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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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・某月某日。羽田

泡坂「おはようございます、澤田さん。珍しいですね、澤田さんが一番先に着いてるなんて!」
澤田「おはよう泡坂。今日はバスが全く渋滞しなかったから、あっという間に着いたんだ。楽でよかったが、早く着きすぎて暇ではあったな」
「何時に着いたんですか?」
「6時半かな」
「早すぎですよ。飛行機出発するの八時半ですよ。二時間前に着いてどうするんですか」
「早く着く分には別に構わないだろうと思って。おかげで眠い」
「勿論遅れるよりはいいですけど、今まで何してたんです?」
「寝てた。 空港でサンドイッチ買って食べたら眠くなったから寝てたら、泡坂が声をかけてきたから」
「じゃあ暇も何もないじゃないですか…。寝てたんなら…。大丈夫ですか? 今回福井ですから結構遠出ですよ? まあ私は澤田さんがふらふら迷っていなかったので、探す手間が省けたので楽でしたが…」
「お前な…。まあでも良かった。泡坂に聞きたい事があったから、搭乗前に」
「なんでしょう」
「二次元バーコードの使い方を教えてくれ」
「…あ、ああ、はい。携帯かざして入れるっていうアレですね」
「そうだ。よく知ってるな、泡坂も。俺は池波から…というか、ANAから突然メールが送られてきたときは何かと思って仰天したまま、それっきりだ」
「それただの放置プレイじゃないですか。別になんだってことはありませんよ。普通にメールに記載されているアドレスに飛んで、バーコードを機械にかざすだけです」
「そうか。じゃあかざしてこよう」
「いやいやいやいや! ええと、手荷物検査の前と、搭乗する時にかざすんですよ! 今かざしたっていいですけど池波さんと合流してからのほうがいいですよ! 手荷物検査の後迷子になられても困りますし!」
「ついでにいうならば、これ番号入力するの面倒くさいんだが」
「番号をあらかじめコピーしておけば大丈夫ですよ。ほら入力画面で貼り付け呼び出せばいいんで」
「なるほど…。泡坂は頭いいな」
「いえ、そんなしみじみ言われてもですね」
「ともかく、俺はパケ放題じゃないから、かざす間際になったら教えてくれ」
「わかりました。そうしましょう。で、肝心の池波さんはまだでしょうか。珍しいですね、あの人が一番じゃないなんて」
「そうだな。別に道は込んでいなかったから、電車でも遅れたんだろうか」
「少なくとも私が乗ってきた路線では遅れてなかったですけどね…。あ、来た」
「何処だ?」
「ほら、あそこ。二番の時計の向こう側ですよ。頭一つ大きいからすぐわかりますね。金髪黄色サングラスで周囲からあからさまに浮いてるし」
「あいつの外見が目立つのは否定しないが、泡坂はすぐなんでも気がつくな」
「視力裸眼で1.5ちゃんとありますからね。フフフ」
「視力の問題なのか…?」
池波「遅れたか、悪い」
「いいえ、別に遅刻でもなんでもありませんから」
「バイク止めてたら遅くなった。もう手荷物検査行くか」
「お前バイクなんて持ってたのか?」
「俺のじゃねえよ。免許は持ってたけど。借り物だバイクは。こっちに戻ってきたらその足でバイトに行くから、足が必要だったからな」
「大丈夫なんですか? そんな強行軍で」
「逆に渋滞にも合わないし、電車でつぶされることもねえから、楽なもんだ。じゃあ、行くか。澤田お前ペットボトルとか持ってたら出せよ。あと携帯な。ちゃんと機械にかざしてから出すんだぞ。まさかパソコンなんて持ってきてねえとは思うけど、電子機器も出せよ」
「わかった」
「じゃ、お母さんも来ましたから行きましょうか………」




