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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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『セックス・アンド・ザ・シティ2』公式

「男って大変だな………」
知り合い「最初の感想がそれ?」

でもそんな感じでした。
たまたま見に行く前に、テレビで特集が組まれていたから見たんですが、やたらと強調されていた女性ユーザーからの共感なんてものは、これっぽっちもないような気がします。
これ、ファッションすげーとか、こういう男すげー(もしくは、いねえ)とか、そういう憧れとか夢とか妄想とかを楽しむものであって、共感できるものって何一つないような。
大体、ニューヨークで地位も名誉も金(超重要)もぶっちぎってるキャリアウーマン四人組と自分に、一体何処をどう探せば共通点なんてあるというのか。
「そんな人たちでも恋に仕事に悩む」とかいうのがコンセプトらしいんですが、そんなの誰だって当たり前であって、それにしたって悩んでいる色恋沙汰もほぼ絵空事に近いというか、あまりに遠い次元で話しているので、共感という感情からは程遠いです。
特に主人公のキャリーの悩みが、一番遠くて入り込めない。入り込めないどころか、今回この人物凄くいい性格しすぎてて、空気読めないにもほどがあるだろう、とぐったりしたくらいでした。


逆に共感云々から離れると、凄く面白い映画でした。1もそうでしたが、何かしながら流しっぱなしにしていても、振り向いたときの画面すべてに華があるというか、何処を見ても、奇抜なファッションや、言動が楽しめる、部分部分を切り取って楽しめる映画なのではないかと。

OPの始まりも、ワーナーのロゴが、スワロフスキーのクリスタルのように演出され、ニューヨークの町並みが、キラキラと輝く一つのガラスの都のように描かれ、それだけでもゴージャス感が味わえます。
登場人物の描かれ方が、基本的にゴージャスあふれたもの(逆にそれがないとこの映画に見所がなくなる)なので、終始そのテンションを見て、ため息をつく映画と申しましょうか。

一泊二万二千ドルのホテル。一人に一台用意された高級車、従者、何個もある部屋。旅行に行くのは四人なのに、その後を人数よりも多いスーツケースたちが大名行列のように付き従う。旅行先でも毎日違う服に着替え、ドレスだけでも何着もあり、その中にはどうやって運んだんだと思わざるを得ない服すらある。
出会う男たちは全員タフで、常にレディーファーストが身についているか、同性愛者の方ばかり。


しかし、あっちの男は男で大変ですね。
どんだけ女(キャリー)に暴言吐かれても、結局男が折れなきゃいけないというか。いえ、勿論それだけその女に惚れているからなんでしょうけど。
私だったら、仕事から疲れて帰ってきて、ソファーでテレビ見ながらくつろいでいる時に、「いつもキラキラしていたいの」とか言われたら別れますけどね。勿論言ってる女は、自分が同じ立場でも、「えいや」とばかりに外に出ることが気晴らしになれるからいいんでしょうけど。

結婚二周年で気に入らないプレゼント(この発想も凄いが)をもらったとき、「ありがとう」もないまま、「気に入らない。宝石が欲しかったのに」と女が言ってきても、「イマイチだった?」と次のフォローに走らなきゃいけない男って、なんかこう、あっちの世界は世界で大変だなあ、というか。
女もせめて、お礼くらい言ってから自己主張してもいいのでは…。何でも言えるっていうのと、なんでも言っていいっていうのが明らかに違うだろう。
旦那以外とキスしたっていう告白も、そりゃ、お前は言ってすっきりしてそれでいいかもしれないけどさあというか、何かを言う前に相手を慮るっていう感情はこの人にはないんだな、というか。
まあその代わり、ありがちな「わかってくれないならいい」と突っぱねたり、黙るような展開はそこにはないんですが。
嫌われるリスク背負っても、とにかく「私はこれが気に入らなくて、これをしてもらいたかった」とお互いに主張しあうっていうのが、文化なんでしょうけどね。
それにしたって、男がいい人すぎるだろう…。キャリーは女四人でいるときは、そんなに自己主張するほうでもないんですが、男となると中々激しいですね。それが個性なのか。
それでも、男は女(パートナーがいなければならない)っていうのもお国柄なんでしょうか。
今となっては、女は別にパートナーいなくたっていい、っていう主張も多いでしょうが、どうしても男は何が何でもパートナーがいて欲しい(だから我慢もする)っていう図式がこの映画だとはっきりしていて、そこまで「誰か」といなくても…と、遠い目になりました。


他の登場人物は、それなりに幸せで、サマンサもミランダもカッコよかったです。
シャーロットは子育てで色々悩むこともありますが、やっぱり気分転換のレベルも金をかける桁が違う(気分転換、そのためだけにスーパーファーストクラスに乗ってアブダビへGO!)ので、「ベビーシッターを雇わない人もいるのに、そんな人たちはどうしてるの?」「自分だけで頑張ってるんだよ」とクールな目で眺めてしまいました。
結局、自分の水準(MAX高値)の中で子育ても完璧に維持しようとすると、色々しんどいものもあるんでしょうねえ。別にしんどくて泣いたって、離れてみたって、時にはかんしゃく起こしたって、全く構わないわけですし。


知り合い「大体、どれだけ一流であっても、コラムニストがあんなに稼げるわけないよ」
私「でも、『プラダを着た悪魔」でも、編集長さん凄くいい暮らししてたよ」
知り合い「あれは会社員だから。他の人たちは、稼げる要素があるけど、あの主人公の人が一番非現実的だった。(知り合いはこのシリーズを一つも見たことがない)大体、それだけ有名で本も何度も出したことがある人が、一つの書評であんなにうろたえるわけがない」

編集を生業にしている知り合いは、そこが一番気になったようでした。
でもほら、それを含めても幻想の世界なわけで。

話の筋や、感情の起伏そのものは共感とは遠い感覚でしたが、衣装や音楽、画面の演出は見ていてどれも非常に楽しかったです。
序盤、ライザ・ミネリが歌って踊った姿は、世界一カッコイイおばさんでした。眼福。
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