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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『英国王のスピーチ』公式サイト


ガラッガラでした。アカデミー賞取ったのに。
題材が地味だからなのか、俳優陣が地味だからなのか知りませんが、ともかくあまりの空きっぷりに仰天。
感想としては、堅実的な映画でした。
派手なアクションとか、起承転結の波が激しいわけではなく、淡々と丁寧に描くべき事を描いた映画という印象が強いです。

後勿体無いなあと思うのが、私の英語力の無さ。
百点満点中十六点をたたき出した過去の実績がある私は、英語が全くわかりません。当然ヒアリングなんて無茶です。
なので、イギリスが舞台であれば当然主役の人はキングスイングリッシュなのでしょうし、オーストラリア人の言語専門家ローグは、オーストラリア訛りの英語を話しているのでしょうが、惜しむらくが、ちっともそれがわからない私の脳みそ。
お、おのれ! と終始見ながら思ってました。やっぱり、ある程度の知識があったほうが、言語を主題にしているだけに圧倒的に楽しめますよねこの映画。

史実より誇張している部分も勿論多いのでしょうが、作りとしては前述したとおり大変丁寧です。
生真面目な王、バーティ。吃音に悩まされ続け様々な治療を受けるも芳しくない。
そこで出会った奇妙な言語専門家ローグと話し、治療を続ける事により、バーティは少しずつ自らについて鑑み始める。
過去の自分。幼かった頃乳母や、父親から受けたきついしつけや、虐待。王族の抱えるプレッシャー。
王になるには自分はあまりに不適当だと、自信を持つことができないバーティは、兄の退位により望まぬ王位に着くことになる。
そして、激化する世界情勢。
兵士を鼓舞するために、どうしても避けて通れない、生中継にジョージ6世、王となったバーティはどう立ち向かうのか。

結局は吃音というのは肉体的な問題ではなく、精神的な問題として描かれるので、物語の主体もそれが中心となります。
次第に深まって、対等な人間関係が築かれつつあっても、ジョージは王としての立場から当然逃げられない。
そして、言語専門家のローグも、ただの資格も持たない平民であって、結局はお互いの立場は変わらない。
それでも、二人の間にはそれぞれの事情の上に立つ信頼関係が築かれ、その結果、放送は見事に成功する。
その過程がとても丁寧で、奇抜な訓練と言うよりは明らかにローグが指示するように「当人だけが気にしている」「プレッシャーになればなるほど酷くなる」吃音の実態が明確に描写されて、それと王の責務とが重なって、ラストは当然成功するものと「わかっていても」ドキドキします。

いい映画なんです。いい映画なんですが…如何せん…地味…。
いや、つまらないわけではないですし、非の打ち所が無いくらい「丁寧」なんですが、その分、「ある一部分だけ光ればそれでいい。それが映画だ」というような突出した部分が見受けられないというか。
うーん、ある意味全部の要素が「想像できてしまう」というか。こういう外さない映画っていうのは、とても安定感があって見ていて不快になることは無いんですが、第三者に勧める文章を書くのがとても難しくて。
超萌える! 超感動する! あの演出超カッコイイ! っていう見た目にも文書にも内容としても、興奮する要素のレベルが元々凄く低く設定されている映画なんですよね。
万人にお勧めできるけど、万人が面白いと思うかは別問題と言うか。つまらないという人は少ないけれど、面白いという人も少ないだろうというか。
でもこういういわゆる人情物って、面と向かって否定する人って少ないですしね。否定する方の人格がおかしいんじゃないの? という捕らえ方をされがちなので。

役者陣は全員素敵です。主役のコリン・ファースは実直な王を好演。上背も胸板もあるので、イギリススタイルの格好が大変かっこいいです。胸元勲章ジャラジャラのキングの衣装とか、様式美が楽しめます。
英国紳士が真っ黒いコートに、シガレットケースに、帽子をかぶって、英国式庭園をかぶる様や、王妃であるエリザベスの衣装の数々はとても見ごたえがあります。女性が常にかぶっている帽子のデザインが素敵。
王妃役のヘレナ・ボナム=カーターは相変わらず微妙な顔立ちですねえ。美人っていうのでは全くないですし、ファニーフェイスというにはちょっと愛嬌が足りないというか…。どうしてもキワモノ役の印象が強いせいか、史実の王妃としては個人的にはちょっと違和感を感じました。普通の夫婦愛を演じていること自体が意外というか。
他の主役陣がかっちりした役者さんの印象が強いので、王妃だけがキャスティングとして浮いているような気がします。
ローグの奥さんとかの方が、きれいでおっとしていて素敵でした。

言語専門家であるローグ役のジェフリー・ラッシュはもう当然かっこいいです。なんつったって、バルボッサですからね! パイレーツオブカリビアンの!(鼻息)コリン・ファレルがこうバランスの取れた恰幅のよさがあるのに対し、ジェフリー・ラッシュは縦にひたすら長い、腕も足も顔も長い、だけど当然ガタイもいいし、顔立ちも愛嬌があるので見ていて好感度が高いです。言っていることは、王よりもローグのほうが何倍も大人ですし。

個人的には、「普通の映画」という印象でした。作品の質として尖っている部分は全く無いので、平坦に、見ている側がどんなコンディションでも楽しめる映画といったところでしょうか。
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