・石川県小松空港到着

「いやー携帯かざすときの澤田さんの緊張の面持ちったらなかったー」
「石川県に着いて第一声がそれか。あれ、結構緊張するもんだな」
「お前だけだそんなもん。別に携帯が駄目なら、バーコード印刷して持ってきたっていんだから。ちょっとお前らそこで待ってろ。レンタカーの手続きしてくる」
「レンタカーで移動なんだったな」
「そうですねえ。福井でフィギュアスケート見よう、って誘ったのは私ですけど、交通手段は池波さんと一緒に調べてみたんですが、あまりのタイトさに泣き笑いでしたから、素直にレンタカー借りようっていう話になったんです」
「誰が運転するんだ? 俺は免許持ってないぞ」
「知ってます。でも珍しいですよね、男子で澤田さんくらいの年齢で免許持ってないのって」
「必要ないから取らなかった。別に電車に乗れば事足りるし、車を買う金もないし」
「そりゃまあそうなんですけどね。私もでも運転はお役に立てませんねえ。免許持ってるだけで、全く運転してませんから。結局池波さんが運転し続けるのって悪い気がしますね」
「まああいつが言い出したことなら大丈夫だろう」
「そりゃ池波さんにできない事なんてないでしょうけどね。せめて準備だけはしておきましょうか。オラ澤田一万円出せやコラ」
「いきなりなんだ!?」
「ほら、この前四国に行ったときもやったじゃないですか。お財布一つにしてお金徴収してそこから使うって。だからはい、一万円ください。私の一万円も確認してくださいね」
「だったらもっと普通に言えばいいだろう!」
「まったお前ら静かにしろよ。ほら、行くぞ」
「池波さん、はい二人分の二万円です。レンタカー代いくらでしたか?」
「わかった、財布に入れとく。レンタカー代は向こうの事務所で払うから、とりあえず迎えのワゴンに乗るぞ」
「ワゴンで福井を移動するのか?」
「違え。ワゴンで、空港からちょっと離れた事務所に行って、そこで手続きして、車借りるんだよ」


「………」
「澤田さん、何見てるんですか?」
「ああ。置いてあったチラシをな。池波は?」
「鬼の形相で車の外見チェックしてますよ。あんなに真剣な顔久しぶりです。なんでもちょっとした細かい傷でもチェックして、お店の人と傷の有無を確認しておかないと、後で凄いお金取られるんだそうです。色々大変なんですねレンタカーも」
「泡坂、ほらこれ」
「なんです?」
「うさぎ。可愛いな、ほら。『月うさぎの里』だそうだ」
「確かに可愛いですが、石川県ってうさぎが名産なんですか…?」
「怖い事言うな! なんでもうさぎは幸運、つまり「つき」を呼ぶっていう言い伝えがあるらしいな」
「なるほどねえ」
「おし、手続き終わったから出発するぞ」


「今の車は便利だな。ナビ最初からついてるし。前は地図片手に大変だったけどなあ。まあ国道乗っちゃえばすぐだけど」
「私助手席でもいいでしょうか。酔って迷惑かけても嫌なので」
「ああ。俺は何処でもいい」
「ナビとしても役に立つわけでもねえしな………あ」
「あ? どうしました、池波さん」
「忘れた」
「何を? 戻るか?」
「高速乗るのに、ETCカード忘れた。あー半額違うのにー。車の中に突っ込んだまま忘れてきた」
「ああ。なんだ。いいじゃないですか別に。一般でお金払えば」
「うわーなんで俺忘れたんだ。失敗したなー。バイクで来たからそのことすっかり忘れてて…。うわ、信じられねえ。1800円とか払って高速乗るのかよ………」
「池波がそこまで落ち込むとは思わなかった」
「私もです。というか、池波さんが忘れ物をする事自体が結構信じられない………」
「ああーもー。ほら、泡坂これ持ってろ、券。なくすなよ」
「わ、わかりました。肌身離さず持ってます」
「目的地の、『サンドーム福井』までどれくらいだ?」
「一時間くらいかな。上手くいけばもう少し巻けると思う」


