返事をしていてくれたそうです。


祖母の時と同じく家族葬で密葬なので、特別やることもありません。
親戚や喪主の伯母が、葬儀屋さんとああだこうだと言っている間に、集まった孫連中は、祖父が寝ている横で、
「おばあちゃんの時の中華はまずかったからやめてほしい」
「私、喪服代わりのスーツ、ちょうどクリーニングに出しちゃってて…」
「えー黒っぽければなんでもいいんじゃないの? おじいちゃんそんなことで怒ったりしないよ」
と勝手気ままなおしゃべりをしていました。

そして、そこで明らかになる事実。
菩提寺の住職さん、従者さんともに、なんとインド旅行で留守!
私「場所が場所だけに、研修なのかマジ旅行なのか微妙なところだ…」
まあ、ご家族さんを置いて従者さんを連れて行ったのですから、ガチ旅行ってことではないんでしょうけど、それにしたっておじいちゃん、ある意味凄い運だな!
勿論、そこのお寺さんが手配してくれたお坊さんがいらっしゃることになったのですが、それにしたってかなりのインパクトがある出来事でした。
どうせなら、あのインテリっぽい知的な住職さんに会いたかったなあ(笑)

お寺の手配はすんだので、さて遺影の写真を選ばねばとアルバムをひっくり返します。
祖父は出好きで、カメラも好きだったし、伯母もカメラ好きなので、写真は山ほどあったのですが、大体笑っている写真は、浴衣で酒飲んでコンパニオンさんにお酌してもらっているという、どう考えても遺影に使えそうにもない写真ばかりでした。
私「別にもういいんじゃないの? おじいちゃんが幸せそうならばそれで。浴衣だって、ビール片手に持ってたって」
と私は主張したんですが、祖母の遺影を選ぶとき、実年齢よりも二十若い写真を選んだので、それにつりあう年齢の頃がいいという意見により、案は却下されました。

伯母「この写真は老けてるしなあ」
「そりゃそうでしょうよ」

私の中で、祖父は出好きだったり、買い物好きだったりという印象は強かったのですが、実は凄く女の人好きだということがわかって、へえーと思いました。
愛人がいるとかそういうことじゃなく、女の人がそばにいれば嬉しいという、こう純粋な女好きだったようです。
なので、伯母が撮った祖父の写真、看護師さんとか女医さんとかとにこにこしてピースサインをしている写真とか、山ほどありました。
ヘルパーさんとか、デイサービスでサンタクロースの帽子かぶって笑ってる写真とかね。
他にも、入浴サービスに来てくれたヘルパーさんに、「貴方は上は脱がないの?」とか普通にセクハラ発言をしていたことを知り、「おじいちゃん…」とさすがに遠い目になりました。


まあ準備も出来て、通夜も無事に終わりました。
住職さんの代わりに来てくれたお坊さんは、普通のおじさんでした。髪の毛がちょっと怪しい(笑)

祖父には本当によくしてもらいました。
よく遊びに行って、そのつどキン肉マンの単行本を買ってもらって、弟と二人で集めました。だから、我々姉妹はキン肉マン全巻、祖父に買ってもらって揃えました。
引っ越してからは、祖父の職場に近くなったので、毎週少年ジャンプを買って届けてくれました。
一番最初、間違えてスーパージャンプを買ってきてくれたこともありました。
だから、我々姉弟は自分でジャンプを買ったことが一度もありません。
祖父はあの時代にしては珍しく、何でも自分のことは自分でやる人でした。ワイシャツのアイロンも自分でかけて、娘の分までかけて「たたんであるから持っていけ」とか言う人でした。掃除も嫌がらないし、趣味は細かな買い物めぐりで、最終的には百均が大好きでした。
八十過ぎまで区画整理の仕事をしていて、はつらつとしていた祖父のことが、私はとても好きでした。
伯母は、最終的には痩せて、やつれてしまった祖父の顔が気に入らないようでしたが、私はそれはそれで祖父の姿なのだから、それでいいのではないかと。
どれだけ痩せてしまっても、それを「変わり果てた」とか「こんな姿になって」というのは、そのときも生きていた祖父に対して失礼だと思うのです。
だから、元気だった頃の面影は勿論ないけれど、それでも私はそうなった時の祖父も、そうなる前の祖父も、同じように大切だったなあ、と幸せにお別れできたので、個人的には満足です。

ただおじいちゃん、通夜も葬式も狙ったようにクソ寒くて死ぬかと思いました。
孫「寒い! 寒いよ!」
私「ババシャツ装備でも寒いよ。死にそう」
孫「何でこんなに寒いんだろう。春なのに」
私「おじいちゃんももう少し考えてくれればいいのに…」
無茶言うな。という感じで、最初から最後まで明るい通夜に、葬式でした。
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