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日々のつれづれ。ネタバレに過剰な配慮はしておりません。
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「NHKスペシャル|FIFA ワールドカップ 第3回 アフリカを背負う男 サミュエル・エトー アフリカを背負う男」

NHKでワールドカップの特集がやっていて、今回はカメルーンのエトー選手だったのですが、ひたすら泣けました。
ハングリー精神がすべてじゃないですし、貧しい国(これも失礼な表現だとは思いますが、現実として)の選手すべてが強くなるのなら、日本なんて予選を突破することすらできないでしょうが、それでも、「ある」ところから始まるものと、「ない」ところから始まるものでは、もうすべてが違ってくるような気がしました。
いくらこっちが金がないったって、隣の家にはあるわけですよ。
でも、周囲見渡しても何処にも金がない。金どころか食べ物すらない。その中で生きるためにサッカーでのし上がる、それが生きる手段と呼ぶにも生々しい、餓死しないための手段である人々とは、こう考え方や生き様の次元が違うように思えました。どちらに優があるというのではなく。

「貴方にとってサッカーとは」という質問に対して、「義務」と答えるエトーの抱えるものの大きさと重さに愕然。
「生きるための手段」でもなく「生きがい」でもなければ「夢」でもない。
他人から与えられたものではなく、自らに自ら課した「義務」という言葉に、呆然。
裏では色々やってるとか、そんなこととは別に、サッカーというものにかける気持ちがもう、第三者が口を挟む余地もないっていう壮絶さに画面を見入ってしまいました。

同じように世界を目指すカメルーンの少年に、エトーは「点を取る。それこそが大事なことだ」と伝えているのですが、とにかくストライカーとして、なすべきことを「他の誰よりも」達成しなければいけない。それ以外はない。それ以外必要ではない、っていうのがもう、あまりに現実すぎて。

しかし、一番見ていて驚いたのは、海外はあれだけ選手の移籍があるのに、それでも人種差別があるってことですね。
世界有数のチームであればあるほど、様々な国から選手が集まるだろうに、そんな中でも差別があるってどういうことなの? なんなのそれ? そういうことするサポーターって、もうそれはサポートしてないじゃん!
父が「日本はまだマシなほうなんだよ」と悲しそうに言ってましたが、でも日本でもちょっと前に確かありましたよね。でもまだ何の処分もされてないという…。
その人個人を指して、性格に対して「あいつ嫌い」ってんなら、私も山ほどあります(苦笑)が、そうではない人に対する暴言って、もうそんな奴らを庇護する必要性何処にあるの?

以前、ジャイアントキリングの感想でも書いたんですが、サポーターってサッカーが好きな人が行っているわけじゃないんでしょうね。ただ自分の憂さを晴らしたいだけなんですよ。そんな人に有能な選手が傷つけられるのは我慢なりません。もう一流であればあるほど、個人の人格が話題の種になるのは有名税として割り切るしかないのかもしれませんが、そこに「人種差別」という四文字がついてくるのは、どうしても納得いきません。

差別に抗議して、試合放棄しようというエトーに、味方は勿論ですが、相手チームの白人の選手も歩み寄って、必死で説得しようとしたりする姿こそが本来の姿だと思うのに、どうしてもう…。
私が実際の選手だったら、そんな暴言吐くようなサポーターがいるチームなんかにいたくないですよ。恥ずかしくて相手チームや、その国の方たちに申し訳なさすぎて、テンション下がるどころの騒ぎじゃないですよ。


人種差別以外にも、国には様々な事情があります。
父は、ワールドカップが始まってから、半寝ながら全部見ているらしいのですが、
「今日はセルビアとガーナの試合なんだ。セルビアは、ストイコビッチが生まれた国なんだよ。色々なことがあって、やっとワールドカップに出ることができた国なんだ」
と、とても嬉しそうでした。
そんな父を見ていて、「本当にサッカーが好きなんだなあ」とちょっと嬉しくなり(でもストイコビッチさんは名前しかわからない。苦笑)、「色々なこと」がなかっただけでも、この国の選手はまだ恵まれていると思ったのでした。紛争が絡んでくるともうそれは個人の思惑を超えて、個人を最も不幸にする…。