・鯖江インター

「田舎の高速はちゃんと高速してるな。空いてるし、どいつもこいつもよく飛ばすわ」
「俺にはあまり一般道と変わらないように見える。境もないし」
「まあ、森か林か田んぼしかねえからな。泡坂戻ってきたぞ」
「………すみません、遅くなって」
「それはいいが、なんだ、何かあったのか?」
「なんかあったというか、私最初売店に干物が並んでるんだと思ってたんですけど…近づいてみたら、眼鏡だったんですよね…。ずらっとこう、外に並んでおいてあってですね…。すんごい驚いたんですけど、何で眼鏡なんでしょう…」
「鯖江は、眼鏡の生産で有名な町だからだろう。確か、アメリカの大統領候補か誰かも愛用していたはずだ」
「そうなんですか!? 私全然知りませんでした」
「ヤケに詳しいな」
「実家で父親が言ってた。自分も眼鏡をかけてるから詳しいらしい」
「澤田さんのお父様って、眼鏡かけてるんですか?」
「ああ。ファッションには興味がないらしいが、眼鏡は好きで色々持ってるらしい」
「………なんか、こう、ずるいお父さんですね………息子ともども」
「何がだ?」
「いえ、まあ澤田さん家のことはいいとして、鯖江が眼鏡で有名な町っていうのもわかったんですけど、インターチェンジで眼鏡を売ってどうするんでしょう。売れるのかな、眼鏡………」
「売れなくても、宣伝にはなるんじゃねえの? 鯖江のインターで見かけたけど、そうか有名なのかっていう奴は、泡坂以外にもいると思うぜ」






・サンドーム福井到着

「うわー大きなパチンコ屋さーん」
「本当だ。他のレストランチェーンも、なんだかどれも大きいな」
「まあ、場所が場所だからな。とりあえず、駐車場に止めちまうか。その後飯は考えよう」
「そうですね。臨時駐車場が出るとしても、あまり遅くなると渋滞になるでしょうから。それにしても予定よりまきましたね! 11時に到着できるとは思いませんでした」
「どうする? 喫茶店にでも入って待つか」
「そうだな」


「泡坂、怒るなよ」
「別に怒っちゃいませんが………呆れてるだけで………」
「澤田も怪訝そうな顔すんなよ」
「なんだったんだろう…。やっているのが間違いなく地元の主婦の方っていうのはわかるんだけど、あまりにあまりな接客態度に俺は驚いた。多分色々なトラブルがあるんだとは思うが、散々遅れてやってきた挙句「誰かこの中でコーヒー頼んだ人いる?」と聞かれるとは思わなかった」
「まあ俺も驚いたけどな。元々、公共の施設にくっついてる飯食うところなんてこんなもんだろ。ほら、もうじき会場できるから、人 増えてきたぞ」
「本当だ。まあソースカツ丼は美味しかったのでよしとします。澤田さんのカレーはどうでした?」
「カレーだった」
「そりゃそうでしょう」
「あー、九割がたお客さん女性だな。俺ら、浮いてるぞ澤田」
「そうか?」
「まあ、浮いてるっちゃあ浮いてるでしょうね。男性の方もいらっしゃいますけど、ご年配の方が多そうですから。きっと池波さんと澤田さんは、女性選手の追っかけとか思われてるんですよ、きっと」
「俺は女性選手の追っかけをしているつもりはない!」
「俺だってねえよ。でもまあ、ほら、早めについて正解だったな。道路すげえ混んできた」
「じゃあ、入りましょうか。ここからは夜の部まで別行動ですね。席が違うから」
「そうだな」
「澤田さん、お願いですからこの会場でだけは迷子にならないでくださいね」
「どうやったら会場で迷子になれるんだ!」
「ほら、お前らいい加減にしろよ入るぞ」




「全然寒くねえな。というかこんなにリンクって狭いもんなのかな。テレビで見たときはもっと大きく見えたけどな」
「………」
「あのプレミア席もすげえな。何の仕切りもなく、ただリンクのそばのパイプ椅子って。確かにあそこなら目と鼻の先っていうか、普通に手を伸ばせば届いちゃうだろあれじゃ」
「………そうだな」
「これも日本ならではなのかねえ。よその国なら危なくてできないような気がするけどなあ。ファンが殺到したりとか。でも大して金額違わないなら、あのプレミア席いいよな。今回、舞台の背後の席全部つぶして使ってねえんだな。会場そのものがわりと狭いから、二階席の後ろでも結構大丈夫そうな気がする。まあ、横浜アリーナで見てるってわけじゃないし………って、澤田お前なんでそんなに不機嫌そうなんだよ」
「何で泡坂だけが席が違って、俺とお前が一緒に並んでフィギュアスケート見なくちゃならないんだ」
「それはな、まず泡坂がチケット予約に気づいて自分の分を取った。その後、俺たちに行くかどうか聞いて、俺たちの分二枚取った。だから泡坂は離れて、俺たちはくっついたっていうこと」
「そんなことはどうでもいいんだ! 別に三人がどの席座ったっていいんなら、俺たちが隣り合わなくてもいいだろう。自分で言うのもなんだが、やっぱり男二人で並んでフィギュアを見るのは、結構厳しい」
「じゃあお前、泡坂と並んでみるかよ? 俺は別にどっちでもいいけどな」
「俺は一人でもいい」
「女の集団に囲まれてお前一人で見るのかよ。無理だろ、それ。大体席は泡坂が取ったんだから、何処に座るのも泡坂が決めて当然だろ。泡坂がちょっとサイドの近い席になったとき、「じゃんけんで好きなの選びましょう」って言ったじゃねえか。それをお前が「泡坂が近い席に座ればいい」っつったんだろ」
「それはまあ、そうだが………」
「いいじゃねえか、泡坂が見たいって言って来てんだから。お前も興味があって来たんだから、楽しめば。泡坂ならほら、こっから右側に見える」
「泡坂といい、お前といい、よく知り合いをすぐ見つけられるな」
「お前は誰かに見つけられてりゃいいんだよ。ふらふらされてもこっちが困る。お前双眼鏡使うか? レンタルでもやってたな。金かかるけど」
「中央の後ろよりといっても近いから、充分見えるような気がするんだが、本番始まったらライトとかで見えないだろうか」
「なら余計に双眼鏡いらねえかな。ライトもそうだし、ドライアイス炊かれると曇って何にも見えないだろうから」
「ならいい」
「そうだな。これくらいの会場の広さならいらねえかもな」