しかし、父はやっぱり詳しいなあと実感。
「試合は始まったけど、初戦はみんな負けたくないから、結果として引き分けの試合ばかりになっちゃって、それはそれでどうかと思う。初戦と決勝へ行けるかどうかの試合と比べて、あまりに二つの試合でモチベーションが違うのもつまらない」
「イタリアでやったワールドカップは、好きじゃない。反則ばかりで、あれは見るに耐えなかった。サッカーではなく反則して主要選手を退場させればいいというのは、もうそんな試合には価値がない。その次もイマイチで、やっと最近まともになってきたんだから、いい試合を見たい」
とか、父にしては珍しく面白い話をしてくれます。普段の父は口を開けば「黙れ」というようなド級につまんない(はずしているにもほどがある)話しかしないので、余計に「へ~」と思うのでしょうが(笑)。

私「でも日本の初戦って、カメルーンなんでしょう? 勝てるの? エトーさんとか強そうだったけどなあ」
父「どうかなあ。オランダとベルギーよりは勝率あると思うけど」
私「オランダとベルギーって強いの?」
父「強いよ」
私「勝てる?」
父「無理。日本はカメルーンに負けた時点で終わりだから」

さらっと血も涙もないことも言う父は、今現在半分寝た状態でテレビを見ています。

しかし、有名選手の特集を見るたびに、
「この選手は三年前から私が目をかけていた」と、得意げに言うのはやめてください。
貴方が目をかけていたからって、それが何になるのか父よ(笑)


見ていて私はただ感じ入るだけだったのですが、母はエトーさんの名前の発音について思うところがあったようで。
元々大学時代にフランス語を専攻していた(だからって話せるわけではないらしい。本人談・「とっくに忘れた」)ので、地元の方がエトーを呼ぶのと、それ以外の方が呼ぶのとの、発音の違いが気になったらしいのです。
母「エトゥって向こうのアナウンサーは言うけど、母国だとエトーなんだよね」
私「その国で発音しやすい、しにくいっていうのはあるだろうけど」
母「でもやっぱり、エトーさんなんだろうなあ」
その後、ウィキを見てみた限りだと「エトオー」表記で、テレビ欄などでは「エトー」表記でした。
やはり、「エトゥ」ではないようですね。
個人的にはこういう個人の名前は、当人が呼ばれたいように呼ぶのが一番だと思いますが、そうでなくとも、母国で呼ばれている呼び方を使用すべきだと思います。発音表現が、それぞれの言語によって違うのはわかりますが、やはり母国語の発音がどの世界で暮らしていても一番嬉しいでしょうし。
漢字を使う名前も、日本だと日本の漢字の読み方になってしまいますが、個人的にはちゃんと、向こうの国の発音で呼んでもらいたいなあといつも思います。だってそれが名前じゃないですか。
例えば(これは地名ですけど、他に例文を思いつかないので名前として使用)「青島」だって、日本では「あおしま」さんであっても、向こうの国では「チンタオ」さんであって、向こうの方のお名前を呼ぶときに、「あおしま」と呼んだって、それは相手にとっては「いや、そういう呼び名じゃないです」って話になりますので。

サッカーという純粋なスポーツには正直興味はありませんが、世界という普段見ることが出来ない国々の文化や、名前にもそれぞれ色が鮮やかにあって、それらに触れることができるのは、とても恵まれていると思います。
にわかでもいいじゃないかと。何がきっかけでその国に興味がわくかわからないし、別にそれが「喫茶 カメルーン」を偶然見つけて、「カメルーン………聞いたことがあるけど」だって、全く構わないのではないかと。 エトー選手の横顔をアフリカ大陸になぞられたポスターとか、超カッコよかったなあ。サッカーはよくわからないですけど、こういう楽しみ方だってあるわけですしね。各国のユニフォームもセンスが現れていてカッコイイとか。純粋にあの選手イケメンとか、もうなんだっていいと思うんですよ。

しかし、NHKもせっかくこれだけ、スポンサーがいない故にできる番組が作れるのですから、もう少し頑張ってもらいたいところですね。こういうドキュメンタリー的なものは、一日の長が確実にあるのに、それを披露できないのは勿体無いですよ。民法はやたらにドラマティックに、感動的に演出過多にするので、見ていてうんざりすることこの上ないので、スポーツ番組に関しては、硬派な放送をするNHKが一番好きです。
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