・Fantasy on Ice 2010 in 福井 開演

「リンクをキレイにするから、一時休憩か」
「結構氷ってぼろぼろになるもんなんだなあ。後になればなるほど滑りづらかったりしないのかね?」
「見ました!? 見ました!? 見た!? 見ましたか!?」
「何をだ!?」
「最初の集団演技もすっごい良かったですね! それぞれふりも覚えていなくててんでバラバラなのかと思ったら、結構そろってて! 個別の紹介のときも個性が出てて良かった~! ランビ! ランビエールが頭一つ浮いててふりがいちいちかっこよくて! 最高でしたね!」
「わざわざこっち来たのか。そうだな、集団演舞良かったな」
「最初は若手の羽生君でしたね。あの子、怖いくらい細いんですけど、どうにかなりませんか」
「どうもこうも」
「若手だけあって、体の柔軟性が持ち味ってことなのかな。細いと、ジャンプもぽんぽん飛べるし」
「それとね、トマシュ! トマシュ・ベルネル! あの人チェコの人なんですねえ。旗をかざしてくれる人たちがいて、その人たちににっこり笑ったりする顔がもう、超可愛くてですね! すっごい可愛いんですよ!」
「なんか、やたらにデカくて重そうだった印象が」
「衣装のせいじゃねえの? コミカルな演技だったからだぼっとした服装してたし」
「動画で見た時は、わりと顔が老けてる印象が強かったんですけど、間近に見たら若かったですよ! というか少年ですよねまだ二十台そこそこなら! あー超可愛いトマシュ~。デカくてもそれが可愛い~」
「俺は村主選手良かったけどな。動きの一つ一つのキレがいいっていうか」
「シャープでメリハリついてて良かったよな。動きの速さが違う感じがした。緩急しっかりしている演目は見ごたえがあるし」
「村主選手の衣装も素敵でしたねえ! 紫のグラデーションのついた衣装で、すごくキレイでした。女性陣はあまり詳しくなかったんですけど、どなたも素敵でしたよ! ペアの方々も演技がしっかりそろってて! 女性の衣装もこれがまたかっわいくて!」
「作品の完成度としては、ペアの人たちの方が良かった気がする」
「プロだからな。しっかりショーとして完成されている作品の方が、トータルでデキがいいってことなんだろ。付け焼刃かもしれないけど、荒川さんと、ランビエールのペアも良かったけどな。二人ともぐるんぐるん回ってて」
「あのムキになって回るところが可愛いんですよランビの! 最後お姫様抱っこで周囲の黄色い悲鳴ったらなかったですよ!」
「ランビエールってスイスの人なんだな。旗があがってから知ったんだが」
「ロシアとか、チェコとか、アメリカは大きめの旗があるんだけど、スイスって数は多かったけど若干小ぶりだったのなんでなんだろ」
「フランスの黒人の方に微妙に覚えがあるような気がするんだが………」
「ちょっと俺ら世代じゃないけどな。ボナリー選手だな。伊東みどりさんと同世代らしいから、かなりキャリアあるなあ」
「あの人も躍動感あって素敵でしたよ。痩せていて妖精みたいなのも素敵ですけど、あふれんばかりの筋肉っていうのもまたかっこいいですし!」
「ジョニーは今回随分男らしかったなあ。衣装も踊りも」
「そうだな。髪型がサザエさんで凄く気になったけど」
「寝転がる振り付けだからああなんですかね?」
「あと、なんだっけ。えーとヴァイオリンの………」
「ビリーブですね! もうプルシェンコ別格ですよ! とにかく速いの! 全部の動きキレッキレ! 手も足も細くて長くて超かっこいい!」
「速いのもそうだし、トップスピードになるまでも一瞬っていうのが凄いよな。それでためなしで飛んだり、ステップが始まったりするから、まさに息もつかせぬ展開っていうか、見ているこっちの視線を釘付けにするのが上手いっていうか」
「これショーなんで、ランビにしろトマシュにしろ、色々お客さんサービスしてくれてるわけですよ。すごくリンクのぎりぎりを滑ってくれたりとか。それこそウィンクとか、投げキッスとか。でもプルシェンコの投げキッスはですねえ、こうして両手の人差し指を唇の真ん中に持ってきてですね、そうしてこう両側にふわ~と手を広げる動作をするわけですよ! 誰か一人に投げキッスじゃなくって、この人差し指と両手が広がる範囲で投げキッスっておおおおおおおおっまああああああええええええ!!!」
「あと、あれ。ジョニーがネックレスなくしてたな。俺一瞬ああいう演出なのかと思ったんだが、本当のアクシデントだったんだな」
「あれ俺も思った。まあネックレスとかアクセサリーは、向こうは生まれた瞬間からしてるっていうのもあるから、いちいちつけたり外したりしないんだろうけど、探すの大変そうだったなあ。氷のリンクの上に、銀の細いチェーンじゃなあ」
「トマシュ! 見ました!? 必死なジョニーにあわてたスタッフと、真っ先に一緒にやってきてさがすトマシュ! ああトマシュなんて可愛いんだろう! あのですね、プレミア席の人に身振り手振りで「胸元に入っちゃってるんじゃないの?」といわれて、トマシュがそれをジョニーに伝えたりとか、もう一連の動作がすんごい可愛くてー!」
「俺は、ジョニーが本気で必死に探してたので、トマシュを気にしてなかった」
「俺は、その後に出てきた宇宙人が客を盛り上げすぎていたんで、トマシュ気にしてなかった」
「まさかのプルシェンコでしたね! 何だよあの宇宙人! 人ごみの中をひょいひょいすべっちゃってさあ! もう超エンターテイナーですよね!」
「あれはプロっぽかったな。邪魔しているとかそういうのじゃなくて、あからさまに客が盛り下がらないように見世物をしてくれてる、って感じだったし」
「そうだな。探すのはスタッフでもできるけど、場を盛り上げるのは無理だし」
「でも見つかって本当に良かったですね。あのままなら、ショー再開できないところでしたから。ってそれじゃまた!」
「ああ。………泡坂面白かったんだな。良かった」
「俺も結構楽しいけどなあ。やっぱ間近で見ると迫力が違う」
「そうだな。女性が全員きれいだった」






・夜の部含めて終了。

「安藤選手の真っ白な衣装素敵でしたねえ! あの人も動きキレッキレで!」
「トリをつとめた荒川さんのあの細さにはびっくりだった。あの人、振り付けの動きはダントツで芸術性があると思う。いや。俺は芸術のことはよくわからないが」
「芸術性ってわりと話題になるけど、女性陣に関してはその水準は高い気がする。ただ、男性がどうも外国からの招待選手と比べて若干見劣りがするのはお国柄かね」
「うーんどうなんでしょう。羽入君は後半スタミナきれたのがだれだれでしたが、それ以前にも、なんかこう体操っぽくてあまりフィギュアスケートっていう感じじゃなかったのは確かですね。多分経験の問題なんじゃないのかなあ、と。柔軟性は年取った男性陣よりははるかにあるわけですし」
「町田選手は凄くよかったけどな。まとまってて」
「あの人良かったな。動作もダイナックだったけど、ちゃんと一つの演目としてやりきてる印象が強かったし、殆どミスもなかったし」
「別に公式の試合じゃないですけど、ショーでもちゃんとした演技を見せてくれようとする、真摯な態度はやっぱり見ていて嬉しいですしね。ペアの方でコミカルな演技を見せてくれた方も面白かったです。ちゃんとしたプロの演技で」
「首にひもかけてぐるぐる回ったり、空中に紐一本で浮かんだりするペアの人たちがいたんだが………。あれ、見ていて怖くなかったか?」
「そうだなあ。これで落っこちたらショー中止だなくらいのことは思った」
「縁起でもないこと言わないでくださいよ! でも私もちょっと思いました。凄い事は本当に凄いんですけど、落ちたらどうしようとか、怪我したらどうするんだとか、そっちばっかりが気になっちゃって素直に楽しめなかったというか………」
「最後の集団で、帽子に椅子持ってきて踊るのも良かったな」
「そうだな。ランビがひたすら女子の横でにこにこしてたし」
「ひたすらぐるぐる回ってましたしね。私今回ですっかりランビのおちゃめさと、トマシュの可愛さにめろめろですよ。あの二人なんかこう、朗らか過ぎて! 色々つらい事もあるだろうにもうなんだよあのランビの態度もう!」
「あと、やっぱりプルシェンコは何か別格だった」
「そうだな。何が違うのかね」
「生まれた星とか次元じゃないですかね。集団にいても何しても端っこにいても、なんだか目立つんですよあの人………。昼間は恥ずかしくてできませんでしたけど、夜の部はちゃんと立って拍手しましたからね! ああああああああ最高の一日でした!!」
「良かったな。終わったらすぐ出てきたから、駐車場の渋滞にも巻き込まれずにすんだし」
「多分、遠方から来た人たちが、ダッシュで鯖江駅方面に向かうのが大変そうだな、とは思ったけど」
「電車が一時間に一本とかそんなレベルらしいですからね………。もう少し地の利がいい場所でやればもっとお客さん入ったのかもしれませんね。夜の部は空席目立ちましたし」
「昼の部はともかく、夜の部終われば九時過ぎだから、ちょっときびしいだろうな」
「とりあえず、飯食ってホテル行くか。今日は焼き鳥な」
「わーい、焼き鳥!」








『やきとり 秋吉』

「なんで五本ずつなんでしょうね?」
「小ぶりだけど美味しい」
「あー売り切れだったつくねとかも食べたかったな………」
「池波さんも食のことになると真剣ですね。私は、レジのおばさんの「おつり何百万円!」を久しぶりに聞いてショックで今までの感動が吹き飛ぶ勢いでしたよ」
「あからさまに福井の人たちは関西系だな。ノリも口調もそんな感じだ」
「俺らの周りにいた人たちは、フィギュア見に来た他所の県の人たちっぽかったけどな。でもそれ以外は確かに関西人のノリっぽかった」
「満腹になりましたし、行きましょうかホテル」
「目の前なんだな」
「ビジネスホテルって、駅近くにあるイメージが強かったんだけど、こんななんていうか外れた場所にあっても商売成り立つんかなあ………」
「駐車場が七十台あるっていう時点で、やっぱり車で来た方仕様なんじゃないですかね?」
「ビジネスホテルだから、一人部屋なんだったな」
「じゃ、明日は七時半にロビー集合な。軽食食ったら出かけるぞ」
「はーい、おやすみなさい。澤田さんしっかり目覚ましかけて寝るんですよ。携帯の充電忘れずにね!」
「携帯の充電器なんてわざわざ持ってきてないが」
「わかったわかった。もし起きてこなかったらドア叩いてやるから。泡坂もちゃんと寝ろよ。明日も結構車で移動するから」
「それは池波さんでしょうが。一人で運転するんだから。でもまあ今日は何も考えずに寝ます」
「おやすみ」
「おう」
「おやすみなさい。お疲れ様でした」
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